FoundX Podcast #01「Why Now」 - 清水信哉さん

FoundX Podcast を始めます。

FoundX では、より多くの人たちに良いスタートアップを始めてほしいという願いから、アイデアを見つけるための支援プログラム Fellows Program を行っています。そうした取り組みの中で、スタートアップのアイデアやノウハウに関連する情報の一部は、音声というメディアを使ったほうが伝わりやすいと気付いたため、「アイデア」や「ノウハウ」を中心にした Podcast を始めてみることにしました。(※ニュースは扱いません。)

 

1エピソード20分前後で、通勤中に聞きやすい長さにしたいと思います。また可能な限り書き起こしも行います。

ぜひ FoundX PodcastSpotifyGoogle Podcasts でフォローしてください(Apple Podcasts はまだ登録完了していません)。「なぜ今ポッドキャストなのか」については、翻訳した a16z の記事『2019 年にポッドキャストのエコシステムに投資すること』をご覧ください。

初回のゲストはエレファンテック株式会社 代表取締役社長の清水信哉さんです。清水さんの持つ様々な領域――車、食糧、時間――における課題や、スタートアップのアイデアについてお話しいただいています。それでは初回エピソードをお楽しみください。

 

馬田

皆さんこんにちは。FoundXの馬田です。

 

FoundX は東京大学卒業生向けのスタートアップ支援プログラムです。FoundXでは無償での個室の提供したり、スタートアップのアイデア発見の支援のプログラムを行っています。このFoundX Podcast では起業家や投資家の皆さんお呼びして起業のアイデアやノウハウに関してお話していただこうと思っています。

 

今日はエレファンテック社の清水社長をお呼びして、このPodcast を始めていきたいと思います。今回のPodcastは「起業家の皆さんが忙しくて自分では出来ないけれども、是非誰かにやってほしい」、そういったスタートアップのアイデアを紹介していただこうと思って、今日は清水さんお呼びしています。宜しく願いします。

 

清水

エレファンテックの清水です。よろしくお願いいたします。

 

馬田

早速ですが清水さん。もしスタートアップのアイデアなどざっくばらんにあれば共有していただけますか。

 

Why Now が重要

 

清水

とてもいっぱいあります。とてもいっぱいあって、色々ある中で、始めてから1番これがスタートアップのアイデアを考える上でキーだと思ったのが1つありまして。それはやっぱり「Why now」、なぜ今なのかというのがすごく大事だと感じました。

我々の技術も実際そうで、発想は昔からあっても技術的に今でないと出来なかったとか、あとはマーケットは市場的に今でないと採算が取れなかったとか、そういうのがあるっていうのがすごく大事かと思っています。前提としてですけどいきなり。

 

馬田

はい。

 

車酔いを改善する

清水

はい。思っています。その中で言うと例えば、私が今こういう技術良いのではないかと思っている1つは、車酔いを改善する何らかの技術。車酔いってそもそもどういう原理で起こるかはそんなに解明されていなくて色んなメーカーさんとかが研究されているのですが。

 

なぜ今かと言うと、今後自動運転で割と車が運転するものではなくなっていくという中で、中で仕事したいとかミーティングしたいとかゲームしたいとか、そういう要望が出てくると思います。そういう中で車酔いが最大の障壁になってくるので、場合によっては車メーカーの間の優劣が、どの車メーカーが1番車酔い対策が出来るかで、決まってしまうぐらい結構インパクトのある技術かと思っています。これは今でこそそれが生きてくる技術なので、車を運転していても酔わないとかっていうのはすごく面白いのではないかと思います。

 

馬田

技術的にはまだどうやればいいかわからないけれど、というような状態ですか?

 

清水

おっしゃる通りです。これは技術的にはどうなるか全然分からなくて、さっき申し上げた技術か市場、どっちがWhy now?で言うと「市場がWhy now」という事例で考えているものです。

 

馬田

なるほど。そうした業界の変化から2次影響的にこの辺が大事なのではないか、みたいなところに気づいたというような状況ですか?

