ベンチャー投資の歴史と ICO (Investor School #10, Andy Bromberg)

この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文:  Investor School (Y Combinator) 

目次

 

Geoff Ralston
スタートアップ投資家スクールの最後の日です。ここに来てくれて、参加していただいたことに、もう一度お礼を言います。本当にありがとうございます。

最後の日を受け持ち、やっとICOについての皆さんの質問のいくつかに答えられることにわくわくしています。誰か、どこに駐車してはいけないか教えてくれますか。あそこ。わかりました。駐車場は沢山あります。今日は出席者が少ないので、車をどこに止めるかについて問題はあまりなかったはずだと思います。そんなにひどくはなかったかと思います。そして駐車場の件についてはお詫びします。

オンラインの皆さんには、また、Q&Aの間に#ycsisがありますし、勿論、Slackチャンネルもまだあります。今日は昨日よりももっと時間通りに進むようにしましょう。より上手くやれると思っていますが、良い知らせは、ご存知のように、ワインとビールがあるということです。ワイン?ワインか、それともビールだけですか。後でワインとビールとピザです。皆さんの中の、やったあ、と喜んでくれる人たちのためにです。寿司はありません。健康的なものは何もないでしょう。私たちは投資家です。それでいいんです。

投資家にとっての税金

誰かのメモをいただき、ちょっと面白いと思いました。カール、ありがとう。そのメモで、彼は私たちが税金についてはあまり論じてこなかったことを指摘してくれました。私たちがどうして税金についての話をしなかったか、想像できません。

そう、税金はエンジェル投資をしているときには興味深い問題です。実際、もしもあなた方がこれに不慣れならそれは頭痛の種であることに気づきます。なぜなら、イグジットがあるときにはそれが単純なことではないからです。通常、エスクロー(第三者預託)が存在するので割賦販売ということをしなければなりません。そして支払いを受け、自分のベーシスが何であるかを把握しないといけません。それは頭痛の種なので、その話はしないでおきます。また他にも、重要な影響を及ぼし得るものにqualified small businessあるいは Section 1202というのもあります。これらは過去数年間において、皆さんの潜在的な税負担に大きな影響を与えてきましたので、調べてみてください。それ以上のことは何も言いません。私は税金については何もわからないので。税金に関する質問がありましたか。はい、大丈夫ですね。

昨日のおさらい

先に進む前に、昨日のおさらいをさっとしましょう。昨日はエンジェルのアドバイスの日でした。皆さんが気づいていようといなかろうと、これらの面々はすばらしい投資家ですので、皆さんは彼らの賢明な教えに十分な注意を払ってくれたなら嬉しいです。私はいつも彼らから多くのことを学んでいますし、そして今までもずっとそうしてきました。

ネットワークを作ること

もしも皆さんが夢中になっているゲームがお金を稼ぐことであるなら、 Eladはいかにして10億ドルの価値のある会社を見つけるかを教えてくれました。…実際のところ、もしもエンジェルである主な理由が金儲けであるなら、手を挙げてください。挙手してください。おそらく2,3人しかいないと思います。誰も金儲けをするためにここにいるわけではありません。皆さんはここで何をしているのかというと、たぶん世の中を変えたいから、そして偉大なものを大切にしたいからでしょうが、承知のとおり、10億ドルの会社に投資することによって、そのための燃料がもっと得られるのです。だからそれはそれでよいアイデアです。

彼は自分がどのように会社の役に立っているかについて多くのことを話してくれました。もしも誰かに尋ねたら、よく聞く答えのひとつが、もう一度いいますが、非常に緊密なネットワークです。たとえばもしも誰かに Eladについて尋ねたら、誰もが彼のことを非常に頼りになる人物だと答えるでしょう。どうしてそれが重要なのでしょうか。それが重要なのは、誰もが彼が非常に頼りになることを知っているのでみんな彼を自分の資本政策表に載せたいからです。

誰もがディールフローを作ることができる

Pejman(Nozad) はちょっと特別で、お茶が本当に助けになる、という事実以上のものをPejmanから引き出したいものがひとつあるとしたら、それは誰もがディールフローを作ることができるということです。いいですか。どうやってディールフローを確立するのかは誰でも理解できます。ディールフローを確立するのは大切なことです。皆さんが選択をしなければならないのですから。

資産配分とポートフォリオ構築をする

Jeffはポートフォリオの作成と資産配分について話をしましたが、私がそこで、 Jeffから本当に学んだことは…エンジェル投資家である私たちのほとんどは、プロではないということです。私たちは素人です。私たちはそのゲームを道楽半分に楽しんでいます。私たちは個人的な理由でそうしています、

だからといって、皆さんがそれをどのように進めていくかにおいてプロフェッショナルかつ厳密になれない、というわけではありません。計画を良く練って、自分のポートフォリオについて熟考し、それが長い道のりのゲームであることを忘れず注意を払うことは正しい方法でしょう。

何が上手くいき、また行かないかについて注意を払うこと。彼は自身のポートフォリオ作成が事後的になされたことを話してくれました。いいですか。彼は過去を振り返り、「ああ、やっとポートフォリオができた。最高だ」といいました。それは、皆さんがそのようにすべきだということではありません。予算は重大ですし、小切手の金額もセクターやその他諸々も重要です。

投資家としてのパーソナルなブランドを作る

それからAndreaがパーソナルブランドとその重要性についても話してくれました。それを無視しないでください。彼ら全員が成功しているわけではないと考えないでください、特に彼らは皆、すばらしいパーソナルブランドを持ち、私は彼女が私たちに残してくれたものを気に入っていましたから。上司になったつもりで考えてください。それは私が以前、プロフェッショナルであることと、これをどのようにやっていくかを考え抜くことだと話したことです。

3B の創業者を選ぶ

私が思うに、Aliは少し違ったものの見方をしていて、興味深いです。彼は、多くの優れた巨大な会社がソフトウェアエンジニアである創業者によって設立されてきたことを指摘しました。興味深いですね。つまり、Microsoft、Amazon、Google、Yahoo!、Netflix、それらすべてで、全部合わせればかなりの時価総額になります。一考に値することです。考えてみるに、私たちは最後に小さな警句を思いつきました。三つのBを探したいということですね。悪くみえる(bad)アイデアに満ちた巨大(big)市場の素晴らしい(brilliant)創業者。

今日の Startup Investor School の流れ

スタートアップ投資家スクールの最後の1日です。今日はすばらしい一日になるでしょう。Andy Brombergから始めましょう。彼は過去、現在、未来においての初期段階の投資について話してくれます。彼はCoinListのCEOで、スタートアップ投資の過去、現在、未来についての皆さんの質問に一つ一つ答えてくれるでしょう。また、彼は、顧客が欲しがるものかどうかを、製品がないときに前もって与えろ、と初めて言い出した人でもあります。今までにない最高のゲリラ・マーケティングです。

Andyの後は、Aaron Harrisが登場し、善良であることについて話してくれます。気を引き締めて聞きたくなるでしょう。それから、次に最後のゲストは特別ゲストです。おそらくもっとも有名なエンジェル投資家である私の友人、Ron Conway です。

ではどうぞ、Andy Brombergを歓迎してください。ありがとう。

ベンチャー投資の歴史

Andy Bromberg
皆さん、おはようございます。まず、このクリッカーがちゃんと機能するか見てみましょう。大丈夫ですね。私の名前はAndy Brombergです。私はCoinListのCEOで共同創業者です。私たちは、最高の資産運用会社がトークンセールを実施しているプラットフォームです。また願わくば皆さんのような投資家が、この領域で高品質の取引を探し出していることかと思います。しかし今日お話しするのはそのことではありません。

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私たちはアーリーステージの投資の過去、現在、未来について話しますが、アーリーステージの投資の歴史を通して共通するいくつかのトレンドから始めましょう。歴史、ベンチャーの黎明期に話を移します。

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1940年、1950年、1960年、1970年、1980年、中世、そして2000年まで。最近の歴史と現代に至るまで、その後いくつかのトレンドに戻って、そのことについて話します。今日起こっていることを理解するために、ベンチャーの歴史について話をすることは本当に大切だと思います。多くのことがこの領域で起きており、そしてそれは他の産業と比べると、比較的新しいものです。70~80年の歴史ぐらいしかありませんから。しかし過去に起きたことは今日起こりつつあることを本当に教えてくれるので、この数十年を通して、沢山の同じトレンドが現れるのを目にするでしょう。

