伝説のエンジェル投資家からのアドバイス (Investor School #12, Ron Conway)

この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文: Investor School (Y Combinator)  

目次

Geoff Ralston
さて、良い投資家になる意義についてどのように考えるべきかの大変優れたサーベイというか、要約として、Paul Graham は実際に、Ron Conwayをモデルとして、良い投資家になるということが何を意味するかについてのエッセイを書き上げました。

Ron Conway
モルモットですね。

Geoff Ralston
ええ、モルモットです。ですから、このセッションはこのコースをまとめるのに完璧な方法なんです。

ではRonとしばらくお話していこうと思います。そして質問をいくつか受け付けます。残念ながら、彼にはこの後予定があります。ですのであまり長居はできません。皆さんにとっては残念な話です。

エンジェル投資についての私の学びのほとんどは、Ronを観察したり、Ronとの会話から得たりしたものでした。彼は信じられないほど博識です。でも、こういった事柄の勉強法について、Ronはたくさんの情報源をあげてくれています。それに、投資家になる方法の学び方について、SV AngelとRonが推奨する読書リストがウェブサイトに掲載される予定です。 

Ron Conway
独習しましょう。

Geoff Ralston
ええ、その通り。ところでRon、登壇者全員から一言いただいています。Ronからの一言もここにあります。

起業家を引き合いにして、「野心を持つこと、やる気に溢れる姿勢は学びようがない」とRonは言いました。

これは、起業家とお話しする時に、私自身いつも思い出すようにしていることだと思います。もっと優れた起業家になれる人もいるでしょう。でも、「そうだなぁ、たぶん彼らもいつかは頑張って成功して、やる気を持つようになるよ」というのはおそらく、やるべき投資ではないでしょう。

投資に関わり始めたきっかけ 

Geoff Ralston
Ronは、皆さんのうち数人が生まれるよりも前から確実に、そして私が投資とはどんなものかについて考えさえする以前から、エンジェル投資をしています。どのようにしてこの道に進むことになったのか、少し解説いただけますか?

Ron Conway
もちろん。ここにお呼びいただいて光栄です。私はサンフランシスコで生まれて、子供をアサートンで育てた後にサンフランシスコに戻りました。でも最初の仕事は、National Semi Conductor でした。そこから何人かが独立して、私も彼らと会社を辞めました。

そして設立したのが、 Alto's Computerです。これは70年代後半に、ミニ・コンピューター業界を崩壊させていたマイクロ・コンピューターです。あらゆるイノベーションは、混乱を生じるものです。誰かを崩壊させているわけです。

Alto'sでは、Sequoia Capital 創業者の Don Valentine が私たちの主要役員であり投資家でした。彼と私はお互いを気に入っていました。Alto'sをAcerへ売却後、Don は、彼と一緒に役員会見学に行くよう私に提案したんです。そして創業者たちに助言して、エンジェル投資を始めてはどうか、と。

創業者にアドバイスを提供するという影響力が気に入りました。正直に言うなら、実際の仕事をしなくてもいいというところもね。Alto'sでそれをやって、人の管理をするのは好きじゃないと気づいたんです。私にはメンターとしての役割がずっと合っていました。

そこで1994年に、フルタイムで投資を始めることを決めました。これまで行った中でいちばん良かった投資判断はちょうど、インターネットソフトウェアへの投資でした。1994年のことで、それはまだ、ネットスケープが生まれる2年前の話です。インターネットソフトウェア業界が今日どれほど巨大かはご存知でしょう。

Geoff Ralston
どんな見識からそこにたどり着いたのでしょう? だって、当時は誰もが、半導体とハードウェアに投資していましたよね。

 Ron Conway
あと企業向けソフトウェアにね。

Geoff Ralston
企業向けソフトウェアですね。どんな奇妙な悟りがあって、そのセクターへいこうと考えたわけですか?