 

清水

そうですね。はい。おっしゃる通りです。車メーカーさんとお話していて業界の変化の中でここクリティカルなんのではないかな、という風なことが見えてきました。

 

食糧問題

馬田

そうしたWhy nowに応えるような他のアイディアとかって今持たれていますか?

 

清水

たくさん他にもまだあります。例えば1つ大きな課題としては食料というのがあると思います。人類食料足りませんねというのは、これはもうなぜ今なのかというのも非常に分かりやすい。しかもなぜ今なのか「食料足りません」というのを次のステージに行った時に食料足りないって結構難しい表現で全員がカロリーを大豆とか芋で取れば別にカロリーは足りる。

 

なぜ足りないかというと、みんな色んな美味しいもの食べたいからという話があって、その中でいうと例えば日本の強みを生かす意味で全自動魚類養殖プラントの技術というのは、もちろんみんな開発されているのですが、これから更にマーケットで必要になっていくのではないかと思っています。今では採算が合わなかったような例えばそういう養殖技術とか、そういった物も量産化というか商用化出来るのではないかなと思います。

 

馬田

なるほど。確かに漁獲量って世界ではこの数年で2倍になっているのに、日本だけ1/2になっていて非常に厳しい状況があると聴いたことがあります。日本国内だとある中でそうした技術はもしかしたらすごく引き合いがあるかもしれない。

 

清水

おっしゃる通りかと思います。いわゆる損益分岐点を超えるタイミングとか、今までの方法で限界が来るタイミングというのが今なのではないかなというのがこのアイデアです。というのは海って広いんですよ。陸上の食べ物に関しては牛にしろ何にしろ早めに天然の物を取るというのはもう不可能で、食べ尽くしてしまうから早めに養殖に移りました。

 

一方で海は今までは結構大きかったので、人類に対してあまり養殖する必要がなくて、日本も天然信仰が非常に強いですし、天然で取ります。でもそれって絶対持続可能じゃないし今後無理になってきますよね。だから私は案外50年後とかには「昔は天然のその辺で生きてた魚取ってたらしいよ。」みたいな時代が来るのではないかなというふうに思っていて、そういう文脈を踏まえるとすごく可能性があるのではないかと思っています。

 

馬田

なるほど。魚だけではなくて最近は肉が結構もう既にスタートアップとして成功し始めてますが、他の領域ももしかしたら養殖なり培養なるが流行ってくるかもしれないと。

 

清水

そうですね。逆に今は肉の培養とかはもう当然マーケットが重々あると思っています。逆に今もうすごく盛り上がっているので、あまりまだスタートアップとかでは聞かない領域だな、というのが海というところかと思っています。プラスここ50年、100年での大きな変化として「昔は天然の魚取ってたんだよ。信じられないよね。」ということが起きるのではないかなというのが面白いと思っています。

 

馬田

それに気付いたのはどういうのがきっかけだったんですか?

 

清水

これは会社の経験とは関係なくて個人の経験で、私魚が非常に好きで市場の関係者とかとよく話すのですけど、やっぱり皆困っているのが消費者の天然信仰というのが今非常に強くて、魚が特に日本でいうと天然の方が値段がつくみたいな話があります。

 

ただそれっていつまで続くのですか?みたいな話とかを考えた時にどっかで転換が起きるというか、よく考えたら天然の牛とかは食べないじゃないですか。なぜ魚だけ天然の食べているのだろう、みたいな事をパッと気づくタイミングっていうのが、ガラッと変わるタイミングがあるのではないかなというのに思い立ったからです。

 

馬田

なるほど。個人的にもセブンイレブンの鯖の塩焼きがすごい好きで買っているのですけど。

 

清水

そうなのですか(笑)

 

馬田

はい。多分養殖だと思うのですけれど、そっちの方が絶対美味しいなと最近思い始めていて、そういうのでうまく良い食料が多くの人たちの飢餓を減らすという意味でもそうですし、生活を良くするという意味でも広まっていくと良いなと思います。

他には何か?

 

人工子宮と人間の時間の価値

清水

いっぱいあって、これ私が実は1番やりたいアイデアなのですけど、人工子宮というアイデアがあります。人工子宮つまりいわゆる子宮、妊娠する部分というのを外部化してプラスチックの箱なのか何なのか分からないですけど、そこで受精卵から出産まで出来るようにする、というのをやりたいというのが実は私の人生のテーマのうちの1つだと思っています。

 

馬田

そこは今だからこそ出来るというイメージですか?