トレンド:会社を始めるコストが下がり、投資のコストも下がり、流動化へのスピードが速くなる

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アーリーステージの投資において、何度も繰り返し目にするトレンドをいくつかあげます。まず最初に、企業を立ち上げるためのコストが減ることです。1940年代はお分かりのように、会社を立ち上げるのはとても高価でした。今日ではとても安価です。そのコストは絶えず低下しています。

第二に、投資コストの低減です。皆さんのような投資家やファンドにとって、投資コストと参入障壁は時とともにどんどん低くなってきています。このエコシステムの中でそのことを繰り返し目にします。

そして、最後に流動性に向かう、市場の弧です。初期のうちはゆっくりと始まり、やがて流動性に至るのを見ていきます。迅速な流動性は市場が絶えず求めているものです。現在これらのトレンドのすべてにおいて、スピードバンプ(訳注:自動車を減速させるために路面に作られた隆起)があり、確かにここ数年、流動性のスピードが低下しているのを目にしてきました。私たちはそれが元に戻ってくると考えており、再び速度をあげるのを目にするでしょう。

そして、このすべてと、これらのすべてを形式を通して現れるだろうメガトレンドは、スタートアップにとってますます多くの資本が利用できるようになってきているということです。

企業の立ち上げがより容易になり、より多くの企業が興るのを目にして、より多くの企業への投資がより安価かつ容易になるにつれて、資本の入手可能性が大幅に増加しており、それはより多くのスタートアップ、より多くの人々が世界を変えようとしていることを意味します。過去数日間私たちが学んできたことすべて。だからそれをより詳しく見ていきましょう。

1940 年から 60 年にかけて起きた、新たな中小企業投資

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1940年代から1960年代にかけてのことです。Jeffから実際に聞いたのですが、彼がベンチャーキャピタルの歴史について語るときは、それよりもさらに前にさかのぼって、1492年ころから始めるとのことです。彼曰く、それは新しい世界を見つけるためのChristopher Columbus Labsの冒険に出資したイザベル女王とフェルナンド王によって、スペインのベンチャーキャピタルが興った年です。彼らは会社の資産の90%を所有しました。かれらにとって物凄く割りの良い取引です。皆さんには残念なことに、その様な事はもう起こりません。

400年か500年とばして、最初のベンチャーキャピタル会社が登場した1940年代と1950年代に移ります。これらは、私たちが非常にしばしば初期の企業として話題に出す2社で、JH Whitney&Co.および40年代に登場するARDCです。 ARDCは、Digital Equipment Corporation (DEC) に投資して11年後に500 倍の利益を生んだので、私たちが最初のベンチャー企業の成功例とみなす要素を備えていました。それは今日私たちがべンチャーファンドとして考えるもの、私たちが初めて認識できたベンチャーファンドに関するこのトレンドの始まりでした。

1950年代、1958年に、中小企業投資会社が現れました。これは、効果的にこれを推進した米国政府によって導入された法律によるものでした。政府は、今日の言葉に訳しますと「ベンチャーファンド会社を設立したいのであれば、実際にレバレッジを与えます。スタートアップに投資し、それを増大させるための資金を貸し出します」と言いました。

これは、業界がスタートアップに投資するための資本がなかったため、本来なら到底望めなかったほどの早急な業界の進歩を促しました。その後、早い時期に、この時期に幾社か設立されました。皆さんが知っている名前も在るでしょう。Venrock、Greylock、Sutter Hill、Draper&Johnson です。

同時期に、私たちはこの歴史に触れませんが、シリコンバレーが発展を遂げてきて、Fairchild Semiconductorが現れました。最初のシリコンバレー企業の一部はこの時期にスタートしました。

これについてほかにいくつか注目すべきことがあります。一つ目、これは「2と20」の構造が出現するはこのときが始めてだということです。2%の管理手数料、20%のキャリー。この時点までは実際には存在していなかったのですが、プライベートエクイティファームが初めてこの構造を使用し始めました。私たちは今日も多くのベンチャーファンドでこれを使用しています。

次に、これらの取引がどのように見えていたかを簡単に説明します。この時期には、今日のドルに換算すると明らかにさらに多く価値を持つ数十万ドルが、ベンチャーファンドになる以前にプリンシパル、友人、家族によってこれらの企業に投資されました。私たちは、シードステージで製品を持っていることや、本当に良いデッキなどを持っていることについて話しているわけではありません。我々は、何かすでに市場に出ているものと、多くの友人や家族と自己資金投資を基にしてお金を稼ぐことについて話しています。

とても高い参入障壁でした。これを経験して分かることは、それが40年間変わらなかったということです。基本的には最初の40年間のベンチャーでそのことを知りました。ベンチャーファンドがあなたに投資する前に、何十万ドルもの自分個人のお金を投資したり、誰かからそれを借りなければなりませんでした。そしてそれが先ほど話していたいくつかのトレンドを生むのです。

1970 年代:エンジェル投資と有名企業の勃興

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1970年代に進みましょう。皆さんが知っているだろう名前がもっとあります:Kleiner Perkins (KP)、Mayfield、CRV、Sequoia、NEA。すべてこの時期に設立されました。今日の彼らとは異なっていました。

1970年、CRVは500万ドルのファンドで、KP は700万ドルのファンドでした。それらはドルだけで見ると今日のファンドが行うほとんどの投資よりも小さくて、それが1970年代の時点でのファンド全体の規模でした。 70年代にはエンジェルの出現も見てきました。

ここでの歴史的な注釈として、私たちは、エンジェルという言葉は実際には1920年代に生まれたと考えていますが、それはスタートアップの世界からではなかったのは明らかです。それはブロードウェイのためでした。最初のエンジェルはブロードウェイのショーに投資してうまくスタートを切らせて、お金を稼げる様にしようとしていました。

1970年代に入って初めてテクノロジーのエンジェルが現れるのを見ました。皆さんが知っているであろう70年代の巨大企業は、Apple、Genentech、Tandem、Cray、Compaq、EAなどです。70年代から80年代前半にかけて、これらの企業のすべてが設立され、現在でも未だ巨大なサクセスストーリーになっています。

お分かりのように、ますます多くのファンドが設立され始めました。そして、その多くは、新興のエンジェルが初めてファンドになったためです。それは利用できる資本があったからこそ可能でした。このトレンドを起こすために70年代に起こったことは、機関投資家の資金が初めてベンチャーに投資されたことです。基金や大企業は、オルタナティブアセットと呼ばれる新たなものを作り出しました。彼らはお金を喜んでそこに投じました。彼らは初めて非伝統的な資産に投資しました。そこにはベンチャーが含まれていました。 70年代初頭の実績を上げたエンジェルは、機関投資家の資本を利用できるようになったことを軸に、ファンドを設立し続けました。

1980年代:ファンドとIPOの急激な増加

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1980年代に移りましょう。ここにいくつかのチャートがあります。実は、どなたにも目を通すことをお勧めするReaction Wheelという素晴らしいウェブサイトからの抜粋です。そこにはベンチャーの歴史についての本当に良い記事がいくつかあります。

1980年代はベンチャーキャピタルにとって大きな好機でした。ヴィンテージ年毎のこのファンド数を見ると、左側に60年代と70年代があり、その後最初の大きなジャンプがあり、3番目のバーは1980年代です。そしてその後は各年であります。

80年代前半には2,30のファンドがあり、80年代末には650を超えたのですが、それは、より多くの機関投資家の資本が利用できるというこのトレンドと、ベンチャー企業が魅力的な資産クラスであるという考えによって引き起こされました。それほど長くはなかったし、人々はこれらのベンチャーファンドを開始した場合、途方もないリターンがあることを認識していたので、これは確かにブームの時期でした。

ここで興味深いのは、70年代半ばを振り返ってみると、あまりそういうことは起こっていないことです。50年代と60年代にこのブームを見た後、72〜78年には良いディールがあまりありませんでした。それはベンチャーにとって低迷期でした。

80年代に入ると、最後のスライドで紹介した会社の一部が資金を調達し始めました。Cray、Apple、Genentechなどです。事態は再び本当に面白くなってきました。80年代の10年を通して、文字通り何百もの企業が立ち上げられました。

