ネットワーク効果について (Anu Hariharan)



0:10 – Anuのバックグラウンド

0:50 – ネットワーク効果とは?

1:35 – ネットワーク効果と成長の違いとは?バイラリティとは?

3:45 – バイラリティの良い事例は?

4:55 – Airbnbの口コミ成長

5:48 – 製品決定が成長に与える影響

6:29 – Facebookが長期的成長のために重視するにエンゲージメント

8:40 – 今日の消費者製品を成長させる効果的な戦術とは?

11:38 – ネットワーク効果の2つのテスト方法:競合他社に対する参入障壁とユーザーに対する退出障壁

13:06 – ネットワーク効果を持つビジネスは「勝者総取り」か?

13:45 – UberとLyftには何が起こるか?

16:40 – 自動運転車は独占企業を生むか?

18:29 – 弱いネットワーク効果を持つ他の市場は?

19:05 – 海外製メッセージングアプリは米国内で勢いを増すか?

20:44 – 製品への小さな改善でネットワーク効果を生み出すことはできるか?

23:00 – 最終的に残るのは1つのメッセージングアプリだけか?

23:50 – ネットワーク効果を持つ製品を作る創業者は自分自身に何を問うべきか?

24:20 – あなたはネットワークか、マーケットプレイスか、それともプラットフォームか?

25:25 – ネットワークを構築している場合の、自分自身に対する質問

27:43 – マーケットプレイスを構築している場合の、自分自身に対する質問

28:35 – 「ニワトリと卵」問題の克服に関するヒント

31:22 – プラットフォームを構築している場合の、自分自身に対する質問

32:40 – お金を儲ける側とお金を寄付する側を見つける

33:37 – ネットワーク効果をもっと詳しく学びたい場合、どうしたらよいか?


書き起こし

Craig Cannon [00:00] 
こんにちは、Craig Cannonです。お聞きの番組はY Combinatorのポッドキャストです。今日のゲストはAnu Hariharan(@anuhariharan)です。Anuは、会社の拡張に取り組む創業者たちの支援を専門とする投資ファンド、YC Continuityのパートナーです。AnuはYCの前にAndreessen Horowitzにいました。そこで取り組んでいたことの1つが、ネットワーク効果に関する非常に広範な研究でした。今回は、そのネットワーク効果について話をするつもりです。では番組を進めましょう。みなさん、今日はAnu Hariharan氏を迎え、ネットワーク効果について話をします。Anu、あなたはYCのパートナーですね。あなたのバックグラウンドについて少しお話していただけますか?

Anu Hariharan [00:31] 
もちろん、喜んで。私は訓練を受けた電気工学です。以前はサンディエゴのQualcommで働いていました。まだiPhoneが登場する前の話です。その頃、私たちはスタックに統合されたあらゆる方法で、モバイル動画配信を設計しようとしていました。サンディエゴのQualcommで長年過ごした後、MBAに通い、少しだけBCG(Boston Consulting Group)で働きました。その後、YCに入社する前にAndressen Horowitzで、消費者向け技術投資に重点的に取り組みました。そのため、多くの優れたYC企業と仕事をする機会にも恵まれました。InstacartやAirbnbなどです。

Craig Cannon [01:03] 
素晴らしい。あなたはAndreessen Horowitzでネットワーク効果に関する資料も公表しており、この分野の専門家です。ではまず初めに、ネットワーク効果とは何か定義していただけますか?

Anu Hariharan [01:16] 
もちろん。ネットワーク効果を簡単に定義すれば、基本的には、製品やサービスを使うユーザーが増えるに従って、それを使っている人たちに対する価値がさらに上がることを言います。分かりやすい例がFacebookです。Facebookに参加する友だちが増えるほど、ネットワークはより強力になります。なぜなら、ユーザーはより簡単にたくさんの友だちとつながったり、メッセージを交換したりできるからです。ニュースフィードを見れば、シェアされた多くのコンテンツも目にすることができます。だから参加するユーザーが増えるほど、Facebookは既存のユーザー層にとってもさらに強力なものとなるのです。

Craig Cannon [01:52] 
素晴らしい。次に、この分野ではよく使われる用語が2つあります。バイラリティと成長です。この2つについてもそれぞれ定義していただけますか?

Anu Hariharan [02:00] 
はい。一歩引いた観点でお話すると、成長はネットワーク効果と混同されます。この2つは非常に混同されやすいものです。なぜなら、固有の価値を提供する、本当に価値の高い製品を持っているとしたら、あなたのスタートアップは間違いなく急速に成長しているからです。そうすると、ありがちな誤解が起こります。成長とネットワークを同じに考えることです。また、成長にはさまざまな形態があり、そこにバイラリティも関わってきます。実際のところ、バイラリティは成長の価値に関わるものではなく、速度に関わるものだと考えます。

