- 成長に最も必要なのは継続率
- 成長会計
- マジックモーメント
- 次元理論
- 成長のためのオペレーション
- データを使って意思決定をする
- 戦術
- チャネル
- ターゲティング
- クリエイティブ
- コンバージョン
- 最後に
- Q&A
Sam Altman
みなさん、こんにちは。今日はAlex Schulzをお迎えします。Facebook の VP of Growth で、おそらく成長に関する世界的なエキスパートです。彼の話を聞けばわかりますが、私が成長に関して厳しい質問を抱えていた時に相談しに行く人です。よく知られていないかもしれませんが、Facebookで働いている人たち、Facebookの創業者たち、そして初期の従業員たちはAlexを雇ったことがFacebookの成功の秘密の鍵だったと口を揃えて言います。あなたが10年前に(Facebookに)ジョインしたときにはユーザーは1億人未満しかいなかったと思うのですが。
Alex Schultz
そうですね
Sam Altman
1: 1億人未満ですよ。今やFacebookは16億人のユーザーがいます。そしてFacebookが素晴らしいプロダクトを持ったことを1番目とすれば、Alex は2番目に重要な要素だったでしょう。
Alex Schultz
HaviとかNaomiとか、彼らも重要な人物ですね
Sam Altman
そしてチームですね。とにかく、来ていただいてありがとうございます。
Alex Schultz
ありがとう。私はSamに紹介のお金を払わなかったんだけど(素晴らしい紹介をしてくれました)。そうそう、Haviは私の上司です。そこにいますね、Havi。Havi、Naomi、Danny、彼らはグロースチームに4年間もいました。そしてBlakeやRay、James Wandはそのチームをセットアップしました。
私はGrowth に関する VP ではありましたが、唯一の VP of Growth というわけではありません。それにしても素晴らしい講義シリーズですね。昨日、他の人が言ったことを聞かずに喋りたくなかったので講義を全て見ましたが、本当に素晴らしいものでした。D'Angeloが言っていたことはすごくよかったです。もし昨日ここにいなかったり、まだ見ていないのであれば、D'Angeloが言っていたことを見直すことを強くお勧めします。彼のメトリクスについての話は本当に強調しすぎることが出来ませんから。
前半では今までのポイントのおさらいをして、あなたたちが成長について考えるときに抑えるべき重要なことを強調してお話しします。そして、私や私たちのチームがFacebookのグロースチームとしてどのようにやってきたかについても。後半では特に有効な戦術について少し詳しくお話しします。
あなたたちが気をつけるべき点は、SlackとFlickrの創業者であるStuartが言ったことの中に含まれています。確かにある意味では1億匹の猿がタイプライターに打ち込んでいるとという話です。そして、私が Facebookのグロースチームにいるということはとても幸運なことでした。世界中の誰もが使いたいと思っているプロダクト、Facebookという製品に取り組むことができたということです。そして、私やその他の個人がその素晴らしいProduct/Market Fitをもたらしたと言ったら、それは嘘になります。Facebookのグロースチームがなかったら、私はA/Bテストとはなんなのかすら説明することはできないでしょう。
成長に最も必要なのは継続率
では、もっとも成長に必要なことはなんでしょうか?
成長に一番必要なことはリテンション(継続率)です。Adamがこのことについてお話ししていましたね、実際の会社のコホートを出して紹介していました。
リテンションの見方
ここでリテンションをどのように見るべきかについて、形式化されたコホートを見てみましょう。
獲得からの日数はx軸上にあり、y軸はマンスリーアクティブである人の割合です。デイリーやウィークリーのアクティブではなく、マンスリーのアクティブ使用に対して私は気にかけています。
いつも言われていることですが、デイリーアクティブももちろん議論に上げるべきです。なぜならそれは使用に関する強度について語っているからです。しかし現実には、成果を得ることそして人々があなたのプロダクトに少なくとも月に一回は返ってくることが大事です。そこからエンゲージメント、レベニュー、なにかしらのキーメトリクスを上から構築していきます。詳しくは後で説明しますね。しかし、まずはマンスリーの活動が最も重要だと思います。
もう一つは、実際にどのように計算をするか、です。
実際の収益のグラフをお見せしましょう。
これは今からお見せするFacebookの広告プロダクト、最初の250日のものです。本当に重要なことは、もし数千数百のユーザーを持ってさえいれば、この曲線を計算するのは非常に簡単だということです。
そしてあなたがすることは、ユーザーがサインアップした後、初日に全てのユーザーを見ることです。かれらはマンスリーアクティブでしょうか?そうですね、明らかです。最初の30日は、みんながマンスリーアクティブです。1月を28日と定義するのもいいと思います、7の倍数というのはこういうメトリクスにとってとても都合がいいです。1週間が7日ですしね。
しかし最初の30日間、みんなが初日はアクティブで、2日目、3日目と戻ってきていなくとも、彼らはマンスリーアクティブユーザーです。そして31日目を見てみましょう。明らかに一部のユーザーだけが31日目にアクティブになっています。
1日目にサインアップした人たちすべてが、31日間アクティブだったというわけではありません。彼らのうち、31日目にアクティブになった人はどれくらいのパーセンテージなんでしょうか?そのうちの何パーセントが32日目に活動していたのでしょうか?登録から日が経つにつれて、あなたのサービスを使用する人たちの数はだんだん衰退してきます。 それはメトリクスがだんだんややこしくなっていくということでもあります。カーブの右端に進むにつれて。しかし非常に早い段階で、非常に少数のユーザーで、グラフを平らにしていく目安を付けることできないというわけではありません。
リテンションの計測のために大勢のユーザーはいらない
私がメトリクスとしてのリテンションについて話すときや、先のAdamのプレゼンテーションで見たときでも、一番にくる批判は、分析のためにはユーザーがたくさん必要だ、それを計算するには数百万人のユーザーが必要だ、というものです。
それは嘘です。例えば、Facebookの広告では、初期の段階では私たちは数千のユーザーで計算を行っていました。もしくは、それらのユーザー全てをとても長い間リテンションしている必要があります。Adamのグラフを見ると、年単位、月単位…しかしそれは日次で計算することができます、この方法を使えば素早くできます。
リテンションカーブの見方
リテンションカーブでなにを探していますか?0より上のフラットな線を探しますよね。心臓モニターのフラットライン(心臓停止)ではないですよ。x軸を漸近線として、フラットな線を探したいのです。
今まで見た中では、これらの曲線には3つのタイプがあります。一つはx軸にとても近い漸近線、ほとんど0近くまで落ち込みます。
ゲーム会社について考えてみましょうか。大ヒットするゲームはたくさんあります。今FarmVilleをやっている人とそれが最も流行った時にFarmVilleをやったことがある人を比べると…Farmvilleが何かわかりますよね。OK。FarmVilleを使っている人は何人いるか….ちょっと年をとったかな、それをやってたときは私にも髪の毛があったんですが(笑)
