- Justin.tv と Twitch での経験
- プロダクトは課題から始まる
- 創業者にいつも聞く質問
- 問題は解決可能か
- 顧客は誰か?
- 課題の頻度を聞こう
- 課題の重要性
- 顧客はお金を払うかどうか
- チャネルはあるか
- MVP は課題を解決しているか?
- どの顧客から狙うべきか?
- どの顧客から逃げるべきか?
- 値引きも低い価格での提供もするべきではない
- メトリクスの設定方法
- プロダクトの開発サイクル
- 会社のメトリクスをトラッキングする
- ピボットとイテレーション
- 偽のスティーブジョブズ
- Twitch での事例
- Q&A
Geoff Ralston
お待たせ致しました。Y CombinatorのCEOであり、Justin TV, TwitchそしてSocialcamの創業者でもあるMichael Seibelを紹介させて頂きます。マイケルには、いくつかの講義を通して、製品について深く掘り下げてもらおうと思います。
Justin.tv と Twitch での経験
Michael Seibel
始める前に、Geoffから少し話がありましたが、Justin TV, Twitchでの私の経験について少しお話しさせていただきます。一つ言いたいことは、私たちは全てとは言わずとも、ありとあらゆるルールをたくさん破ってきたことです。私たちがここまで生き残ることができたいくつかの理由の一つとして、私たちの創業チームが非常に専門的であったと言う点があります。Justin、Emmett、そしてKyleと働けたことは最高でした。そして基本的に、彼らの何が最高だったのかというと、彼らはいかなる技術的な挑戦にも怖気づかなかったことです。もし彼らと働くという特権を与えられなかったとしたら、私はここに立っていなかったと思います。多くの企業、多くのスタートアップそして多くのスタートアップの創業者たちが完全には理解しきれていない事だと思いますが、この事実のおかげでたくさんのルールを破ることができたのです。
2番目の理由は、私たちはあまりお金を使いませんでした。私たちがそれぞれ21歳、22歳、22歳そして23歳のときに引っ越しました。私たちは二つ寝室があるアパートメントに住んでいました。家賃は月2,500ドルでした。私たちは、それぞれ月500ドルのお小遣いをもらっていました。これは最低賃金以下なので厳密にいえば法律違反ですが、誰も法律のことを気にしていませんでした。それだけのことです。Emmettには彼専用の寝室があって、KyleとJustinは二段ベッドで眠り、私はリビングで寝ていましたが、バルコニーで眠ることもありました。私たちはただ、多くお金を使わなかった。だから、たくさんしくじったり、間違いを犯すことができたのです。
そして最後の理由ですが、とても興味深いもので、あとで気づいたことでもあるのですが、私たちのエゴは、私たちのスタートアップに非常に縛り付けられていたことです。私たちは、履歴書に書けるかっこいい経歴のためにスタートアップをしていませんでした。スタートアップは、私たちだけで成し遂げたたった一つのことでした。そしてこれが弊社内でいくつか思ったことですが……私たちは失敗するかもしれないように見えました。そして基本的にこのスタートアップの失敗は、私たちの人生の失敗だったのです。そう思いませんか?例えば、これが今まで成し遂げたたった一つのことで、それが失敗してしまったら、その人生も赤点になってしまうでしょう。そしてこのことは私たち全員が心の中で思っていたことで、だから私たちはただ諦めることを考えることができなかったのです。
残りのプレゼンテーションで私が言うことの何より、この3つの理由は私たちの会社を救い、軌道に乗せ、そして奇妙なことに、考えもしなかったことですが、もしこの3つのうちひとつ、たったひとつでもが無かったら、私たちは失敗していたでしょう。それは、「ひとつかふたつ持っていてもいいよ、大丈夫」というものではありません。私たちには3つすべてが必要でした。もしなければゲームオーバーです。
プロダクトは課題から始まる
製品について話そうと思います。私がまだTwitchにいたかなり初期のころの話と、Justin TVの話、そしてPoppyという数バッチ前のYCカンパニーの話もしたいと思います。Poppyは私がアドバイスし、投資し、YCでもメンタリングした企業でAvniという名前の素晴らしい創業者がいます。不思議なことに、私の話だけではなくて、外部のケーススタディも必要な気がしました。レッスンを理解するためにいくらから役に立つでしょう。
私はいつも、どんな問題に直面しているか、から話すようにしています。なぜなら創業者の方と話すとき、彼らは、アイディアや、これから何をするか、そして彼らの製品について話したがります。
創業者の多くは課題を分かっていない
興味深いことに、多くの場合、彼らは「なぜ」このような製品を作っているのか分かっていません。最終的にどの問題を解決したいのかわかっていないのです。いくつかのビジネスにとっては問題ないとは思いますが。特に、創業してまだ日が浅い時期や、まだプロジェクトフェーズであったりする場合です。しかし、できるだけ早い時点で、自分が「何をしているのか」そして「どんな結果を予想しているのか」について知っておく必要があるのです。
JustinTVでは、初めに私たちが解決しようとしていた問題は、エンターテインメントでした。TV番組を作っていたのです。Justinは彼の人生すべて、24時間週7日を初めて中継した人でした。彼の人生がTV番組になったのです。実際には、それが成功しているのかどうか判断するのは簡単でした。TV番組の視聴者がいたかどうかです。それが私たちの解決しようとしていた問題でした。人々はTV番組を見ます。誰も番組を見ていなかったので、これは失敗だったのです。
そして私たちがオープンプラットフォームにピボットしました。課題は「誰でも生放送できるようにすることは可能か」に変わります。これが、私たちが解決しようとしていた問題でした。誰でもインターネット上で生放送ができるようになる。そしてもう一度言いますが、私たちがそれに気がついたとき、誰かができるかどうか判断することは非常に容易になります。私たちはこのオープンプラットフォームをもっていたのでユーザーがいるかを計っていきました。
しかし、これこそが私たちがやっていたことのカギになっていたと思います。時折創業者たちと話すとき、彼らが「この世界でほしい何か」そして「漠然と興味がある何か」または「ぼんやりとしたアイデア」がありますが、実際どんな問題に直面しているのか彼らはあまり理解していないようです。問題を知っていなければ、解決できるかどうかもわかりません。
創業者にいつも聞く質問
創業者に聞く最初の質問は、「あなたの課題を二文で教えてもらえますか?」です。もし言えなければ、課題が何かわかっていないということですね。実際には、一文のほうがいいですね。もし、誰かがどんな問題にあなたが直面しているのか尋ねたとき、エッセイを持ち出すようでは、あなたのやり方は間違っています。
2番目の質問。「あなた自身この問題に直面した経験はありますか?」この質問は常に必要ではありませんが、とても役に立ちます。これまでに出会ったこともなく、話したこともなく、この世に本当に存在するのかどうかわからない人の問題を解決しようとしている多くの創業者の方に出会ってきました。他に何もなくても、少なくとも自分自身はこの問題を抱えたことがあるということはやっていることに意味があるかもしれないという大きなヒントになります。
