NPO がスタートアップのように考えるための 5 つの方法 (Y Combinator)

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Y Combinatorが自身初の非営利医療資金調達プラットフォームであるWatsiを支援してから、3年が経ちます。

支援開始以来、合計で16の非営利 (NPO) スタートアップがYCを卒業してきました。最近のWinter 2016 batchにて、更なるスタートアップが卒業しました。

先月San Franciscoにて、多くの非営利のYC卒業者が集い、501(c)(3)組織を立ち上げた経験を、スタートアップ当初の考え方をもって話し合いました。私たちは、その夕方の話し合いから5つのアドバイスをここで共有したいと思います。


成長のための明確な目標を設定しましょう

新たな非営利組織は、501(c)(3)の立場にあるものの、成長を考える際に営利組織とあまりかけ離れた考えをすべきではありません。

多くの非営利組織は、成長と数値指標を高望みしないようにしがちです。これは、自分たちの任務が長期的なものであるという性質をもつためです。彼らはこう考えています。「私たちは病気の治療を目指したり、あるいはシステム的な社会的不平等に注意を向けています。これを1ヶ月あるいは3か月ごとの成長目標に基づいて測ることは不可能です」。またはこう考えます。「私たちは壮大なミッションに取り組んでいるのです。数値目標を測定しても、自分たちが苦境に陥ってしまうだけです」。

このような種類の発言は現実から目を背けています。たとえどんなものに取り組んでいようと、自身の長期的な展望を細かく分解し、漸進的な目標を定めることが重要なのです。

たとえ大きな問題を解決している最中である場合でも、自分のチームのやる気を引き出し順調に物事を進めるために、その問題をリアルタイムで測定する方法を見つけなければなりません。

ミッションの歪曲に注意してください

資金援助者を惹きつけることは、非営利組織を設立する上で非常に重要な要素です。しかし資金援助者は非常に狭い範囲の興味を持つ傾向があります。もしあなたが不注意である場合、多くの異なる物事を異なる人々に与えると約束し、自分のリソースをばらまいていくも、それらが全く不十分であるという結果に容易になってしまうこともあります。

こうなることを避けるために、一体何が自分の組織を大きく前進させるのかということに対する自分独自の計画を、資金を提供してくれるかもしれない人たちに話しかける前に考えてください。それから、自分のチーム全体の前でこの計画に全力を注いでください。これによってあなたは責任を負います。そして自分にとって優先事項ではない、特定のものに興味をもつ資金援助者がいても、心が揺らぎにくくなるでしょう。

資金提供者になる可能性のある人と実際に話し始める時、自分が独立して自信を持っている計画と、それに相反する資金提供者の優先事項とをこまめに比較してください。テーブルの向かいに誰が座っていようと、自分の調子を変えたり見通しを構築し直すのはやめましょう。(こんなことをする人は普通いませんが、理想的で心の広い創業者の場合、恐ろしいほど簡単に起こりうるのです。)

自分たちのバリューが綺麗なものでも、容易なものでもないとしても、それにこだわってください

アーリーステージのスタートアップ非営利組織は、自分の組織と、過去に設立された古い非営利組織を区別するバリューをもっていることを自慢するのを好みます。しかし、例えば「透明性」のような自分たちが支持しているバリューが、口に出すのは簡単だが実際に行うのは難しい、ということにすぐに気づく場合がしばしばあるのです。

こんな例があります。自分の理想的な計画が、洗練された個別のポータルサイトを経由し、データを自動的に資金援助者と共有することであるかもしれません。しかしその計画の初頭、あらゆることをできる限り別々ににやっている時、それが全く実現不可能であるかもしれないのです。せいぜいできることといえば、シンプルなスプレッドシートにデータを手作業でコピーアンドペーストして、自身のウェブサイトにて公表することくらいかもしれません。

壮大なミッションがあるからといって、透明性のような最初期に定められたバリューに従って行動するのを遅らせないようにしましょう。自分と他の非営利組織を隔てるバリューを固守することは重要です。たとえそのバリューが、最初は優れていないように見えたり、自分の望みとは違い素早く機能しなくても、です。

自らに資金調達の締め切りを課しましょう

全世界の非営利組織の資金調達レースは、年間を通して稼働しています。非営利組織の創業者がこの単調な仕事に捕らわれるのは容易で、絶えずイベントに行って新たな資金援助者になるかもしれない人達と出会います。多くの非営利組織が抱えている最も陰険な問題のうちの1つは、自分の時間を資金調達に全て費やし、実際に会社で働く時間がない、というものです。

これを防ぐために、いつ資金調達をやめるのか、という締め切りを設定すべきです。終わりと始まりが別々に存在する「慈善のシードラウンド」として考えてください。丁度、営利目的のスタートアップが自身の資金調達ラウンドを構造化するように、です。このように、時間と精神的エネルギーを自分に集中させ、また資金援助者に対して切迫感を与えるのです。

自分が誰のために働いているのかを忘れないでください

資金援助者と関係を構築し自身のスタッフを養成することは極めて重要ではありますが、非営利組織の努力を享受する側であるユーザーを、1番に優先して考えるのを忘れないでいることは更に重要です。

物理的な時間をユーザーと過ごすことは、ユーザーを1番に優先することの重要な一部です。これは常に快適であるというわけではないかもしれません。例えば、物理的な時間をユーザーと過ごすというのが、しばらくの間他の国で済む必要があるということを意味するのなら、他の国に住まなければならないのです。

ユーザーと会話することは、自分が正しいことをしていて、実際に影響を与えているということを確かにする唯一の方法です。

 

これらの助言を収集し明確にする際助力してくれたJessica Livingston氏、Watsiの共同創業者であるGrace Garey氏に心から感謝いたします。

 

記事情報

この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文:  Five Ways Non-Profits Can Think Like Startups (2016)

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