FarmVilleを今やっている人の数とかつてやっていた人の数を比べると?FarmVilleは大ヒットでしたね。それから、こんな感じに安定しているもの。Minecraftを思い浮かべるんじゃないでしょうか。World of Warcraftとか。これらのゲームはネットワーク効果があって、人々が長くやりつづけているゲームです。
リテンションカーブが再加速する場合
もう一つのバージョンは、x軸に限りなく近づいたように見えた後、再加速して上がるものです。このようなことが起こる可能性があるものにはいくつか違いがあります。
圧倒的な何かを秘めているのでゼロリテンションまで下がったあとに再び数字が上がってくるんです。ビジネスにおいてそうやって再加速させるもの、それについて、私は冒頭に言及しました。
ネットワーク効果
一つは、ネットワーク効果。あなたの友達がみんなFacebookをやっていたら、あなたがFacebookをやる可能性がはるかに高くなります。友達みんながTwitterをやっていたらあなたはTwitterを使うようになるでしょう。WhatsApp、Messenger、ソーシャルサービスならなんでもいいんですが。
ネットワーク効果は本当に重要です。マーケットプレイスもネットワーク効果としてカウントされます。十分な売り手がいれば、十分な買い手を確保できます、十分な販路があれば売り手をもっと確保できます。そして、マーケットプレイスが進むにつれて、あなたは、サインアップした古いコホートが復活してサービスに戻ってきているということに気がつきます。だからネットワーク効果は、線がフラットになったあと、どこかでカーブを引き上げたり、逆にゼロに向かったりします。
新しいインターフェイスを作る
もう1つは、新しいインターフェイスをオープンすることです。考えてみてください。多くの人は最初、アプリをiOSでリリースしますね。Janが先週これについて話していたのがとても面白かったのですが、彼は最初にNokiaで始めて、Androidに注力したそうですね。なぜなら世界中のほとんどの人がそれを使っているからです。
でも、シリコンバレーでは、私たちは一般的にiOS上で最初にアプリを構築することが多いと思います。そして、誰かがAndroidアプリケーションをリリースしたとき、これは何年も前にInstagramがそうだったんですが、Androidアプリケーションをリリースするときには、人々はそのアプリをiPhoneですでにやったことがあるかもしれないんです。そしてiPhoneをAndroidに交換してあなたのサービスにもうアクセスできなくなっているかもしれない。人々はあなたのサービスを友人のiPhoneで試してみたことがあるかもしれません。そして、Androidバージョンを追加すると、彼らは戻ってきて、あなたのサービスを使い始めるかもしれません。ユーザーを再び獲得することができるのです。
カテゴリを増やす
そして、カーブを再度上昇させる3つめの理由はカテゴリを増やすということです。Amazonについて考えてみましょう。とてもいい話があります、Stuartだったかな…以前、Amazonについて話していて、Amazonが書籍から始まったことについて話していました。なぜなら当時、本の在庫用の保管場所がたくさんありましたから。
それから、次のカテゴリー、次のカテゴリーへと次々と展開していきました。想像してみてください。Amazonにある人が本を買いに来たとしましょう。2年後、Amazonは急に台所用品とか、別になんでもいいんですが、服とかを扱っているんです。そして、お客様が戻ってきて(Amazonで)服を買うんです。ユースケースが増えて、マンスリーアクティブが増えます。
これはeBayにも当てはまりますね。私たちは車関連を追加しました。eBayでは総流通総額(Gross merchandise volume)を報告しなければなりませんでした、車ありとなしで。それまでは車をオンラインで買えるなんて誰も信じていませんでした。でもeBayはそれをやったんです。そして人々に完全に新しいユースケースを提供しました。(車を買ったのは)多くはeBayの既存顧客で、彼らは買い物ができる新しいカテゴリーをもう一つ手に入れたということになります。x軸に平行に走っている漸近線を曲げたいわけですよね。多くの人が思っている以上に、限られたデータでこういうことができるんです。今説明したような手法を使えば、です。
リテンションの実例
では、次のスライドで実際の例をいくつかお見せしましょう。これらが、私が見たことのある3つの曲線タイプです。
このような曲線の漸近線は、素晴らしいです。会社は生き残ります。どのくらい大きくなるのかはまた別の話です。
真っ直ぐゼロに向かう曲線、大丈夫です。ゲーム会社なら次から次にヒット商品を生み出せばいいのです。EAはFIFA27をリリースした時には、FIFA2012にまだ多くのユーザーがいるなんて思ってもいません。だから大丈夫です。x軸に着いてしまっても大丈夫なビジネスもあります。
しかし、あなた方はこの様なビジネスだということを自覚しておく必要があります。3つめは、曲線が上がっていくものです。
ネットワーク効果や使用可能なプラットフォームを増やしたり、マーケットプレイスやサービスに新たなカテゴリーを増やすことによって躍動させることができる可能性があります。これらから落ちてくる果実は成長への素晴らしい見方です。
成長会計
Danny Ferante、彼はYahooにいて、グロースチームの最初のメンバーの一人でした。彼はFacebookのコアデータサイエンスを実行していますが、彼はとても素晴らしいんです。運営手腕で、口達者な裏に本当に素晴らしい頭脳を持っている。
DannyはFacebookにこれを持ってきたんです。これは成長を見るのにとてもシンプルな方法です。私たちは成長の指標として、毎週どれくらいのユーザーが増えているのかを見ていました。絶対水準で見ていたということです。「一週間に100万人の人がサインアップしているんだ、そして、一週間に(ユーザー数は)80万人も伸びでいる」というふうに。 いいね、でも20万人のチャーン(離脱者)がいる。そして、このような方法では見たことはありませんでした。
考え方を変えるとこうなります。「OK、純成長は週あたり80万人だね。新規ユーザーは1週間に100万人。しかし、チャーンまたはリザレクションユーザーの数は?」。当時私たちはそれに気がついたんです。具体的な数字は思い出せないので、だいたいで言いますが。
想像してください、130万人のチャーンがいるとしましょう。 20万人ではないですよ、130万人です。復活者が110万人。+1-1.3+1.1は…80万人の成長ということなります。しかし、80万人の成長をもたらしているのは、すみません、計算を間違えてしまったかと思います。80万人の成長というのが、あなたが思ってたよりも、チャーンやリザレクションユーザーの(数字の)大きさの動きとは違うところで動いているということです。これが人々の離脱をどうやって食い止めるのかということを考えるのに役に立ちます。
今戻ってきてくれていない人々を私のサービスに戻ってくるようにするにはどうしたらいいでしょう?一度リテンションカーブを持つことができれば、一度リテンションのあるビジネスを始めることができたら、成長についてただ単に新規ユーザーの獲得数だけで見ることはできないということになります。わかりますか?全体的に、成長のためにフォーカスしている一番のこと、それはリテンションです。
なにが人を引き止めるでしょうか?そしてどんなサービスが人々を引き止めますか?
マジックモーメント
それは Magic Moment(マジックモーメント、魔法のような瞬間)です。
AirBnBを使用したマジックモーメントはどんなものですか?Facebook、LinkedIn、WhatsAppを使用したときのマジックモーメント、SlackやDoorDashを使用したときのマジックモーメントはどんな時でしたか?