次に、「あなたはこの問題を具体的に定義することができますか?」なにがおもしろいかというと、最初はこの問題を抱えるすべての人の問題を解決することはできません。Justin TVが放映され始めたとき、私たちは誰でも生放送ができるようにすることができませんでした。ノートパソコンに安定したインターネット環境、そしてウェブカメラが必要でした。必要なものが多かったんです。そこで目をやるのが、誰でも生放送できるようにしたいが、実際に最初にその点で助けれる人は誰なのか、最初に問題を解決することのできる人は誰なのか。
私はよく創業者たちはこのステップを飛ばしたがるように思います。彼らは、「がんを治したい。みんなが完治した時のことだけ話すよ」と言うように、もっと大きな問題を解決したいのです。すぐに取り組めるものが何か、どうすればそれがうまくいっているか測定することができるのか、その様なことを見失っているんです。
問題は解決可能か
そして最後に、「この問題は解決可能か?」です。ここでPoppyの事例を話します。Poppyは本質的にはベビーシッターのUberです。Poppyはベビーシッターにとって、失礼しました、ベビーシッターを必要とする親にとって簡単にベビーシッターを見つけることができるサービスです。
Poppyは非常に面白い会社です。様々な理由でベビーシッターを必要とするからです。仕事のために週に5日ベビーシッターを必要とする人もいますよね?少しおばあちゃんのような役割に思えます。緊急時にベビーシッターを必要とする人もいるでしょう。「体調が急に悪くなったから今すぐベビーシッターが必要だわ。病院に行かないといけないから」というふうに。または、「夫が家にいるはずだったのにいないみたい」、「私が家にいるはずだったのに無理だわ、ベビーシッターが必要ね」というように、家族との予定を勘違いしていて、ベビーシッターを必要とする人もいます。生まれたばかりの赤ん坊がいるからベビーシッターを必要とする人もいますよね?この場合、ベビーシッターはたくさんのスキルを持っている必要があります。15歳の子供が家の外に出ないように見張るためにベビーシッターを必要とする人もいるでしょう。また違うスキルです。
何が興味深いかというと、まず、ベビーシッターを必要とする人たちを助けることにします。ですが、あなたがすぐにできることは何か、よくわかりませんよね?どのユースケースに対処しますか?もっと綿密に問題を提示するとしたら、例として生まれたばかりの赤ん坊から始めていきましょう。私たちは、赤ちゃんのベビーシッターを必要とする親を助けたい。
さて、ここで、「この問題は解決可能か」と考えることができます。両親が、会ったこともないのにも関わらず赤ちゃんを預けることができるくらい信頼するには非常に高レベルのスキルが必要です。この事業の運営中にPoppyが発見したことの一つであると私は思います。両親が会ったこともない人たちをローテションし、小さな赤ちゃんの子守をさせるというアイディアは、厳しいものです。非常に厳しいです。ベビーシッターたちは必ず熟練していなければなりません。
対照的に、Uberビジネスモデルは共通したスキルをもち、取り替えのきく人材が数多くいるからこそ成り立ちます。そう、子供の世話ができるスキルをもち、なおかつ親を安心させることのできる人材は大抵フルタイムでベビーシッターの仕事をし、公平で良い給料をもらっていて、都市部ではなおさらこの傾向にあることがわかったのです。ここで、ずれがありますね、母親にとって便利な子供の世話に関する問題があるのですが、その問題を解決することのできる人材、ベビーシッターは確保できない可能性はあります。なので問題を解決することは難しいでしょう。
このエクササイズをやっていくと、世の中にあなたの製品やサービスを出していくと同時に、このようなことを考えるようになるはずです。最初に解決したい問題をどうすれば細かく定義できるだろう?また、いつも自問自答するようになるはずです、「実際にこれは解決できるだろうか?」と。
多くの創業者がこのことを考えたがらないと思います。なぜなら大変だからです。まず誰に初めに話すべきかを考えるのも大変です。理解することは難しく、「彼らの問題を解決できない」と思うかもしれません。次に進みましょう。
Avniは二児の母親です。そして彼女はこの問題を解決できないことにとても苛立っていました。なぜならその問題は彼女自身の問題だったからです。そしてその小さな子供とオンデマンドのベビーシッターという問題は、とても、とても解決することが難しいということがわかりました。
顧客は誰か?
次に私はいつも「顧客は誰なのか?」と質問します。
誰のために取り組んでいるか理解していない限り、あなたが解決している問題を本当に理解していないのです。多くの場合、人々は顧客を絞りたがりません。全員がお客様ではないでしょう?
いくつかのケースにおいては納得できると思います。例えばソーシャルネットワークや検索エンジンを作っている場合がそうです。いまでは誰もがそれらを利用していますね。私が言っているのは、いまではみんなが使用している製品のほとんどすべては、誰も使用していなかった時があった、ということです。そして、それらの製品の作成者は、まず「理想とする最初のお客様(ペルソナ)は誰なのか」を見つけ出す必要があったのです。
ですから、いまこの質問に対して答えることができないのなら、行き詰まってしまうでしょう。誰と話すべきなのか、この問題が解決できているのかどうか誰に尋ねるべきなのか、この製品が誰のためのものなのか、誰に聞くべきなのか、わからないからです。まるで想像的な小説を書いているかのように、何かを開発している創業者を驚くほどよく見かけます。それは外部の人たちとは一切関わりを持たない彼らの空想上にしかない製品であり、彼らが解決しようとしている問題は彼ら自身経験したことのあるものですらありません。これはダメです。この様な創業者になってはいけません。ユーザーたちと話しましょう。彼らが誰なのか理解しましょう。
課題の頻度を聞こう
よく聞く次の質問は、「どのくらいの頻度でユーザーは問題を抱えるのか」です。驚くべきことに、スタートアップを通じて人々と話していると、彼らはユーザーが誰であるか、または問題が起こる頻度についてよく理解せずに問題を選んでいます。
例をあげてみましょう。たくさんの人々がYCにやってきます。昔人気だったアイディアは、車のショッピングサイトを作ることでした。もし皆さんが車のショッピングサイトを利用したことがあるのならわかりますが、特に5年ぐらい前は、ダメなサイトばかりでした。使うのが難しいのです。とても見やすいわけでもありません。あなたはただ車を買いたいだけで、Teslaが提供するような経験をしたいだけですが、実際にはうまくいきません。興味深いのは、多くの創業者が何度も何度もこの問題に戻ってくるということです。そして、彼らがいつも「お客様は車を買いたい人」だと思っています。
しかし実際には、車を買うときには、それが本当に嫌な車でなければその車には基本的に7年間乗りつづけます。仮にスタートアップを立ち上げて、ホームランを打って顧客に売れて、「うちの客は俺のことが大好きだから、これから7年後に戻ってくるよ」と言ったらどう思いますか?厳しいです。とても難しいことです。
多くの車のショッピングサイトが車を買う人のために作られていないことがわかります。なぜならその人はそこまで頻繁に問題を抱えないからです。実際には、それらのショッピングサイトは「車を売る人」のために作られています。その人は毎日問題を抱えています。毎日、ディーラーはノルマを達成しないといけません。そして、あなたは顧客としてこの製品がどうやって本当のお客様、車を売ろうとしている人にとって便利になるのかわかりません。この分析をすることによって、この製品で一番バリューを得ている人が誰なのか創業者が理解できるようになります。