80年代のテクノロジー系のIPOのチャートがこれです。

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1980年が左側で、1990年が右側です。 80年代前半、物事は本当に良く見えます。1983年には150以上のテクノロジーIPOがありましたが、1984年にはその3分の1以下に落ち込み、残りの80年代はそのままでした。ディールが変化し、これらのIPOが急上昇しました。それはファンド数の増加の起爆剤になりました。

80年代後半に向かって事態は悪化、市場が再び下落し、当然、株式市場の暴落がそれに影響を与え、IPOの数は実に本当に急激に減少しました。

80年代から投資家の競争が激しくなる

80年代の巷のトレンドは、一刻も早く投資すべきということでした。これは、私が前にも話していたことです。この時点までは企業を立ち上げるためには何十万ドルもの自分のお金を投資しなければなりませんでした。ところが今や、650の投資会社からお金を得ることができます。それは競争でした。これらの会社はお互い相手を負かしてディールを結ばなければばりませんでした。

Eugene Kleinerはこういう名言を残しました。「心を決めるのは今や数週間から数日のあいだだ。でないとほかの誰かがやるだろう」。

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こんなことは、ベンチャーの最初の30年または40年の間はあり得ませんでした。彼らはかつて時間をかけることができました。利用可能な資本金があまりないので、ディールを決めるのに何ヶ月もかけることができました。私たちが80年代に入ると、その資本金は急増しました。ディールの競争が激しくなり、ファンドは望むリターンを得るために、一刻も早く投資しなければなりませんでした。

80年代には、市場全体が一気に跳ね上がるのが見て取れます。レバレッジドバイアウトが増加しました。80年代では成長の遅い消費者ブランドに対して多くのベンチャー投資は行われ、それは実際に起こった奇妙なトレンドでありましたが、エコシステムに入る資本金が多すぎるため、どこかに割り当てられなければならず、低成長ブランドに加えて、急速な成長を遂げているすスタートアップ企業にも向けられました。それからご存知の通り、80年代の終わりに、株式市場が暴落し、それから2,3年はすべてが低迷しました。

これは米国の80年〜84年,85年〜89年,90年〜93年に起業したハイテク企業です。

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1990年代、インターネットの時代

80年代のブームの時期と90年代に向かうにつれて、株式市場の暴落はすべてを情け容赦なく抑制し、90年代初めには資金提供を受ける会社は余りありませんでした。しかし、90年代にはソフトウェアやサービス系企業が現れ、そしてJohn DoerrがNetflixとAmazonに投資を行いましたし、今日誰もが知っている著名なソフトウェア企業が幾社かと、ベンチャーキャピタルからの資金調達の動きが見られます。

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90年代に何が起きたのか簡単に述べます。1996年にはベンチャー産業全体では約120億ドルのAUM(運用資産残高)がありました。2000年に、LPはベンチャーに1,200億ドルを投入しました。これは、4年間で120億ドルのAUMから

1200億ドルのAUMになったわけではありません。AUMが120億ドルだったのが、その4年後の僅か1年間で10倍になりました。

90年代には資本稼働率が大幅に上昇し、これらのスタートアップに常に資本投入が可能なトレンドに戻っていきました。私たちが知っているように、時間の経過とともに90年代には、企業は一般に公開されたため、後押しを受けていました。資金流動性への道筋が増え、人々は非常に迅速に現金化しようとするのを目にしてきました。企業が興り、よく聞くことですが、何ヶ月か或いは1年か2年後に株式が公開され、その株式公開がこの資本の主要な操縦者になったのです。彼らは投入できる即座の利益を目にしましたから。構造は大きく変化しました。

キャリーが変わりました。あまりにも早く換金されていたため、人々は十分な資金をこの猟奇に投入できず、これらの取引には30%、時には40%ものキャリーがありベンチャーファンドは自らが望むものを何でもし始めることができ、さらに大きな買収の可能性を手にすることができました。

幾度かの好景気と一度の不景気がありました。ここでは不景気にこだわるつもりはありません。そのことについてはみんなわかっています。ベンチャーキャピタルの歴史について考えるのはそれほど面白いことではありません。これらの市場は循環的なものであり、資金調達のアーリーステージとレイターステージにそのことが顕著になりますが、時には不景気に陥るものです。

90年代末、2000年代初頭には本当に物凄い不景気になってしまいましたが、私たちは進み続けました。

2000 年代:新しい波が次々に生まれる

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2000年代に入ると、事態はましになりましたが、2000年代初頭にはまだそれほどではありませんでした。 2002年から2009年にかけて約2,500億ドルのベンチャー投資が行われ、約2,200億ドルがリターンとして生まれましたが、期待通りの投資リターンではありませんでした。とはいえ、その後もっと資本金の償還を行っている会社もいくつかあるのは確かです。

2000年代には事態が少し低迷し、そして、久しぶりに、いくつかの新しい機構、新しい資金提供方法、新しいモデルの波が登場しました。 2005年、YC、私たちが今立っているこの素晴らしい組織、そして2006年にはTechstars Acceleratorが登場しました。これは、企業設立コストの現象が企業設立をより容易にするというトレンドに再び寄与し、新興企業は資金提供を受けました。明らかにインターネット・バブルが弾けたころ、ほとんどの投資家が投資にまわすはずだった資金を失ってしまったのでエンジェル投資家もほとんど消えてしまいました。

しかし、2000年代半ばに再出現を見たものの、2008年に至り、景気後退は深刻化し、エンジェルの再出現はさらに少し挫かれました。本当に重要なものであり、ベンチャーキャピタルの歴史の中では過小評価されていると思うのですが、ここでConvertible Noteが登場しました。YCがタームを標準化し、創業者にConvertible Noteを上乗せしてもらうように促すことによって、大きく寄与してくれたのです。

歴史的に、これらの取引はすべてエクイティ、ストレートエクイティ、優先株式売却によって行われていましたが、これらには欠点もあることは、今週話を聞きましたよね。これらは一度にすべてをクローズする必要があり、広範な法的手続きを経なければなりません。これらは徐々にクローズして、すぐにお金を得ることはできないのです。

YCはConvertible Noteの条件を標準化することに力を注ぎました。その結果、より多くの企業がより早く立ち上げられるようになった2005年から2009年にかけて Convertible Note の発行数が伸び、そのおかげで企業を始業するためのコストが再び下がりました。その後、スーパーエンジェルとマイクロVCの登場です。GeoffからSoftTechについて聞いたことかと思います。SV Angelについては Ron から話を聞くでしょう。そのほかにもLowercase, Felicis,そして seed fundsなどが生まれました。

最初のラウンドのための資本は2000年代半ばから後半にかけて自然発生的に集まりました。これは、スタートアップの初期段階での資本金が増え、企業を立ち上げることがよりいっそう容易になりました。不況後の2010年のもう幾つかのトレンドは、エンジェルの増加やより小規模の投資を行うシードファンドの増加です。同時に、シードラウンドが初めて100万ドルにのぼり、スタートアップは市場で本当の牽引力を発揮する前に、アーリーステージの投資家から本当に意味のある金額を引きだすことができるようになりました。おそらくこのアーリーステージへの機関投資家の資金の増加により、優先株式への復帰が見られました。 2000年代前半には、アーリーステージのシード資本の大半は、法的文書を自分たちで扱うことをあまり望んでいないエンジェルたちから集まっていました。彼らは単に自身のお金を投資しているだけでした。

さて、最後のスライドで言及したように、それらの資金が投資されるのを目にするようになりました。彼らは始めのころはしばしば優先株式を好みます。2010年から2013年の間にかけて、優先株式への回帰が実際に見られました。市場が企業の立ち上げにかかるコストを押しさげる方向に向かうにつれて、プラットフォームがはじめて登場しました。ここには本当に2つのカテゴリがあります。

新しいプラットフォームが生まれる

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投資家をスタートアップにつなぐAngelListのようなプラットフォームがあります。そしてそれは少なくともその時点では両者を繋いで、投資がより簡単になったのと同様に、増資もより簡単になりました。AngelListは本当にそのプロセスを大衆化しただけではありません。IndiegogoやKickstarterなどの特典をベースにした資金を提供する動きが生まれ、実際にエクイティで調達することなく、早期に資金を調達することが可能になったのです。明らかに、Pebbleは、エクイティ・ラウンドであまり効果的に資金調達されていなかった時期に、エクイティを売却することもなく、ハードウェアを構築するのに十分な資金を調達し、この事業を実際に軌道に乗せることができた驚異的な例です。