 

清水

人間の値段っていうのが上がっているからです。例えば戦国時代とか、戦国時代ってつい数百年前って人の命ってものすごく安くて、だから出産で人が死んだりとかっての普通でしたよね。出産って今でも1000人子供産んだら何人かは死ぬしお母さんとかが、しかも病気になったりとかというのはもう1000人中何人ではきかないぐらい結構多くの方が体調崩されたりとかというのがある。

 

という中で本当にちょっとコントラバーシャルな言い方になりますけれども、昔は人の命が安かったので仕方ないよねという話だったのが、人の命がすごく価値があるよねとなってきたとこでいうと、そのリスクを減らすのにお金を使いたい。あるいは妊娠の期間動けない、全部動けないわけではないですけど前後動けないというところの価値、人間の時間の価値ですよね。というのが上がっているので、それを金で解決出来るのだったら解決したいという風な需要が出てくるのではないかと思っています。

 

馬田

これまでの話を聞いていると社会的な課題が結構大きめだったと思うのですけれど、当初から清水さんは社会的な課題に結構興味があったのですか?

 

小さな課題よりも大きな課題のほうが簡単

清水

いや、全くなくて、私は本当に電子情報、東大の電子情報出身のいわゆる電気系オタクだったので、全然そんな事はなかったのですが…。1つこれは起業してから感じた点として、小さい課題を解決するより大きい課題を解決する方が逆に簡単というか協力してくれる人、投資とかも含めてというのを集めやすいし何より自分の人生を賭ける価値があるなと思えるので、是非そういう課題に自分の人生を使いたいと思っています。

 

馬田

なるほど。逆にお伺いしますけど、すごく小さな課題で気づいている所とかって企業の経験とか含めて気づいたアイデアとかありますか?

 

引っ越しを楽にする

清水

小さな課題としては、例えば引っ越しをもうちょっと楽にしたいなというのがあります。なぜかと言うとスタートアップやっている人は結構そうかもしれないのですが、オフィスとかどんどん移転しますと、オフィスじゃなくて自宅とか、オフィスもさる事ながら自宅もどんどん移転していきます、みたいな中で郵便物の転送とか、色んな所にカード会社登録した住所を変えたりとかというのが結構毎年の様に発生するみたいなのがスタートアップ始めてから思った点です。それってなんかもう少しなんとかならないのと。変更漏れで前の所に届いちゃったりとか。

 

だから本質的には自分の住所にエイリアスと言うか、ちょっとエイリアスという言い方が一般に伝わりやすいかどうかは分からないですけど、仮想化した名前というか本当は私の今住んでるとこに届けて欲しい、というのが消費者の要求であって、本郷何丁目何番地に届けて欲しいわけではない、というのを例えば「清水信哉の住所」とカード会社とかに登録しておくと、引越ししたら勝手にそっちに届くようになるとか、そういうようなシステムとかはすごく欲しいなと思います。社会課題ではないですけど、思っています。

 

馬田

そういう課題だと、どうやったらビジネスにしていくかっていうのは結構難しくなってくる感じですか?

 

清水

おっしゃる通りですね。この課題を私がやるか?と言われると、さっき申し上げたものに比べてプライオリティが落ちるなと思っているのは、まず取り組んでいる課題が本当の課題というほどでもないかなというのが1つあるのと、もう1つがなぜそれがないのか分からないですけど、でもWhy nowもそんなに思いつかないからです。なぜ今それが出来るのかというのも思いつかない部分もあるんですよね。

 

だってそういうニーズ絶対昔からあったと思うし、技術的に近年の技術によってそれが出来るようになるか?と言うと、そういうのはパッと思いつかない部分もあるので、何か分からないですけどもしかしたらそれが根本的に出来ない何か理由があるのかなという気もするし、というのがあるので、私がやるとしたプライオリティはちょっと低めではありますがという感じです。

 

特許などの無形資産の管理

馬田

なるほど。あとはスタートアップをやっていく中で、スタートアップの色んな課題、スタートアップの事業を進めていく上での課題とかに気づかれると思うのですけれど、そうした部分で何かアイディアとかありますか?