どんな製品でも、「これがあって良かった」という瞬間があったはずです。Facebookにおいては友達でしょう。最初の友達がいて、間違ったグループに属してしまっているかもしれませんが、高校の友達がいたとして成長するについて連絡を取らなくなってしまって、引っ越してしまった。しかし、その友達を(Facebookで)見て、「うわー、彼/彼女と何年も喋ってないや。いまどんな生活をしているのかな?」今は子供がいて、髪の毛もなくなってるかもしれない。でもなんだかいい気持ちになるでしょう。これがFacebookのMagic Momentです。
どれだけ早くMagic Momentをユーザーに体験させるか。AirBnBを見たことがありますよね?彼らは人々に与える喜びについて話していました。ユーザーの旅の中でさまざまなステージにおけるシーンショットについて話していました、彼らがユーザージャーニーマップとして創り上げたものです。
最初の人があなたの家を予約して滞在する、これが最初の予約、これがMagic Momentです。eBayは、誰か知らない人があなたの最初のアイテムをオンラインで購入してくれます。今はもうそういうことは可笑しく聞こえませんが、私がイギリスでeBayで働いていたときにはそれは革命的でした。そして人々は本当にそれを話した時には(びっくりして)目を見開いたものです。
ドイツではこんな素晴らしい広告がありました。オークションが終わるのを待っている時に宣伝を行ったんです、あなたが最初の購入を行うように、これぞアドレナリンやエンドルフィンが出る瞬間でしょう。ユーザーはそれが好きでした。今思えば遠い昔のことのようですが、こういったMagic Momentが、あなたが探すべきものです。どうやったら見つけられるのでしょうか?
スケールしないことでマジックモーメントを見つける
スケールしないことをすることでそれを見つけることができます。比較的明白だと思いませんか?実際に考えてみてください、あなたのプロダクトの経験とはなんですか?人々に何をしてほしいんでしょうか?最初のユーザーに聞いてみましょう。
「OK、あなたは私のプロダクトを使い続けてくれているけど、なんで使ってくれているの?私のプロダクトを使うことによってなにがあなたを幸せな気持ちにしているんですか?最初の瞬間は何だった?」スケーラビリティはありませんが、一般的にはうまくいきます。
「Facebookのよいところはなんですか?」と人に聞くと最初の答えは「友達や家族と繋がることができる」。どんな調査でも「なぜFacebookが好きなんですか?」と聞くと「ああ、友達や家族と繋がることができるからだよ」と返ってきます。スケールしない方法ですが、そういうことができます。
スケールすることをしてマジックモーメントを見つける
もしくは、スケールする方法を取ることもできます。相関関係を探すことです。MarkはStarup Schoolで話をした時に、14日間の間に10人の友達を獲得することに力を注いでいると言っていました。
滑らかな曲線ですよね?x軸上は友達の数、y軸は保持率。10で段階的な変化があるわけではありません。9人であればリテンションなし、そこから11人獲得すればリテンションし、10で全てが変わる訳ではありません。明らかに滑らかな曲線です。そしてこの曲線上のあるポイントを選んだだけです。
ですが、あなたが最初の14日間に獲得した友達の数と、あなたが(Facebookの)ユーザーとして残っているかどうかということには強い相関性があるんです。最初の日の友達の数と相関があります。
こういった相関は他のプロダクトについても言えます。同様に、eBayで入札して、購入して、アイテムをリストに入れましたか?これらはeBayのリテンションに関して完全なる相関関係があります。
想像してください、DoorDashはStanfordで設立されましたね。DoorDashを考えてみると、あなたは最初のオーダーをして、あなたのドアの前にオーダーしたものが届きます。あなたがオーダーしたことがあるかどうか、最初の一週間にオーダーをした数とあなたが(DoorDashを)使い続けるかどうかということにはおそらく相関関係があるでしょう。
あなたはユーザーとの会話の中からプロダクトのMagic Momentを探し、さらにそれを相関関係で検証する必要があるのです。わかりますか?いいですね。
次元理論
これが好きなんで、いつもプレゼンテーションには入れるんですが。私はイギリスのCambridgeで物理の勉強ができて幸運でした。
私のお気に入りの講義は、いや、お気に入りの講義というわけではないんですが、Dimensional Reasoning(次元理論)が好きでした。ここに立って言うだけなら簡単です。「OK、安定したリテンションが大事です。そうしたら実現可能なビジネスとなるのです」。実際はそうではありません。口先だけで言っているようなものです。
もしあなたがソーシャルネットワークを作って、5%のリテンションがあるとしましょう。長期的に見ると大きなソーシャルネットワークにはならないでしょう。もしくは、メッセージアプリ、WhatsAppのようなもので、あなたの友達の5%しかサインアップした後にそれを使っていなかったとしたら?役に立たないでしょう。そういうのが当てはまるのなら、10億を超える数のアクティブなユーザーにリリースする方法はありません。
一方で、例えば服を売るマーケットプレイスを持っているとしましょう。そしてリテンションのパーセントは5から10パーセントですが、人々がたくさんお金を使ってくれる。このビジネスは実行可能です。
必要とされるリテンションのレベルは、あなたが属するカテゴリーによって大きくことなります。もちろん、全てにおいて(リテンション率が)高いにこしたことはありません。eBayやAmazonのようなタイプのビジネスモデルで、90%のリテンションを持っていたとしたら、おそらくAmazonよりも大きくなるでしょう。凄まじいことです。しかし、私が言いたいのは、あなたたちはそれを見つけ出すことができるということです。
こんなインスピレーションストーリーが好きです。Jeffery Taylorはイギリスの物理学者で、Manhattan Projectでは隅の方にいました、中心的な人物ではなかったんです。彼は後に違う分野でノーベル賞を受賞しました。アメリカとロシアの政府はこの画像を公開しました。「私たちの爆弾はこれだけ大きいんだぞ」という意味です。しかし、実際の力については公開していませんでした。なぜなら国家秘密だったからです。
Jeffery Taylorがやったことは、Dimensional Reasoningと呼ばれる手法を使っています。達成しようとしているメトリクスの単位を見るんです。エネルギーの場合はジュールですね。ジュールとは、Kg x m2 / s2です。この場合、何を使用するかというと、ここでのkgは空気の体積x空気の密度、すなわち1、で、立方メートルx平方メートル/秒の2乗になります。したがって、m^5 x s^-2。時間はこれ、直径、球の半径はこれ、そして半径をmとして、直径、時間を秒として入力すると25キロトンが答えとして出てきます。10^14になると思います。
実際には米国政府の計測では21キロトンだったと思います。1枚の写真から当時のアメリカの国家秘密を計算することができたのです。彼にこんな計算ができたんだから、あなたはどれくらいのリテンションが(自分のサービスに)必要かを計算することができますよね。
先ほど見せると言っていた実際の曲線グラフです。
他のイベントでもプレゼンテーションしましたが、国家秘密かもしれないので数字は消してあります。これは2007年から2008年です。私がFacebookに入社した週に広告ビジネスを始めました。
私たち自身のアドビジネスとしてのサービスです。ピンク色は右手軸に、青色は左手軸に向かっています。青い線は、どれくらいの広告主が1日、2日、3日の間にシステムを使用していたかです。x軸は獲得日数ですので、わかりますね。