2010 年代:さらに新たな資金調達方法と法制定

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もう少し進んで、2010年代に行きましょう。 2012年に、これはアーリーステージの資金調達の歴史の中でもう一つの過小評価された事柄です。Jobs Actとその後の2,3年のうちに続いて制定された法律は、初期段階での資金調達のエコシステムに非常に大きな変化をもたらしました。

2008年以降、政府がベンチャーを除いて再び起こりそうな景気後退を回避または回避しようとするための規制を課したため、証券法や投資顧問法はすべてより厳しくなり、投資ははるかに困難になりました。ベンチャーだけが例外的なクラスです。それが政府にとってごく当然のことであったからなのか、それともベンチャー産業がロビー活動を実に上手く行ったからなのかは議論の余地があります。

結果的に、Jobs Actが出て、それに続く法改正、そこからいくつかののことが出てきました。

その1、ベンチャーファンドの登録投資顧問資格免除。これはベンチャーファンドの運営をより容易にし、実質的に規制が厳しくなる道を辿ることを避けました。一般勧誘 (general solicitation) というものが出てきました。規則506(c)と呼ばれるもので、これは、スタートアップがインターネット上で資金調達していることを公表することができるかを述べています。人々がそれに投資することができるのです。

明らかに、AngelListはそれをかなり意味のある方法で利用しました。 506(b)は、さらに厳密になり、個人的な非公式勧誘資金調達であり、より簡単な方法でそれを行うことを可能にするように、さらに固められました。

そして、ついに、クラウドファンディングです。我々がReg CFと呼ぶもの、エクィティクラウドファンディングが出てきました。Kickstarter や Indiegogoモデルでは誰でもスタートアップに投資することができますが、それも少額のお金で、そしてエンジェル投資家、スタートアップ投資家になることへのハードルを本当に下げ、もっと多くの人々にこれらのアーリーステージの企業に賭けてもらえるようになっていて、スタートアップの資金調達もより容易になっています。

ここでも、AngelListは、ノーアクションレターを 証券取引委員会 (SEC) から受け取り、引受シンジケートを運営することがもっと簡単になりましたし、一般勧誘においてこうすることも簡単になりました。しかし実際には2010年代初めからずっと今日までエンジェルたちにとってのブームの時期が続いていおり、エンジェルたちがスタートアップに投資するのがどんどん容易になってきています。スタートアップ企業がレバレッジを利用し、より長くプライベートでいられる事に気づく事につれて、流動性の減速も目の当たりにしてきました。今後、それが元に戻ってくると確信しています。おっと、進みすぎました。さて。

2014年、YCは、みなさんも耳にしているはずですが、SAFE(Simple Agreement for Future Equity)を作成しました。これは、将来の株式のための簡単な同意書です。私たちの元にコンバーチブルストラクチャーに戻ってきました。2005年に、主にYCの働きによってコンバーチブルが広まり、2009年に優先株に逆戻り、そして今、この書類の標準化によってコンバーチブルストラクチャーへの本当の回帰です。

現在 (2018 年) のシードステージの資金調達

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今日のスタートアップのほとんどは、SAFE、または Convertible Note のいずれかによって資金を調達していますし、コンバーティブルな(転換可能な)ストラクチャーを利用しています。SAFEと従来のコンバーチブルノートの中核的な概念、違い、またはそれらの少なくとも1つは、SAFEには利子が付かないということです。

スタートアップが発行するほとんどの Convertible Note は、年1あるいは2%の利子がつきますし、デッキが戻ってくるときとかは利子も少し多めに付きます。2,3ポイントの利子が付くという条件でスタートアップに投資している場合、間違ったゲームをしていることになります。 YCはこれが会計上の悪夢を作り出していることに気づきました。理由なんてありません。これから、この用語を削除しましょう。借金になる必要のない転換可能な構造を構築しましょう。そしてアーリーステージ資金を調達するために、このより簡単で迅速で低コストのソリューションに戻れるようになりましょう。

ICO の誕生

そして、最新の2017年です。もっと深い意味で最もすばらしいICO、イニシャルコインオファリングが登場しました。ここで簡単に触れます。確かに後のQ&Aでもっと話すことができますが、ICOはアーリーステージの資金調達の驚異的なトレンドです。人々に会わずにして資金を調達できる企業の急増を意味します。それは非常に新しい概念です。

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ICO による資金調達のコストの低下

昨日、効果的な創業者とのミーティングをどのように実行するかについての話がありましたね。ICOは企業がそうする必要さえない世界です。何かを創って、それをインターネット上に公開して、言葉も交わさない人々からオンラインで投資してもらえるようになった今、企業を立ち上げるためのコストは実に低くなりました。

すべてのICOのすべてのケースに当てはまるわけではありませんが、確かに彼らの多くが質の高いファンドとエンジェルたちに出会っています。それでも、これは初期のスタートアップへの投資の絶対的な大衆化に向けた本当の動きです。次に私は、2017年には誰もがエンジェルであるICOよりもさらに新しいトレンドがあると主張します。

ここで私が話したいことが2,3あります。一つはICOです。確かにICOは、誰もがオンラインで投資し、その多くの取引についてのアクセスを企業側からは必要とせず、皆さんから一方的に得ることができるというアイデアに貢献しています。企業は公的に資金を調達し、皆さんが投資してトークンを取得するか、SAFT(Simple Agreement for Future Tokens) か他の何かを入手します。誰でもそれらの企業にアクセスすることなくそれを行うことができます。

エクイティクラウドファンディングによる資金調達

第二に、先端を行くエクイティクラウドファンディングプラットフォームである Republicのようなプラットフォームです。それによって、認可されているかどうかに関わらず、Jobs Act とその後の法律のおかげで、オンラインで安全に投資できます。そして事態はこのとおり、皆さんが今ここに座っています。エンジェルたちが教育を受け、投資の仕方を教わり、学び、ほかのエンジェルたちにも会いコミュニティに参加するというアイデアは、本当に新しいトレンドです。

歴史的に言えば、それは口コミのようなものです。エンジェルである誰かを知っていて、そのエンジェルからヒントを得ると言ったぐらいの。しかし、いま私たちはこの動きを教育現場で見ています。おそらくここよりも優れているところはないだろうと断言します。

創業者たちがエンジェル投資家になる Spearhead

私が興味深いと思うもう一つの言及すべきプログラムは、Maiden LaneというファンドからのSpearheadというプログラムです。それは創業者たちに、エンジェル投資家になる方法についての教育を提供し、彼らが投資するための資本をも与える、そして彼らの投資のレバレッジ効果を狙います。

歴史は繰り返す

誰もがエンジェルである現在に起こっていることと、先ほどの話題の40年代、50年代のベンチャーキャピタルの初期の時代との間には、本当に類似性があるように思えます。

いま新しいお金が溢れるように流れ込んできて、教育が利用できるようになっており、仕事のできる人々にレバレッジが提供されていて、流れはこのように進んでいます。ICOとエンジェルプロセスに関わる皆さんは、共同創造的プロセスの社会的なトレンドに語りかけています。企業が始まろうとしているとき、始めるには助けが必要であると。彼らは資本を必要とし、助言を必要とし、連携が必要であり、そのことにおいてエンジェルと誰かの助けを得られる場所に向かうことは確かに大きなマクロトレンドです。

私がここで規制について一つ触れておきたいのは、2012年の Jobs Act と同じように、ICO業界が類似したものを必要としているかも知れないということです。 ICOによる資金調達に関する規則とガイドラインの一部を法律化することに関する非免除のセーフ・ハーバーや幾らかのの法律があるとしても、です。

SAFE と SAFT

私たちは今どこにいますか?アーリーステージの資金調達のエコシステムは、今日どのように見えますか?皆さんが今週のほとんどを費やしたような、普通のシード投資があります。殆どSAFEやアクセラレータからのConvertible Note、シードファンド、みなさんのようなエンジェルからの資金、シードプログラムを使った大規模な資金、これらで通常は100万〜250万ドルの資金を調達しています。明らかに、その両側の外れ値もあります。