では、その違いは何でしょうか?それは口コミでしょう。例えばUberの創業間もない頃、あるイベントにポイントツーポイント(地点間)で乗車してやって来た人たちは、他のユーザーに対してそのサービスを褒めちぎったことでしょう。タクシーを使うよりも10倍便利だったからです。そして時間と共に価格が下がり、それが口コミ成長を促進する助けとなりました。バイラリティはたいていの場合、無料で手に入る成長です。つまりお金のかからない成長をもたらします。あなたの製品が利用可能な競合製品よりもずっと優れているため、マーケティングしなくても成長を推進できるのです。

一方、ネットワーク効果は価値に関わります。ネットワークは価値という点で何を提供するのでしょうか?例えば初期の頃のFacebookにネットワーク効果があったかどうか、どうすれば分かるでしょうか?それは間違いなく利用量に関係しています。リテンション(継続利用)と言い換えてもいいでしょう。その点で成長とは異なります。初期の頃のFacebookは本当に急速な成長を見せていました。しかし私から言わせると、今日のアプリと比較すればまあまあの速さです。Facebookは初め、ウェブサービスだったからです。リテンションが意義を向上させました。

初期の頃の彼らのマンスリーアクティブユーザー数に対するデイリーアクティブユーザー数に注目すれば、彼らはさらに多くのユーザーを加えながら、その率を改善し続けました。だからリテンションは、ネットワーク効果を示すサインだと言えます。なぜなら、サービスの価値が上がったために既存ユーザーは進んでより頻繁にログインするようになり、よりアクティブになったからです。

Craig Cannon [04:03] 
なるほど。分かりました。では、バイラリティの良い例としては何がありますか?例えば、バイラルだったと誰もが知っているアプリなどです。

Anu Hariharan [04:11] 
世の中の多くのアプリがバイラルだと考えます。あえて言えば、初期の頃のFacebookはバイラル成長でした。AirbnbはFacebookほどのバイラリティを持っていませんでした。口コミを持っていたという意味ではバイラリティがありましたが、製品自体は、その利用の自然な成り行きとしては広まりませんでした。

それはどういうことなのか説明させてください。Facebookに注目した場合、このアプリが非常に急速に成長した理由は、ユーザーにとって便利なものではなかったからです。つまり、リリースされた当初、このアプリはオンライン学生名簿を見るためのものでした。彼らはハーバードの学生名簿を利用してFacebookを立ち上げました。

しかし、クラス全員、つまり授業を取っている学生が集団としてFacebookに登録されていない限り、便利なものではありませんでした。そのため、ユーザーたちは同じクラスの他の友だちを招待し始めました。製品自体が、他のユーザーにとって便利なものとして設計されていました。

同じことがSkypeでも言えます。Skypeで電話したい場合は、反対側に誰か相手が必要でした。そのためこの製品の普及は、その利用の自然な成り行きとしての結果です。

一方で、Airbnbはバイラル成長だったと思いますが、それは口コミ成長です。なぜなら、初期のAirbnbに注目した場合、それは自宅の部屋を他のゲストに貸し出すサービスだったからです。Airbnbが話題になったのは、ホテルよりも空いていたからです。特にホテルが満室となるイベント時に、ホテルよりも30%~80%安く泊まれました。そのため使った人が友だちにも話し、友だちもこのサービスを知るようになったのです。

しかし実際にAirbnbを使うには、反対側にこのアプリを使う他の友だちは必要ありませんでした。それが違いだと考えます。また、成長の形もさまざまです。だから、自分の製品が利用の自然な結果を持っているかどうか理解することが必要です。口コミや推薦など、バイラル成長に起因すると考えられる無料の何かに比べ、利用の自然な結果を持つ場合は確実に成長が速い傾向があるからです。

Craig Cannon [06:08] 
そのポイントで創業者に対してどんなアドバイスをしますか?あなたに相談を持ちかける人がいるのではないでしょうか。自分の製品にネットワーク効果を組み込みたいとか、何をすべきかといった相談です。そういう人たちに、あなたは何を話すのですか?

Anu Hariharan [06:19] 
もしあなたが創業者たちと話す場合、そのほとんどの創業者はすでに本当に素晴らしい製品を作り上げていると思います。ネットワーク効果やバイラル成長という文脈で話をする人は誰もいないでしょう。

しかし、自分たちの製品は何をすべきか、ということに関して彼らが下した決断は、彼らがどのようにネットワークを重視していたのか知る手がかりになります。このことは創業者たちから繰り返し聞かれる質問です。

いつものこととしてFacebookの例に戻ります。また、WhatsAppのことも例として少し触れるつもりです。Facebookが最初にリリースされたのはハーバードの学内で、非常に人気のあるサービスでした。すぐさま多数の大学にサービスを展開するのは簡単なことでしたが、彼らはそれをしませんでした。

実際、彼らはクラスターアプローチを採用しました。その理由は、確実に物事を進めたかったからです。もし当時の彼らに理由を尋ねたら、確実にハーバードの学生の最低80%がFacebookを使っているようにしたいと言うでしょう。当時毎日使っている学生は、おそらく60%~70%でした。

では、なぜそれが重要なのでしょうか?初期段階でエンゲージメントを重視しなかった場合、急速に成長し過ぎる結果となり、それまでのユーザー基盤を失う可能性があるからだと考えます。製品や、ネットワーク全体に有益な改善を、本当に重視していないことになります。そして結局は、一時的な成長に役立つ機能を重視するだけに終わってしまいかねません。