250日の間のことですので、251日前には広告主はゼロでした。そして251日目には?少なくとも0日目には、全ての人々はアクティブでした。そして、これらのピンク色のデータポイントは、登録したユーザーの内サービスを30日または31日後も使っている人から得た総収入を30日または31日前にサインアップした人たちの数で割っているものです。アクティブな人の数ではないです。サインアップした人の数です。
30日または31日前に登録したコホートの合計で、1日の総収入をそのユーザー数で割ったものです。そしてこんな形の曲線になります。ちょっと言葉につまりましたが、見直したらちゃんとわかると思いますよ。
2008年にDannyと一緒にこれをやりました。この曲線グラフを見る上でもっとも重要なことは、このピンクの線がどれだけフラットかということです。曲線をフラットにすることについて話してきましたね、これが実際のフラットな曲線です。そしてそれがいかに早くフラットになっているかを見てください。
100日目までに200日めの線がどうなっているかを大方予想できます。私はこれを何度も見てきました。視聴時間でも、費やした時間を同じ分母で割ったらこうなりました。
感情分析でも同じことでした。大きな感情調査があって、同じ分母で割ればこうなります。記事投稿でも見ました。写真のアップロードや、メッセージの送信についても。このよのように同じテクニックを使うことができます。どれくらいのリテンションがあるか、また、ビジネスが実行可能かという判断のために。顧客のライフタイムバリューがなんであるのかを把握するために。
もし今日、自社のための市場規模を獲得しようとしたとして、100日間の間にどれだけの収入を上げていますか?それが、この曲線であなたができることです。投稿数で予測することができますし、ページビューで予測することもできますし、滞在時間でも、なんでもいいんですが。リテンションに効くエンゲージメントについても同じ方法論が有効です。このメトリクスの最大の要因は、実際のところリテンションであることが多いです。
私たちは(この解析を)非常に少ないデータで行いました。その後、公開しても良いデータですが、2012年の末、その時には70万人のアクティブな広告主がいました。最初は30万人のアクティブな広告主だったのですが。これはその5年前のことですね。ですから、とても小さなデータからでもこういう計算ができるということを想像できると思います。
最後に、もっと進むにつれてノイズがでてくるということです。あなたは言葉通り、このグラフでそれを見てとることができますよね?グラフの右に行くほど数値に差異があります。
成長のためのオペレーション
さて、あなたは成長のためにどのようにオペレーションを行いますか?
明確な目標にフォーカスする
最も重要なのは明確な目標です。Brian、彼はFacebookの成長マーケティングにおいて素晴らしい人ですが、彼はいつもこう言います、「もし君がグロースチームにいるのであれば、君のプロダクトは数字だ」と。
MarkがFacebookの初期にやったであろうもっとも素晴らしいことの一つは、会社全体として、マンスリーアクティブユーザーを私たちの目標設定として並べたということです。
どういう意味でしょうか?幾つかの理由がありますが。もっとも大きな理由は、全ての人をアラインさせたということにあると思います。2人か3人以上の会社になると、もしくは2人か3人以上のチームになると、100人の人たちになると、みんなをコントロールすることはもはやできなるなります。
1人の人が何をしているかはコントロールすることができるかもしれませんが、残りの199人は好きな様にするでしょう。ではどうしましょうか?みんなが確実に同じ方向を向いているようにしたいのです。一般的に正しい方向に。
FacebookにしろAirBnb、Linkedin、なんでもいいんですが、それらの会社の初期に戻って考えてみましょう。収入の目標を持つことは完全に合理的ですね。会社が生き残ることを望んでいます。十分なお金が必要です。会社を実行可能にするため、人々を雇うため、企業価値をあげるため。合理的な人は「収入を増やすために突き進む必要があると思う」と言うかもしれません。
同時に、Airbnbの場合は、ホストの数のようにメトリクスを持つことができます。Facebookの場合は、投稿数。DoorDashであれば注文数。Facebook以外ではこれらの会社のメトリクスが何なのかは知りませんが。プロダクションメトリクスやコンサンプションメトリクスでも簡単にできるでしょう。私たちのサービスに費やした時間のメトリクスもできます。
そしてこれら全てのメトリクスは(ビジネスを)やっていく上で合理的なメトリクスです。10人の合理的な人がいます。5人はマンスリーアクティブユーザーについて考えたほうがいいと言うでしょう、ひとりは収入、2人は滞在時間、2人は投稿数を見たほうがいいと言います。全部ある意味正しいですが、曖昧な方向に向かっているのでおそらく喧嘩になるでしょう。
あなたができるだけ早くユーザーの前に広告を置きたいのであれば(広告を見せたいのであれば)、真っ先に友達(数)を出す必要はないかもしれません。 もし彼らに投稿をさせたいと思っているのであれば、コンポーザーをダイアルアップして広告をプッシュダウンすればいいのかもしれません。あなたができる何かしらのトレードオフがあるはずです。そして、チーム全体のゴールが明確でない場合、衝突してしまうでしょう。
ですから、あなたの会社が向かうべき目標がはっきりしているということ、これがとても重要です。私としては、目標をMAPする、それが、あなたができる一番いいメトリクスではないかと思います。
なぜなら、基本的に一ヶ月に一回見ればいいだけですから。あなたが消費者向けインターネット会社をするつもりなのであれば。しかし基本的に、もっとも重要なことは目標を設定することです。チームのプロダクトも目標です、そしてその目標に集中し、目標を中心に会社をアラインし、そして成長するために正しくオペレーションを行うのです。
スタートアップにグロースチームは必要ない
もう一つ、私がいつも言うことは、グロースチームは必要ないということです。もしあなたが小さな企業なら、もしあなたがシリーズAにいるのであれば、グロースチームはいりません。私みたいな人を雇う必要はないです。会社全体の仕事が成長することですから。私はFacebookで非常に満足しているので、ジョブオファーは受け付けていませんしね。会社全体の目標は成長のはずです。スタートアップの目的は成長することです。
そして、どれくらいの規模まであなたは成長したいですか?その数字に向かって会社全体を調節しましょう。わかりますか?
アプローチ
Naomiは素晴らしい人ですが、Facebook以外の人にはあまり知られていないような気がします。
しかし、彼女は成長のためにプロダクトとエンジニアリングを実行した人です。彼女はとても素晴らしいです。彼女はFacebookで12年間働いていました。ですから、人によっては私がオリジナルだという人もいますが、私はそうじゃないと毎日思っています。彼女は私から3フィート先に座っていますが、彼女が素晴らしいんです。
とにかく、彼女はこのようはアプローチをとります。成長プランのサイクルの間、繰り返し使っているものです。とても効果的だと思います。
理解すること。最初に、何が起こっているのかを理解してください。持っているすべてのデータを見てください。ユーザーと話してください。ユーザーが何を考えているのか聞いてください。自分のプロダクトについて自分が理解できうる、あなたのプロダクトを取り巻く状況を全て理解してください。重要なことです。
リテンション、チャーンが多すぎはしませんか?リテンションはしっかりしていますか?収益はユーザーごとに増加していますか?(ユーザーを)取得しているチャネルはなんですか?どのチャンネルでユーザーが復活しているのですか?メールを送った時に復活しますか?それはプッシュ通知ですか?何が起こっていますか?