そしてやはりこの問題を頻繁に抱える人を助けようとするほうがいいです。毎日使用する製品について考えてみれば、それらは大概あなたの携帯電話のフロントスクリーンにある可能性があります。考えもせずに使おうとするようなものであり、あなたの体の一部のようになっているものです。あなたがインストールしたアプリを思い浮かべ、それが一番後ろの3ページにあったり、フォルダ内の2ページ目に埋れていたりするのであれば、あなたが滅多に使用していないアプリということになります。あなたにあまり頻繁に使われなくても良いアプリであるか、事業として失敗しているアプリです。
課題の重要性
いつも次にする質問は、「どれだけその問題が重要か?」です。多くの創業者たちは良いアイディアを持っていますが、彼らはこの頻度と重要度分析をしません。頻度が少なく、重要度の低い問題を解決しようとしているのなら多くの顧客に話を聞いてもらうことすら非常に難しいでしょう。他の全ての条件が同じだとしたら、重要で頻度のある問題の方がいいです。
会社について考えてみましょう。Uberを例にあげてみます。通常、あなたはどこかにいて、違う場所にいく必要がある時、それはとても重要な問題ですよね。「仕事に行かなきゃ」「病院にいく必要がある」「子供を迎えに行きたい」、これらを解決するには2万ドルの車を買う必要があるくらい重要な問題ですよね?重要な問題です。そして頻度を考えてみると、どれくらいの頻度で1マイル以上、毎日歩けることのできる距離以上移動していますか?多いと思います。これを考えれば、タクシー市場を見て、タクシー市場はそんなに大きくないと思っても、顧客を見て、頻度のある重要な問題があればそこには良いビジネスのポテンシャルがあります。
顧客はお金を払うかどうか
最後の質問は、「彼らは喜んでお金を払うだろうか?」です。YCにくる多くの創業者の、これについての最初の考えは全く間違っています。彼らの最初の考えは、「製品を無料で配布する必要がある。そうしないとユーザーを獲得できないから」です。私がいつも彼らに勧めることの一つは、このように考えることです。
自分たちの製品が良いかどうか知りたければ、ユーザーにとって使用するのに少しだけ難しくすることです。そうすればより簡単にわかります。それでも使用するかどうか見るのです。もし、とても重要な問題を抱えている人に対して、「これは100ドルですよ」といえば、顧客は良い話だと思うでしょう。もし重要な問題に直面していなければ、0ドルです。特に問題に直面しているわけではない多くのユーザーも必要ですが、彼らはただ何かを試したいだけなのです。どう自分の製品を改良していくか彼らから学ぼうとすると、無駄になるでしょう。
高い価格から始める
不思議なことですが、無料で何かを始めるより高い価格から始めたほうが、少なくともある価格から始めたほうがほぼ絶対に良いです。無料から始める場合は、実際に重要な問題を抱えているユーザーとどうやり取りするか分析する必要があります。趣味であなたの製品を使っているユーザーと違って、仕事現場で頻繁にあなたの製品を使用するユーザーとどうやって話すか。顧客と話すことはいいことですが間違った顧客と話すことは本当に避けたいことです。
私はこれまでに悪い顧客に実際にハイジャックされた会社を見てきました。特に、実際のコスト負担がある会社です。例えば、Poppyのような会社を経営している場合、採用し、管理し、全員のベビーシッターたちに対する実際のコストがかかっています。遅刻したり、返信がなかったり、ベビーシッターたちに失礼な態度をとったり、そのシステムを悪用するような顧客がいるとしたらあなたのビジネスにとって不利になります。また、ハイジャックしようとする顧客は驚くほど多くいます。
チャネルはあるか
そして質問の最後は、「顧客に見つかりやすいか?」です。なぜなら、最終的には集客する必要があるからです。興味深いことに、最後のバッチをみると、B2Bの会社が二社ありました。一つはアメリカにあり、集客がとてもとても簡単でした。基本的には、Linkedlnで顧客を見つけ、そこで彼らのメールアドレスを探し、メールするのです。彼らは1週間に千人にメールしていました。
B2Bビジネスをしていたもう一社は中国にありました。また興味深いことに、中国でB2B関連のメールはあまり発達していないようです。メールアドレスを手に入れることはとても難しいことだったんです。彼らのビジネスはシンプルで説明しやすいもので、実際に重要で頻度のある問題に取り組むものだったのですが、顧客に手を伸ばす術がありませんでした。ですから、彼らは、新しい方法を開発しなければなりませんでした。
なので私はいつもこの質問をするようにしています。顧客を見つけるのが馬鹿馬鹿しいほど難しければ、それに対する解決策を前もって考えた方がいいからです。全て作り上げることができたら顧客が勝手に製品を見つけてくれると期待してはいけません。
また、空想の顧客のためや、あるいは製品を使わない顧客のために製品を作る、という状況に陥ってしまうケースもあります。「サハラ砂漠の真ん中にいる人々に水を供給したいんだが、私のアプリをダウンロードして、オンラインでGPSの位置情報を入力するだけで水を届けることができるよ」これでは全くうまくいきません。ですが、この論理的なステップで考えていない人が多いことに驚くでしょう。
さあ、次。
MVP は課題を解決しているか?
MVPはあなたが解決したい問題を実際に解決するでしょうか?これはよくあるのでとても面白いです。なぜならMVPを作る過程で、物事はただ奇妙にそして複雑になりますから。この問題を抱えていて、作り始め、ほかのユーザーと話て、気づいたら何かをローンチしています。そしてそれがあなたが約束したことではないか、あるいはしたいとも思わなかったことであることに気づくのです。
事前準備をする
MVPを作る過程の一つですが、事前準備をまずすることはとても有益になります。とても、とても有益です。なぜなら、自分が実際に問題を解決しているかチェックすることができるからです。
もう一つは、MVPはより早く作るべきだということです。典型的なことですが、作成に時間をかければかけるほど、MVP、解決しようとしている問題、そして顧客にズレが生じます。2週間でMVPを作成すると決めたのなら、作業に集中しやすくなり、その顧客のための問題を実際に解決していると認識しやすくなります。
これをテストする方法は顧客に製品を届けることです。
これは必要不可欠なステップです。私が面白いと思うのは、多くの人々が自身の製品を絵画、芸術品として捉え、たった一人にでも評価されたら特別な物だと考えていることです。それは違います。製品は絵画ではありません。芸術ではありません。もしユーザーが製品を便利だと思わなければ、その製品は定義的に役に立たないもので作るだけ時間の無駄だということです。多くの人々が芸術家になりたがっているように思います。スタートアップ界は芸術家を許しません。
興味深い事実ですが、事後に芸術家として描かれている人がたくさんいますよね?スティーブ・ジョブスなんかは最高の芸術家と謳われています。ですが結果的には何百万人もの人が買うであろう電話の作り方を考え出す必要があります。iPhone購入者が一人しかいなかったのなら彼は失敗者として見られていることでしょう。定義として芸術はたった一人か、もしくは0人に評価されればそれで十分です。それは成功する製品の定義ではありません。
これがあなたが常にチェックするべきことです。あなたのMVPは問題を解決するでしょうか?
この質問での一番の問題は、答えには痛みを伴うとことです。これはスタートアップでよく感じることになるでしょう。答えには痛みを伴います。それが問題を解決しないとわかっても、「そのことについて話さなければ問題を解決しないことに誰も気づかないんじゃないか?」って。スタートアップ内の数多くの答えは痛みを伴っているのです。
どの顧客から狙うべきか?
