勝つ方法 (Startup School 2018 #28, Daniel Gross)

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Geoff Ralston
次のスピーカー、Daniel Grossは、元YC創業者、およびYCのパートナーです。彼はみなさんがスタートアップの創業者をやりながらも、同時に心身ともに健康でいつづけるために本当に重要なことを伝えてくれます。それでは、Daniel。

Daniel Gross
ありがとうございます。Geoff、ありがとう。こんにちは。スケジュールに少し遅れてますね、申し訳ありません。私のせいです。交通渋滞の問題解決に取り組んでいる方がいましたら、なるべく早く解決策を出してください。

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この講義の元のタイトルはこのようなものでした。

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今になって見てみると、ひどいタイトルなのでなかったことにしましょう。

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今日、私が話したいのはこのことについてです。

基本的に、ここにいる誰もがゲームをしていて、そのゲームに勝ちたいと思っていると私は考えています。取り組んでいるプロジェクトが何であれ、ここの人々は、次のロックフェラーになり、帝国を構築することに胸を躍らせていると私は確信しています。

今日話すこと

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そして、私自身も創業者であり、長年にわたって様々なスタートアップと関わってきた上で得た見解の一つが、創業者のメンタリティというのはアスリートのそれに似ているということです。

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そして、スタートアップはオリンピックみたいなものです。 これ以上難しいものはありません。

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そこで、私が今日、この講義を通してお伝えしたいと思っているのが経験が浅いアスリートがオリンピックに出るためによく犯す過ちについてです。よく見かけるものなので。ここ数週間にわたって、営業、雇用、または企業を成長させるといった面で人々が犯す過ちについて、いろんな方々から素晴らしい話を聞いたことかと思います。

しかし、自分自身に対して犯す過ちもあります。

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そして、それらを遠去ける手助けをしたいと思います。

ハードに働くのではなく、スマートに働く

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過ちの多くは働き方がスマートなものではなくハードなものであることに由来しています。

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この人力車を引いている男性みたいに。こうなりたくはありません。

企業を立ち上げる時、特にチームを築き上げているときには次のような考えを持つようになります。

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「ずっとオフィスにいなくては。」

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または「今日も誰よりも遅く勤めよう」、「努力を尽くして仕事しよう」。

こういうことにも価値があるのは確かですが、過ちにつなぐこともあります。

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最終的にはインプット=アウトプットではないのですから。

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この過ちを犯す創業者は後を絶たず、彼らが忘れがちなのが、疲れ果ててオフィスで寝るような人の下で働きたいと思う人なんていません。本当にやる気を無くさせるものです。

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最終的には…このハーバード風の2x2行例を見てみますと…

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これはスタートアップの創業者に最もありがちな過ちで、自転車のペダルをとにかくがむしゃらに漕ぎ続けることに集中してどこにもたどり着かないというものです。それも嫌ですよね。

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逆に、学界とでも言いましょうか、知識だけ集めてペダルはあまり漕がないようなもう一つの極端も避けましょう。

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目指したいのはこの両方です。今日はそうする方法について話したいと思います。

なぜスマートではないハードな働き方をしてしまうのか

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さて、詳細に入る前に、そもそもこの問題がなぜ生じるのか少し考えてみるべきかと思います。今までに誰かの下で働いた経験のある人、尊敬できるマネージャーの元で働いた経験のある人は手を挙げてください。

なるほど、この部屋にいる人の半数ほどですね。最終的に、創業者としては自らのチームまたは共同創業者たちに認められたいものです。

ここで問題となるのが、初心者創業者の多くはその尊敬すべきロールモデルが何なのか経験したことがないことです。何を真似たらいいのか、メンタルモデルを持っていないのです。その結果、偉大さがどのようなものか知らないために間違ったことを最適化したりなど、一般的な過ちが数多くあります。

さて、これでこの講義の基本的なフレームワークは理解していただけたかと思います。

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では、これらが実践で意味するものは何でしょうか。これからいくつかの分野で見ていこうかと思います。

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睡眠、食事、運動、精神、そしてリーダーシップ、これらのことに関する主な過ち。これはスタートアップ成功に関するマズローの段階のようなもので、この下にあるもの(リーダシップ)に取り組むにはまず基礎に取り組む必要があると思います。

これからお伝えするアドバイスについて本当に皮肉なのは、この部屋内およびインターネット上で見ている人の半数程が私がこれからいう助言に関わらず同じ過ちを犯すであろうということです。不思議なものですが、とりあえず続けましょう。後で「ほら、あれだけ忠告したのに」と言えるように。

睡眠

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さて、睡眠です。

みなさん、研究結果が出てますよ。睡眠は究極の向知性薬です。効果が適用されるために数時間かかるだけです。本当に緊急事態でない限り、睡眠時間を削るという行為が企業にとってプラスになることはあり得ません。

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睡眠時間が5時間必要な人もいれば8時間必要な人も9時間必要な人もいます。必要なだけ寝るべきです。

私が初めて起業した時は、先ほど言いましたように、常にオフィスにいて、身を粉にして働くことに集中していました。これは本当にバカな行為で、創業者が睡眠不足で認識力20%なのは、株主や企業全体にとっても良くありません。私なら週末の時間を使って睡眠環境を最適化します。このことに営業時間を費やすことはありません。

私の意見では、20ドルほどのコストから得れるアップサイドを見ると、アイマスクは世界で最も過小評価されているプロダクトです。私の睡眠に質はこれでかなり上がりました。 より詳しく知りたければこのウェブサイトを見てみるといいでしょう。