あなたのシステムで何が起こっているのかを理解しましょう。すべてをトラッキングしましょう。そして、特定します。すべての様々なメトリクスを見て、入ってくるさまざまリサーチを全て見て、どこにチャンスがあるのかを特定します。
どこに大きな落とし穴が見えますか?プッシュ通知をオンにしているのにプッシュ通知を受け取っていない人はたくさんいますか?プッシュ通知を受け取っているのにそれをチェックしていない人はたくさんいますか?たくさんのソーシャルメディアのトラフィックはありますが、検索トラフィックがなかったりしませんか?Eメールの口コミでの招待は動いているのに、SMSはそうでもない、そこの違いは何ですか?
このように、データを見てどこにギャップがあるのかを特定し、実行段階でこのギャップを修正しようとしてください。今日に至るまでFacebookではこの様に成長に取り組んでいますし、9年前ぐらいに、F8でのことだったと思うんですが、Naomiと私がしたオンラインの講話を見ることもできます。8, 9年前のことで、このアプローチを使うことについて話し合いました。そして私たちは今もそれを続けています。何が起こっているのかを理解し、理解したデータのなかからチャンスを特定し、それに対して実行することです。
データを使って意思決定をする
もう一つ、以前言われたことで私が面白いと思ったのが「データ負債はクソだってなって、後になってそれを後悔する、そして自分の直感はある時点で使い果たされてデータが欲しくなる」です。2009年、1月中はグロースチームがやっていた作業を全部シャットダウンしました。そして、全ての時間をFacebookのログと全てのクリティカルフローをはっきりさせるために使ったんです。
登録について。当時、Eメールのクリックのログはとっていなかったので、取るようにしました。今はあたりまえのようですが、当時はやっていなかったのです。Eメールをクリックして、ちゃんとログインしたか、もしくはパスワードの入力を間違ったか、そういった全てのことについてログをとりました。そうすることによって、何が実際に起きているのかを理解することができたのです。
そして、それはとてもクリティカルなことでした。実際に、その年の3月には成長が大きく落ち込んだのですから。1月にログを追うことをやっていなかったら、私たちは何が起こっているかを理解することができなかったでしょう。なぜなら何が起こっていたかはとても微妙なことだったからです。そして、ログを追うことをしなければ、それに気がつくことはなかったでしょう。記録されたデータを入手することでこのプロセスを実行できるのです。
データに関して言えば、Facebookで働いて私はとてもよかったと思っています。グロースマーケティングをやっていますし、素晴らしい国際化チームも運営しましたし、会社のアナリティクスチームもやりましたね。数年前のことです。
内部の人にデータについて話すとき、これら3つのポイントを話します。シリコンバレーにはユーザーエクスペリエンスのため、またはメトリクスのためにオペレーションを行うというミームがあります。 私はこのミームを破壊したいと思っています。
データを使ってユーザーに共感する
適切な方法でデータを使用すると、あなたのユーザーに対して共感を持つことができます。私が話したことがある一つの例ですが、Facebookであるプロダクトをローンチしました。42インチモニターで見たことがあるかもしれません、ここで42インチモニターを見ている人はいませんが、家でやったことがある人はいると思います。
右側にFacebookでチャットができる友達のリストがありますが、一番上にはTickerとよばれるストーリーのリストがあります。小さなスクリーンで見ているときには、そのプロダクトはFacebookの右側のコラムに収納されていてプッシュダウンしています。そうるすことによってこれらのストーリーがゆっくり回っているのを見ることができます。
そのプロダクトは、膨大な数の友達がいる私たちのような人にとっては素晴らしいものでした、大きなスクリーンで多くのコンテンツを作っている人にとっては。しかし、インターネットカフェでの使用が多いフィリピンに行ったら、人々は狭いスクリーンで作業しています。右側のコラムにそのプロダクトがありました。そして、彼らの多くはFacebookとローエンゲージメントだったのです。
折りたたまれている中にいる知っているであろう人を見ることができなかった。そう、私たちと違う環境にいるユーザーの間で友達を失ってしまっていました。私たちはデータをみて、「なんでこれは小さなスクリーンではだめで大きなスクリーンでは素晴らしいのか?ローエンゲージメントの人にはあまりよくなくて、パワーユーザーにとってはいいのか?」ということを考えたのです。なぜなら、私たちはこのデータを利用して、Silicon Valleyにいる私たちのようなユーザーとは違うユーザーについて理解を得ることが出来たのです。
それについて考えてみましょう。この部屋にはたくさんのAppleのプロダクトがあるみたいですが、私はLenovoを今は持っていますが。しかしあなたたちの多くはおそらくiPhoneを持っているでしょう、iPhoneを持っている人は?Androidを持っている人は?あなた方は最高です。世界においてはAndroidのユーザーのほうが多いのですが、この部屋にいる人たちはみんなiPhoneを持っていますね。あなたたちは理解していないんです。私はiOSの使い方をいまや忘れてしまいかけているんですが、私の仕事においてはとても困ることですが、とにかく、私はAndroidを手にしたんです。
なぜなら数多くのユーザーがAndroidを使用するからです。Janが先ほどの講義で話たように。そして、私はAndroidのオペレーティングシステムが提供するものを理解する必要があります。しかし、ユーザーのように同時にAndroidとiOSを理解することはできません。なので、iOSがどうなっているかということを私はデータを用いて理解します。ユーザーと共感する必要がありますからね。
そして、リサーチもすごくよくて、ユーザーとの対話もすごく良いですが、もしあなたがTwitchのEmmettの言うことを聞くとしたら、ユーザーとの対話をして、次に提供するプロダクトを構築する。そして次にすべき事がデータを見る事だと思います。今までやってきたことが正しかったかどうかの妥当性を確認するために。
正しいことをやってきましたか?リサーチはほんとうにユーザーがあなたに言ったことと結びついていますか?データはあなたに共感を与えます。メトリクスとユーザーのトレードオフではありません。正しいメトリクスが構築されていると、ユーザーのために最適化できるでしょう。
データで将来を予測する
2つめ、「データは将来を予測する」。なんどもなんども使っていますが、私はこの言葉が大好きです。たしか、SF作家がこう言っていたと思います。「未来はここにある。ただ均等に分配されていないだけだ」。
この曲線はリテンションを表しています。さっき市場規模を見ることができると言った時に、「そこに彼ら全員がサインアップしたら、どれだけの収入を得ることができるだろう?」とも言いましたね。もしくは、誰が今サインアップしているのかを見てみましょう。
例えば、1日に1,000人の広告主がサインアップしていた当時のことを考えてみましょう。この曲線から、100日間でとれくらいの収入が彼らから得ることができるのかを導き出すことができます。また、ユーザー数も増えていきます。eBayやAmazonだとしたら、一つのカテゴリーで買い物をしている一人のユーザーが、2つめのカテゴリー、3つめのカテゴリーで買い物をしてくれると、より価値が高くなっていくでしょう?店舗で買い物をする、同じ店舗での売り上げを増やすということは、Eコマースにおいては共通のテクニックです。
OK、では買い物をしているカテゴリー数が増えているユーザーはどれだけいますか?だれかがサインアップしたのを見て、次に起こりそうなことは、カテゴリーを追加したら、将来的には収入はどのようになるでしょうか?データを用いてそれを予測することができます。
A/Bテストも素晴らしいものです。科学を信じると主張する人たちが、プロダクトに対して科学的な手法であるA/Bテストを行った時、そのA/Bテストの結果がよくなくってもそのプロダクトを売ろうとします。A/Bテストの結果を疑っているんです。あらゆる種類のスタートアップで見られることです。A/Bテストはあなたが(プロダクトを)出荷したときに何が起こるかということを100%教えてくれます。使ってください。効果的ですから。
最後に、これはMarkが私のために最近追加したものですが、データは私たちの意思決定の迅速化に役立ちます。CEOとして、テストで済ませれる様なことについて会話をしなくて済めば、会社はより迅速に行動できるようになります。なぜなら、全ての決定があなたの元に来る必要はないからです。