数多くの創業者がこの質問にとても混乱します。顧客を得るために直感的に製品を無料で提供しようとするのと似ていて、なぜか直感的に一番攻略しにくそうな顧客から狙おうっていう人が多いんです。この超攻略難易度の高い顧客を得ることができたらあとは簡単だって、良い製品を作れた証拠だって。何か証明しようとしているかのように。私は別の視点から見るほうがいいと思います。
MVPなんだから何かひどいものを作ったとわかっています。それがMVPの定義ですから。本当の質問は、酷い製品を使いたがる人をどうやって見つけるかです。きっと必死で、喉から手が出るほどそれを欲しがっているような人たちでしょう。私が創業者と話す多くの場合、彼らの製品を一番必要としているのは誰か、その顧客とどう話せばいいのかについて話します。この「必死な顧客」が私が簡単な顧客だとするものです。
もし安易なソフトウェアを月に1000ドルで売ろうとしていて、その会社との交渉が6ヶ月も続いているのだとしたらその会社は必死な会社ではありませんね。他へ当たるべきです。
実際に、あなたがスタートアップとして早期に他企業に営業するときは販売までには時間がかかるのでさらに必死な顧客を探すべきです。なので必死な顧客が見つからず、必死な顧客よりも見栄えのいい顧客を狙っているのならそれは間違いだと思います。
あなたの製品無くしては生存できないビジネスは何か
私が創業者たちに一番よく伝えることはまさに「あなたの製品無くしては生存できないビジネスは何か」です。仕事に行ったり子供の面倒を見れなくなる人たちは誰なのか。これを本当に必要としているのは誰なのか?そしてどうやって友人ではなく彼らとやりとりできるようになるのか?
私はSocialcamをたくさんの友達に使用してもらいました。私たちは、友達と共有するためのビデオに取り組んでいましたが、そんなにしようしている人はいませんでした、私のアプリで、彼らは私の友達だから使用してくれていただけです。
これについてとても正直に話ししてくれた友達が一人います。Redditの代表取締役・スティーブです。我々がSocialcamを売却した時、彼は「よし、やっとこのアプリを消せるぞ」と言ったのです。製品についてフィードバックをもらうべきではない人の典型ですよね?そして、我々が解決していた問題を彼は抱えていませんでした。あなたの友達の多くは、あなたが解決している問題を抱えていないでしょう。
投資家や友人の意見は無視する
スターアップのメンバーや投資家コミュニティーはあなたが解決している問題を抱えていません。解決しようとしている問題が重要なものか、製品が役にたつと思うか、そう行った意見を投資家に求めても無駄です。ほとんどの場合、彼らはあなたの製品を使用したりなんかしませんから。私自身YCから出る製品を使うことはほとんどありません。ですから投資家や友人の意見は無視しましょう。
彼らは100%あなたを間違った方向に導きます。彼らは善意で助けようとしてるだけですが。例えば、「サハラ砂漠に行ったことはないし、喉が乾いたと思ったこともない。でもこうするべきだと思う」というように。これはひどいですね。逃げてください。逃げましょう。
どの顧客から逃げるべきか?
顧客がつくようになれば、悪い顧客を早い段階で見分けるのに便利なエクササイズになると思います。あなたのサポートを非難する人々がいます。ずっと文句ばかり言う人もいます。私の共同創業者のJustinは、オンデマンドの専用アシスタントの会社を経営していました。私は彼のように積極的に顧客に利用を辞めてもらう人に今まで会ったことはありませんでした。
基本的には専用アシスタントのUberのようなものです。Execという名前でした。顧客の中には「私の思った通りに家の模様替えをして、でもどうして欲しいかは言わないよ」だったり、「買い物に行ってきて、でもあなたが買ってきた果物と野菜の一つ残らず批判するから」と言った本当に信じられないような無理を頼む人もいました。完全に非現実的な要望でしょう。その人は4度も違うタスクでサービスを利用し、4回とも返金を要求しました。そして、この顧客は結果として無料で多くのバリューを得ていたので、5回目の注文をしました。するとJustinはこの顧客にに電話し、「君はクビだ。二度と我々の製品を利用しないでくれ」と言ったのです。
そう言った人には目を凝らしてください。バリューのあるものを提供している場合、そのバリューを搾り取ろうとする人が現れます。そしてその人々の一部は、親切心からそうしているわけではないのです。そんな人々に足を取られてはいけません。
先ほども話したように、値引きしてはいけません。
値引きも低い価格での提供もするべきではない
ここで値引きについて補足説明です。ZenefitsのParkerが二、三年前にYCにやってきて、エンタープライズ販売について素晴らしい話をしてくれました。彼の製品のZenefitsは無料で提供されています。興味深いエンタープライズ販売です。彼が言ったことで私が感動した話の一つは、組織を納得させ、基本的にセールストークへの値引きとインセンティブを構成する方法は、あなたがどんなバリューを返せるか理解していれば、あるということです。
彼の例の話をしましょう。ヘルスケアのためにZenefitsを使用し始めるように会社に営業をかけてみます。第三者、AWSとしておきましょう、が「AWSが値引きをしてくれてDedicated Instancesを購入したからAWSの請求書が40%安くなったのでその利益を御社に御裾分けすることができます。しかし、それが可能なのは今から30日間だけです。御社には私の製品が必要かどうか判断を下すのにできる限りの時間を費やして欲しいので、この事を伝えるのも心苦しいのですが、31日後に製品を購入なされてこの値引きを与えられなかったらと思うとそちらの方が心が痛みますので」と。
これは無料にしないと誰も料金を払ってくれないという恐怖から仕方なくしたわけではありません。これはとても良くできたプロセスです。彼は顧客に利益を与える第三者をもとに、期限を組み込んだのです。そして彼は、このことが顧客側で話されるたびにこの期限と値引きが取り上げられることを知っていました。これは顧客を得ることのできない恐怖から無料にするのとは違います。これはプロセスを加速させるものです。値引きも最初から組み込まれていたものです。元の製品の値段を15%高めに定めただけでした。正しいやり方があるとしたらまさにこれがそうですね。やってはいけないことは誰も使ってくれない恐怖から無料にすることです。
メトリクスの設定方法
次は、どうやってメトリクスを設定するかについてです。主要なメトリクス製品として皆さんの何人がGoogle Analyticsを使用していますか?手をあげてください。わかりました。あなたのやり方は間違っています。そうです。
メトリクスを設定することは、あなたの会社でとても、とても重要なことです。なぜなら、あなたの製品が使用されているかどうか知ることだからです。そして新製品のアイディアやインスピレーションの一番の源になります。
Google Analyticsは、何人があなたのウェブサイトを訪れ、彼らが何ページ閲覧したのか、これは昔は重要でしたが今はそうでもないですね、そしてどこから来たのか知るためには素晴らしい製品です。ですが、製品を使用中のユーザーの行動を明らかにするという点ではあまり優れた製品ではありません。彼らはボタンをクリックしただろうか?このスクリーンを見ただろうか?他のことをする前のどのくらいの時間、このページを見ていただろうか?カートの中に何か買い忘れたものがあっただろうか?これらのことに関してはイベントベースのメトリクス製品が必要なのです。Mixpanel, Amplitude, Heap。50くらいは資金提供したと思います。他に100くらいあるでしょう。これらのうち一つを皆さんは使うべきです。もし使っていなければ、自身の製品を作るのに精通できません。必要条件のようなものなのです。使ってみましょう。
一番最初に私が話した技術チームのことに戻りますが、技術チームからしたらMixpanelを実行することは笑えるくらいに簡単です。技術チームじゃなかったらほぼ不可能でしょう。これが優れた技術チームを持つことのたくさんある利点の一つです。ユーザーが何をしているか実際に知ることができるのです。これがなければ、あなたが知る必要のある大事なことを失ってしまいます。