Facebookが本当に上手くやったことの1つは、単にユーザー数の拡大ではなく、ネットワークの成長に対して常に注意を払っていたことだと考えます。事実、目論見書の数字に基づいて初期の頃の彼らの月次成長率に注目した場合、ユーザー基盤の成長率は16%でした。

今日のモバイルの世界では、月次16%の成長率は大したことないと言われるかもしれません。しかし、成長しながら既存ユーザーに対して固有価値を推進しているか注意を払うことは重要だと考えます。それはエンゲージメントの問題です。

成長速度が遅い事例としてAirbnbのことを言えば、人々はそれほど頻繁に旅行しません。たぶん、年に1~2回でしょう。その場合、あなたはエンゲージメントをどのように評価しますか?評価方法は、コホートごとの予約数と再予約数です。Airbnbは、顧客がサービスを本当に気に入っているか評価するための基準として、それを行いました。もし気に入っているなら、また戻って来てより頻繁に利用するようになり、使用事例も増えます。

だから初期段階、特に製品を作り上げている時期には、成長しながらエンゲージメントの強さや、既存ユーザーにもっとサービスを使う気がどの程度あるかということを重視するのが、非常に重要だと思います。

Craig Cannon [09:02] 
人々が現在していることをどのように見ていますか?効果を上げていますか?

Anu Hariharan [09:06] 
近頃、特に最近数年の消費者向けアプリにおいては、流通手段を見つけるのがより難しくなったと思います。

消費者向けアプリには考えるべき課題が2つあると考えます。1つは、参入ポイントは何か、どうやってそれをリリースするか、ということです。2つ目は、それをどのように流通させるかです。

FacebookやTwitter、Snapchatのような強力なネットワークが存在する中で、単なる1つの機能として何かをリリースするのはますます難しくなっています。それらの他のプラットフォームがネットワークを持っているからです。そのため、流通戦略を考え出す必要があります。

最近急成長したアプリの1つが、musical.lyです。実際のところ、musical.lyは教育アプリだったのを方向転換し、最初はティーンズ向けに短いリップシンク動画を作るツールとしてリリースされました。このツールにより、ティーンズは非常に簡単に動画を作れるようになりました。そしてそれは楽しいことでした。素晴らしいツールだったため、話題になりました。そして突然、多くの学生や学校がこのツールを使い始めました。

しかしmusical.lyをリリースした後でさえも、最初の14ヶ月ほどは成長が幾分スローペースでした。創業者のAlexはその時のことについて、ほとんど現金がなくなりかけたと話していたと思います。その後、たくさんのmusical.lyがInstagramやTwitterでシェアされているのに気付き、ツールとして使われていることが分かったと言います。

コミュニティに対しその存在をはっきり示すために試みたことの1つが、ロゴをより目立つようにすることでした。そうすることで、InstagramやTwitterでシェアされた時に人々がmusical.lyについて知り、アプリをダウンロードしました。

たくさんの人がリップシンク動画を作成しましたが、明らかにトップユーザーたちが存在しました。多くのファンやフォロワーを持つトップユーザーは、リップシンク動画を作るのが本当に上手でした。フォロワーがトップユーザーたちと交流できるようにするため、アプリのプラットフォームのようなものとしてQ&Aが作られました。

それが功を奏し、オーディエンスの一部がアプリに戻ってきました。そして、アプリ自体にコミュニティやネットワークを作り出すのに役立つ機能に力を入れ始めました。それがネットワークになるかどうかは、まだはっきりとは言えません。しかし、それらはコミュニティを形成するためにやろうとしてきたことの一部であり、現在は直接musical.lyへ行くユーザーが増えたと思います。

Craig Cannon [11:26] 
もし私が起業したばかりだとした場合、他のプラットフォームから人々を引っ張ってくる試みを始められる時期は、どのようにしたら分かりますか?なぜなら、ある程度はそれらのプラットフォームに便乗できるように思えるからです。しかしいつかは会社に対して長続きする価値を作り出すために、自社のコミュニティにいる人たちと同様の人たちを獲得する必要があります。

Anu Hariharan [11:47] 
その通りです。それこそが、ネットワーク効果の定義が重要になるポイントです。また、みんなが困惑するポイントだともよく言われます。この企業や製品は本当にネットワーク効果を持つのだろうか、といった困惑です。

それをテストする簡単な方法が、参入障壁だと考えます。それは、製品が競争力のあるモデルであるということです。また、ユーザーに対する退出障壁もあります。後者は普通、人々がチャンスを失うものだと考えます。

参入障壁については、成長が非常に速く、製品が固有価値を提供しており、需要サイドに規模の経済があることを意味します。なぜなら、誰かがやって来て、一夜にしてそのネットワークを破壊することが簡単ではないからです。