これは私がノーマルシードファンドレイジングと呼ぶものです。

一方、トークン・ファンドレイジング、主にSAFT:simple agreements for future tokens (将来のトークンに関する簡単な合意書)と呼ばれるもので調達される ICOがあります。あなたは SAFT がSAFE:simple agreements for future equity に非常に良く似ていることに気づくでしょう。

この文書は、トークンとエクィティの部分を除いて、YC のSAFEテンプレートを実際にモデルにしました。大部分はヘッジファンド、ベンチャーファンド機関、そして再びエンジェルたちによって、これらのICOに資金を投入しています。彼らは1,000万〜2億ドルを調達しています。したがって、この2つのアーリーステージの資金調達メカニズムについて、一方がノーマルシードファンドレイジングよりも規模が大きかったりする場合、どのように論じることができるのかという疑問があります。

トークンでは会社の一部を保有せず、ネットワークの一部を保有する

これについて簡単に説明します。Q&AでもICOに関する質問にもう少し詳しくお答えしますね。さてここで何が起こっているのでしょうか?エクィティ投資とはまったく異なる、ということを覚えておく必要があります。みなさんはネットワークの一部を所有します。会社の一部ではありません。

トークンが何かについて一言で話しますが、これはいくつかの理由で本当に重要な特徴です。一つ、ガバナンス。あなたが会社のエクィティ保有者である場合、あなたは株主です。その企業が何をするのかに投票することができ、その意思決定プロセスの一部になることができます。

トークンガバナンスメカニズム以外のトークンホルダーはそうではありませんし、会社の株式を所有していません。評価は大きく異なります。私たちは、これらのトークンをどのように評価するか、評価について話すことはたくさんあります。それはシード・ファンドレイジングと同じではありません。明らかにノーマルシード評価が500万ドルまたは1,000万ドルで、トークン会社が1,000万ドルから2億ドルを調達している場合、それらの評価は同じように行うことはできません。

私が言及した投資プロセスは非常に異なっています。突然、何度も会社に出向いて、人に会って、行ったり来たりして座って契約書にたどり着いてなんてことをしなくても良くなったのです。ほとんどの場合、オンラインで情報を読んでから、投資することを決めてお金を送るでしょう。

これは、通常のシードでの資金調達とは非常に異なる投資プロセスであり、将来の相互関係も同じようにとても異なったものになります。もしも皆さんがエンジェルなら、おそらくかなり個人的な投資家の最新情報を得るでしょう。創業者が皆さんのところににやって来て、「このことで助けが必要です」と言ったり、連携を求めたりするかもしれません。

トークンの世界では、企業は数百または数千の投資家を抱えている事がざらにあります。ほとんどの投資家はそんなことをしません。皆さんが創業者と既知の仲だったり、既に個人的に助けになるエンジェルであった場合はそういうことも恐らくあるでしょうが、しかしただの普通のICO投資家であるなら、投資先のネットワークの創業者とそこまでのレベルの相互関係は結べません。

トークンのイグジットはすぐにでもできる

最後に、イグジットについてです。皆さんは、今週イグジットについて活発に話しをされた思います。 5年か7年か10年あるいはそれ以上待っていると、流動化イベントが発生します。一方、トークンであれば、ほとんどの場合はすぐに現金化できます。もしかすると、待ち時間が少しあるかもしれません。

投資するときにはネットワークがまだ活発ではないかもしれませんが、ある時点で流動的になり、投資してから数か月から1年後に流動資産を保持します。その時点でエグジットするか、もっと長く待つかについての決定は、拘束されていて選択肢がない普段のシード投資とは大きく異なります。これらの違いについての話は何時間もかけることができます。

トークンの3種類:プロトコルトークン、アプリケーショントークン、セキュリティトークン

私がICOについて最後にいいたいことは、異なるカテゴリーのトークンは、さまざまに分類されていますが、私はそれらを3つのカテゴリーに分類します。

1つは、プロトコルトークンです。これは一例です。これは、他のトークンが上に構築されるプラットフォームであるEthereumになります。その最大の価値は、他のトークンが独自のネットワークを構築するためにプロトコルを使用する場所であることにあります。

Ethereumのようなプラットフォームの上に構築されたトークンであるアプリケーショントークンがあります。たとえば、市場最適化の問題を解決するデータ科学者の分散ネットワークであるNumeraiがありますが、これは非常に特化された使用例です。

それから、セキュリティトークンまたは資産裏付型のトークンがあります、不動産、スタートアップのエクィティやほかの何かでイグジットの安全性が保障を取得され、その所有権を表すトークンに裏づけされます。

私は、ICOについては一言警告したいと思っています。気をつけてください、と。それは新しい業界です。1年しか経っていないのです。本当に。価格はちょっと不合理かもしれません。規範はまだ実際には設定されていないので、市場は若く、そのように扱われるべきです。

トークンはインセンティブレイヤー

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本当にさっとトークンについて話したいと思います。トークンとは何でしょうか?ここでスピードアップしますが、ICOを購入するときに何を購入しているのかを理解することが重要だと思います。トークンは、ネットワーク上のインセンティブレイヤーです。私たちはネットワークが好きです。 Facebookはネットワーク、そうですね?それはソーシャルネットワークです。それは連結している一連のノードです。今、私たちは、そのネットワークの上に実際の経済的インセンティブレイヤーを構築し、これらの分散したネットワーク上に市場を張ることができます。どういう意味ですか?一例を挙げましょう。

FileCoin の例

YCカンパニーのProtocol Labsによって作成されたFilecoinがそうです。それはCoinListで実行された最初の販売でした。私たちは実際にFilecoinの販売とProtocol LabsとAngelListの組み合わせから誕生しました。私たちにはYCのDNAを持つ企業がいくつかあります。Filecoinはファイルを格納するこの問題を解決しようとします。ファイル保存の明らかな解決策は、人々がファイルを保存する為にほしがっているAmazon S3です。私はサーバーの束を購入しようと思っていて、それから人々に各自のファイルを格納するために、私のサーバーを有償で使ってもらうつもりです。すばらしいですね。

そこには2つのことがあります。 1つは、ファイルを格納する中央集中型の第三者を望んでいないかもしれないということです。何をしているのか検閲されることもあります。彼等が潰れてしまうかもしれません。ダウンタイムの可能性があります。中央集中化されているシステムを好まない理由はいろいろあります。さらに、実際にファイルを保管するためのリソースが使われなくなって余っている、Airbnbのような状況もあります。

ファイルを格納していない、空っぽで、使用可能なハードドライブはどこにでもあります。どうすればそれを試して修正できるでしょうか?市場の買い手と売り手の二者をどのように結びつけることができるでしょうか?

シンプルで純粋なソリューションは、スパイウェアをすべてのハードドライブに配置し、どれくらいのスペースを持っているかを監視し、この中央集中的な会社にお金を払って未使用のハードドライブにファイルを格納することです。繰り返しますが、検閲の可能性があり、セントラルパーティをもつことに他の潜在的な欠点があって、そして人々は自分たちのハードディスクにスパイウェアなんて欲しくないという集中化の問題にぶつかります。

問題は、たとえばGeoffが格納したいファイルを持っていて、私のコンピューターにストレージスペースがある場合、中央の第三者の関与なく、信頼を必要としない(プロトコルやアルゴリズムに基づいた)方法で私たちを結ぶ方法はあるでしょうか?それは難しい問題です。なぜなら、Geoffが格納すべきファイルを私に送るのであれば、彼は私がそれらのファイルを格納すると信頼する必要があるからです。これは私たちが作りたいものではありません。人々は常に正しいことをするとは限りません。
どうやってFilecoinが、信頼に基づかないネットワークを構築し、この問題を解決したかは少し簡略化しましょう、実際には物凄く複雑な技術システムです。本当に巧妙なトークンとインセンティブのモデルです。

これには2つの部分があります。一つは、私がファイルの格納を提供するとき、私はいくつかのFilecoinを取得し、いってみるならそれを掛け金にするか、担保に入れます。私はFilecoinを取得して、それをネットワーク上に置きます。私はそれを誰にも渡すことはしませんが、それは基本的にエスクローです。私はこれらをそこに置いていると言っています。Geoffに必要な信頼性を保証しなかったり、ファイルを正しく保存しなかったりして、何か悪いことををして見つかった場合、私はトークンを失います。私には今、正しいことをするインセンティブがあり、実際にネットワークの最大の利益のために行動します。