チームのメンバーに明確な目標、北極星となるメトリクスがあれば、彼らがテストを実行し、彼らがメトリクスを動かす事ができた場合のみあなたの元に来る事ができます。こういった決定によってあなたは迅速に動くことができます。データを先に見ているので、もっとも優先すべきことは何なのかということを知ることができます、それにより意思決定が早くなります。いいですか?いいね。早く進んで欲しそうなので、頑張ります。
戦術
最初の100人の獲得方法
では戦術についてお話しましょう。最初の100人のユーザーについてです。
Samがこれについては素晴らしい話をしてくれました。前のTracyの話を聞いていたとしたら、それも素晴らしい。彼女は建設業界の友達30人にPlanGridをトライアルで使ってもらって、そのあと29人は有料で使い続けたと言っていましたね。最初の100人の顧客は、友達に頼んでみましょう。正直なフィードバックをくれる人たちに頼みましょう。それが有料のプロダクトだとしたら、「支払う」かどうかというポイントについて正直な人がいいですね。
リサーチ
次に、リサーチです。あながユーザーになってほしい人にリーチしましょう。わかりやいですよね?あなたができること…OscarがLobチームによってどのように発見されたのか。そうですね、たくさんの人にメールしてみてください。迷惑メールのフィルターには引っかからないように、自動生成のeメールなんてやめてください、そんなことしたら迷惑メールに入っちゃいますから。
なんにせよ、個人的にeメールを送って、紹介してもらってください。共通の友達が誰なのかを見てみましょう。私はスタートアップを立ち上げたことがないので、最初の100人のユーザーについて語るには完全に場違いかもしれませんが、Samに頼まれましたので。
SNSとPR
三番目、ソーシャルメディアとPRです。PRはスケーラブルではありませんが、素晴らしくジャンプアップできるかもしれません。初期段階としては、PRは成長の鍵を握っていると思います。
後期になれば、PRは成長の鍵でもはやなくなってしまったということに企業は気づかないのです。なぜなら彼らには他のメトリクスがあるからです。しかし、一回は大ジャンプできることでしょう。毎週そんなことができるわけではないですし、一回だけなことが多いですが。
広告
最後、広告を購入する。私は広告に関してはSamのようにユーザー獲得数を増やす素晴らしい方法を知っているわけではないですが。広告を買うということは絶対に素晴らしいことだと思います。私のキャリアは広告を買うことで構築されてきましたからね。もっとも価値の高いインターネット企業2社、GoogleとFacebookは広告を売るという収入形態で全て成り立っています。
狙っているターゲットが正しいとすれば、広告というものはとてもよい手段です。それについては後ほどお話しますね。
もしあなたがグロースチームを持っているなら、成長戦術に注力しているなら、グロースハッキングなんていう人もいますが(この言葉は気に入らないですが)、燃料を注ぐとしたら、この写真は私のチームのNickが撮ったもので私は手を火の中に突っ込めとは言いませんでした。あとで話しますが、火花の散っていない死んだ炭にライターオイルを注いだところで、何も起こりません。
成長の前にプロダクトマーケットフィットを得る
この講義から学んで帰って欲しいことはただ一つ。成長促進のためには正しいProduct/Market Fit がなければなりません。成長促進のためにはリテンションが必要です。そうでなければすべての成長戦略、すべての獲得戦術は全く役に立ちません。
しかし、もしあなたが火花を持っていれば、もし光っている残り火があれば、あなたのプロダクトの火に燃料を注ぐことができます。成長戦略とはそういうことです。
チャネル
私はチャネル、ターゲティング、クリエイティブ、そしてコンバージョンに基づいて見ています。チャネルについては、ここで素晴らしいヒットを紹介しましょう。
SEO
あなたがSEOを見ているなら、キーワード検索について考える必要があります。
Googleでどのキーワードで表示されたいですか?他の検索エンジンでは?もちろん、これらのキーワードとターゲットを絞ったコンテンツが必要です。リンクを取得しましょう。インターネットからあなたのサイトへのリンクです。
Silicon Valleyのスタートアップであれば、通常は価値の高いサイトから多くのリンクを取得することができるので、これについては心配する必要はありません。しかし、サイト内リンクをリンクさせる必要があります。多くの人がリンクはもう重要でないと言うかもしれません。私の経験から言うと、それは嘘です。なぜ嘘なのかはわかりませんが、私の経験からいうとそれは真実ではないんです。
最後に、SEOに関しては基礎知識がたくさんありますから、読んでください。それについて書いてあるウェブサイトはたくさんありますから。SEO BookとかMozとか、SEOの戦術についてはウェブサイト上にたくさん情報はあります。
ペイドサーチ
ペイドサーチ(検索連動型広告)について。人々が間違っているであろう一番大きなことは、彼らはインクリメンタリティについて考えていないということです。彼らはページ検索を購入して、「ところで、これらの顧客をすでに持っているだろうか?」という必要はありません。とても難しいんです。
もしスタートアップとしてページ検索を購入するのであれば、あなたのラインでステップチェンジをみるべきです。あなたのマーケティングチーム、もしこのステージに到達したら、マーケティングスタッフがいるならフラットなラインを示すべきです。そしてページ検索を実行します、そうすれば上昇するでしょう。小規模なスタートアップであれば、どのような広告でも同じことが言えます。
あなたが大企業で、インクリメンタル分析をしているならば、Barkeleyの教授のSteve Tadlisという人は素晴らしいです。彼はeBayと共にディープスタディーをやって、彼はとても賢くて大好きなんですが。大企業では、 インクリメンタリティを得ることについて本当に賢くならなければいけません。小さなスタートアップならば、ステップチェンジを見せてください。
絶対的なROIではなくマージナルなROIについて考えてください。人々はいつも、これだけの時間を費やして、これだけのことを得たから、どれくらいの価値になるかを見ます。しかしそうではありません。最後に費やしたドルを見るべきです。あなたはそれでいくらを手に入れましたか?全体的な話ではなく。わかりますか?あんまり頷いてくれませんね。飛ばしちゃいましょう。マージナルROIを見て、経済学における収穫逓減曲線(diminishing return curve)を見てください。そしてもう一度、キーワード検索をする必要があります。
メール、SMS、プッシュ通知
メール、SMS、プッシュ通知についてです。
これはスタートアップが陥りやすいミスです。自分たち自身のために最適化してしまいます。インターネット上で、フォロワー数数百万人のインスタグラマーがプッシュ通知をONにして何かを投稿した時のスマホのスクリーンの様子を見たことはありますか。だだだだだっと、全てのプッシュ通知がハイスピードで一気にやって来ます。そういうことを私たち自身のプロダクトのためにやるんです。
私たちのプロダクトにとって、私たちはパワーユーザーです。そして本来、私がやってきた、話してきた全てのスタートアップは彼ら自身のために最適化してきました。いつもパワーユーザーのために最適化されているのです。パワーユーザーのために最適化することによって、あなたは何をしますか?それをデフォルトで設置するべきではありませんね、なぜなら私のホーム画面にとっては完全なるスパムですから。パワーユーザーは賢いので、プッシュ通知を切るオプションを与えればそれを使う事ができます。
マージナルなユーザーに注目する
プッシュ通知について気をつけなければいけないのはマージナルなユーザーです。彼らはマージナルユーザーです。Instagramで最初に「いいね」を受け取った人であり、またはAirBnBで最初の通知をもらったホストであり、eBayで初めて売れた売り手であり、または最初のアイテムを落札した買い手です。
彼らは通知を受け取る必要がありますし、返信する必要があります。頭の中で最適化する必要があります。マージナルユーザーは一番大切です。メール、SMS、プッシュ通知、さらにはLobが話していたオフラインメールもそうですが、多くの企業にとっては依然として非常に重要です。自分自身のために最適かするのは間違いです。
その他には、ちゃんと届くように、開いてもらえるように、クリックしてもらえるように、など、そういうことをする必要があります。もっとたくさんのことがありますが、時間も押しているみたいなので、質問タイムに入りましょうか。なにか質問はありますか?