ユーザーに対する退出障壁は、強力なつながりが出来上がっており、そのネットワークから多くの価値を受け取っていて、ユーザーとして乗り換えが簡単ではないことを言います。その分かりやすい例が、FacebookとGoogle+です。実際にGoogle+はサークル機能によって、全ての連絡先のインポートや、同じ図表の共有、さらには友だちを分類することさえ非常に楽にできるようにしました。中にはFacebookで数千人の友だちを持つ人もいますが、Google+を使えば、友だちを親しいサークルと、時々しか連絡を取らないサークルに分類することができます。

しかし、企業の思惑通りユーザーにプラットフォームを乗り換えさせるのは非常に困難でした。Facebookのユーザーは、乗り換えるのがとても難しいことに気付きました。なぜなら、そこに全てのつながりがあるからです。他のユーザーとのこれまでのやり取りや、自分が設定したニュースフィードなどです。

そこにはすでに、プラットフォームから引き出された多くのものや多くの価値が存在します。そのためユーザーにプラットフォームを乗り換えさせるのは、決定的に難しかったのです。

Craig Cannon [13:29] 
最終的にはそれらのプラットフォームが勝者総取りになるのですか?

Anu Hariharan [13:33] 
もしあなたがネットワーク効果を持つビジネスを持っているなら、勝者総取りになります。実際にネットワーク効果は、勝者総取りになるための助けとなります。

投資家が時々重視することの1つに、あなたのアプリはユーザーがネットワーク効果を目的にやって来るようなアプリであるか、という注目点があるのも、それが理由です。そしてそれは、ユーザーに対して退出障壁が存在する証拠となります。直接アプリを訪れて多くの時間を費やすユーザーがますます増え、ユーザーのアプリ利用時間が増えれば、ユーザーが受け入れる障壁も高まります。

Craig Cannon [14:06] 
勝者総取りだとしたら、その点でUberやLyftは最終的にどうなりますか?

Anu Hariharan [14:09] 
ライドシェアリングはネットワーク効果に関して、常に多少の議論を呼ぶテーマとなってきました。非常に強いネットワーク効果があると考える党派が、シリコンバレーや、もっと幅広いエコシステムにも存在すると思います。それとは別に、強いネットワーク効果を持っていないと考える人たちがいます。

私の個人的な見解では、製品が何を行い、どんなサービスを提供しているか、そして各企業がどのような種類の障壁を提供しているかということに関して、分類を行う必要があります。

私はどちらかというと、ポイントツーポイントの基本的なライドシェアリングサービスはそれほど強いネットワーク効果を持たないと考えます。その単純な理由は、それがポイントツーポイントの乗車であるからです。地点Aから地点Bに乗客を運ぶだけでは、その中にどのような他の価値も込められていません。そのため、同じ程度に使いやすく、同じ価値を提供する別のサービスがあれば、乗り換えるのも厭わないでしょう。乗客に対する退出障壁が高くないのです。

それは、ネットワーク効果がないことを意味するのでしょうか?そうではありません。都市ごとに考えれば、何らかのネットワーク効果があると思います。しかしそれは、弱いネットワーク効果だと思います。それはどのようなものでしょうか?

プラットフォーム上に多くのドライバーと乗客がいる場合は、乗客にとって到着予想時刻は5分以内であることが約束されます。つまり、乗客は5分以内に乗車でき、ドライバーは5分以内に乗客を乗せることができるという事実です。ドライバーにとっては、時間あたりに稼ぐことのできる収入に影響します。

しかし問題は、5分以内ということ以外に、何のつながりもないことです。そのため、もし別のサービスが5分以内という価値を提供するなら、ユーザーは乗り換えを厭いません。時折料金が急上昇すると、人々はサービスを乗り換えます。

しかしそうは言っても、やはり勝者総取り市場となる可能性はあるのでしょうか?供給サイドに規模の経済を持つそれらの企業は、やはり独占的シェアを持つことができると思います。そしてライドシェアリング市場では、最後までそのような状況が展開されるというのが私の考えです。

人々がUberやLyftを使う2つの理由は、タクシーよりも10倍便利なことと、タクシーよりも安いことです。今ではタクシーよりも安くなっていることに、規模の経済を見ることができると思います。

プラットフォームに登録するドライバーと、プラットフォームを利用する乗客がさらに増えれば、おそらくUberの負担するサービス単位あたりのコストは大幅に下がるでしょう。その単純な理由は、プラットフォーム上にたくさんの需要が存在すれば、ドライバーの時間あたりの稼働率が上がり、従って時間あたりの収入が上がるためです。そうすれば、Uberは乗客に対して、乗車ごとの料金を下げることができます。

Craig Cannon [16:55] 
現在は収益性の競争のようなものに思えます。自動運転自動車が登場すれば、自動運転車を利用する競争になると思いますか?なぜなら、自動運転車が最終的にネットワーク効果の鍵を開け、それを手に入れた企業が市場を独占するのではないかと思うためです。

Anu Hariharan [17:11] 
市場独占のために自動運転が必要かどうかは、正直なところ分かりません。現在の市場ダイナミクスにおいてさえも、どんなプレイヤーの参入が予想されていて、誰が本当にうまくやったかは市場によって異なりますが、彼らは規模の経済を持つゆえに、独占的なシェアを獲得できると考えるからです。