ここにあげてあるプロダクトを片っ端から試したらいいと思います。基本的な生活面では非常に質素でいても、私は睡眠には惜しみなく費やします。繰り返しますが、向知性薬として捉えるべきです。Lテアニン、またはカフェインを摂取することに夢中な人も多いですがこれには、それらよりもはるかに優れた向知性があります。なので出し惜しみしてはいけません。

可能な限り、少なくとも週3、4日は目覚まし時計を使わないようにします。先祖たちには目覚まし時計なんかありませんでした。彼らは目覚まし時計なしで生存することができました、皆さんにもそうすることが可能です。

先祖たちにはなく私たちにある問題として、日が沈んでからの大量の光があります。なので時には概日リズムをリセットすることをお勧めします、ソフトウェアエンジニアなら特に。ソフトウェアエンジニアならおそらく…少なくとも私が一緒に働いてきたソフトウェアエンジニアの多くは25時間サイクルで生きていました。つまり、日が経つにつれて起きる時間がどんどん遅くなっていくのです。

それはメラトニンを摂取することで有効にリセットすることができます。様々な奇妙な規制上の理由から、米国で販売されるほとんどのメラトニンは必要とする量をはるかに上回っています。3、5、または10ミリグラムです。体が眠りにつくように分泌するメラトニンの量は0.3ミリグラムですので摂取する量もそれに合わせるべきです。Amazonで買うしかありません。それには面白い理由があるのですが、今回の講義の枠済みから外れています。

さて、睡眠について少し話しました。これこそが基本中の基本です。睡眠が良くなるまで他の何にも取り組むべきではないと思います。本当に不思議です。今話を聞いている人のうち、アドバイスに従う人もいるでしょうが多くは何一つ変えないでしょう。ですが、とりあえずアドバイスはしましたよ。

食べ物

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それでは食べ物について話しましょう。今していることとチームがどうあってほしいかについて考えましょう。

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質の悪い食事は判断力を損ないます。ある時点で私は自分の体をアスリートのように調整し、ピークパフォーマンスで挑まないとチームの他のみんなの信頼を裏切っていることに気付きました。

なのでジャンクフードは食べません。ダイエットがどうのとか、終わりのない話をするつもりはありません。私は栄養士ではなく、Tony Robbinsでもありませんが、健康だと思うようにしてください。

健康食だと思うものを食べることにはそれに伴う精神的なメリットも大きいと思います。もし本当に砂糖が健康に良いと信じているのならそれでもいいかもしれません。何を信じていても構いませんが、とにかく実行するべきです。投資する価値のあることです。

これは異論のある話題でしょうが、オフィスにジャンクフードが置いてあるというのは不道徳だと思います。私ならそれらすべてを取り除いて健康食品に焦点を当てます。同等の値段で健康な食品も見つかります。

また、誰もが常に水分補給を忘れていると思います。私なら不快に感じるぐらいの量の水を飲みます。これはこの講義で私が皆さんに与える唯一の「奇妙なハック」です。ほとんどがフレームワークに関する話になるので。しかし、現実的に言えば…そう、あなたはちゃんとわかっています。この男性は成功の鍵を握っています。試してみてください。調子が良くなると思います。さて、食品に関する話でした。

繰り返しますが、非常にシンプルだと思います。ここで繰り返しているメッセージは、自分の体の面倒を見ること。スタートアップは心身ともにこれ以上にないほどの疲労をもたらしますから。

運動

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運動についてお話しましょう。

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さて、これはおそらく良いアイデアです。ここでも、睡眠と同じように、結果は決定的です。私がいつも...順を追って話しましょう。

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運動が嫌ならば、少なくとも野外で過ごす時間を増やしましょう。 チームがあり、チームのマネジメントをしているのなら1対1でのミーティングを外で行うことができます。住んでいるところが寒くて室外で時間を過ごすのが辛いのなら、それは残念ですね。より気温が暖かいところに引っ越してみてはどうですか?

私は無駄に競争心が強いので、いつでも誰かライバルが週4回運動し、その度に上達し、より優れたアイデアを持つようになり、よりクリエイティブになっていくことを思い浮かべます。そういった考え方が役立つと思うのなら使ってください。

何をすべきかに関してあまり積極的に言うつもりはありません。運動を意識して行うことならなんでもありだと思います。このことを裏付ける研究を引用する必要は感じませんし、そもそもそんな時間もありません。できることなら、費やす時間と潜在的な効果の割合からしてもランニングがオススメです。

そして、運動に関して難しいと思うのは運動すべきかどうかと言う答えが分かりきっているような問いではなく、より心理的な、どうやって運動するように自分自身を説得することができるかだと思います。

人々、特に企業の創業者がよく犯す過ちに全力で取り組むメンタリティーがあります。 何事にも全力で取り組む傾向があります。

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ランニングのようなものに最初から全力で取り組めば、それはスプリントと化して最悪の経験となるでしょう。短距離走は面白くありません。なのでやりすぎず、本当に小さな目標から初めて、成長できるように楽しい思い出作りに取り組みます。

成功は祝いましょう。それが何であっても、成功したら次に挑戦するときに脳が「あぁ、あれは楽しかったな」と思い返すようにポジティブな思い出を築くことがカギとなります。それは1マイル完走した祝いにフラペチーノを飲むといったものでもいいです。次に挑戦するときにそのフラペチーノを思い出しますから。 これを行うために実際に自分をだましてみてください。絶対に酬われるでしょう。