今、信頼できる第三者なしに、どうやってわたしが正しいことをしていることを確認するのかという第二の問題があります。私はいつでも「勿論、ちゃんと彼のファイルを格納していますよ。いつでもそのファイルにアクセスできますよ」って言い張れるのですからね。

システムの第2の要素は、検証者とマイナーと呼ばれるものです。私はこの部屋にいる皆さん全員に参加してもらい、私がファイルを正しく格納しているかどうかを調べてもらうことができます。しかしファイルを実際に渡さずにどうやって行うのでしょうか?皆さんがするかもしれないことのひとつは、彼らは Proof of Space-Time (PoST) と呼ばれる、遥かにより複雑で興味深い方法があってそれを使っているのですが、Geoff のところに行って、彼に私たちがちゃんとテキストファイルを格納しているかどうか尋ねることです。「あなたのファイルの40番目、100番目、そして172番目の文字は何ですか?」と。Geoff は「それはB、それはA、それはC」と答えるでしょう。そして、皆さんは私のところに来て、同じ質問をします。私は、「私はB、A、Cを持っている」と答えます。皆さんのうちの十分な数の人が同じことを繰り返した時点で突然、このファイルを見たことがなくても、実際に私がファイルを格納しているという確信を直ぐに得ることができます。

この検証者の分散ネットワークのおかげです。そこで皆さんは、この仕事の支払いを受ける必要があります。ネットワークは新しいトークンを掘り起こし、それはインフレであり、その仕事をするようにあなたにトークンを与えます。

一日の終わりに、私たちはこの検証者たち、ストレージ空間を持つ人々、格納すべきファイルを持つ人々が皆つながってネットワークを形成し、誰も実際にお互いを信頼してはいませんが、正しいことをするようインセンティブを与えられています。私たちはこのネットワークの上にこのインセンティブレイヤーを追加し、市場を築き上げました。現在、ネットワークで行われている作業の結果として、これらのトークンの価値があり、みなさんはそれらのトークンをそのように評価することができます。

Q&Aでもっと詳しく触れましょう。しかしそれは皆さんが投資しているものの一例です。8月にFilecoinセールを買う或いは買ったなら、購入したのはこのネットワーク上のトークンです。鋳造され、時間の経過とともに検証者にとって値段がつりあがるトークン、ネットワーク上の決済に使われるトークン、ネットワーク上の保管スペースとしてステークするのに使用されるトークンです。

以上、本当に簡単に説明しました。次は何でしょうか? 我々はどこへいくのでしょうか?

シード投資で次に何が起こるのか?

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この事に関するトレンドに話を戻しましょう。まず第一に、継続的な流動性の追求です。私たちが議論したように、そこに見られるトレンドは簡単な流動性か、より一層速い流動性を求める動きだと考えています。セカンダリ投資への動きがあって、より多くのエクイティ・セカンダリがスタートアップで発行され、市場がより早期の流動性を求めてるのと同様です。

第二に、そのトレンドが継続していること。起業と資金調達はいよいよ安くできるようになっていくでしょう。プラットフォーム、シードファンドとエンジェル、法律要件、自動化、標準化。 Clerkyは、そのトレンドを促進する素晴らしいYCの会社です。私たちは、起業するのはより安価なものになると考えています。

そして、いつもそうであるように、投資家がより投資しやすなり、トークン、Reg CFとクラウドファンディング、規則506(b)と(c)、それに私たちがここで経験している教育。これらの傾向は、私たちが予測できる限り続くでしょう。流動性と、より安価で簡単に企業を立ち上げて資金を調達すること。それが未来です。アーリーステージ ファンドレイジング、過去と現在、未来。ありがとうございました。

Q&A

Geoff Ralston
最高でした。

Andy Bromberg
ありがとうございます。

Geoff Ralston
Q&Aの時間がいくらかありますか?

Andy Bromberg
時間をとりましょう

Geoff Ralston
いくつか質問があるだろうと思います。

Andy Bromberg
ICO。さあ、始めましょう。ありがとう。

Geoff Ralston
ARDCと50年代への投資についての質問。

エクイティとコインの両方に投資ができるか?

(聴衆)
同時にエクィティとコインの両方に投資できますか?

Andy Bromberg
はい。質問はエクィティとコインの両方を使って同時に投資することができるかということでしたか?その答えは「はい」であり、構造が40年代、50年代、60年代、70年代に進展したのと同じ方法で、ある種の構造がICO市場で進化していくでしょう。

ただ、歴史を振り返りますと、私たちがICOの資金調達のための完全な構造をすでに見つけている可能性は極めて低いです。私たちは市場に出てまだ一年目ですし、正しい答えにたどり着けている筈が無いんです。私たちは、多くの投資家がトークンに加えて、エクィティを求めているのを目の当たりにしています。あなたはSAFTやSAFEやコンバーチブルノート、あるいはトークンのPro Rataシェアも取得するという、企業ガバナンスにおける条件付きのエクィティで資金調達しているのを耳にすることになるでしょう。この時点では、実に企業次第です。

投資家はこのサイクルのこの時点では多くのレバレッジを持っていません。今のところ、企業寄りに傾いていますが、トークンに加えてエクィティに投資したり、ある時点でネットワークが活発になるにつれてエクィティをトークンに変換することを許可する企業はますます増えています。

まず第一に、問題となるのは、皆さんは先ほど、会議もなしに企業に投資したりしないようにと言われていたことでしょう。ビデオ通話もおそらく十分ではありません。私は皆さんに何かに投資するように、と言っているわけではありません。実際、ICOに投資する際には、それはとても新しい市場なので、本当に慎重であるべきだと言いたいのですが、それは非常に良い質問です。それはトレードオフであり、この時点で、シード投資の標準に照らし合わせると、通常のシード投資では、企業側が皆さんに少なくとも会議やビデオ通話を提供したくない場合、おそらくそこで何か起こっています。その企業が世界で最もホットに投資先として競われて創業者に時間がないのなら話は別ですが、創業者が皆さんと会おうとしないのなら、それは問題です。

ICO市場では、ICO市場に投資したいと思っていて、ICO市場で可能なリターンを知りたがっていても、そのサイクルのこの時点ではそれが現実です。それは時間の経過とともに変化するだろうと思います。本当に初期のICOラウンドとそれ以降のICOラウンドの間に分岐点が見られるだろうと考えています。その初期のラウンドでは今日よりももっと従来のシード投資みたいだったでしょう。ある時点では、ICO市場に投資することのメリットとそうすることへの関心が、あなたが望むような保証やインタラクションを得られないという欠点を上回るかどうかについて決定を下さなければなりません。

顔を合わせない相手に ICO で投資するときの判断基準は?

Geoff Ralston
Andy、顔を突き合わせてのミーティングの目的は何よりも、創業者の質を感じ取ることです。何千人もの投資家がいる場合にどうやってICOを評価するつもりですか。ミーティングは望めませんし、電話もどうやってかけるのですか。もしもそれがICOの背後にあるその企業が成功するかどうかを決定するだろう主なことであるなら。

Andy Bromberg
ええ、これは、ICOの評価方法についての10億ドル、100億ドル、1兆ドルの価値のある質問ですね。私がまず言いたいことは、過去10年間で最も成功したエンジェル投資の1つはBitcoinへの投資でした。

2010年、2011年頃に最初のBitcoinのための市場が出てきた時期にBitcoinに投資した場合、スタートアップのエコシステム内でどこにも見られないようなリターンを取得しています。 Bitcoinの創始者は匿名であるか、少なくとも仮名であるため、Bitcoinの創始者に会ったなんてことはあり得ません。そして、その製品の将来の可能性に基づいて決心する必要がありました。

CoinList では、これらのICOの評価について考えるとき、技術のようなものを見ます。我々はチームの背景を見る。できるだけ多く彼らとやりとりをしようと努めます。いろいろなインタラクションのいろいろなモードがありますので、Slack チャンネルやTelegramのグループで彼らにつながることが可能で頻繁に彼らとやりとりできます。

これは1時間の会議や数度のミーティングやビデオ通話と同じではありませんが、皆さんは彼らのクオリティを感じ取ることができますしバックグラウンドを理解することができます。彼らが実際に意味のある技術を開発したかどうかを読んで理解することができます。

