【第4部】ビジネスサイドの人こそ Climate Tech スタートアップに向いている? ―― なぜ今『Climate Tech』なのか?

本記事は2023年2月1日に行われた『なぜ今『Climate Tech』なのか? 産業構造の激変とスタートアップの可能性』の、対談の書き起こし (第4部) です。

全書き起こしは以下です。

  1. 大きな課題=大きな事業
  2. 「気候版イノベーションのジレンマ」がスタートアップのチャンス
  3. 慈善事業として見る日本、事業機会として見る欧米
  4. ビジネスサイドの人こそ Climate Tech スタートアップに向いている?

全編は YouTube からご覧いただけます。

グローバルスタートアップ=グローバルな課題を解くスタートアップ

馬田 30:13
グローバルなビジネス作ろうと思うと、グローバルの課題を解かなきゃいけない

まさに気候変動はグローバルな課題だと思いますし、グリーンやClimate Techのスタートアップを生んでいくってことは、その課題にアプローチして、それで外貨を獲得できるすごい大きな手段なのかなと。そこが若干、国内市場向けのインターネット系のスタートアップとはちょっと違うところなのかな、というふうに個人的に思ってます。

清水 30:40
いや本当そうですよね。さっき孫世代に俺のときは牛増えたんだけどさ、みたいに言いたくないっていうのと一緒で、いや俺らのときは結構日本って言うといい国だったんだけどとは言いたくないよね、みたいな話です。

馬田 30:53
50年後には毎日停電するような感じになってるかもしれない、みたいな。

清水 30:57
エネルギーも輸入、そういったものを全部輸入しないと何もできない国になってて、なんかいやもう本当貧しい暮らししかできないんだよね、みたいな感じでバトンタッチたくないじゃないですか。それは本当にありますよね。

馬田 31:12
そういう意味で、本当に私が今生きている私達の1人でも多くやっぱこういう領域にチャレンジする、Climate Techにチャレンジしていく起業家を増やしていく、あとは起業した人の仲間を増やしていくみたいな、というところができるといいかなと個人的には思っています。

清水 31:27
今日Climate Techのセッションあれこれ言うのあれですけど、Climate Techはその内の一つの有力な手段の一つに過ぎないかなと思ってます。

全然Climate Tech以外にもいろいろあると思ってて。それこそ月並みな話ですけど、ヘルスケアとかっていうのは、これからめちゃくちゃニーズとしては当然出てくるっていうところとか、場合によっては不老不死みたいな老化を遅らせるって話もあるかもしれないし、そういったところで多分日本が勝つチャンスはなくはないんだろうなっていうふうに思いますが、Climate Techってその中でも特段チャンスがでかい領域だと思ってるってそんな感じです。

技術がない人でもやれる Climate Tech 領域もある

馬田 31:57
なるほど。ということで、ちょうど30分ぐらい過ぎてきましたので、そろそろQ&Aの時間に移りたいと思います。

宣伝ですが、FoundXも今年はスタートアップ起業ゼミというものを始めて、Climate Techの領域を中心に支援していきたいと思っておりますので、ご興味ある方はぜひFoundXのスタートアップ起業ゼミにご応募いただければと思います。

こういった方々が挑戦し始めていますという例です。

今日も会場に来ていらっしゃる方いらっしゃいます。

ビジネスバックグラウンドの方でも、いろんな技術とかをかき集めてきてできる領域だと思ってますし、技術が差別化の一番大きな要素っていうわけではない領域も結構あると思うので、そういうところはぜひビジネスバッググラウンドの方々も挑戦いただけるといいのかなと思ってます。

清水 32:46
本当にそう思いますね。めっちゃおすすめというか、私が別にここに登壇するの1円ももらってないですし、別にFoundX何かしら関係あるわけじゃないんですけど、心から普通に応援できるなと思って、今日も登壇したりとか応援してます。

いわゆる普通のアクセラレーターとか、ここで儲けようっていうふうなビジネスの会社ではない、会社とか組織ではなく、こういった東大関連組織ってのもあって、やっぱり日本を良くしていけば結局自分もいいよね、っていうふうな東大も含めてですけどいいよね、っていう。本当にそういった理念でやってるところなので、本当に心からおすすめできるなって。