次に、MixpanelのSuhailは、Mixpanelをどうセットアップしたらいいのか、素晴らしい話をしてくれました。Mixpanelの設定への挑戦の一つは、「ユーザーが何をしているのか調べたい」と思った時で、ユーザーには製品の使い方が150程あってそれら全てをトラッキングしたいと思った時です。それは大概の場合は間違いです。あなたのアナリティクス製品がはじめから多すぎる量の項目を分析すると、とても使いづらくなります。
Mixpanelのような製品を使用したことがないのなら、それを使用する点で考慮しなければいけないのが、その使用方法を学ぶことです。そして一番重要なことは、あなたの従業員と、共同創業者たちに使用方法を教えることです。なぜならこの製品はあなたの会社の全員が使用方法を理解している必要があります。全員が、どう製品が機能しているか知っている必要があります。CTOが使用し、レポートを作成するようなものではないからです。みんなが使用できる相互作用的な製品です。
始めは5から10のシンプルなステータスを選択すべきです。まずインスタグラムを例にあげます。インスタグラムの5から10のシンプルなステータスを私が挙げると、アプリを開き、アカウントを作り、写真を撮り、編集をして、シェアをする。最初はそれだけで十分だと思います。インスタグラムの一番のメカニズムは、写真を撮ってシェアすることです。それをトラッキングすることができたら十分です。他に私が警告することは、もしあなたの製品がよければ、これらのステータスのネーミングが非常に重要になります。なぜならいつか、確認すべきすステータスは100、もしくは1000にもなるでしょうから。少し先のことを見据えて、あなたにしか理解できないような名前をつけてはいけません。もしあなたの会社が成功したら、非常にたくさんの人たちがこれらのステータスを見なければならなくなりますから。測定を製品仕様の一部とするべきです。
よく、私が創業者と話す時、彼らは「この製品をリリースするんだけど、測定は将来的に追加するつもりです」と言います。それがどう上手くいくのか、私にはわかりません。みんなに使って欲しいものを作ったのに、人々がそれをどう使っているのかわかる測定を具体化させていないのです。うまくいきません。測定をすることは、製品の仕様の一部です。製品の詳細を書く時、追跡できるステータスの詳細を含んだ方がいいです。また、製品を作っている時にあなたが改良したいと思ったステータスも含む必要があります。それは製品の仕様の一部であり、最初のリリースの一部であるべきです。そうしなければ、あなたは当てずっぽうになります。これはJustin TVで数えきれないくらい失敗してきたことです。
プロダクトの開発サイクル
製品開発のサイクルの話をしましょう。
Jutin TVとTwichは3人のYale生と一人のMIT生で運営されていました。Yaleでは、最も生産的スキルとして他のYale生とどう口論するかを教えられます。Justin TVで製品を改良していくためのたった一つの方法は、そのYale生三人を論破することでした。Kyleは口論が大嫌いで、関わらないように、睡眠スケジュールを変えました。私たちは朝8時から深夜0時ごろまで起きていました。Kyleは夜11時ごろに起き、一晩中コードを書いて、朝寝ていたので、私たちの何を作るかという馬鹿げた議論に関わりませんでした。Justin TVでの典型的な議論の一つは約3ヶ月続きましたが、それはオリジナルサイトの背景色を何色にするか、というものでした。オリジナルサイトはたった1ページでした。
Justinは黒、私は木目柄にしたかったのです。3ヶ月の議論の後、変更可能な背景にすることに落ち着きました。背景オプションが5つありました。馬鹿馬鹿しいですよね、このような間違いをたくさんしてきました。私たちは実際には、5年ほどの間失敗し続けるまで製品改良サイクルを学ぶことはなかったのです。その間は、悪い製品改良サイクルの典型でした。
まず、我々は3ヶ月ごとに製品をリリースしていました。ウェブ限定商品としては最悪です。次に、製品会議を行う時、メモを全く取らなかったことです。私たちは4人だけでした。4人しかいないんだし、何が言われたのか思い出せなかったらバカだと思っていました。もし何かを忘れたとしたらその部屋にいる4人のうちの一人に聞けばいいと思っていました。それはダメです。結果として、改良サイクルの最初の一ヶ月の間、それぞれが改良したかったものの少しだけ解釈が違うバージョンに取り組みました。仕様を書き残していなかったからです。
その月の下旬に、私たちは集まり、「ちょっと待てよ、まったく同じものを作っていないぞ」となったわけです。それから私たちはまた製品ミーティングを行い、また何もメモを残さず、また1ヶ月の間製品開発に取り組みました。この段階で二ヶ月目でしたが、私たちの生産性は約3週間分で、5週間分ほどの作業を無駄にしてきました。ここにきて、私たちは再び集まり、このスプリントの3分の2はおろか、3分の1も達成できていないことに気づいたのです。だんだんと気分が悪くなってきて、自分たちは作っている機能にうんざりし始めました。そこで私たちは、「よし、やり直しだ。この機能の馬鹿げたバージョンを作ろう」と言いました。そしてそれを作るのにまた1ヶ月かけます。
この時点で、製品に3ヶ月間取り組んでいます。その3ヶ月の間に、新しくていいアイディア、または面白いアイディアを思いついたとしたら、「君はすでに他のことをしているわけだからそのアイディアには価値がない。どっかにメモしておけ。どうでもいい。今はこの製品について取り組んでいるんだ」と言われるでしょう。
3ヶ月が経とうとした時、もっと続けようという思いよりも、3ヶ月かけて作ったこのひどい機能に全員がうんざりしていました。ローンチし、すぐに使用されなければまたブレインストーミングをして会社を救う新しい機能を見つければいいという感じでした。
これは会社の経営法としては間違っています。最低でした。先ほどGeoffと話していましたが、Jutin TVが作り、今のTwichにも引き継がれている主要製品の決定は、左にビデオがあり、右でチャットをするというものでした。これは2006年に決定しました。2018年でも同じ方法です。私たちが作った製品決定の大多数派はひどいもので、陽の目を見ることはないでしょう。なぜならそれらはこのようなプロセスを経ているからです。もしあなたのプロセスが議論し、仕様をメモすることなくあれこれと繰り広げられ、長い改良プロセスをぐるぐると繰り返しているのなら、あなたのやり方は間違っています。100%間違っています。私がアドバイスすることは、問題の解決方法の探し方のモデルです。必要に応じて取り込みたい分だけ取り込んだらいいと思いますが、私が話していることについてピンと来るものがあるのなら解決するべきです。そうしなければあなたの会社の生産性は実際よりかなり少なくなるでしょう。
会社のメトリクスをトラッキングする
はじめに、あなたの会社が上手く機能しているかを反映できるような数値をトラッキングする必要があります。基本的に顧客にお金を請求することがあれば、この数字は収益になります。基本的にはそうです。例えばFacebookのように顧客にお金を請求しない場合、使用に関するメトリクスなどがいいかと思います。例えば、DAU(日間アクティブユーザー数)のように毎日どれくらいの頻度で顧客が戻ってくるかなどです。ほぼ常に、この2つのうちの1つになるでしょう。まったく顧客に請求しない場合は使用方法、顧客に請求するのなら収益。多くの人々はなぜこの二つのメトリクスが自分のビジネスには適用されないのかの理由を作り上げようとします。彼らの1%は正しいかもしれませんが、その99%はおそらく間違っているでしょう。
KPIの目標が何であっても、毎日測定することを忘れないでください。そしてあなたの会社の全員がこのゴールが何か知っているようにしてください。どこかスクリーンに表示すると便利です。投資家があなたのKPIゴールを尋ねたとき、それが何かわかり、何がメトリクスであるのか言うことができるだけでなく、始めた三ヶ月前から比べて今はメトリクスがどの段階にあるのか言えなければなりません。これは手持ちのチップです。
