ハードウェアがハード(困難)ではなくなってきている (Luke Iseman)

 

ソフトウェア中心のスタートアップの世界で、ハードウェアのスタートアップはどのように競争できるのでしょうか?

秒単位ではなく日単位のイテレーション時間、限界費用の負担、および中国の旧正月の影響などの予期しないハードルがあるため、ハードウェア企業は独自の戦いに直面しています。

しかし、Y Combinatorのプログラムの間には、物理的なものを作成する起業家は、デジタルなもののみを作成する彼らの友人らと同じほど速く作業することが期待されます。実は、私はキックオフ・ミーティングで2016年冬のスタートアップと次の(明らかに大胆な)仮説を立てました。それは「初期の段階では、ハードウェアの製造は、ソフトウェアの製造より3日以上長くかかるべきではない」というものです。

現在のYCバッチには30以上のハードウェア関連のスタートアップがあり、これまでの記録であった前回のバッチを50%超えました。彼らが期待に応えるようアドバイスするため、私の最も賢い14人の友人がYC初のハードウェア・メガ・イベントでサポートを提供しました。私たちは、人々が欲しがる(そして本当にお金を払う)ものを作って出荷することに成功した創業者のパネルの提供から始めました。その後、インダストリアルデザインなどの特定のトピックに焦点を当てたパネルを提供しました。

ここで、彼らのアドバイスのうち、私が素晴らしいと思うものをいくつか共有したいと思います。

コンサルタントではなく、ユーザーと相談する

Pebbleの創業者Eric Migicovskyは、Kickstarterの現在のクラウドファンディング記録を保持しており、30日で20,338,986ドル相当のPebble Timesを販売しました。私たちは、彼がどのエイジェンシーの助けも借りずに、最初の記録的なKickstarterのキャンペーンを開始したことを学びました:オリジナルのPebbleウォッチは、クラウドファンディング・コンサルタントなしに、約1030万ドル集めました。

Ericは、初期の採用者に少量のユニットを販売し、彼らのフィードバックを聞きました。それはユーザーが実際にスマートウォッチに望むことについて、コンサルタントに聞くよりもはるかに多くのことを教えてくれたと述べました。顧客と話すことほど重要なことはないのです。

広報する

立ち上げ時のメーリングリストの送信先の少なさに不安を抱いている創業者は、Bluesmartの共同創設者Diego Saez Gilのハックを考慮するのが良いでしょう。Bluesmartの創業者たちは、彼らがこれまでにコミュニケーションしたことのあるすべての人にメールを送り、彼らが血の汗と涙を注ぎ込んだプロジェクトが間もなく開始されると伝えました。彼らは友人にもこのプロジェクトを確認するように頼みました。Diegoはアルゼンチン出身ですので、メッセージをスペイン語と英語で用意し、可能な限り多くの人にそれを発信しました。

彼らの Indiegogoでのキャンペーンで販売された関連するキャリー・オンの2,244,721ドルは、(※訳注:すべての人にメールを送るような)ちょっとしたエチケット違反よりも重要と言えるでしょう。

美しさが大切

Bellabeatの共同創業者であるSandro Murは、デジタルデバイスのベータ版をデジタル機能なしで出荷すると提案をして、人々を驚愕させました。つまりBellabeatは、テストユーザーにスマートな部分のないスマート・ジュエリーを送ることで外観のフィードバックを集めたのです。それらは基本的には、ただの美しい貝殻のようなものです。しかし外観の美しさに焦点を当てたことは成果を上げました。Bellabeatは、競争の激しいウェアラブル市場で急速に成長しています。

敢えて手を汚す方法を選ぶ

Double RoboticsのDavid Cannは、B2Bの視点と、海外の受託製造業者を見つけることに対する興味深い代替手段を提供しました。彼の会社は、カリフォルニア州バーリンゲームですべてのハードウェアを製造することを選びました。そして複雑なテレプレゼンス・ロボットを作成するのに必要な厳しい品質管理を満たし、高度な製造技術を洗練させました。

これがうまく行っています。収益性が高く、大幅に改良されたバージョンを立ち上げたばかりの彼らは、シリーズAを調達する必要はありませんでした。地元で製造すると目先のコストは上がる可能性はありますが、製品と会社のニーズを考慮してみましょう。それは価値あることかもしれません。