Sam Altman
とても重要なところなので。ちょっと進めて、質問タイムを削るというのは?
Alex Schultz
では話を続けますね、質問タイムなしで。それでもいいですか?OKですか?いいですね。
オウンドメディア
オンサイトマーチャンダイジングについて考えましょう。あなたはたくさんのメディアを所有しています。メディアで稼いだり、メディアを購入したり、所有することはできます、わかりますね?もしFacebookに投稿して、そのメディアに対してたくさんの「いいね」を得たとしたら、あなたはメディアで儲けることができるでしょう。FacebookやGoogleなんかで広告を買ったとしたら、そのメディアを買ったことになります。それらがあなたのウェブサイトである場合は、あなたはそのメディアを所有していることになります。
みんなオウンドメディアの価値を過小評価しています。もしあなたのウェブサイトでトラフィックが多い場合は、彼らの友達を誘うように頼んでみてください。あなたのプロダクトの次のアクションを完了するように頼んでみてください。オンサイトのマーチャンダイジングについては、あなたのプロダクトの延長線上であるとして考えてください。
しかし、オンサイトのマーチャンダイジングについてのマーケディング上の問題についても考える必要があります。どうやって正しいトリガーを引くことができるのでしょうか?誰かがあなたから商品を買ったとすると、Amazonがやっているように即座に、それがさまざまな提案のトリガーになるようにするんです、これも買いませんか?これは?これはどう?と。または、この商品を買った他のお客様はこれも購入しましたよ、と。すごくうまくいきます。
クリエイティブはどうでしょう?クリエイティブは本当に重要です。パーソナライズされなければいけません、なぜなら彼らはあなたのサイトに来ているのです、あなたは彼らの名前を知っています。 「こんにちはAlex、他の似たようなお客様が買った商品を買ってみませんか?」「他の似たようなお客様が買った他の商品を購入する」。よりもパフォーマンスが上がります。
これは1つのシンプルなパーソナライゼーションです。しかし、「このお客様はこの商品を購入しました」とただ言うよりは、予測が必要になってきます。その人個人、彼らが今まで買ってきた全ての商品から、パーソナライズされた方法でどのような商品を買うべきかということを予測することができます。
Facebookでは、よく「5人の友達がxをやったよ」と言われますね。社会的コンテキスト、それはパーソナライゼーションです。人々のプロフィール画像を使用します。あなたがFacebookを見ている時に素晴らしいパーソナライゼーションの例があるんです。あなたのFacebookのページ、私たちはあなたが広告を買ったらどの様な広告になるかを見せ、その真下に「これを購入する」ボタンを置いています。これ以上パーソナライズすることはできません。オンサイトのマーチャンダイジングは、クリエイティブを深く、深くパーソナライズするチャンスがたくさんあります。
ペイド&オーガニックソーシャル
最後は、Paid and Organic Social(有償のソーシャルと有機的なソーシャル)です。私は Facebookで働いていますし、 Facebookの全ての収入源は広告収入です。個人的にはFacebookで広告を購入することについて話すには、私は適任者ではありませんね。なぜなら私はFacebookにトラフィックを送るためにFacebookから広告を購入していますから。
しかし、もし私がFacebookを離れてスタートアップをするなら、カスタムターゲティングやLook-Alike Targetingに夢中になるでしょう。もしFacebook広告以外にやることがないのであれば、それらを見ることを強くお勧めします。
一番いい方法は「わたしの一番良いお客様は彼らです」というリストをFacebookにアップロードして「こういうお客様をどうやったら見つけることができますか?」と聞くことです。多くの企業にとって驚くほど効果的です。
もう一つ、全てのソーシャルメディアを通じて言える事、それが多くの場合には取引には面白さの二乗があるんです。どういうことかというと、あなたの商品に対するクリックスルー率だとかそういうものは、それがどれくらい面白いかにかかっていて、それと同時に貢献度、メッセージアプリやTwitterやFacebookでのシェア、それらは人々がそれを面白いと思ったら増えていくのです。わかりますか?いいね。OK。
ターゲティング
ターゲティングについて。行動ターゲティングが最も重要です、なのであなたがなにをするかということは、あなたが何者かということよりももっと重要なのです。50歳、60歳の年老いた両親や祖父母世代の人たちは友達が2人いればFacebookでアクティブになります。しかし、中には500人必要な人もいます。ティーンエイジャーでも500人必要な人もいれば2人でいいという人もいます。
考える必要があります。この行動が何を意味しているのでしょうか。人口動態を元にこれとこれをやるとかどうのこうの言うよりも。わかりますか?Nikeを購入する人、男性用のNikeの靴を購入する人は、一般的には男性です。 しかし、中には恋人のためにとか、夫のためにとか、お父さんのためにとか、そういう目的で買う人もいるでしょう。女性用の靴のターゲットを女性だけに絞ること、男性用の靴のターゲットを男性だけに絞ること、それは間違いです。
あなたがすべきことは、適切な広告を表示させるために、適切な時に適切な人に適切なコンテンツを表示させるために、どんなシグナルが出ているのかを見ることです。ターゲティングの問題なのです。
以前これについて話しましたね。
クリエイティブ
OK、次はクリエイティブ。クリエイティブは重要ですが、先述の2つほどは重要ではありません。あなたが10倍のクリエイティブを持っていないのなら。 Dollar Shave Clubの動画を作るならば、それはとても価値のあるものかもしれません。しかし、ほとんどの人は天地をひっくり返すような素晴らしいクリエイティブの一欠片も生み出すことはできません。
典型的に、ターゲティングはクリエイティブの前に来ます。そしてチャネルはその前です。わかりますか?クリエイティブであることは素晴らしいですしとても重要なことです、そして大きな成長の助けになるかもしれませんが、チャネルを先に考えましょう、そしてターゲティングが2番目です。あなたがクリエイティブな人であれば、それをコンテキストに組み入れましょう、そしてそれをパーソナライズすべきです、行動を促す必要があるのです。
Call to Action が重要