Ron Conway
当時、Compaq の会長だった Ben Rosen とチームを組みました。私たちがやったことと言えば、年に何千パーセントも成長が見込めそうな、いちばん破壊力のある業界になりそうなのは何かと考えただけです。なんであろうとそれが、私たちの関わりたい業界でした。成長率が鍵だったということです。成長率は、イノベーションの活力の源です。

ディールフローの構築方法

Geoff Ralston
ここにいる多数の皆さんから質問があったのは、どうやって始めるのかという点です。どうやって、ディールフローをつかめばいいのでしょう? お2人や、あなたは初期の頃、どのようにディールフローを得ていましたか? 

Ron Conway

あの頃はね、簡単でした。一月の間に設立されるインターネット会社は、1社ずつくらいだけでしたから。ですから文字どおり、インターネット会社ならなんでも探し続けました。2年間、ありとあらゆるインターネット会社と話しました。

Geoff Ralston
エンジェル投資家は他に何人ぐらいいましたか?

Ron Conway
その頃は、50人ほどいたと思います。でも、私たちが興味を引かれて投資した最初の会社は、Ask JeevesとPayPalの2社でした。それがある種の傾向を作りましたね。それから、Bright Mailというスパム対策会社に投資しました。 

Geoff Ralston
よく覚えています。Ask JeevesとPayPalに関して、出資の決め手はなんでしたか?

Ron Conway
SV Angel では、常に創業者の人柄を判断材料としていました。私たちが投資したのはまず創業者、アイデアは2番目でした。ですからそれら企業に関して、私たちはそれぞれの創業者に感銘を受けていたのです。今日、それは直感的なものです。会って5分以内に、創業者を気に入るかどうか判断できます。昔は、それに1〜2時間のミーティングを要していました。「この創業者の人柄、私たちは気に入るかな?創業者の誠実さを見よう」とね。でも1番は人物。そして2番がアイデアです。

創業者の見分け方

Geoff Ralston
創業者の何を見るかについてかなり考えられたことでしょう。それについて聞いてみたいと思います。それに関してはたくさんの判断基準をお持ちだと思います。当時は、1〜2時間の面談を持たなければいけなかった。Ben と一緒か、またはあなただけかに関わらず実際に対面した時に、投資するか否かの決断を左右したのは?あなたにとって、実際のところ最も重要だったのはなんですか? 

Ron Conway
おそらく、いちばん重要だったのは創業者の決意でしょう。初期には創業者に自覚がないものですが、起業というのはどんなことよりも困難なものです。それが、私たちが創業者に称賛の意を持ち、彼らの支持者である理由です。創業者に決意があれば、彼または彼女はやり遂げるはずです。ありとあらゆる方法を試して会社を育て、ベストな人材を採用しようとするでしょう。それには大変な、不屈の精神が求められます。

その大部分は、このアーリーステージであったとしても彼らが持っているだろうと思われる、情熱でありリーダーとしての資質です。とは言え本当に、肝心なのは決意、そしてゴール志向であることです。思い浮かぶのは Mark Zuckerberg や… 

Geoff Ralston
Zuck にはごく初期に会われましたよね?

Ron Conway
私たちが Zuck に会ったのは彼が19歳の時です。ハーバードに戻るはずの夏に彼はここにやって来て、学校にはとうとう戻りませんでしたね。だが彼は、大変な意欲に溢れていました。そして彼を突き動かしていたのは、メトリクスとユーザー体験でした。彼にとっては、それらが全てでした。 

Geoff Ralston
なるほど。 

Ron Conway
新聞に名前が出ることやその他一切、彼は関心がありませんでした。そういったタイプの創業者には、すぐにでも「あぁ、この人は成功する会社を作るぞ」と言えますね。

投資の失敗率

Geoff Ralston
ところで、時間が限られていますから、どなたでも進行中に質問がある場合には遠慮なく手をあげてください。時間調整できるようにします。当時を振り返って...あなたは何百という、ものすごい数の投資、何百もの決断を下してきました。いくつかは成功し、そうでないものもありました。

振り返ってみて、名前は出さなくて結構です、間違われたことは何でしょうか。創業者にお会いになり、「この人なら、この創業者ならSV Angelの型にはまる」と考え、そして間違っていたことは? それはなぜですか?

Ron Conway
そうですね。一つ触れておきたいのは…。覚えておいてください。投資する会社の40〜60%は、完全に倒産します。 ですから、失敗はエンジェル事業モデルの一部です。

Geoff Ralston
40%は実のところ、かなりいい結果ですよね?