デザインは後知恵ではない

デザイナーのDominika Blackapplは、iPodから火星探査機まで、あらゆるものに取り組んできましたが、彼女は、たとえ工業デザインのレベルでも、デザインは後知恵であってはならないと強調しました。インパクトのあるデザインは外観の問題だけではない、と彼女は述べています。インダストリアルデザインでは製造過程からユーザーの習慣まで、製品に対するすべての制約を考慮することが必要ということです。

同様に、インダストリアルデザイナーのJoe Morinは、大手デザイン会社で長年コンサルティング・デザイナーとして働いていた経験に基く視点を追加しました。彼は、(発注者の)ガイダンスがなくてもデザイナーは素晴らしい作品を生み出すことができる、と考えるスタートアップに対して警告を発しました。デザイナーに「ただ見栄えを良くする」ように依頼しても、有用な結果は得られないということです。

促進剤としてのパートナー

Greg Kressは、スタートアップがハードウェア製品を設計する重要な初期段階で、時間を最大限に活用するために彼のRadicandのような会社をパートナーとして使うことを勧めました。第3者の助けを借りることで、プロトタイプの構築をスピードアップし、主要エンジニアリング・スタッフを補完することができる、と彼は述べました。

Tempo Automationの共同創業者であるJeff McAlvayは、起業家たちにArduinosを捨て、カスタムボードへの移行を先に延ばすより、今すぐするように促しました。Tempoはカスタムでプリント回路板(PCB)を作成し、メールの添付ファイルとして受け取ったデザインから、ユニットを納入するまで、1週間以内に数百ドルで行います。

工場は友達になれる

Dragon Innovationの創業者のScott Millerは、スケーリングのプロセスをスピードアップしています。彼の会社による訪問と試行生産で検査した工場で、スタートアップに即、生産させています。Dragon Innovation の保持する部品やその他のツールの標準的な表は、生産パートナーと同じ用語を用いてコミュニケーションするのに役立ちます。製造業では、人生のように、コミュニケーションが重要です。

ハードウェア中心の投資家であるYi Pin Ngは、国内(そして多くの場合は工場内)のパートナーが追加できるすばらしい価値を提示しました。品質保証担当者が中国にいることで、Yi Pinはいくつかのスタートアップが生産を月に何万ものユニットに急速に拡大するのを助けました。Yiと他の地元のパートナーは、工場を見つけ、法人化を案内し、また国内スタッフの採用を支援することで、スタートアップが生産を拡大し始めるたびに最初からやり直すことを防いでいるのです。

ユーザーへの情報提供を維持する

KickstarterのJulio Terraは、Kickstarterの後援者がキャンペーンから何を求めているのかを説明し、スタートアップによるエンゲージメントを生み出すためには、定期的な更新が最も重要であると強調しました。AmazonのDerek Dukesはまた、早期後援者にもより広い世界と共有するように勧めるべきだと述べています。また彼は、早期の顧客レビューは、その製品がニッチなプリセールスからマスマーケットでの販売まで移行する際に非常に重要だ、と語りました。

プリセールスから学ぶ

Tiltの共同創業者のJames Besharaは、ホワイトレーベルのTiltキャンペーンの負担と利点について語りました。ジェームズは巨大なノイズを起こして開始することの重要性を強調し、最初の4時間が通常最も重要で、この4時間のためにPR予算を増やせば増やすほど、開始日のような重要な日にはより効果的になると述べました。ソフトウェアだと複数回開始できますが、クラウドファンディングや予約注文による開始の場合はそうではありません。

IndiegogoのEvan Cohenは、クラウドファンディング・キャンペーンの成果を最大限に引き出すための価格戦略を紹介し、キャンペーンは1つの重要な質問の答えを探すための学習の機会だと強調しました。その質問とは、ユーザーは実際に製品に対していくら支払うか、ということです。

Luke Isemanは、Y Combinatorでハードウェアを専門としています。Y Combinatorでのハードウェアの詳細は、こちらで学ぶことができます。人々が欲しがるものを製造する準備はできましたか?こちらで申し込みましょう。

 

著者紹介 (本記事投稿時の情報)

Luke Iseman

 

記事情報

この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文: Hardware, Less Hard (2016)

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