あと最後におっしゃった技術だけではなくビジネスパーソンも、っていうのは実は本当にそうだと思ってて、逆説なんですけど、うちの会社は私がCTOも兼任して、マジで技術オリエンテッドの会社ですごい技術を、自分でもいうのもなんですけど、すごい科学技術を持ってる会社なんですけど、このディープテックの領域って最初からあったわけじゃないんですよ。

まず私、前職マッキンゼーなので経営コンサルです。こういった領域って戦略がすごい大事というか、どこを狙うとかがすごく大事で、いわゆるネット系に比べても、とりあえずやってみる、やってみてやりながら改善していく、みたいなリーンなやり方ってのは必ずしも上手くいかないっていうケースもあって。

その場合ってすごいビジネス経験豊富な方とか、逆説的に、テクノロジーの会社をやるからこそ、ビジネス経験豊富な方っていうのはすごく重要なんですよね。そういった方が意外と向いてる。

もちろん技術者も向いてるんですけど、っていうふうに思ってるので、本当にそうだなと思いました。

馬田 34:19
Climate Techのスタートアップのそのチーム構成とか見てると、結構シニアの方も起業してるそうなんですよ。

清水 34:26
アメリカのClimate Techの会社だと、本当にいわゆるその大学生で、そのまま企業しましたみたい人って意外と少ないですよね。

馬田 34:32
大学で出会って、そうしますというのは結構あったりしますよね。博士課程とかで。ただ本当にいろんな方が今チャレンジしてます。技術がないからと言って、遠慮する必要は全然ないと思います

逆に、大学から見てみるとその技術がいろいろ埋もれている中で、それを社会実装していくコマーシャライズしていく人はすごい求めていると思うので。ぜひこのClimate Techの流れをうまく使って、ビジネス系の方々もチャレンジしてほしいなと思っています。

他に話すことの例として、こんな感じのことが話せればよかったかなっていうふうに思ってたんですけれども。何かこの辺り、もし最後にこの辺を話しておきたいっていうのが清水さんにあれば。

オゾンホール問題を解決できた人類なら、温暖化の問題も解決できるはずで、しかもそれが事業機会にもなる

清水 35:13
よく最近言う例えだと、なんでビジネスチャンスがあるかとか、何かそれ本当にこれ何かあるのって言ったときに、ビジネスマンに意外と刺さる例として、よくあのフロンとオゾンホールの例出すんですよ。

オゾンホールって、ふさがったというか、ふさがりつつあるって皆さん知ってますか?フロンを使うのやめましょうってグローバルに言って、代替フロンを使い始めてフロン禁止して、それで収まったんですよ。

あれも当然コストかかってます。代替フロン使うのに。

それを何万倍とかのスケールでやんなきゃいけないっていうのが、地球温暖化の対策なんですね。

だから、フロンは世界で頑張って規制して代替フロンにして解決できたけど、それより遥かに大きい課題なので、本当に解決できるのかという話です。

ただ仕組みは同じで、フロンを使えなくなった代替フロンのマーケットができるわけですよ。それと全く同じだと思ってて、規模は違うけれども、解決しなきゃいけないし、一応オゾンホールという小さい問題解決はできたしっていう。

だから、代替フロン作りましょう、と。我々はまさに代替フロンを作っている会社なので。だから、そういう意味のニーズってすごくあるんだろうなと思ってます。

馬田 36:27
代替フロンならぬ代替炭素みたいな製品ですね。それを作っていかないといけない。そこに本当にビジネス機会があると。

清水 36:35
それは間違いないと思います。

馬田 36:38
ぜひやりたくなった方はFoundXっていうところも含めてご検討いただければと思います。いろんな形でこのスタートアップの領域にチャレンジできる環境がちょっと整ってきてると思うので。

いろんな形で関われます。このClimate Techは、自分がやるだけではなくて、購買者としていち早く購買するのもすごい貢献かなと思いますし、盛り上げていくそういう機運を盛り上げていく、っていうのも非常に大きな貢献だと思ってます

特に日本は若干やっぱ海外の雰囲気と比べると遅れてるなって感じがしましたが、今回とてもたくさんの方々が見ていただいているというのもあって、期待が大きくなりました。

興味を持った方は、Climate Techのニュースを見たら、Twitterで共有するとか、あるいは周りの人たちに一緒に代替肉とかも含めていろいろ買ってみるとか、というのから始めていただくのもいいのかなと個人的に思います。

 

(ここから Q&A です。Q&A は書き起こしをしていません)

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