B2B スタートアップが Go-to-Market するための 11 のキーメトリクス (a16z)

0/ アーリーステージのB2B(企業間取引)企業の取締役会議で提示されるGTM(go-to-market)の指標には、めまいがするほど一貫性がありません。以下に外せない要素をリストアップし、それぞれの理由を説明します。

1/ CARR (Contracted Annual Recurring Revenue) - 契約ベースの年間経常収益の総計は、経営の健全性を表す唯一にして最良の指標です。新規ブランドの成長、拡大、解約率が1つの数字にまとまっています。数字1つで説明するなら、この指標を利用しましょう。

2/ Live ARR - CARRよりLARRを好む取締役もいます。取引の実行に時間がかかる可能性があるからです。取引が完了しない場合もあります。どちらの指標も優れているのですが、アーリーステージの企業の場合は、マーケットを示唆するCARRのほうが良いと思います。

3/ ネット(正味)新規ARR - 新ブランドからの収益、および解約とダウンセルのネット拡大率が含まれています。市場誘導を示す有数の指標です。

4/ ネット収益継続率 - 近年では、B2B企業の経済を突き動かすのはACV(年間発注額)の前払いよりも、拡大です。その動きを示すにはこの指標が最適です。解約とダウンセルのネット拡大率を指すことを覚えておきましょう。

5/ グロス収益継続率 - グロス継続率は解約率、ダウンセルを反映しています。また、プロダクトの代替不能性の指標になる場合も多いです。

6/ ネット新規ロゴ(企業) - 私の友人@devdutt曰く、「新規ロゴは酸素」です。将来的に拡張していかなければならない基盤です。

7/ 新規ロゴACV - 新規ブランドの年間発注額と経過時間ごとの成長率を追跡すると、GTM戦略の管理に役立ちます。高所得層を動かそうとしているときは特に重要です。

8/ CAC回収率 - 数四半期分の販売データがある場合、CAC(顧客獲得単価)回収率を測ると、販売効率が読み取れます。基本的な計算方法は、(販売額 + マーケティング)/(新規ネットARR x % 売上総利益)です。平均的なスタートアップは、12~18か月分のCAC回収率を測ります。対大企業の販売では18~24か月、対中小企業の販売では6~12か月が普通です。

9/ ノルマ達成率 - 営業担当者の何パーセントがノルマを達成しているでしょうか。この数字は一般的に70%~100%です(100%を超える場合、ノルマを上げる必要があります)。売上がスケールするかどうかを判断するための重要な数字です。この数字を有効に用いるには、ノルマを最低でもOTE(On-target earnings: 売上目標を100%達成した場合の報酬額)の3倍、できればそれ以上に設定するのが望ましいでしょう。

10/ ネットバーンレート - 初期の営業は企業全体で取り組まざるを得ないものなので、GTM単位で経済状態を取り出そうとするよりも、全体の燃焼率を見ることが私は多いです。累積的なバーンレートを見て、それが生み出した金額と比較できるのが一番理想的です。

11/ ネット新規ウェイテッド(重みづけされた)パイプライン - 前期にパイプラインがつくられ、削除されるパイプライン(販売または損失)が減っているかどうかは、市場誘導の状況が分かる指標です。販売のスケールを判断する方法としても優れています。概して最初の頃の数字はあてになりませんが、報告を習慣化するのは良い訓練です。

12/ 上述の中には、数年間販売を続けて初めて意味を持つ指標もあります。しかし、最初から数字を出すようにしておくと、共通のフレームワークが生まれ、取締役会の議論に集中しやすくなります。その価値は非常に大きいです。

この連続ツイートに力を貸してくれた@peter_lauten@aleximm@kshenster@sarahdingwangに感謝します。

 

著者紹介 (本記事投稿時の情報)

Martin Casado

Martin Casado は Andreessen Horowitz のジェネラルパートナーです。彼は以前、2012年に VMWare に買収された Nicira の共同創業者で CTO でした。VMWare で、Martin はNetworking and Secruity Business のVPならびにGMでした。

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この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文: 11 Key GTM Metrics for B2B Startups (2020)

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