その理由は単純で、重視すべき特に重要な評価指標は、コストを左右する移動効率性だからです。これまで多くのUber for Xサービスが登場してきましたが、Uberは他のどことも異なるデリバリー効率を推進できるため、大部分のUber for Xサービスを成功させる可能性が高いだろうと考えます。彼らが1時間に2~3回、または4回の移動を実行できれば、移動あたりのコストは非常に低くなります。そうすれば、乗客にもそれほど料金を課す必要がありません。節約した分を乗客に還元することができるのです。Amazon のファーストパーティー販売がまさにそれでした。新しいことではありません。Amazonは10年以上前にサービスを立ち上げた時、全てファーストパーティー販売でした。ファーストパーティー販売は規模の経済が全てです。彼らは倉庫や発送を共有化することで、各商品の配送コストを大幅に引き下げました。今日、彼らは巨大なマーケットプレイスを持っています。そのため彼らは、需要と供給の両側で規模の経済を有しています。

しかしAmazonのファーストパーティー販売は主として供給側の規模の経済であり、今でも独占的なシェアも持っています。だから、人々は時にネットワーク効果をあまりに重視し過ぎたり、勝者総取りしかないと考えてしまったりする傾向があるのだと思います。供給側の規模の経済を持つ企業も、特に本当に上手く実行している企業と比べ大きな業務上の課題を抱えていても、独占的なシェアを持つことはできるのだと考えます。

Craig Cannon [18:50] 
現在、多くの人がネットワーク効果だと見なしていても、実際には強いネットワーク効果ではないとあなたが考える他の市場はありますか?

Anu Hariharan [19:00] 
最も議論の余地があったのがオンデマンド市場だと思います。その理由は、ローカル性が高いからだと考えます。全国または全世界で再現することが簡単ではありません。そのため、それらのネットワークがどのように進化するかは、観察を続ける必要があります。それぞれのネットワークは何らかの価値を提供しているので、ネットワーク効果を持たないとは軽視したくはありませんが、ソーシャルメディアで見られるほどの強さはないかもしれません。

Craig Cannon [19:27] 
メッセージングアプリはどうですか?WhatsAppについて少し触れたいとおっしゃっていましたが、彼らは米国内でこのまま成長を続けると思いますか?それとも、もっと大規模な国際的なプレイヤーがいくつかやって来て、米国でネットワーク効果を発揮する思いますか?

Anu Hariharan [19:40] 
メッセージングサービスは非常に強いネットワーク効果を持っていると思います。これについては、ユーザーに対する退出障壁の単純な話に戻ります。私はとても長い間、WhatsAppのユーザーでした。インドにたくさんの家族がいるからです。コミュニケーション手段としてはそれが一番安上がりで、特にSMSの代用品として優れていました。

2009年だったと思うのですが、彼らが初めてアプリをリリースした時、ステータス機能としてリリースしました。どれくらいの読者がそのことを知っているか分かりませんが、それは文字通りステータス機能で、他の人に対して自分がジムにいる時は電話しないで欲しいとか、会議中だから電話しないでくれと知らせるものでした。人気は出ませんでした。

アプリには今でもステータス機能がありますが、彼らがステータス機能で学んだことは、メッセージングアプリへと方向転換する上で本当に役に立ったと思います。当時このアプリは、ユーザー名を使わずに、電話番号やアドレス帳を使った初めてのアプリの1つでした。今日では1つの方法であるように思えますが、2009年当時はほとんどのアプリがユーザーアカウントを作成するものばかりで、彼らのサインインプロセスへのアプローチとは全く異なっていました。

WhatsAppはそのようにはしませんでした。ユーザーサインアップへの変更に対し、ユーザーから非常に多くのことが求められましたが、彼らはそうしないことに決めました。連絡帳を利用した方が、その人物が誰であるのか分かるだろうと感じたからです。

Craig Cannon [21:05] 
いつも私が知りたいと思っているのがそのことです。グロースハックの一種と見なせるそれら全てのことは、結局わずかな改善となるだけなのでしょうか?それとも製品に付け加えるという観点で、非常に強力なネットワーク効果を実際に作り上げることができるのでしょうか?なぜなら、多くの人たちが決してネットワーク効果を持たないものしか作り出せず、常に努力し続けて小さな改善を付け加えるだけに終わっていると考えるからです。

Anu Hariharan [21:30] 
ほとんどの場合、同じポイントに立ち返ると思います。つまり、エンゲージメントやユーザーのリテンションに注目すれば、自然とそれがネットワーク効果であるかどうか分かるでしょう。それが、ネットワーク効果の唯一かつ最も強力なサインです。

WhatsAppはそこに目を配ったのだと思います。彼らは多くの注意を払いました。評価のために彼らが使った正確な指標は知りません。しかし彼らの話によれば、コアユーザーが製品を使い続けているか否か、使い続けているとしたらどのように使っているか、そしてどうすればユーザーに対してより多くの価値を推進することができるかということを常に重視しました。

