データに基づくプロダクト開発 (Sequoia Capital)

この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。原文:  Data-Informed Product Building (Sequoia Capital Data Science Team)

世の中が変わり、エコシステムが発達していくにつれ、企業の成長は以前よりも速くなり、製品開発も容易になっています。ある製品のアクティブユーザーが月間1億人に到達するまでにかかる時間は劇的に短くなりました (Figure 1 参照)。そして現在も短縮し続けています。

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ソフトウェア開発の参入障壁はコードを学ぶ人々が増えるにつれて指数関数的に減少しています。クラウドサービスが面倒な開発やインフラのメンテナンスを不要にしています。ムーアの法則が予言したとおり、計算コストも減少傾向です。消費者の購買力も成長し続けています。Google、Facebook、Amazonといったプラットフォームによって広告はターゲット層に到達しやすくなり、アプリストアのおかげで販売するのも朝飯前です。

その結果、製品はより多くのデータを生み出しており、そのデータの戦略的な収集・解析はかつてないないほど重要になっています。解析とデータサイエンスは今やおまけどころか、必須事項です。その2つは「数のカウント」やダッシュボードの構築にとってだけでなく、目標・ロードマップ・戦略の設定における指針としても非常に貴重です。企業の成功は自社が抱えるデータサイエンスチームの力にますます左右されています。

ですが、データサイエンスが欠かせない機能をもっているにもかかわらず、価値ある製品解析の実施法を説明した文献は多くありません。私たちは、データを活用した製品の開発と世界レベルのデータサイエンスチームの構築、その2つの実施方法に関する(特に消費者市場に注意を向けた)シリーズ記事により、知識格差を埋めるお手伝いをしようと考えています。

「製品が初期段階から成熟段階まで発展していく様子」「拡大、エンゲージメント、収益化という製品メトリクス上のエコシステムがもつ全体論的な意味」「企業目標を設定するためのフレームワーク」「目標に対する製品の業績を解析するために使えるツールキット」について皆さんにご理解いただくことが私たちの目標です。

私たちは、データを活用した製品を開発するのに必要な解析ツール、アプローチ、手法に関する助言も提供していきます。今後の投稿では、予備解析、予知技術、機械学習手法も取り扱う予定です。これら全てが製品のロードマップと戦略を作成するのに欠かせません。

さらに、世界レベルのデータサイエンス組織の構築に関して「データサイエンティストの役割とは?」「いつ彼らを雇うべき?」「彼らが持っているべきスキルとは?」といった全体像を提供します。

しばらくの間、月に数本のペースで記事を投稿していく予定です。このイントロダクションは随時更新します。以下の目次も新たな記事が公開されるのにしたがって更新されます。

将来のシリーズでは、同様のテーマをマーケットプレイスやエンタープライズ向け企業の観点から検討していきます。

これらの記事が皆様のお役に立てれば幸いです。ご意見がございましたら、ぜひ下記までお知らせください。data-science@sequoiacap.com

 

一連の記事の目次

  1. プロダクトの進化:初期から成熟するまでにかけて、成功するプロダクトの特徴を理解します。
  2. プロダクトの健全度を測る:プロダクトの健全度を測り、分析するためのメトリクスについて。
  3. プロダクトの成功を定義するためのメトリクスとゴール:正しいゴールとメトリクスを設定するのは、プロダクトの成功にとっての義務です。
  4. リテンション:ユーザーの継続性を向上し、成長をドライブするためのテクニック
  5. 持続可能なプロダクトの成長:長期的な成功を限定してしまうような、成長の落とし穴について学びます
  6. プロダクトの成功のフレームワーク:プロダクトにフォーカスした例を通して、フレームワークの重要性を理解します。

本記事のシリーズ一覧

 

著者紹介

Sequoia Capital (Medium)

アイデアから IPO、そしてそれを超えて、Sequoia は大胆な創業者たちが、伝説的な起業を作ることを助けます。

記事情報

この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文:  Data-Informed Product Building

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