もう一つ、何か挑戦するために必要な意志を少なくするためにできることは身の回りにそうしている人を集めることです。他人にランニングをしているというのもいいでしょう。そうすることでランニングをしなければならないと感じますから。他のランニングをする人たちに囲まれるのもいいです。私にとって、特にスタートアップがうまくいっていなかったとき、これは本当に救いでした。リラックスさせてくれ、物事に集中できるようになりす。

皆さんは多くの浮き沈みを経験するでしょう。こういった良い習慣を安定しているか浮いている時に設立することをお勧めします。沈んでいる時に何かをするように自分に言い聞かせるのは難しいですから。

ですが、精神的な習慣を作ることができればそれに戻るのは少々楽になります。 さて、基礎が完璧で、よく眠り、よく食べ、よく運動しているのなら、リーダーとなり、企業を次のレベルに持っていくためにできることとするべきことについて話し始めることができます。

マインド

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マインドの最適化について考えるには様々なサブカテゴリがあります。

マインドフード

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良い思考の面で最もよく犯される過ちが体に供給することに焦点を当てすぎて脳に供給することを忘れることだと思います。

最終的に脳は常にパターン認識を行なっており、そのパターン認識は取り込んだ情報に供給されているものだと私は思います。なので体の供給だけでなく、脳の供給にも同様に焦点を当てましょう。

どういう意味でしょうか。実際には、私なら少なくとも週1日は全力で働きません。ここでの目的は仕事に戻った時に最もリフレッシュされているように、そうすることを可能とするものに全力で取り組むことです。

自然の中で時間を過ごすことに伴う利点について面白い論文が数多くありますが、ビーチに行ったりなんかしたら良いかもしれません。つべこべいうつもりはありませんが、とにかく週1日は働かないようにする必要があります。そうすることが仕事に戻った時に役立ちます。脳がリフレッシュされ、より斬新な方法で問題を解決するでしょう。

そして、競合相手もきっとそうしてより良い解決策を考えているでしょう。ですので安息日は絶対に取る必要があります。そうしない人たちがいることは理解できません。それは緊急なものと重要なものとの区別ができていないのだと思います。

長期的な読書に焦点を当てましょう。ここでよくある過ちが、大量に読むことを勧める人が多く、読書をしなければならないことだと思い込む人がいます。 私に与えられた最高のアドバイスは何を読むか気にせず、その本を最後まで読めるかどうかも気にせず、ただ単にどんな本でも常に読むようにすべきだということです。

これは創業者によくあると思うのですが、「この本を読まなくては、最後まで読まなくては」というマインドセットに囚われ、つまらない本に引っかかり、読書自体やめてInstagramで時間を潰してしまうのです。それは最悪です。

なので読みたい本を読みましょう。読み続けましょう。読書がもたらす価値は情報だけではなく、考え方の設定でもあると思います。誰かについての伝記を読めばその人またはその伝記に描かれた人物の考え方に少し似た考えを持つようになります。その残光こそが得ようとしているものだと思います。そして、それは短い形式のコンテンツから得ることができるとは思いません。

自分の企業が直接これらに関連していないのなら、私ならこれら全てからサインアウトします。携帯からこれらすべてを消去して、使用するまでの手間を増やします。はい。これらが素晴らしすぎるのが問題です。本当に素晴らしすぎるんです。

さてさて、脳をどのように供給するかについての点でした。

マインドソフトウェア

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次に、考え方、頭の中のソフトウェアについてですが、最も重大なのはこの第一人者モードから第三者モードに切り替わることです。

どういうことでしょうか?

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「怒っている」から「私は怒りを感じている」に移ることです。このことはマインドフルネスとも呼ばれます。私はそれを避け、もう少し刺激的に再パッケージ化しようとしています。

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要するに、フレーム外に踏み出て、自らを第三者のように感じる習慣を築くことです。

これは、本当に便利です...物事がうまくいっているのなら経験する感情も良いものばかりなので、それほど便利ではないかもしれません。ですが、物事が悪化し始めた時には本当に重要になります。

また、主に自らの不安の副産物である悪事を行い始めた時にも役に立ちます。例えば、部下にミーティングで気にくわないことを言われたとします。そういった場面で一歩下がって「今私が感じているものは不安だ」と思えることは「私はバカだ」と思うことより役に立ちます。実際に第一人者モードならそうなってしまうのですが。よりよく反応し、よりよく人々を導くことができるでしょう。

方法について、瞑想が一つの手です。自らの精神の中でより長い年月を過ごすことで自然に現れるものだと示す論文がたくさんあります。つまり成長することですね。

ですが、このことに関して上達するために最も重要なのはその概念を頭に入れ、そのことについて考えることだと思います。感情のジェットコースターに乗る創業者にとって、これはおそらく最も重要な精神的なシフトだと思います。なのでこれは本当に重要なソフトウェアのシフトだと思います。

マインドハック

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心に関する他の「裏技」ですが、最も単純なのは1日の時間を可能な限りフローで過ごせるように常に考えることです。フローとは、基本的には、時間の経過に気づかなくなるという概念です。

この本の著者、彼の名前をどう発音したらいいかわからないので困りますが、McHailなんとかですが、このトピックに関する本でオススメです。可能な限りの時間をフローで過ごし、凄腕マネージャーならチーム全体も1日の可能な限りの時間をフローで過ごすようにしたいです。時間の経過に気付きすらしないほど次から次へとするべきことに取り組んでいくべきです。