製品に関わる人間として私たちが次にすることは、ミーティングに参加し、「このサイクルで向上させたいKPIはこれだ」と言うことです。Socialcamでは、トップレベルのKPIはDAUでした。DAUに貢献するため私たちが考えた3つの方法は、新しいユーザー、ユーザーのリテンション、そして新しいコンテンツの作成です。これらの三つです。私たちが取り組む全てのサイクルには、この3つのうちの一つを正しい方向にその数字を動かすことがゴールでした。
そして私たちはブレインストーミングを行いました。私たちのブレインストーミングは数時間かけて行われ、ここで言うブレインストーミングは、「これはどう?」とあなたがが言って、あなたの共同創業者が、「ひどいアイディアだ」と言うようなものではありません。これはブレインストーミングではありません。本当のブレインストーミングでは発言したアイディアは全てホワイトボードに書かれます。このブレインストーミングのいいところは、みんなのコンピューターが常にMIxpanelに繋がっていることです。もしアイディアや考えがあればいつでもメトリクスをチェックすることができ、それが正しいかどうか見ることができます。ホワイトボードに書かれたアイディアを見ることにどれだけ価値があるか驚くでしょう。全ての人が、作りたかったものを作っているわけではありません。
しかしその代わりに、あなたのアイディアが考慮され、ホワイトボードに書かれたという事実は、人々をいい気分にさせるでしょう。アイディアが否定された時、人は気分を害しますから。CEOの仕事は、いつも従業員を嫌な気分にさせないことです。時々、CEOの仕事はアイディアを否定することのだと思われがちです。違います。そんなことはあなたの助けになりません。うちの会社では全員がこのブレインストーミングに参加しました。当時は4人だったので実行するのは簡単でした。
私たちが次にしたのは、Easy、Medium、そしてHardというものでした。私たちのブレインストーミングは、実際いつも3つのカテゴリーに分けられました。新しい機能・既存する機能のイテレーション、バグの修正とメンテナンス、そしてテスト、実行したかったA/Bテストです。この3つにカテゴリーに関するアイディアでホワイトボード全体は埋まりました。そしてそこで、Easy、MediumかHardにうつるわけです。私たちにとってHardとは、一人のエンジニアが改良サイクルのほとんどをかけてするものを意味していました。Mediumとは基本的に1日か2日かかるものを意味していました。Easyは一日で複数できるものを意味していました。
これは非常に重要です。この部屋にいる皆さんの何人がコードの書き方を知らないでしょうか。手をあげてください。ほら。私も皆さんと同じです。あなたのアイディアは実現しやすいか、実現するのは難しいのか知るためにはコードの書き方を知っていないととても厳しいです。実際にスキルとして経験を積んで学ぶものでしょう。このプロセスは基本的に、あなたを学ばせることのできるプロセスなのです。簡単なアイディアは難しいアイディアより速く、さらに機敏に実行することができることがわかります。そして難しいアイディアのほとんどは、実際には取り除くことのできる無駄に難しくって価値のない部分が何か理解することで、簡単なアイディアとして置き換えられます。多くの場合、難しいアイディアの中には取り除くことのできる無駄で難しい部分があります。ですので私たちにとって、チームのみんなが学ぶことができ、相互に機能するチームにだったので分野別での困難、例えばウェブ機能としては簡単でもビデオ機能としては難しいものがあるということに気づける機会でもありました。ですから、何が簡単で、普通で、難しいのかチーム全員で学ぶことができたのです。
また、議論能力に左右されず、客観的にアイディアについて考える手法も作成することができました。「あなたのアイディアはかなり難しそうだし、Mixpanelによると数値もあまり変わらないように見えるな。その一方で、この人のアイディアはとても簡単だし数値もすぐ変わるだろう」と言うようなものです。
次にすることは、難しいものから先に決めることです。まず難しいものを全て見て、「どの難しいアイディアがKPIに最もインパクトを与えるだろうか」と考えます。それから普通のアイディアに移り、最後に簡単なアイディアに移ります。興味深いことは、ホワイトボードに書かれたアイディアをEasy、Medium、Hardに分けるだけで多くのエゴが討論からなくなりました。なぜならまず、あなたのアイディアが考慮されたとわかっているからです。そして2つ目に、それがどれだけ難しいか客観的な測定が目の前にあります。3つめ、ホワイトボードにはたくさんのアイディアが書かれています。あなたが気に入る簡単なアイディアを直ぐにみつけることができるでしょう。その高い確率で採用されるであろう簡単なアイディアに夢中になってあなたの難しいアイディアが採用されなくても構わないのです。
次のステップですが、仕様書を書く必要があります。ここでみんな行き詰ります。ミーティングはここまでで4時間ほど続いているでしょうし、これは誰もが嫌がるステップです。Socialcamにビデオフィルターを加えること、これが実際に何を意味するのか書き留めていくのです。Jutin TvとTwitchのユーザー間でのチャット機能を付け加えること、これが実際に何を意味するのか、具体的にどういう機能なのか。これは非常に重要です。一度これが終われば、あなたは仕事をチームに配分することができます。
現在、Socialcamでは2週間ごとにこれらのサイクルを行っています。昔はApp Storeへ提出するのにさらに時間がかかりましたから。あなたが純粋なウェブ製品を取り扱っているのなら、これらのサイクルを週に1度は実行できるでしょう。長時間の会議をみんなが嫌いにならないようなルールですね…これ以外の会議は行いませんでした。唯一の会議でした。2時間かかるかもしれませんし、6時間かかるかもしれない。ですがそれから2週間は全くほかの会議はないのです。
実際に、コードを書けない者として、私の一番の仕事はただ黙ることでした。私が問題の火種になりかねませんから。みんな忙しく働いていて、この仕様書もあり、みんなそれぞれ何をすべきなのか完璧に把握しているなか、私が「最高」のアイディアを思いついたとしたらそれはみんなを混乱させるでしょう。途端に仕様書が無意味になり、ホワイトボードに逆戻りしてうんたらかんたらとなるわけです。私が気づかなければならなかったことがこのミーティングは2週間ごとに行われているので、途中で素晴らしいアイディアが芽生えたのなら2週間後のミーティングを待てばいいということでした。そもそもそのアイディアは間違いだらけかもしれませんし、2週間待ったって問題ありません。この2週間ごとのリズムで、私たちは成功しました。2週間ごとに、作ると決めたものを作れていたら、とても気分が良くなりました。
ここでのリズムというのは、次のサイクルにいき、さらにやる、ということにつながりました。このリズムは非常に重要です。なぜなら、プロダクトマーケットフィットが見つかるまでには非常に時間がかかります。たくさんのことを試してイテレーションしていくでしょう。そしてそのプロセスが楽しくないと、あなたはとてもいらいらするでしょう。プロセスが楽しいと感じさせるのは、私たちが目標をもち、それらを達成していたからです。
ピボットとイテレーション
ピボット対イテレーションについてです。
多くのYCカンパニー、一般的に多くの創業者たちは「うまくいっていません。もう二か月になります。ピボットするべきです」と私に言います。この発言について考えると、本当に呆れます。製品を今まで一度も使ったことのない顧客のために新しい製品を作っているのです。大概の場合、個人的に経験したかある程度しか知らない問題に取り組んでいます。何かを見出すのに2か月が十分だったと、どうすればそう思えるのでしょうか。とっても素晴らしいことが、たった2か月でできるでしょうか?