事実、彼らがステータスからメッセージングへ移行した理由の1つがそれでした。6ヶ月ぐらいで移行したと思います。2009年の夏の終わりまでにはメッセージングアプリをリリースし、急速に成長しました。それがSMSの代わりとなるものだったからです。

まず、ロシアの家族と連絡をとっているサンノゼのロシア人コミュニティから始まり、それから他の国際的な市場で人気に火が点きました。2009年末までに彼らはMMSをリリースしました。基本的には写真や動画を共有する手段です。当時、写真や動画の共有はコストがかかり過ぎていました。そしてこれが、写真や動画を共有するための優れたプラットフォームになりました。

アプリのユーザー基盤は拡大し始めましたが、既存ユーザーはアプリを単なるSMS以上のことに使い始めました。そして彼らの製品の機能は、ユーザー基盤を拡大しながらユーザーに対してより多くの価値を推進しているか、という指標に沿うものでした。つながりがりが増えたことで、人々はより多くのユーザーとつながることができました。

そして単純にユーザーに対する退出障壁がとても高いため、非常に強力なネットワーク効果を有しています。私はユーザーとして、家族との全てのやり取りや、交換した写真や動画をそこに持っています。私にとって別のメッセージングアプリに乗り換えるのは、簡単なことではありません。

Craig Cannon [23:18] 
国際的にあらゆるメッセージングアプリが展開されていることについて、どのように考えますか?彼らは巨大です。彼らは1つの国の中で支配的なシェアを握り、それが展開の最終的な状況となるのでしょうか?それとも、1つのアプリだけが国際的なシェアを握るのでしょうか?

Anu Hariharan [23:34] 
非常に強力なネットワーク効果を持つアプリは、どんなものでも一夜にして破壊するのは非常に難しいと考えます。それがもう一つの理由となって、企業はネットワークの構築に重点を置く傾向があります。簡単には破壊されないからです。相当なことをしなければ、そのネットワークを破壊するのは非常に難しいでしょう。

WhatsAppはインドで非常に強力な地盤を持ちます。WeChatは中国での地盤がとても強力です。もしあなたが強力なネットワークを持っていて、人々がより多くの時間を費やし、そのネットワークからより多くの価値を得ている傾向にあるなら、最終的には1つだけではなく、2~3のプレイヤーが残ることになると思います。

Craig Cannon [24:12] 
では、もし私が創業者で、ネットワークを構築しているとしたら、私は自分自身にどんな質問を問いかけるべきでしょうか?

Anu Hariharan [24:19] 
まず言えるのは、たぶん一歩下がって、自分はネットワークなのか、マーケットプレイスなのか、それともプラットフォームなのか問いかけるべきでしょう。この3つを理解することが重要だと考えます。学術的に理解するためではなく、自分がそれら3つのうちの1つに当てはまるかどうか理解するためです。どれに当てはまるかによって質問は大きく異なるからです。

ネットワークについては基本的に、FacebookやWhatsAppがネットワークだと考えます。それはつながったユーザーたちの集団であり、あなたは情報を共有し、製品を推進しようとしています。価値を加え、ネットワークの成長に伴って価値を増やそうとしています。

マーケットプレイスには2つの異なる側面があります。あなたはその両方を持ちます。マーケットプレイスとしてEbayについて考えてみましょう。あなたはセラーとバイヤーを持っています。Airbnbで言えば、ホストとゲストがいます。そのため、もしあなたがマーケットプレイスの場合は、問いかける質問はネットワークの場合と異なります。

そしてプラットフォームが3つ目の構成要素です。あなたはユーザーと開発者とプラットフォームを持っています。だからユーザーと開発者、両方のグループがプラットフォーム構築の助けとなる状況について考えましょう。プログラム的にカスタマイズされたものになるかもしれません。しかし、それぞれのグループが互いの価値を強化し合います。

Craig Cannon [25:26] 
その良い例は何ですか?

Anu Hariharan [25:28] 
Microsoftのオペレーティングシステムがプラットフォームです。WeChatはプラットフォームに向かって発展していると思います。Facebookはプラットフォームです。興味深いことに、あなたは時間と共に3つ全てになる可能性があります。今後、さまざまな企業がそうなるのを目にするでしょう。

しかし、最初に始める場所が重要です。問いかける質問は始める場所によって左右されるからです。もしあなたがネットワークであるなら、自分に問いかける必要のある1番の質問は、市場参入戦略は何か?ということだと思います。

市場参入戦略は時間と共に変わっていると考えます。かつて、FacebookやWhatsAppは非常にクラスター化されたアプローチでした。クラスターアプローチは今でも機能すると考えていますが、それがシリコンバレーか、それともシリコンバレー以外かという問題は議論の必要があります。

市場参入戦略を持てたら、そこからどのように成長するかについて考える必要があります。なぜなら、YCでも、YCエコシステム以外であっても、創業者は成長を重視するように求められるからです。もしネットワーク効果の兆候が見られ始めた製品を持っている場合、ユーザーを囲い込むための唯一の方法は、成長することです。なぜなら、あなたはクリティカルマスを獲得しなければならないからです。だから、成長が2番目に重要なことです。