瞬間的な解決策はありませんが、先ほどから話していることに共通のテーマがあることにお気づきになられたかもしれません。鍵となるのはローンチして反復することなのです。

自分自身にとって、ミーティングに最適な時間帯は何なのか。チームにとってミーティングに最適な時間帯は何なのか。生産性を伸ばす音楽はどのようなジャンルなのか。特定のプロジェクトに手配する人はそのプロジェクトを楽しむだろうか。それは彼らの性格に合っているのだろうか。それはイエスかもしれませんし、ノーかもしれません。

ですので常にこの様々なことを試し反復するフレームワークの中にいる必要があります。自動操縦ではいけません。

早朝または日の終わりにミーティングを設定したり、ミーティングを束ねたり、分けたり、どんな試みでも、それを試してみることから得れる情報やデータがそこら中に転がっています。

万能な答えがあるかはわからないのであまり規範的ではいたくありませんが、皆さんにそれぞれ合った答えはあります。そして本当に偉大な人はそれが何であれ、その点において常に反復し続け、自己改善を試みています。あなたもそうすべきです。競合相手もそうしているのですから。

リーダーシップ

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最後にお話ししたいのが、チームを築く上でおそらく皆さんにとって最も重要であることで、素晴らしい、鼓舞するリーダーになる方法です。

リーダーシップに関しては様々な書物があり、様々な研究があります。それらのほとんどはゴミです。

キーガンの成人発達理論

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特に素晴らしいのがあり、Robert Keganの大人の発達に関する理論です。Robert Keganは、【聞き取り不可】などが研究した子供の発達とは異なる、大人の開発を研究し続けてきた心理学者です。

例えば18歳以上の大人が考えや思考パターンにおいてどのように進化するのかに関する文献はあまりありません。Keganは人が人生を通じて経過する傾向のある5つの異なるフェーズを識別し、誰もが最後の2フェーズに辿り着くとは限りません。

1は基本的に子供にあたるので、ここでは2から5のフェーズに着目します。それらを一つずつ見て行き、その後一つのフェーズから次のフェーズに進歩する方法について話します。

利己的・道具主義的段階

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それでは、皇族的精神について少しお話ししましょう。これはとても単純なAIとして考えることができます。

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子供っぽいですが、このような大人を少なからず知っていることかと思います。

非常に自己中心的で、自らの目的に集中しています。それが彼らにとって最も重要なことです。彼らは取引をしており、他人との関係も望むものを得るための手段でしかありません。反対側の視点は彼らには理不尽です。 意見が異なる人と会話することもできません。無理なんです。その人がどうしてそういう意見を持つのか理解できないんです。

このモードでの挑戦は、他人に長期的に協力してもらうことが本当に難しいことです。チームを築くようになるにつれて、マネージャーにこのような欠陥があることが見えるようになるかもしれません。時が経つにつれて他人がそのマネージャーと働きたがらなかったりする傾向があると、それは明確なサインです。これは大人としては最も未発達のフェーズで、明らかな限界があります。

他者依存・慣習的段階

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フェーズ2を超えるとフェーズ3に辿り着きます。社会的精神、私はNPCと呼んでいます。ゲーム内のプレイヤーでないキャラクターのことです。

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ほとんどの大人がこれに当てはまり、相手側の視点は理解できるものの、よく理解できすぎているのかもしれません。

そういう意味で、彼らはNPCのようなものです。彼らには内部統制の所在がありません。他人が彼らのことをどう思っているのかを常に気にし、他人の社会的談話が自らのナレーションになります。「他人は私のことをバカだと思っている。つまり、私はバカなんだ」と。これは逆に行き過ぎで、他人がどう思うか全く気にしなかったのが今度はそれしか視野に入っていないようになります。

時折、このモードにある創業者を目にします。このモードにいるときに独立したマインドセットを保つのは非常に難しく、皆さんご存知の通り、様々な未知に出くわす偉大な企業には奈落の底まで目を凝らして、トンネルの終わりに光を見出すことが必要とされます。そして、それは他人がどう思うのかを常に気にしながらでは非常に難しいことです。

ここにいくつかの価値はあります。他の人の意見は実際に重要です。していることが正しい事か、間違っていることか判断するのに役立ちます。このマインドセットにいることの問題は人生における自らのフレームワークや自らの独立した理想を持てずにいることです。

自己主導・自己著述段階

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それを超えたら今度は上級者フェーズ、自己オーサリングフェーズです。Keganによると、このフェーズにいるのは一部の大人のみです。

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社会的肯定に左右されず、一貫性を持ち、独立した精神的フレームを持っていることを意味します。特定の価値観や理想を持ち、自分自身を保持するためのものを持ち、それらが何か識別することができ、何なのか知っています。「私はXを大切にしています」が心の中の内心的モノローグの一部です。

さらに、自分の感情の責任を取ることができます。 これは先ほどの第三者視点でゲームするという点に戻ります。「あなたは私が大切にしている価値観を踏みにじったため、私はあなたに怒りを覚えています」。

このフェーズでは自分を理解できています。創業者にとってはこのフェーズが最適かもしれません。大切にしている理想が明白で、自分のことも理解しており、感情も認識しており、先ほど話した二つ目のフェーズとは違います。自分だけのためではなく、グループ全体のために最適化するというゲームを人々と終わりなくすることができます。しかし、自分の立ち位置も把握しています。

このさらに先にもう一つのフェーズがあり、Keganは面白いことにこのフェーズにまでたどり着く大人は非常に少ないと主張しました。

自己変容・相互発達段階

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自ら変化する精神のようなものです。

今までは上級のゲームプレイヤーに例えて話していましたが、ここではゲームデザイナーのようなものです。

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人として自分がどうなのか、そして自らの価値観や理想、そういったものに囚われず、身の回りの人のいかなる意見やアイデアをも受け入れ、拡張することができるような人です。