2年プロセスでの問題解決方法を考えていないのなら、あなたのやり方はおそらく間違っているでしょう。2年以内での素晴らしい進歩に満足していないのなら、おそらくあなたのやり方は間違っているでしょう。さらに時間がかかります。難しいことをしているのです。それがもしとても簡単だったら、他のだれかがすでにやっています。
ピボットは顧客か課題を変えること
ピボットとは、顧客を変えるか、問題を変えることだと定義しています。これは珍しいはずです。頻繁に起こっていいことではありません。多くの場合、新しい会社を始めることを意味するでしょう。
イテレーションは方法を変えること
私はイテレーションを、解決方法を変えることだと定義しています。正しい顧客をもち、正しい問題を持っていたとが、MVPが使えないガラクタだった。新しい解決方法が必要だ。もしくはMVPはよかったが、問題を解決しなかったので新しい解決方法が必要だ。または本当にその問題を抱えている顧客に製品を見せたが、興味を示してくれなかったので新しい解決方法が必要だ。順序が逆になっているのをよく見ます。解決方法を先に考え、目当ての顧客が製品を気に入らなかったら、気に入ってくれそうな全く違った顧客を探そうとし、その新しい顧客は時には全く違う問題を抱えています。解決方法が一番の肝だと思っているため、解決方法を売り回ろうとします。
一番の肝は問題だと思います。他の人々が解決できなかった問題を特定していくことは価値があり、一番の肝だとおもいます。FacebookははじめSNSではなかったですし、Googleははじめ検索エンジンではありませんでした。これらの肝は、人々が解決していなかった問題を理解したことです。もし、問題をよりよく解決できたとしたら、大企業を設立できるはずです。「かっこいいことをやったぞ、だれがこれを使うか考えよう」とは思わないのです。
偽のスティーブジョブズ
少し切り上げて、偽のスティーブ・ジョブズと本物のスティーブ・ジョブズの話をします。多くの人は、スティーブ・ジョブズは熱心に見習うべき人だと思っていますが、スティーブ・ジョブズに対して間違ったイメージを持っています。
彼らは、スティーブ・ジョブズが完璧なアイディアを頭から引っ張り出して世に出していたんだと思っているでしょう。おもろしろいのは、この話の完璧な例として人々がiPhoneをあげることです。現在のiPhoneをみてください。いまのあなたのiPhoneは素晴らしい製品です。しかし最初のiPhoneはほぼあらゆる面で最悪でした。そして、スティーブ・ジョブズがイテレーションをせずに完璧に近いものを想像できた人ではなかったと知らないのです。
ジョブズもイテレーションをしていた
スティーブ・ジョブズはすべての段階でイテレーションしをしていました。初めのiPhoneについて皆さんに思い出してもらおうと思います。3Gはありませんでした。3Gが基本的な機能だった頃です。素晴らしいウェブブラウザーがあってもEDGEでしか利用できないのでそれは最低でした。キャリアが一社に限られていました。別のキャリアならキャリアを変えるしかありませんでした。バッテリーの保ちの悪さ。スクリーンはいつも割れる。App storeがない。他のアプリをダウンロードすることもできないのです。これが最初のiPhoneでした
みんなこのiPhoneのことを忘れています。もし、あなたが社内で、「これはこうあるべきだ。俺が言っているんだぞ。客なんて関係ない。みんな関係ない、お前もだ。俺の言う通りに製品を作れ」と言って、偽のスティーブ・ジョブズになろうとしているのなら、あなたは偽スティーブ・ジョブズになっています。
本当のスティーブ・ジョブスは、革新的だったけれど最低だったMVPをリリースし、それを毎年イテレーションし続けたのです。あなたのポケットの中にある素晴らしい製品が生まれるまで。本物のスティーブ・ジョブズはイテレーションをし、顧客と話をします。偽のスティーブ・ジョブズはただ夢を見て、アートを作ります。偽スティーブ・ジョブズにならないでください。
Twitch での事例
さて、これを踏まえて、最初に行った事に戻りたいと思います。最初に私が言ったことはまだ本当です。Justin TV…私がなぜこれらのルールを知っているのかというと、その理由は私たちがこれらのルールを全て破ったからです。Justin TVとTwitchがもっていたのは、製品における強いエゴを持った、優秀な技術チームです。
いつの間にか特定の用途に使われている
Twitchで気づき始めたことは、とても興味深いものでした。ゲーマーは私たちの製品をずっと使用してきたのです。ゲーマーはほとんど初期のころからJustin TVを使ってストリーミングしていました。いつでも彼らは私たちのトラフィックの約20%を示していました。長年、私たちは彼らを無視してきました。無視です。完全に無視してきました。それでも彼らは製品を使用し続けました。彼らのために機能を作ったりはしませんでしたがそ、れでも製品を使用し続けてくれました。何年経っても製品を使用し続けてくれたのです。かなり必死だったのでしょう。
ユーザーと話す
Twitchに取り組み始めて一番変わったのは彼らと話し始めたことです。不思議なことに、私たちはほかのユーザーと話していませんでした。初期のころのJustin TVでは、他のユーザーへ話しかけませんでした。私たちは、製品改良サイクルで忙しく、ユーザーたちと会話する時間なんてありませんでした。そこで初期に私たちがしたことは、ゲーマーたちと一緒に座って、何が欲しいのか聞くことでした。
おもしろいことは、私たちは特別なことを作り上げたわけではなかったことです。彼らは「ああ、固まってしまうのがうっとうしいね」など二、三言います。彼らは小さなことしか欲求しませんでした。それらのなにが最高だったかというと、私たちが彼らのために何かを作っている、と彼らが気づいたことです。インターネット上の誰も、ゲーマーのために製品を開発していませんでした。そして、私たちが何かを作ると言ったら実際にそれが作られることにに気づきました。
ユーザーのリクエストに応える
あなたが好きな製品を作っている人に、「これできる?」と言って、実際に実行された経験はありますか?FacebookのMarkに、追加してほしい機能を提案して実際に採用されたことはありましたか?ないでしょう!これがスタートアップとしてあなたが届けることのできる素晴らしいことの一つです。それから、それらの機能が今のTwichの右でチャットして、左にビデオがあるような普通なものあっても、「はいどうぞ」といって差し出せば、彼らはあなたのことを好きになるのです。同じ製品です。
このプロセスの最高だったところは、彼らと話すことでした。彼らは私たち味方だときづき、自分たちのために何かを作っていることにきづき、そして友達に伝えるのです。これが主要な変更でした。もし、技術チームがなかったら、もし、私たちが十分に安いお金で生きられなかったら、もし、私たちのエゴがかかわっていなければ、ここにたどりくことはなかったでしょう。ここ5年間のJustin TVの歴史を振り返ると、0から約2400万ドルまでの価値になったのです。それから3年後には、2400万ドルから一億ドルになりました。これが正しい顧客に当たったときにソフトウェアができることです。
Q&A
質問を受け付けます。後ろの方。
質問者3
早い時期での値引きをすべきではないとのことですが、もし恐れずに製品を作るか、勝手、特別な内容をつけて収益化する場合、どうしたらいいですか?