 

清水

これも色々ありますが、例えばですが、いわゆる管理というところがスタートアップだと結構弱いので出来ればソフトウェアでやりたいねと。ただ今は管理って人事面であるとか、そういうのは色々やられてるので、これはまだあまりないなと思っているのは特許だったり、知財・知的財産の部分です。

 

いわゆる有形の財産って例えば会計システムだったりとか色んな管理する方法があるんですが、そういった無形の知的財産をうまく管理するシステムとかがあまりないと思っていて、これは実は技術側で今だったら出来るんのではないかと思っている点が結構あります。

 

例えば特許って特許語みたいなかなり特殊な時計の文法があると思うんですが、あれは逆に今の自然言語処理技術であればむしろ計算機にとって理解しやすい言語なのではないかなという気もしていまして。

 

だとするとですよ、だとすると特許を出願したりとかあるいは競合の特許とぶち当たらないように分析したりとかというのは、案外今の自然言語処理技術、機械学習の技術であれば出来るのではないかと思っていて、それができるようになるといわゆる弁理士に高い費用を払わなくても、そういうコンサルティングを受けなくても本当にシステム化された知財の管理で、競合の知財踏んでいないかっていう風なリスク回避であるとか、そういったところが出来るのではないかと今思っています。

 

馬田

そういう士業でいえば、これは弁理士でしたけれど弁護士とかも色々と置き代わっていくんじゃないかみたいな話もあったりしますよね。

 

清水

そうですね。弁護士とかは既にたくさんサービスも出てきていますし、あるのではないかなと思います。そんな中で特許と言った理由の1つは自然言語処理技術が非常に効きやすいやすいジャンルかと思っていまして、(技術が)大きく2つ必要です。

 

というのは例えば今書いている特許が他の特許にバッティングしてないかというのを判定する為にはその既存の特許の意味をある意味理解しないといけないとなった時に、さっき言った構文解析であるとか特許は特有の文法があるので比較的うまくいけば計算機でも理解しやすいのではないかなというのが1つと、もう1つが machine translation の話です。

 

特許って日本で出てなくても他で出てたら新規性がなくなって無効になるのですが、これってよく考えるとかなり厳しい話で。特許は基本国ごとにあるので遠くのどこか知らない言語の国で先に特許が出ていても新規性が喪失されますが、今machine translation の技術がかなり進歩してきているので、そこと組み合わせればそういったところも出来るのではないかなと思います。

 

ある意味契約書、広い意味ではその契約書とかリーガル領域では近いのですが、その中でも特にそういう今の技術が適応しやすのではないかなと思います。

 

馬田

なるほど。そこもやはりスタートアップを始めたから気づけたというところですか?

 

清水

そうですね。やはりスタートアップを始めてみると、いくらでもまだ効率化出来るところがあると思う点はたくさんあるかと思っています。

 

馬田

なるほど。そんな中でもしこれからの起業家、これから起業始めようとされている皆さんに「こうすれば良いアイデアに辿り着けるのではないか」みたいなところがあれば是非ヒントをお願いしてもよろしいですか?

 

大きな課題から始める

清水

はい。私がこういったアイデアを思いつく時には、まず1つは大きな課題からアプローチするというのはあります。大きな課題というのは例えば今でいうとSDGsであるとか、色々なああいった社会の課題というのがリストアップされているものってあると思うのですが、例えば「食料が足りないよね」という話だったり、環境の話があったりとか、あとは実は人工子宮の話は実は男女平等とかの話とも相当関わってきていると思っていまして。

 

あとは健康ですね。結構途上国では、これも調べて知ったのですが、途上国ではやはり子供産むと結構本当にお母さん死ぬのですよね。結構な割合で死ぬのです。それって良くないですよね?というような大きなテーマから考えて逆にそれって今でこそやれるテーマなのかどうかっていう、そのなぜ今なのかWhy nowっていうのがあるかないかでスクリーニングしていくみたいな。そういうのが結構やり方としては良いのではないかと思っています。

 

起業家同士のディスカッションが情報源に

馬田

その為の清水さんの情報源とかってどこにあるのですか?