つまり彼らは身の回りのグループに応じて常に生まれ変わり続けています。エンジニアリング用語で例えますと、いかなるアイデアもVMで実行することができるような人です。彼らはそれを正しく評価することができます。彼らは純粋に他人に関心や興味を持ち、理にかなっていると思うのなら瞬時にイデオロギーを別のものと取り替えます。

そして、第2フェーズと違うのは、それが他人の意見に駆動されているものではなく、アイデアとイデオロギーの良さに駆動されているものです。これらの人に関して、私がもうひとつ魅力的だと思うのは彼らの物事をシステムとして考える傾向です。誰かがアイデアを取り上げると、瞬時に「あ、この人がこのアイデアを取り上げるのはx、yとzの理由があって、それは彼らの社内での立場がこういうもので、彼らの背景はこうで、こういう環境で育ったからだ」と理解することができます。

まるで目の前に地図があったり、もしくは建物の100階にいて下に広がる町の全体図が見えるような感じです。1階にいるのとでは視野が全然違います。

Keganらはここが到達したい目的地だと言いますが、面白いものです。私は実はプロダクトマーケットフィットが見つかるまでは創業者はこのフェーズにたどり着かないほうがいいと思います。

こういう人たちでとても興味深いのが、基本的に彼らはよく聞いてもらい、よく理解してもらえないと毎日出勤する気力をなくすような、非常に優秀な人材のマネジメントがとても上手であることです。

しかし、メタファーは危険ですが、ElonやSteve Jobsを連想するとここにたどり着くかどうかは明確ではありません。 どちらかというとよりフェーズ4よりです。彼らにはアイデアがあり、それを突き通します。

ですが、長期的には面白いと思います。皆さんも成長し、企業も成長し、強力な幹部を揃えようとしている時、そんな時に有力なプレイヤーに興味を持ってもらうにはこの段階にいることが必要とされます。彼らが自らのイデオロギーを活かし、同時に皆さんに挑戦され、皆さんがそれを採用する意思があると感じるような環境を設立できれば様々なイデオロギーを持った人材を集め、お互いに相互作用させることができます。プレイヤーとしてではなく、まるでゲームをデザインしているような感じです。

どのように発達するか

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さて、このようなことで自分の立場を測定することは出来ないという考えもありますが、それはさておき、自分がどのフェーズにいるかわかった上で、次のフェーズに進むにはどうしたらいいのでしょうか。自己中心的でなくなり、より多くの人に自分の活動に参加するモチベーションを与えれるようになるにはどうしたらいいのでしょうか。

まず概念を理解していることは助けになると思います。それによって「これはフェーズ5ではなくフェーズ2だ」と、自らの考えにラベルをつけることができますから。

そしてこのことに興味があるのならBob Keganを検索して彼の書籍を何か読んでみたらいいと思います。

時間。彼によると、それは人を連続に沿って移動させるものです。もちろん派生的な、移動速度という要素もあります。私が今まで、この地球上で過ごしてきた限られた時間内で学んだとても便利で実用的な技法に、人と対話するときには、特に雇用したいと思う人と対話するときには、答えが本当に知りたい質問しかしないというものがあります。特に面接などで、どこから出てきたのか、その答えに興味すらないのにそれが基本的な質問だという理由だけでそのような質問をし、その答えには耳を傾けず、そのせいで目の前の人と有益な対話を保てていないのを見かけます。

ですので、「今、この人に訊ける最も興味深い質問はなんだろう」というアイデアを深く考慮しましょう。たとえ目の前の人の考えに強く反対していたとしてもです。「私の意見を変えるために彼らはどのようなことを言うであろうか」という面白いブレインストームのようなものです。そうすることでもう少し興味を持てるようになるかもしれませんし、この連続体を通り抜ける助けになります。リーダーシップに関しては以上です。

これらの多くはやりながら徐々に理解していくでしょうし、チームを率いるのが初めてなら尚更そうでしょう。何が良くて何が悪いのか、そしてどこにたどり着きたいのかに関するこのような概念を頭に入れておくのはある程度の助けになると思います。

最後に

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最後に言っておきたいことがいくつかあります。オリンピックのメタファーは決して言い過ぎではないということを理解して欲しいです。

私が2010年の冬にY Combinatorにいた時のことを思い出しますが、HerokuのCEO兼創業者であるJames Lindenbaum氏が招待され、講義を行ったのを覚えています。彼はこれにある意味似たような意味で、「自分の時間は1時間500ドルとして見積もれ」という内容でした。これは当時の私にはクレイジーに聞こえましたが、それは私の弁護士が時給750ドル請求していたことに気づく前でした。

要点だけ言いますと、皆さんの時間は非常に貴重であり、チームが成長するにつれ尚更そうなり、物事を成し遂げるためのチョークポイントを増加することになります。

なのでこのゲームに生き残りたいのなら自分の体をアスリートのように本当に手入れする必要があります。責任は皆さんが全て負うのですから。そして妥協してはいけません。妥協して重要なものよりも緊急なものを優先してはいけません。それは許されません。

そうすることが役に立つのなら、それを理解した競合相手に先を越され、彼らの後を追わなければいけないとイメージしましょう。競合相手はよく休んでおり、よく食べており、よく考えているということを前提とします。

私自身、企業を経営している時に、午前3時、オフィスの机に向かってお菓子を食べているような夜を何度か過ごしました。これは良い光景ではありません。第三者視点モードに移って第三者として自分を経験するのは非常に重要です。