あなたは彼らがどれだけ慎重に売り上げを構想しているかを知ることができます。そして、おそらく異端じみて聞こえますが、ICO市場への後継投資は現実のものであり、今までにないくらい多額の資金がこれらのチームにアクセスすることになります。

トップのクリプトファンドのひとつがセールに投資している時、彼らが5百万ドルまたは1000万ドルを投資している時、彼らは見えない状態で行っているわけではありません。彼らはアクセスしています。皆さんは、これらのファンドのいずれかを通してアクセスするか、いくつかのファンドと話して彼らの監査メモを得ることができます。または、皆さんが望むなら、私はお勧めはしませんが、皆さんは彼らに追随することができます。

ICO市場で優れた投資家に追随することについてもう少し良い点は、流動化にかかる時間がより速いので、少なくともトークンが現金化した後すぐに去ることができるということです。それは投資がいつも成功するだろうと言っているのではありません。ハイプ・サイクルは今は確かに高いですが、最終的には、技術、チーム、製品出荷の経緯、取引の仕方、実際にその取引にすでにかかわっているひとびとなどについて、深いデューディリジェンスをする機会を得ることになるでしょう。それらが我々が求めているキーアイテムの一部です。

ICO やトークンへの投資はグローバルでどうなっているのか?

Geoff Ralston
サイバースペースからの質問は、ICOやトークンの投資がアメリカ独特のものなのか、それとも国際的なものであるかどうか、あるいはこの新しいトレンドがどの位グローバルだと考えるべきかというものです。

Andy Bromberg
わかりました。こんにちは、サイバースペース。それは良い質問ですね。今のところ、それは非常にグローバルな現象です。米国と同様に欧州にも拠点が置かれているICOによっても同じくらい多くの資金が調達されました。

Geoff Ralston
2017年にICOでどれくらい調達されたのですか。

Andy Bromberg
2017年はICOで数十億が集まりました。

Geoff Ralston
結構な額ですね。

Andy Bromberg
結構な額です。それは結構な量のお金であり、私たちがこのエコシステムでこのフェーズに到達したスピードは信じられないほどです。 Bitcoinは、暗号通貨の元祖は、登場してから10年未満です。 10年も経たないうちに、書面上ではこの市場で少なくとも数百億ドルの価値が生じ、何十億ドルもの実質資本が市場に投入されています。

スコープを見ると、暗号通貨に関して素晴らしいことの1つは、それがグローバルであることです。誰でもどこからでも暗号通貨を送信することができます。さて、それは、暗号通貨やICOの初期の西部開拓時代から本当に正確でした。規制が強化され始めると、資金調達とこれらのトークンによる活動にさらに多くの制限が課せられます。ここで規制について話すのに何時間も費やすことができますが、それに従う必要があり、トークンの多くは有価証券です。関連する証券法に従う必要があります。確かにそれはグローバルな現象であり、ヨーロッパ、ロシア、中国、東南アジアでは数多くの動きが見られます。

Geoff Ralston
素晴らしい。さらに質問は?はい。

暗号通貨のロビイストはいるのか?

聴衆
規制について言えば、ベンチャーキャピタルのロビイストはいますか?暗号通貨ロビイストはいますか?いるとしたらどんな風に?

Andy Bromberg
そうですね、ベンチャーキャピタルのロビイストがいるように、暗号通貨ロビイストはいますか?という質問ですね。ベンチャーキャピタルのロビイストは絶対にいます。ナショナル・ベンチャー・キャピタル・アソシエーション(National Venture Capital Association)は、インターネット協会(Internet Association)やその他の団体と同じように、政府へのロビー活動に非常に積極的です。

私は、Jobs Act と2012年にエコシステムに大きく寄与した事柄のすべて、その後の法律の多くが、非常に頭が良くて、つながりのある人々による本当に巧妙で積極的なロビー活動のお陰だと断言します。暗号通貨には、いくつか疑問点もありますが、それほど沢山ではありません。ロビー会社ではない Coin Center のような素晴らしい組織がありますこれはワシントンDCに拠点を置く業界擁護団体であり、時々ロビイングのワークショップを開催するほか、議員や政府のほかのメンバーたちを教育するために多大な時間を費やしています。けれど、私が思うに、この領域での規制に注意をはらうと、今後数年にわたって、暗号通貨やベンチャーキャピタルのロビー活動が増えていくことでしょう。

Geoff Ralston
はい、Susan?

SAFE の変更は検討しているのか?

Susan
これはあなたへの質問です、Geoff。これが人がベンチャーを育てる新しい方法であるということは認識しています。そこでYCはSAFE の変更を検討していますか?伝統的な価格ラウンドをする代わりに、たとえばあなたが、このデモデーに投資し、その後6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月にも投資できるように。

Geoff Ralston
質問は、YCが会社の将来のICOを考慮に入れてSAFEの修正を検討しているかどうかです。私たちはICOの意味について多くのことを考えており、SAFEを変更することを常に考えています。残念なことに、私たちが思いつく変更例は皆、S(Simple) を取り除いて、将来のエクィティのための合意とすることを要求するでしょうが、単純ではなくなります。

誰もICOが何を意味するのか知らないときに、それを彼らに説明することを想像してみてください。それは飲み込みにくい事実です。エクィティとトークンを所有するとはどういう意味ですか? 2つの異なる資産クラスはどのように相互作用し、衝突しますか?紛争で起こることは不明です。ええ、私たちはここに進化と変化が起こるだろうと考えますが、それらが何であるか分からないので、何かを変更するのは時期尚早です。

Andy Bromberg
すみませんが、そのことにさっと早く触れていいですか?

Geoff Ralston
どうぞ。

Andy Bromberg
エクィティとトークンについての以前の質問に戻るに当たって、トークンの世界において、企業のエクィティを保持することが何を意味するのかという疑問があります。ネットワークがうまく構築されていれば、実際に会社自体に価値が生じることはないと断言します。トークンの目的は、集中化されたパーティーを取り除くことであり、したがって、そのLLCまたはコーポレーションは取引手数料を受け取るべきではなく、加入料を受け取るべきではありません。彼らはネットワーク上でレントシーキングしてはなりません。その会社は投資会社です。その会社はトークンを保持しています。

Protocol Labsは、Filecoinトークンをたくさん所有しています。理論的には、これらの企業はネットワークを開発し、これらのネットワークを野放しして、ネットワークの継続的なメンテナンスに役立つかもしれません。彼らはコードに貢献するのに役立つかもしれませんが、実際にネットワークから使用料を得るべきではありません。彼らは決して手数料を得るべきではありません。トークンセールが上手くいくなら、企業のエクィティを所有しているということは、実際にはトークンを所有していることと同じかもしれません。というのは、価値と同じになる可能性があります。なぜなら、その企業の唯一の価値は、確かに小さなチームからも少しは生じますが、主には、うまくいけば時間の経過とともに増加するかもしれないトークンを保有していることから生まれるのです。

Geoff Ralston
Andyが未来がもたらすものについて話しているときに、私がわかりやすくいいかえることができるとしたら、これはエクイティが蒸発して、もう存在しないことを意味するかもしれません。そうなったらみなさんは、この4日間をわすれてください。

ベンチャーキャピタルの歴史をなぜ、どのように学んでいるのか?

聴衆
どのようにしてベンチャーキャピタルの歴史に興味を持ったのですか?それはあまり普通の人が掘り起こすものではないように思います。どのように研究しているのでしょうか?

