0/ ボトムアップ型の採用とエンタープライズセールスを「同時に」習得することは非常に難しいことです。しかし、急速に成長している多くの企業はそれをしています。本スレッドでは、これに関するいくつかの懸念事項や、これら二つのモーションのやりくりが、ほとんどの人が想定するよりもはるかに複雑である理由について説明します。
0/ Mastering bottoms up adoption *and* enterprise sales is really hard. Yet many of the fastest growing enterprise companies do. This thread explores some of the considerations and why juggling both motions is a lot more complicated than most assume.
— martin_casado (@martin_casado) December 4, 2018
1/ 基本的なケースとなるのは、あなたが非常に幸運で、収益性の高い超線型的なボトムアップモーションを保持しているか(消費者のような)、もしくは製品を通じて事前の関係を確立することなく、顧客に対して直接販売し、高いACVを保持しているかというものです(伝統的エンタープライズのような)。
1/ The base case is that you’re very lucky and you either have a monetizeable, super-linear bottoms up motion (like consumer), or you find a high ACV sale directly to a customer without establishing a prior relationship through the product (traditional enterprise)
— martin_casado (@martin_casado) December 4, 2018
2/ しかし、前者(ボトムアップのみ)は、規則性を証明するためにしばしば引用される例外(DropBoxやAtlassian)を除けば非常に稀なことです。多くの場合、成長は直線的または漸進的であり、チャーンもあることを考慮に入れれば、顧客獲得のためのコストの増加分をカバーするためにはセールスが必要となります。
3/ 後者は(セールスのみ)、ベンダーやクラウド、オープンソース、素晴らしい製品/フリーミアムなどが買い手の購買行動を定義しているため、ますます難しくなっています。
4/ そのためほとんどのスタートアップは、二つのモーションをうまくやりくりする必要に迫られます。まずボトムアップから始め、ボトムアップモーションをダイレクトモーションのリードジェネレーションとして効果的に処理するといったように。しかし、両カーブの関係は複雑なもので、間違いやすいものです。
4/ So most startups are forced to juggle both motions. They start with bottoms up and then overlay sales, effectively treating the bottoms up motion as lead gen for a direct motion. However, the relationship between these two curves is complicated and easy to get wrong.
— martin_casado (@martin_casado) December 4, 2018
5/ よくある失敗としては、スタートアップがスケールの方法を見出す前に、セールスを始めてしまうというものがあります。この場合、セールスのペースが有機的な企業の成長速度を上回ってしまい、その結果、「顧客があなたを知っている場合」と「知らない場合」という2つのまったく異なる販売戦略が生まれてしまいます。
5/ In a common failure mode, the startup builds out sales before figuring out how to scale growth. In this case, sales can outpace the organic growth engine resulting in two entirely different sales pitches, one when the customer knows you, and one when they don’t.
— martin_casado (@martin_casado) December 4, 2018
6/ この混乱に更に付け加えるなら、有機的な製品採用とは実に有機的なものです。様々なユースケース、技術的統合、チームの規模、組織まで、それは様々な分野をカバーしています。有機的な製品採用は、セールスの再現性の到達を不可能にしてしまいます。
6/ To add to the confusion, organic adoption is, well, organic. Thus often covering varied use cases, technical integrations, team sizes, organizations, ... effectively making it impossible for sales to achieve repeatability.
— martin_casado (@martin_casado) December 4, 2018
7/ この混乱は、セールスに限定されません。製品とマーケティングも同じように影響を受けます。しばしば有機的な成長は、様々な顧客のニーズに合う水平なプラットフォームを好みます。また直接セールスの可能性は、製品とメッセージの垂直化によって大きく広がるのです。
8/ いくつかに分野には(オープンソースのように)、お金を払って顧客の開拓をしても、成長を促進していくことが非常に難しいものもあります。ですから企業は微弱な成長に耐えるか、伝統的なリードジェネレーションと直接セールスに対し効果的にピボットする必要に迫られます。
9/ 致命的なのは、セールスがブランドを腐食し、金の卵を産むガチョウを殺してしまい、成長の原動力に対し劇的な悪影響を与えてしまうことです。
10/ ボトムアップ型のユーザーが買い手ではない場合も、よく問題が起こります。ですからお金のかかるボトムアップの動きは、リードジェネレーションメカニズムとしては周縁的な有用性しか持たない場合があります。もしくは、もっと悪いことに、なんの役に立たない場合もあるのです。
11/ この問題の当然の帰結は、ボトムアップモーションが、製品、ポジショニング、そして最終的なターゲット(例:企業)の間のミスマッチを強制する、収益化が難しいセクター(例:SMB)をターゲットにしているということです。
12/ とは言え、このデュアル・モーション・モデルには、いずれののモデルよりも優れた特性があります。
13/ 例えば、セールス部門に移行した場合、B2Bのボトムアップ成長は、消費者のような成長要件に左右されません。売上ACVがボトムアップユーザー獲得と売上コストの両方をカバーできる限り、線形なペイドの成長に問題は生じないのです。
14/ 顧客とのボトムアップ関係を確立することは、一般的に、既存企業を回避する究極の最終手段です。彼らは独自の方法で簡単に使用できる製品を作成することができず、その代わりに、信じられないほど高価で長いセールスサイクルに縛られています。
15/ また多くの場合、ボトムアップ・エンジンは予測可能なビジネスになりますが、これを直接開始した場合には何年もかかってしまいます。
16/ したがって、 (a) セールスが必要であることを想定すること、 (b) 支払いが可能なユーザー/バーティカルな企業をターゲットにすること、 (c) ボトムアップの動きを把握すること、 (d) ACVがボトムアップと直接コストの両方を確実にカバーすること、 (e) 2つの別個の、または矛盾する動きを避けることをお勧めします。
17/ 読んでくださり、ありがとうございました🙂
追伸/ これは、現代のテクノロジー企業において、プロダクトマーケティングが非常に重要であるにもかかわらず、しばしば過小評価されている理由の一つの例です。あなたの製品マーケターを大切に扱ってください。彼らは業界で最も価値ある知識を持っています。
P.S. This is yet another example of why product marketing is such a hyper-critical yet often under-appreciated role in modern tech companies. Treat your product marketers well, they have some of the most valuable knowledge in the industry.
— martin_casado (@martin_casado) December 5, 2018
著者紹介 (本記事投稿時の情報)
Martin Casado は Andreessen Horowitz のジェネラルパートナーです。彼は以前、2012年に VMWare に買収された Nicira の共同創業者で CTO でした。VMWare で、Martin はNetworking and Secruity Business のVPならびにGMでした。
記事情報
この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文: On Combining Bottom-up Adoption AND Enterprise Sales (2018)