皆さんは何日間、何周間、何ヶ月間と続けてコテンパンにされ続けるような経験をするでしょう。誰か退職し、顧客が去り、成長もできていないというような。それを生き延びて、そしてそのモードでいつつ、正確に将棋を指し続ける唯一の術は自らの感情を第三者として経験することです。

でなければそれに巻き込まれて、正直にいうと最悪です。なので私はそのことについて考えるのに結構な時間を費やします。任意のハックの詳細は本当に重要ではありません。水を飲まなかったとしても、私にはどうでもいいことです。

ここで重要なのは、ある意味では自分自身をローンチして反復することです。何が良くて何が悪いのか、どういう日が気持ちよくてどういう日が落ち込むのか、それらに関するデータは豊富です。その情報を収集し、自らのモデルを鍛え直し、それを何度もなんども繰り返します。そして、純粋に他人に興味を持てるようになりましょう。そうなれば他人とはこの世界で最も興味深いものだと気づくでしょう。

それはViやその他のエンジニアリングの問題よりもはるかに興味深いものです。コンピューターよりもはるかにダイナミックです。そして他人を動機づけるものが何なのかに本当に興味を持ち始めたら、他人を雇用することに関して本当に上達するでしょう。他人のやる気を引き出す事に関しても上達するでしょう。ですが、それは本当に興味のあるシステムとして捉えなければなりません。他人には常に魅力的な質問をするようにしましょう。 彼らも自分自身も退屈させてはいけません。

この最後の概念は少々お伝えしにくいものですが、私が経験したシフトの中でも特に有益なものであり、人生において有限のゲームから無限のゲームへと移ることです。

何が言いたいのかというと、何千もの細かな点が含まれていますが、より高次元からしてみますと…駆け出しの頃、他人との様々な相互作用において、ゼロ・サムなんじゃないかという恐れに駆り立てられる傾向があります。それは勝敗がくっきり分かれた状況だと。

何かアイデアがあったとして、そのアイデアについて誰かに話すべきかどうか悩んでいるとします。もしかしたら話した相手がそのアイデアを盗み、あなたはWinklevossで相手がMark Zuckerbergのようになるかもしれませんからね。

ですが、そういう考えを手放すことは非常に重要です。プレイしているゲームが終わりのない無限のものだと想像すべきです。得点は非常に曖昧で、ありったけの善意を生み出そうとしているだけです。このトピックについて、「Finite and Infinite Games」という素晴らしい本があり、このようなメンタルフレームの設定に役立ちます。なぜなら、それは言葉で説明するのは非常に難しいですが、...おっと。 誰かがマリオをプレイしていますね。

一つの相互作用に勝つことに集中するより、全体的な相互作用のセットに勝つことに焦点を当てるべきだと思います。言い方を変えると、これはマラソンであって短距離走ではありません。そんなものです。

自己改善し、次のレベルに進むためにしなくてはならないことに関する暴言、あわよくばある程度生産的な暴言でした。少なくとも、スタートアップで犯される非常に頻繁な過ちに関しての良い要約ではあったでしょう。

このアドバイスに実際に従い、これらの過ちを避けるであろう50%ほどの人たちには「よくやった」と言いたいです。そしてアドバイスを無視するであろう50%、いや90%かな。彼らには「あれだけ忠告したのに」と言いたいです。どうもありがとうございます。どうしましょうか ...何ですか?

Q&A

Geoff Ralston
質疑応答をやってみませんか?

Daniel Gross
質疑応答、はい。もちろん。

ジェットコースターのような感情の浮き沈みに対処する方法

スピーカー3
大企業の会社員として心地良いポジションを諦めてからスタートアップの浮き沈みに【聞き取り不可】。

Geoff Ralston
質問を繰り返していただけますか。

Daniel Gross
はい、質問は、企業の快適な職を後にした人がスタートアップというジェットコースターに対応できる方法。おもうのは ...そうですね、たまに創業者を…これには主に二種類の反応があります。Googleの素晴らしい仕事を後にしてスタートアップのジェットコースターに乗ったとしましょう。

一つ目の反応は反感ですね。 「そんな事に関わりたくないし、集中したくない」または「週末は一日余分に休めるようにしてもらう事に慣れているし、そこは譲れないな」と。こういう企業は、悲しいことに、うまくやっていません。そしてそういう人たちは多分スタートアップをしながらそのプロセスに不満を感じているのでしょう。

最終的にはスタートアップとはエキスパートモードでプレイしているようなもので、本気でコミットしないのなら意味はありません。私たちが共に働いてきた創業者のほとんどもそうですが、それに限らず、基本的に人間とは屈強なものです。なので答えを探し出します。

私が思うに、この質問の真偽はその人が心地よすぎたかではなく、そもそも取り組んでいる問題の解決に興味があったかどうかです。よくあると思うのがGoogleを後にして、本当に何かを作る事に興味があるのではなく、何か起業しないといけないと感じてやっている人が多いと思います。なので私ならそこに焦点を当てます。もし本当に何かに夢中なら一日中その事について考えるでしょうから。はい。

オンラインで居続けなければいけない問題への対処

スピーカー4
オンラインで過ごす時間を最低限に抑えようとしているのに、ビジネス的にFacebookやInstagramやTwitterなどを様々な理由で使用せざるを得ないとしてください。その問題を緩和するにはどうしたら良いのでしょうか。また、それによる精神的健康への影響にはどのように対処すべきでしょうか。