行動の要求(Calls to action)について。これはとても良い例です。Facebookの当時の全ての広告には、"Advertise"と書かれた小さなリンクが上にありました。フランス語に翻訳するときに間違ってしまったのですが、このデータを見つけました、なのでフランス語では"Créer un ad"、広告を作ると翻訳しました。 そうすると本当に増加したんです。
実際のところ40%の獲得がそのチャネルからありました。その時、それは広告主を獲得するための最も重要なものでした。フランス語の翻訳のほうがよかったので、私たちはそれを逆翻訳して、世界を変えたんです。 受動的な"Advertise(広告)"ではなく能動的な"Create an ad(広告を作成する)"に変えただけで、私たちのもっとも大切なチャネルで40%もの急激な獲得が起こったんです、広告主の獲得において。
これがCall to action(行動を促す言葉)です。言葉のチョイスは重要です。クリエイティブはチャネルやターゲティングほど重要ではありませんが、ある程度重要ではあります。そしてあなたが使う言葉、それは大変重要です。
これは私が意図してコンテキスト内で言った例です。あなたが自分自身のページ内にいるのであれば、こういう広告でしょう。そして私はあなたたちに見せながら言うのです。「やぁ。あなたが広告を購入すればこの様な広告になりますよ」と。そして、これは時間ごとに見ることができます。ここの時間においてFacebookで2倍の広告主の獲得を得ています、ウィークリープッシュで、です。これについてもっと知りたければ、Brian HaleがF8で詳しく話していて、オンラインで見ることができます。
そしてこれが最後です。
コンバージョン
最後はコンバージョンです。コンバージョンはとてもとても大切ですが、今までのことを全て先に考えた後でないとあまり意味がありません。コンバージョンについて考えてみましょう。人々が見るランディングページはコンバージョン率がどうなるのかを決定します。できれば、登録フォームに飛ぶためにクリックしなければいけないボタンは一つもないほうがいいです。ランディングページに登録フォームをいれましょう。
あなたにとって重要なメトリクスがなんなのかを知ることが重要です。eBayにおいて、私たちはこのようなオリジナルのメトリクスを使いました。確認済み登録ユーザー、そして新しいメトリクス、アクティブな確認済み登録ユーザーです。アクティブな登録済みユーザーとは商品を買った人、商品を入札した人、そして商品をリストにいれた人です。確認された登録ユーザーとは登録して確認された人です。
これは2004年のころの話で、私たちはこのリサーチに膨大な金額を費やしていましたが、確認された登録ユーザーを獲得するために、全ての私たちの検索トラフィックを登録ページに送りたかったのです。 アクティブな登録済みユーザーを得るために、私たちは実際にあなたが探している検索ワードにたどり着きたかったのです。 あなたがトランポリンを探しているのだとしたら、あなたはeBayでトランポリンを買うことができますよ、と表示したかったのです。
この仕様変更、私たちはランディングページを変更するために私たちは広告を全て変更しました。eBayのために取得していた確認済み登録ユーザーを大幅に削減しました。しかし、結果的にアクティブな確認済み登録ユーザーの数は増えたのです。収入も、登録ユーザーごとのライフタイムバリューも増えました。そして獲得した人々からの一日あたりの総収入も増えたのです。
登録フォームに注力する事はできますが、Eコマースにおいては、彼らが検索していることにたどり着くのはとてもとても重要なことです。そうすることによって彼らは承認され、あなたのサービスからものを買うようになるのですから。ただ登録フォームをウェブ上に置くだけでなんとかなるようなものではありません。
私たちはFacebookでそうしましたが。
最後に
最後に私が言いたいこと、それはFacebookの動きは早いということです。そして、早く動くということは会社としての私たちの絶対的なコアバリューです。 コア・コア・コアバリューです。メッセンジャーをFacebookから取ってしまうみたいな大胆なことをやりましたが、その時は難しいことでした。
しかしその時の判断がどれだけ価値のあることかみなさんはお分かりになると思います。私はそのプロジェクトに深く関わっていました。 私たちは早く動こうとしています、私たちは大胆であろうと思っています。なぜなら、基本的に、今日、雑に実行された良い計画は、翌週の完璧な計画よりも優れているからです。 データはあなたを早く動かすのを助けます、これらの成長戦術はあなたを早く動かすのを助けます。
Bezosが90%ではなく70%のデータで意思決定する事について語りましたが、私も同じ考えです。 素早く動く、リテンションに集中する、自分の会社の成長のために気にする一つのキーメトリクスを持つ。ありがとう。
Q&A
質問を一つならお受けできるようです。(長くなって)ごめんなさい。どうぞ。
スピーカー3
Magic Momentについての質問です。いつ起こるのかわかることはできますが、どうやってそれを作り出すのか。
Alex Schultz
質問は、Magic Momentのためにどうやって考えていつ起こるのかはわかったけれども、どうやって作るのかがわからない、ということですね?正直に言いますと、LinkedIn, Facebook, Twitter, 世界中に知られている全てのソーシャルネットワークにおいて、即座にすることはあなたの連絡先を入力させることです。そうすることによって、友達を知るとあなたに必要なものがわかってきます。あなたが友達を得る事を妨げるものを排除することに焦点を当てます。
eBayの場合を見てみましょう。長期的に収益を生み出す上で、あなたたちを登録することは重要であるとは考えていなかったので、ランディングページを登録フォームから検索結果に移行しました。そうすることによってできるだけ早く購入したいと思っていた商品を手に入れることができ、あなたは登録を済まし、そしてそのMagic Momentをより早く与えることができます。ですから、ものによるでしょう。
一度わかれば、戦術が全て論理的に腑に落ちると思います。上司のHaviはよく言っていました、「常識(コモンセンス)というものは全ての意識の中で最も常識ではない」、私もそう思います。ちょっと戻って見てみて「OK、もっと多くの人にeBayで買い物をしてもらうためには、彼らを登録ページに誘導すべきだろうか?検索結果に誘導すべきだろうか?」と考えます。検索結果に誘導したほうが彼らにMagic Momentをより早く経験させることができるでしょう。ありがとうございました。
記事情報
この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文: How to Get Users and Grow - Alex Schultz (2017)