3番目は、何がエンゲージメントのきっかけになっているか、ということです。これは、Facebookが初期の頃に確立した種類のものです。あなたがプラットフォームの新しいユーザーだとした場合、14日以内にあなたを10人の友だちとつなげることができれば、リテンションが大幅に上がる、というようなことです。

きっかけとなっているかもしれないものに注目することは、ネットワークを構築しようとしている全ての企業にとってより重要なことだと考えます。それが何なのか理解するまでには、時間と多くのデータが必要かもしれません。しかしきっかけとなっているものに注意を払うことで、ひらめきの瞬間が生まれます。それが大事なのです。

そして、エンゲージメント。常にエンゲージメントに戻ってきます。もしあなたがネットワークを構築していると考えるなら、古いコホートの古い既存ユーザーがそのネットワークをより多く使っていなければなりません。そうでないなら、いったん立ち止まって、なぜそうなっていないのか問いかける必要があります。

そして5番目は、それらの市場参入戦略と流通(ディストリビューション)プラットフォームのすべてに関係します。人々は市場が広く、巨大な市場チャンスがあると考えています。しかし、どこから始めればよいのでしょうか?どのクラスターから始めるべきでしょうか。あるいは、最初に取り組むことができる地政学のようなものは何かあるのでしょうか?拡大する前にプロダクトマーケットフィットを評価できるものはあるでしょうか?それらが、あなたがネットワークを構築している場合に問いかける質問です。

例えば、Slackはネットワークを構築しようとしており、彼らの取り組んでいる多くの質問は、成長ステージである今も、ディストリビューションに関することと、チームメンバー全員にSlackを使わせる決定的瞬間を作る1人のチームメンバーは誰か、ということです。だから、もしあなたがSlackのような企業、つまりネットワークを構築しようとしている企業であれば、それらのことに注意を払う必要があります。

もしあなたがマーケットプレイスであれば、質問は少し異なります。なぜなら、2つの側面を持っているからです。その2つはたいていの場合、全く異なっています。Airbnbのホストとゲストの間に重なる部分があるとしても、多くはありません。

そのため質問は、「ニワトリと卵問題」です。もし一方だけを拡張し過ぎれば、そちらが急速に拡張し過ぎて、もう一方が損なわれます。その結果、プラットフォームでの体験が損なわれてしまいます。だから質問は、どうやってそのバランスを評価したらよいか、そして、クリティカルマスを獲得するにはどうしたらよいか、ということです。なぜなら、その種のマーケットプレイスはネットワーク効果を実現するのにより長い時間がかかる可能性があるからです。例えばAirbnbは36ヶ月以上かかりました。非常にスピードの遅い成長でした。

Craig Cannon [28:45] 
ちょっとここで中断させてください。これはおそらく、マーケットプレイスに関する質問としては総じて1番目か2番目によくあるものだと思います。マーケットプレイスを作っている人たちに対し、「ニワトリと卵問題」の克服に関して何かヒントはありますか?

Anu Hariharan [29:02] 
成功したマーケットプレイスや本当に上手く拡張を遂げたマーケットプレイスに質問すれば、彼らはほぼ間違いなく、第一に需要を重視していると答えると思います。それにはさまざまな理由があり、正しい戦略です。

Instacartの例をお話しましょう。Instacartが最初にリリースされた時、彼らは単なるオンラインの日用品収集サービスとして立ち上げたと思います。トマトを探したりとか、何かを探したりとか…

Craig Cannon [29:32] 
分かります。

Anu Hariharan [29:33] 
そして6ヶ月も経たない内に、彼らは小売ストアへと形を変えました。Whole Foodsを選び、サービスを立ち上げました。その単純な理由は、Instacart経由で注文していたのにリピートしなくなった多くの顧客が、こう言ったからです。「私が本当に知りたいのは、どの店で日用品を手に入れられるかということ。」

それが彼らの成長を促進するのに本当に役立ちました。彼らは自分たちが提供している価値提案が何であるのか本当に理解するため、需要サイドに注目しました。Instacartにとってそれは、都市ごとのサービス展開です。

約1年弱かけ、サンフランシスコでサービスのノウハウを作り上げ、それから他の都市へと展開しました。もう同じ時間はかからないでしょう。願わくば同じ時間をかけるべきではありません。このサンフランシスコでの展開から学んだ全てのことは、他の市場で同様の、あるいはその半分であっても、拡張をずっと速く達成するのに役立ちます。

実際に展開することでテストしてみると何が起こるでしょうか。新しい都市でサービスを立ち上げようとする時、どれくらいの需要が見込めるか把握する必要があります。これまでの経験から理解していることがあるはずです。サンフランシスコやシカゴの市場から何らかの理解を得ています。そしてスタッフを配置します。待機させる供給量、つまり何人のショッパーを抱えておくかということです。どのマーケットプレイスに質問したとしても、最初から正しい答えは決して出ません。