 

清水

意外かもしれないんですけど、私実は本をあまり読まないのです。特に活字の本を私ほとんど読まないタイプなのですが正直1番は 例えばTwitter であるとかネット経由の情報というのが多くて、もう1つ良いのは起業家同士でのディスカッションというのはすごくあります。

 

ここ私起業してすごく良かったなと思う理由で、職業差別をするわけではないのですが、どうしてもサラリーマン同士で集まると「うちの上司がクソでさぁ」みたいな話とか、どうしても現状に対する愚痴というか話だったりとか、そこで下手に頑張っちゃうと「何頑張ってんの?」みたいな所がありがちかと思うのですが、本当に起業家同士で集まると割と「日本とか世界をよく知る為にはこういう課題あるよね。」とか「こういう風にやったら日本良くなるんじゃないの?」とか、そういう様な事を恥ずかしげもなく話せるような人。そういう人がスタートアップ業界には非常に多いというのもあるので、そこから出てくる部分というのもかなりあるかと思います。

 

馬田

なるほど。起業家になってみるとより多くの情報が入ってきて、良い情報が入ってきて、より良いアイデアに辿り着ける。

 

清水

世界が広がりますよね。例えば私尊敬している起業家ってもちろんたくさんいるんですけれども、例えばアストロスケールという宇宙ゴミを回収するというスタートアップをやっている岡田さんという方です。

 

私の前職のマッキンゼーの先輩なんですが別に彼に宇宙ゴミを回収する何かの技術があったとか、元はマッキンゼーのコンサルタントなので別にそこから始まったわけではなくて、そういった課題を真面目に解決しようと思ってお金を集めてチーム集めてやったら出来るんだというのを見て「あ!なるほど」と。

 

それを見る前の自分だったら「宇宙のゴミ大変。そうなんだ。でも自分とは関係ないよね。」というか、そんな社会課題があっても「そうなんだ。」って感じだと思うんですが、そうではなくても社会課題があったりとか大きな課題があるのであれば、それに必要なリソースを集めたりとかして出来るんだっていう風な視野の広がりというか、自分の出来る範囲で何かをやるのでなくて世に必要とされているものをどうやって解決するかという風な順番で考えるというのが出来るようになったという意味ですごく良かったな、起業家という領域に入って良かったなと思っています。

 

馬田

なるほど。清水さんがこの事業を続けて行く前提でお聞きしますが、この話を聞いていると、清水さんが次にチャレンジする時は多分もっと大きなチャレンジが出来るのではないか、という風な気がします。

 

清水

ありがとうございます。おっしゃる通りだと思います。私の会社を創業する時も、私創業する時25歳だったのですが、その時の発想は、絶対成功するスタートアップなんてむしろスタートアップではないので「成功するかどうか分からんかわからんな」と思っいて、25歳から5年間そのままマッキンゼーで働くのと、5年間ベンチャー企業そやって失敗して、成功しても良いのですが失敗して、そのどっちの5年の方がその30になった時に、どちらが次のやれることが広いか、というのを考えた時にマッキンゼーで5年いるよりベンチャー企業をやって1回失敗して、その次という方が「自分にやれる事はすごい多いだろうな。視野も開けているだろうな。」と思いました。

 

初めから失敗を前提に考えている、みたいなところで私は起業しているのですけれども、それは実は正しかったと思います。幸い今5年過ぎてまだ会社としては生き延びさせてもらってますけれども、仮に万が一この会社がうまくいかなかったとしても、次に出来る事はめちゃくちゃ広くなると思いますし絶対に起業して良かったと思っています。

 

馬田

ありがとうございます。そろそろ時間になってまいりましたので、今回のPodcastは以上で終了とさせていただきたいと思います。清水さん、ありがとうございました。

 

清水

ありがとうございました。

 

ゲスト 清水信哉さん (エレファンテック株式会社 代表取締役社長)

東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻 修士課程修了
2012年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社、主に国内メーカーのコンサルティングに従事
2014年1月エレファンテック株式会社共同創業、代表取締役社長就任

 

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