Michael Seibel
あなたの質問をわかりやすくいうと、製品の最終的なアイディアを無料にするとしたら、無料にするべきですか?私の意見としては、あなたがユーザーに一生使用料を求めないつもりなら無料にしても全く問題はありません。いずれユーザーに使用料金を支払わせるつもりなら、できるたけ早くから支払わせたほうがいいでしょう。なぜなら彼らがお金を払う気があるのかどうか知る必要がありますから。そして、顧客のビジネスがその上に成り立っているのなら確実に支払わせたほうがいいです。私はこんな測定法を使うでしょう。あれこれ手を加えることはできますが、高いレベルにおいては、ユーザーから料金支払いを望むのなら支払わせるべきです。もし支払わせる気がないのなら、広告をもとに収益化するといいでしょう。基本的に料金を取らないのなら広告で収益化することです。広告で収益化しないのであれば、ユーザーを請求した方がいいでしょう。では次の質問。前の方。
質問者4
素晴らしい話をありがとうございます。一番の収益、または現金に加える一番の手はいつも収益だとおっしゃいましたね。わたしはすでに開始しています。初期の段階で、最初の収入を得ようとしているところです。まだ数週間ですし、ゼロから生み出すことは大変であることは理解しています。収益か、もしくはほかのことを追ったほうがいいでしょうか。
Michael Seibel
収益です。もし、KPIがメトリクスであれば、ぜひしてください。もしKPIがあなたの収益で、数値がゼロであれば、最重要KPIとしてトラッキングし続けるべきでしょうか。簡単にいえば答えはイエスです。毎週その数字をみてひどく落ち込むべきです、それが答えです。明確にしたいのは、Socialcamで私が言ったように、貢献する数字があるということです。一方で、DAUが我々の最重要メトリクスでしたね?私たちが貢献できたと思ったことは、新しいコンテンツ、新しいユーザー、既存のユーザー、これらの数字が動かすことができます。営業型のビジネスをしているのなら、KPIの数値は第一に収益、もし、それがゼロであれば本当に痛いですね。ゼロ、ゼロ、ゼロ。ひどいものです。ですが、他の3つのメトリクスがこの一週間でどれだけ会話をしたか、契約交渉中人数、オンボーディング人数だったりするかもしれません。もしこの3つの数字が動いたとしたら、収入の数値が動くことを期待できます。それらがあなたのやる気を維持します。ですが最重要KPIなら絶対に自分を偽ってはいけません。絶対に。
質問者4
ありがとうございます。
質問者5
ハードウェアの会社を経営しており、ローンチ前で。我々のユーザーとターゲットとする市場は一日に500から900の問題に直面しています。重要なのは、家賃が払えるかどうか厳しいところです。製品を市場にだすため、先行販売を考えていますが、なにかヒントはありますか?
Michael Seibel
先行販売にたいして何かヒントはあるか。先行販売については、たくさん、たくさんヒントがあるといえるでしょう。私だったら以前先行販売をした創業者たちにメールしてみます。一番のヒントは、彼らにメールして、彼らが以前どうやったのか聞くことです。私が思う先行販売での一番の間違いは値引きです。この一番の間違いは、特に、ハードウェア会社の創業者は、赤字にならないために請求しなければならない金額を侮り先行販売が命取りになる例です。私なら避けます。ではあともう2問ほど。後ろの方。
質問者6
はい、全く進展がなかった時期があったとのことでしたが、何が一番つらくて、どう乗り切りましたか?
Michael Seibel
進歩が遅かったときに一番つらかったこと。私たちは若かったですし、全くつらくありませんでした。学生寮にいるかのように生きていましたから。今ならもっとつらかったと思います。今は子供もいて、妻もいて、アパートも車もありますから、今だったらとてもつらかったと思います。停滞期の何が一番つらいかというと、今自分にあっているレベルのライフスタイルをあなたが調整できるか、ということです。もし、あなたが若くて、まだ会社で働いていて給料をもらっているのなら、ライフスタイルをレベルアップしないことは、スタートアップを始めるにあたって大きな助けになるでしょう。資金、車代や旅行代が増えるともっと厳しいでしょう。そこからレベルを落とせなくなった人を数多く知っています。おそらくもう戻らないでしょう。後ろの方。
質問者8
ベータから初期のMVPへ移行することについてもう少し教えてもらえますか?
Michael Seibel
どうやってベータから初期のMVPへいくか?私にはその二つの違いがよく分かりません。あなたの製品を使っている人がいるかどうか、イエスかノーです。もし人々があなたの製品を使用していないなら、ただちにあなたの製品を使ってもらえるようにしましょう。あなたの製品が使われ始めるようになれば、ベータ、プリセール、アルファ、などなど、名称は様々ですが、どうでもいいことです。製品が使用されているかどうかのただの境界線なのです。次に実際にユーザーが抱える問題を解決しているかどうかです。ローンチの道順を正しく沿っているかとかよりも。YCカンパニーの多くは何度も何度もローンチします。ですので、過程はそこまで重要ではないのです。あなたの製品をみんな使ってくれていますか?
質問者7
はい、使ってくれています。
Michael Seibel
すばらしい。あなたはもう出発しています。おめでとうございます。好きなように呼べば良いです。あとひとつ。はい、お願いします。
質問者9
はい!メトリクスの選択方法について質問です。私たちはメトリクスをおいかけるべきアプリについて説明してくださりましたが、2、3の(聞き取れず)の共同出資を持っていると思いますが、でもそれぞれ違うものを必要としています、実際にはどれが(聞き取れず)になるでしょうか。
Michael Seibel
すばらしい質問です。でもあまり満足できないであろう回答をします。実際の質問は、基本的に、「次に何を作れば良いか」ということです。これが私の答えです。あなたが製品改良サイクルを持っている理由は、複数のことに取り組むことができるようにするためです。通常は、正しい答えはありません。あなたが作りたいすべてのことはうまくいかないからです。そのため、あなたがすべきことは、何かを早く作るためのプロセスを社内で作ることです。実際にそれらがうまくいくかどうか知ることができ、そしてそこからイテレーションすることができるからです。
そのため、イライラしない方法で迅速にMVPを作ることができる優秀な技術チームを持ち結果を測定することはとても、とても重要で、将来に何が起こるか知らなくとも予測できる超天才であることより重要です。全体図からいうとその想像力は必要です。今から10年後のビジョンを持つためには想像力が必要です。これから三か月間の戦略的な行動は、達成するのは難しいでしょう。すぐ達成できるようなプロセスを持っていて、うまくいっているものだけをイテレーションする事が出来たらそちらの方がとても役に立つでしょう。Justin TVでの私たちの間違いはいつもホームランを打つべきだという考えでした。ホームランのためだけにバットを振ろう、と。もちろん、3か月もかかってしまいます。完璧にやろうとしていたのですから。そこからは負のスパイラルの連続です。
では、最後に私のメールアドレスは、mmichael@ycombinator.comです。すべてのメールに返信するというと誰も信じてくれないのですが。信じてくれる人はメールしてください。返信します。私が話す皆さん、オンラインの方も、人は二つのカテゴリーに分かれています。私を信じる人と、信じない人です。信じなくても構いませんが、あなたはあなたの人生を生きてください。そして助けを必要としている人々は、私を信じてメールしてきます。そして私は最善を尽くして助けます。ネットワークでつながる必要はありませんよ。Y Combinatorのスペルは簡単ですし、Michaelもですが。だからすぐ見つけることができるでしょう。ありがとうございました。
記事情報
この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文: Michael Seibel - Building Product (2018)