Daniel Gross
質問は「ビジネスがオンラインでいることを必要とするとき、追求者トラップに陥らないようにするにはどうした良いのでしょうか」です。弊社でしていたことで面白かったのが、よくわからないかもしれませんが、それぞれのモニターを向かい合わせて、円状にしていたんです。

そうする事によって奇妙な責任感が生まれます。もちろん、実際には誰もお互いのモニターなんて見ていません。自分の仕事で忙しいですからね。ですが、頭の奥で「もしかしたら」と囁く声があります。なのでそれは有効なハックだと思います。チームの強制力のようなものです。

もう一つの解決策は問題に取り組むことではなく、可能な限り早く成長するという、別のことに集中することです。そしてそれは最速で成長する上で対峙しなければならない鬼と化します。Youtubeを見ていては成長はできませんから。自分の動画の視聴者数を上げているのなら話は別ですけどね。はい。

マントラがあるか

スピーカー5
こんにちは。スタートアップのライフスタイルに関する個人的なマントラはありますか?Elon Muskは、正確には彼の友人は食べ…

Daniel Gross
「ガラスを食べ、地獄の底を覗き込む毎日」?

スピーカー5
はい。私のは弾のような精神状態を必要とする無意識的な貧困の誓いです。あなたのは?

Daniel Gross
質問は、私にスタートアップに関するマントラがあるかどうかについてです。私はマントラを持つほど賢くありません。でも、あったとしたら先ほど行ったことに近いものでしょう。自らの心理状態を管理し機能するプロダクトの作成を試みるというゲームのエキスパートモードをプレイしているみたいだと。苦痛だと捉えるべきではないと思います。

浮き沈みの波が激しいと思いますし、Elon Muskがガラスを食べ、地獄の底を覗き込む度に、彼は自分の車が宇宙に打ち上げられるのを目撃することができるのですから。悪くないですよ。本当に。最終的には何かを作るということを楽しまなくてはならないです。はい?

コミュニティの見つけ方

スピーカー6
Daniel、ありがとうございました。素晴らしい話でした。これが【聞き取り不可】しかし、私はまた、自分自身をサポートするために、いくつかの指導やコミュニティを設定しました。どのようにしてコミュニティーを見つけたか、または戦っていた時にサポートとなるようなものを作ったかなどについて話せることはありますか。何がうまくいき、何がうまくいきませんでしたか?

Daniel Gross
まあこれは...質問は、自らの上達を支えるためのコミュニティーや同僚を築くことに関する戦略についてです。これは実は、少なくとも私の意見では、スタートアップスクールの主な利点の一つで、YCの主な利点でもあるのですが、他の人と一緒にピア・グループに入れられることです。そこで、あっという間に人間というのは非常に興味深いということに気付かされます。

ピア・グループ内での自らの立ち位置を把握し、自分の隣にいるのは誰か、リーダーボードで前を行っているのは誰か、下には誰がいるのか、進歩するにはどうしたら良いのか、無意識的に理解するんです。アイビーリーグのキャンパスが優れているのもこういう理由があってだと思います。アイビーリーグのカリキュラムがより優れているからではなく。途端にお互いを刺激し合う同僚に囲まれるからです。

なのでスタートアップスクールはそれをインターネットを通じて可能な限り多くの人たちに与えるスケール可能な方法として面白いものだと思います。同じレベルの人たちに囲まれると常に自らのレベルを上げようとしますからね。なのでスタートアップスクールをすることが質問の答えの一つです。

私にとってYCがもたらす最大のバリューは、急に同バッチ内の人達が皆優秀だということに挑戦され、そんな彼らと同じフィールドで対抗できるのだと気付けたことです。ですから皆様にもYCに応募することをお勧めします。他のオンラインコミュニティでここのリーダーボード上の競争に匹敵するものはないと思います。 はい。後ろの方。

反証について

スピーカー7
このような環境にいるとき、ここにいる誰もがあなたが今日話してくれたことの真逆が得意そうに思えますが、それでもかなり良い結果を残せているみたいです。それにはどう答えますか?

Daniel Gross
質問は、このプレゼンテーションで話してきたことの真逆のことをして大成功してきた人たちの例を見てどう言い返すか。私は前提を疑うだろうと思います。私はあなたと意見が異なると思います。いかなるユニコーン創業者に会っても、彼らは私が今日話したことに合意するでしょう。仮に昔、彼らが今日話したような過ちを犯していたとしても、今となってはそんなことをしたことを後悔しているでしょう。

一つ、実に興味深い考えがあって、それは必要不可欠な苦痛だということです。なかった方が良かったが、耐える価値があったと。疑わしいですね。人生は酷くなければならないわけではありません。そして間違いを犯さずに成功することも可能です。お願いします。

ピボットの間にすること

スピーカー8
こんにちはDaniel、私は[聞こえない]です。

Daniel Gross
ああ、それは知って良いことです。

スピーカー8
素晴らしかったです。ほんとうに。私は元SNS創業者で、週120から140時間働いていましたが、ソーシャルがうまくいっていないことに気づきました。ミッションはまだ健在です。次のソリューション、次のプロダクトを考慮する間、あなたならどうすることをアドバイスしますか?こういう場合、創業者にはどのようなアドバイスをしますか?そのまま続けるべきなのか、別のことを始めるべきなのか…

Daniel Gross
質問は、次のプロダクトのアイデアを見つける良い方法は何か。

スピーカー8
はい。

Daniel Gross
またはピボット。また、質問でSNSに取り組んでいたと言っていましたが...ここで一つ明確にしたいのは、努力するなと言ってるわけではないということです。勝つためには懸命に働く必要があります。私が言っているのは睡眠時間をなくすようなバカな働き方はしないでということです。そんなことをしたら遅れを取り戻すためにより努力せざるを得なくなりますから。