私の知っている初期の頃のInstacartがモニタリングしていたことの1つが、ロストデリバリーでした。つまり、対応できなかったデリバリーや、時間が足りなかったり、ショッパーが足りなかったりしてオーダーを完了できなかった人のことです。

複数市場へ展開しながら、常に学ぶのです。しかし早い段階で需要に注目する理由は、それがYCで教える全てのことに帰ってくるからです。つまり、顧客があなたの製品を大いに気に入っているかどうか、顧客はあなたの製品を本当に求めているか、解決すべき欠点は何か、ということです。

通常のマーケットプレイスでは、需要のある所に常に供給が起こります。もし十分な需要があれば、供給サイドでもより多くの人たちがサインアップするでしょう。

Craig Cannon [31:42] 
そうですね。みんな、お金を稼ぎたいですから。次に、このポイントで最後になると思いますが、プラットフォームを作っている人たちは自分自身にどんな質問を問いかけるべきでしょうか?

Anu Hariharan [31:50] 
プラットフォームについては、2つの側面を持つマーケットプレイスの質問と非常に似ていて、どちらの側面がより重要か?ということです。

例えば、あなたがニンテンドーで、ゲーム機を持っているとしたら、多くのサードパーティゲームデベロッパーが必要です。サードパーティゲームデベロッパーは自分たちのゲームをプレイしそうなユーザーがよりたくさんいることを知っている場合に、あなたのプラットフォームに集まるでしょう。だから質問も少し似たものになります。

プラットフォーム企業がやはり注意を払う必要のあるより重要なことは、それが勝者となる1つのプラットフォームしか残らない市場なのか、それとも複数のプラットフォームが残るのか、考えることです。勝者が1つか複数かによって、戦略が少し変わってくるかもしれません。なぜなら、コストが関係するからです。

他に重要なのは、プラットフォームに対するコミットメントを示して見せることです。例えば、FacebookはOculusを買収した後、Oculusに対する強力で非常に大きなコミットメントを示しました。それによってより多くのゲームデベロッパーが、VRゲームを開発するためにOculusに集まりました。

これらの質問はマーケットプレイスと同様だと思います。しかし、他の要素として強いコミットメントを示す必要があります。なぜなら、プラットフォームに従事することをコミットする2つのコミュニティがあるからです。他にもマーケットプレイスとプラットフォームに共通する要素があります。古い格言に「あなたがお金を儲ける側はどちらで、寄付する側はどちらか?」というものがあります。聞いたことがあるかどうか分かりませんが。

Craig Cannon [33:14] 
知りません。

Anu Hariharan [33:16] 
常に一組のユーザーが存在します。常にではなく、たいていはそうです。価格に敏感なユーザーと、価格に敏感ではないけれど価値を求めているユーザーが組になっています。

その分かりやすい例が、初期の頃のAdobeです。彼らは文書閲覧者向けにPDFを無料で展開しました。もし文書閲覧者に料金を課していれば、今日のユーザー基盤はずっと小さなものになったでしょう。しかし、文書作成者はPDFの作成やその他のツールのためにお金を払う準備がありました。彼らは文書閲覧者にアクセスしたかったからです。

だから、どちらの側がより敏感で、どちらがより難しいか、見つけ出す努力をすべきなのです。お金を儲ける側に対して多くの価値を推進できることが分かれば、難しい側に寄付してみましょう。

Craig Cannon [33:58] 
大事なポイントですね。では締めくくりましょう。あなたはこのテーマの研究に非常に長い時間を費やしてきました。もし私がもっと詳しく知りたいと思ったら、どうすることをアドバイスしますか?おすすめのリソースや本は何ですか?ポッドキャストでも何でも、インタビュー記事の中でリンクを貼ることができます。

Anu Hariharan [34:15] 
私たちが一緒にAndreessen Horowitzに残した資料を読むべきだと思いますが、他にも優れた資料や記事はたくさんあります。

創業者が本当に学ぶための一番の方法は、初期の頃に素晴らしい製品を拡張した創業者たちの全てのYouTube動画を見ることだと思います。そして、彼らの製品哲学や、どんな決断が彼らの原動力となったのか理解しようとすることです。

彼らがどのようにしてネットワークを構築し、どんな質問に重点を置いたのか理解するのに、本当に役立ちます。私がこれまで見た中で、最も重要な唯一のリソースだったと思います。彼らが学術的な用語を使って話すことができないとしても、彼らの考えがどのようなものだったのか知る助けとなります。それら全てのポイントが先駆的だったことが分かるでしょう。

Craig Cannon [35:02] 
素晴らしい。それらにたくさんリンクを貼ることができます。いいですね。出演していただき、ありがとうございました。

Anu Hariharan [35:05] 
ありがとうございました。

Craig Cannon [35:05] 
お聞きいただき、ありがとうございました。iTunesで番組登録して、レビューを残すのを忘れないでください。そうすれば、この部分を永遠にスキップすることができます。YCについて詳しく知りたい場合や、番組の記録を読みたい場合は、blog.ycombinator.com で確認できます。また来週お会いしましょう。

 

記事情報

この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文:  Anu Hariharan on Network Effects (2017)

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