Andy Bromberg
そうですね、質問はベンチャーキャピタルの歴史への関心がどこから来たのかという質問でした。本当にそれがなぜそんなに面白く重要であるのかという質問として答えましょう。

今、トークンのエコシステムについて考えてみると本当にそうだと思います。プレゼンテーションでこのことに数回言及しましたが、平行線上を進んでいる様に思えます。 暗号通貨ファンドの登場を見ると、初期のヘッジファンド業界との多くの類似点があります。トークン資金調達の動きを見ると、初期の資金調達業界と多くの類似点があります。これらすべての事柄において見られるようにように、私たちがスタートアップのエコシステムの中で全力で奮闘している最も重要なことは、球の行く方に進んでいくことだと思います。私たちが、座って事態が今どうなのかを見ているだけなら、それは面白くありません。事態は一点に留まっていません。それは大成功した製品が生み出されたり投資が行われる場所ではありません。

それらは未来を見通し、1年、2年、5年、10年、20年でどのように構成されていくのかを理解することによって生み出され、投資されます。私は、過去を振り返り、トレンドがどのように変化したかを見て、それが今後どのように適用されるかを考えることほど、将来について考える良い方法が他にあるとは思いません。私が面白いと思うのは、ベンチャーキャピタル業界がどのように進化していくのか、トークン業界がどのように進化し、過去を見て将来に付いて注意深く考慮して先の一手を打つか理解することです。

Geoff Ralston
私たちのしている興味深い話は、流動性に関するものです。あなたは、11年後に500 倍のリターンをもたらしたARDCのGeorges Doriotによる DEC への投資に言及されました。興味深いことに、Dropboxは11年後に当たる今年に株式公開される予定です。どうやら、流動性が緩慢なほど、通常、リターンも大きくなるようです。より迅速な流動性にこの傾向があれば、それはいいことでしょうか?

Andy Bromberg
そうですね。本当に面白い質問だと思います。よくあることですが、そのように動くマーケットには長所と短所があります。リターンはさておき、よりゆっくりとした流動性が、現金化のときににより大きな利益をもたらすかもしれないのですからね、でも、企業が公開市場で成功を維持し、流動性のより長いタイムラインでじっと待っているなら、その企業が、もしその間、すっとプライベートであったなら得ることができただろう額と同様のお金を稼ぐだけかもしれません。

ここでは他にも考慮すべき点があります。そのうちのひとつで、トークン企業にとって目下、実に重要なのは、高額の投資家が投資後、直後に流動化することを望んでいるか、ということです。彼らは手を引くかもしれない。アーリーステージの投資家を抱えることにおいて最良の事柄の1つは、企業のライフサイクルを通じて彼らのサポートを得られることです。ベンチャーでは、それは強制的に起こるだけです。投資家には選択肢がありません。一旦投資すれば、手を引くのは本当に難しいので、企業の浮き沈みに巻き込まれてしまいます。ここにいる皆さんが目にしてきたように、企業には浮き沈みがあり、しばしば、いえ、そう、しばしばではありませんが適切なケースでは、その浮き沈みに付き合う価値はあります。

逆に早期から流動性があることによって、企業が未熟なまま潰れることもあります。私が言いたいのは、この流動性のトレンドの本当の欠点は、会社にダウンタイムが生じれば、市場にダウンタイムが起これば、その企業の高額投資家が皆、手を引くということです。それが価格を押し下げます。会社をつぶしてしまうこともあり得ます。

私たちがトークン市場で目にしていることは、一般的にはトークンの流動化はより迅速であっても、初期の投資家は、今、身動きできないということです。それはまだそれほど長期間ではないでしょう。 1年か2年か18ヶ月間ですが、市場の動向が流動性に向かう傾向が見られると思います。トークンは活況でしょうし、それを売買して交換して動かすことができます。しかし、初期の投資家は、創業者からそのサポートを必要とされ、創業者と共に会社をサポートする投資家たちの基盤が必要とされるので、長い間、そこから離れることができません。

Geoff Ralston
実際、Filecoinはそれを正確に行いました。

Andy Bromberg
その通り。うん素晴らしい例です。

Geoff Ralston
もう少し質問を受け、その後すこし休憩しましょう。

ICOの次のラウンドはどのようなものになるのか?

聴衆
そうですね、これはあまり良い滑走路ではないことは分かっていますが、トークン世界の第2ラウンドはどのように見えますか?

Andy Bromberg
また、1兆ドルの価値のある質問ですね。問題は、今のところ問題ではありませんが、トークン世界ではどのように次のラウンドに臨むか、でしょうか?

私にはその質問に対する素晴らしい答えはありません。ただ、言えるのは、私がコミュニティ全体を代表するのであれば、その質問に対する暗号通貨世界の答えは、絶対に手を出すな、です。

その理由は、私が以前に言ったことに戻りますが、ICOの理想化されたプラトン的な形が、このネットワークを解放するのに十分な資金を調達するということです。ネットワークを解放すれば、それは自分のものではなくなります。それは世界のものになります。皆さんは、トークンについて持っている保有分によってインセンティブを得て、ネットワーク開発者として開発を継続するかもしれませんが、もはや企業がお金を持っている必要はありません。

人々がしそうな議論は、この完璧な世界では、もう一度調達する必要はないということです。皆さんはトークンを始動させるために必要なお金を集め、トークンを起動させ、そこに置いて、時間をかけて開発します。または、ある時点で開発を断念し、他の人がそれを引き継ぐかもしれません。または、誰かがそのネットワークを分岐させ、新しいトレンドを作るかもしれません。

結局のところ、2回目のラウンドを行う必要などあるべきではありません。現実の状況では、資金が底をついて大失敗に終わるトークン企業がものすごく沢山でてきいますし、それらのネットワークが実際にその可能性の最大値に達することはないので、おそらく私たちが確固たる調達を、スケジュールされた形でか、そうでないにしろ確立するか、或いは後期のフェーズでの調達をさらにサポートしたりする方法がありますが、理想的な形では、最初の調達後に再び調達することはありません。

Geoff Ralston
最後にもうひとつ質問がありますか?どうでしょう?

ICO と IPO の違いは?

聴衆
私は、投資家について言えばエンジェルが非常に特殊なので、ICOはIPOと何らかの形で類似していると考えていました。私はIPOからICOにどのような外挿を取ることができるのだろうかと思っていました。 理解できますか?

Andy Bromberg
勿論。ええ、質問はIPOとICOはいくつかの点で似ているかもしれないが、初期の価格問題については微妙な見方がある、ということでした。また、IPO市場で学んだことをどのように用いて、ICO市場が早い時期に物凄い変動に見舞われないようにサポートできるか、ということですね。

2点、あります。一つ目、これはあなたが言っていたことではありませんが、ほかの人たちが持っている誤解を解くために言います。ICOはIPOとはまったくの別物だと思っています。私たちがICOを同じように呼んでいるのは、実際のところ本当に残念な命名規則故だと思います。ICOはシード資金調達により近いのです。だからこそ、私たちはその2つのことの間に平行線を描きました。 IPOは企業が成熟したときに起こります。彼らには100万件の開示するべきがあります。彼らは収入を得ている。彼らはサポートされています。ICOの場合、そういうことはありません。

ICOは企業のアーリーステージのシードファイナンスにもっと似ています。あなたが言ったことではないことはわかっていますが、まだいくつかの類似点があり、私たちは、市場として、ほとんどの部分においてIPO価格をうまく安定させています。IPOに関するさまざまなグリーンシューオプションや異なる仕組みを通じてです。常に例外はあります。

ここで重要なのは、2つのタイプのICOの違いです。これまで販売されてきたもののほとんどすべてだと私が断言できるところに、有価証券の売却があります。これらのものは流動的なので、これらの有価証券のほとんどは、私たちのほとんどが資金を調達するのと同じ方法である Reg D Offering の下で提供されていて、その有価証券が実際には1年間凍結されることを意味しています。一度購入すれば、実際には1年間販売することはできないのです。ネットワークは生きているかもしれないし、その時点で流動性があるかもしれないが、それはICOよりもかなり遅れています。そのような場合は、実際には大きな問題ではありません。買って、しばらく待っていると市場が作られ、その市場に売り出すことになります。

もう1つのケースはダイレクトICOであり、トークンが活況な時に実際にそれを購入してからすぐに取引を開始します。私はそれについての良い仕組みが考え出されたとは思いませんが、賢明な策ならあります。トークンを予約して、マーケットをサポートするのです。このようなコンセプトに基づいた投資銀行が登場すると思いますが、後者のクラスは非常にまれだと思います。なぜなら、規制当局は「これらはほぼすべて有価証券です。これらのトークンを公開市場で誰かに売るなんてできません。あなたはそれらを適切に扱わなければなりません。」と言うでしょう。あなたがそれらを適切に扱うときは、購入した有価証券にロックアップがあるため、早期の価格変動に対して保護されています。

Geoff Ralston
素晴らしい。ありがとう、Andy。

Andy Bromberg
ありがとうございました。

 

記事情報

この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文:  Investor School (Y Combinator)

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