しかし、質問はスタートアップのアイデアの産み方についてでした。さて、私が思うには...このトピックについては素晴らしいコンテンツが多く存在します。PG、Paul Grahamが書いたものに凄まじいものがあります。彼よりうまく説明することは私にはできないでしょう。

しかし、スタートアップのアイデアを見つけようとする人に有り勝ちな過ちは、非常に制限された時間内でアイデアを見つけようとすることに集中していることです。そしてそんなプレッシャーの中で思いつけるものなのかどうかは明確ではありません。

私の場合、私が思いついた最高のアイデアは、そんな短期的な目標がないとき、アイデアを見つけなければならないというプレッシャーがないときに自然と思い浮かんだものでした。私には1000ほどのアイデアを含んだGoogle Docsがあり、おそらくそのうち一つも実現させることはないでしょう。ですが、プレッシャーがかかっていない時の方がこういうものは思いつきやすいということです。

そして、もしかしたらスタートアップのアイデアは必要ないかもしれません。YC応募者の多くに見るのが、スタートアップを立ち上げることしか視野にない人たちです。実際にはそうはなりたくありません。今日、私が新たにアイデアを思いつくと、私が最も願っているのは他の誰かがそれを作ることです。 スタートアップの道のりをたどり直すつもりは全くありません。ですので素晴らしいアイデアがなくても大丈夫です。それはバグでも欠陥でもありません。 はい?

プレッシャーから抜け出る方法、リスクを管理する方法

スピーカー9
どのようにこの圧力鍋から抜け出し、そしてどのようにリスクを管理していますか?[聞こえない]リスクについて考えることは良い何ですか?

Daniel Gross
質問は、どのようにして圧力鍋から抜け出し、どのようにしてリスクを管理するか。2問目をちゃんと理解しているのなら、二つの異なる質問ですね。圧力鍋から抜け出す最善の方法は、私なら週1日、例えば土曜日は仕事をしません。 地理的に、サン・フランシスコに住んでいるのなら、北へ向かって森の中をしばらく散歩しましょう。それは素晴らしいことです。そして、それ以上が必要とは思いません。

リスク管理についてどう思うか。これは非常に大きな問題です。困ったな。私はそれの多くが依存していると思います...まあ、非常に頻繁な間違いは、これは面白いかもしれませんね。リスク管理において頻繁に犯される過ちとはタイプ1とタイプ2の決定を不適格にパターン一致させるというものです。

これはJeff Besosのフレームワークで、タイプ1の決定があり、ここで失敗した場合のコストは破滅的です。タイプの決定では、何か間違えても悪いことは起こりません。そして、ここでよくあるミスが、タイプ1だと思っていたら実はタイプ2だったということです。そして、大抵の場合、最善の手はとにかくやってみることです、たとえその道のりがリスクでいっぱいであったとしても。

なぜなら皆さんが想像する最悪のシナリオはおそらくクリエイティブ過ぎるものだと思いますから。私はよりリスクの高いアプローチをとってきて確かに報われてきました。そしておそらく今後もリスクを取り続けるでしょう。少なくとも突如飛行機から飛び降りて死ぬまでは。それは悪いアイデアでした。生存者偏見の問題があるのかもしれません。ですが、ほとんどの場合、よりリスクの高い道が正しい道です。 もう一問。はい。はい。

共同創業者との意見の相違

スピーカー10
あなたはこれらのこと全てにおいて納得していますが、共同創業者がこれらのことを優先づけるという点で手こずっているとします。優先順位づけをする共同創業者について何かエピソードはおありでしょうか。

Daniel Gross
ええ、確かに。質問は、共同創業者にこういったことに取り組むように説得する方法。そして、もう一度言いますが、これらのことを取り込むことは努力しないことを意味しません。それが意味するのは会社を立てている最中に死なないことです。だからその多くはフレーミングによると思います。

そしてそのフレーミングで気をつけないと、「Googleの特権をこのスタートアップに取り込もう」となり、それは災難を招きます。難しいですね。以前言ったように、多くの人はこういったことを受け入れる準備ができていないので、おかしなアドバイスになりますが、一度失敗して、転んで、そのモデルを鍛え直す必要があります。

しかし一般的に言えば、これは非常に興味深い質問だと私は思います。共同創業者と意見が合わない場合、特にタイブレーカーがない場合はどうすべきなのか。ごく一般的な問題です。別の創業者。製品の決定。同意しないとき、あなたならどうしますか?

私が共同創業者としばらく利用したハックは…私たちは親友でしたが、プロダクトに関して意見がひどく噛み合わないこともありました。特定の領域での責任を数ヶ月毎にサイクルさせたのです。たとえば「こレから6ヶ月はプロダクトを頼むよ」といった具合に。「君の意見に合意はしないが、プロダクトの責任権利は今は君にある」と。

そして半年後に、チェックインします。 その時点で役割を入れ替えたかもしれません。ただ、時間制限ありで究極のオーナーシップを誰かに与える領域を定義するというのは共同創業者間での不調和に対する解決策としては過小評価されていると思います。それが何かの役に立てれば嬉しいです。

よし。ご清聴ありがとうございました。開始が遅れて申し訳ありませんでした。もし質問があったらお答えできるようここにまだ少し残りますので。

 

記事情報

この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
動画: How to Win by Daniel Gross (2018)
トランスクリプト: How to Win by Daniel Gross

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