Ron Conway
それが私たちの失敗率です。

Geoff Ralston
もしそれが達成できれば。

Ron Conway
25年これをやっていますからね。初期には、失敗率はおそらく50%を超えるでしょう。それが事業モデルの一部です。うろたえることはありません。 エンジェル投資家の多くは、最初の投資先が倒産すると辞めてしまいます。私に言わせれば「何を言っているんだ?」と言う感じです。失敗は経験のうちですから。皆さんは……

Geoff Ralston
ですからかなりの頻度で、小切手を書いたお金を回収できないことがあるわけですね?永遠に、なくなってしまうと。

Ron Conway
そうです。ですから勝つ時には、大勝ちしなければいけないんです。勝者は敗者にお金を出さなければならない。エンジェル投資はそうやって回るものです。何を聞かれたか忘れてしまいました。 

Geoff Ralston
ええ、ですから中には、「チャンスにかけた」というような投資が多数あることでしょう。そして時に、振り返ると「あれはやるべきじゃなかった」と言えるものがある。そういったやり方について思い返すとおそらく、基準が間違っていたか、基準を読み違えたか、何かが起こっていた。何が悪かったのでしょう?

Ron Conway
ええ、750件の投資のうち、文字通りイカサマな創業者が3人いました。刑務所にいるべき人たちです。

Geoff Ralston
イカサマ師への投資は良くない、と。 

Ron Conway
かなり少ないですが。かなり少数とは言え、面汚しです。

多くの場合、問題は共同創業者との仲違いです。予測していませんでしたが、共同創業者とうまくいかなくなるのは良くあることです。本気で取り組まなければいけない問題です。たいてい、彼らのうち一人が辞職することになりますから。それは大変予測し辛いことです。ただ現在は、それを注意して見るようにしています。「おや、この創業者たちは仲違いするな」と。分かるでしょう。また離婚弁護士になりたくありませんからね。

Geoff Ralston
どうやって分かるのでしょうか……

Ron Conway
その会社にいれば、私たちは離婚弁護士です。巻き込まれないわけにいかないんです。

 Geoff Ralston
それは面白そう。そうでしょう?

 Ron Conway
まぁね、避けて通れません。経験のうちです。 

投資する前に全員と会おう

Geoff Ralston
創業者たちがうまくいきそうかどうかは、どうやって見定めていますか? 

Ron Conway
彼らが最初のプレゼンをしている時に、どんな関わり方をしているか観察するんです。ごく間近で注意深くね。それぞれに縄張りがあるのか、どんな人たちなのかもしくはエンジニアは...おい、あのエンジニアはいつかマーケティング担当になりたがるんじゃないか。どうなるって? 会社にとっては、いつかそれが問題になるでしょう。 

Geoff Ralston
エンジェル投資家がチーム全体を見るに至るようになる、という流れでしょうか。 

Ron Conway
その通りです。設立時には、それは簡単です。2人か3人しかいないですから。チームの全員と会うべきです。Googleへ行った時には、LarryとSergeyに会い...ミーティングメンバーはそれだけでした。そこにいたのは5人だけだったんです。ですがドアから出ようとしている時、オペレーションにいたのが Salar でした。Salar Kamangar こそ、その事業モデルを考え出した男でした。AdWordsモデルを一から完成させたのは彼です。

当時、彼はオペレーション担当でした。私はドアで立ち止まって。いや、彼と座りました。彼はとても若く見えました。座らせて、彼に言いました。「きみのご両親は、きみがここにいることは知っているのか?」とね。「いいえ」と彼は答えました。「学校はどこまで進んでいるんだ?」と聞きました。「スタンフォード大の医学部進学過程です」「おやおや、彼らは腹をたてるだろうね」と言いました。彼は卒業しませんでした。学位を得ることはありませんでした。そして今、幸せに引退生活しています。

だがそうですね、建物内にいる全員を知っておくべきでしょう。アシスタントもよく知っておくといい。 社風に触れておくこと。企業文化に触れることができれば、投資についてより納得できるものです。

Geoff Ralston
あそこで質問が上がっているようです。

投資後に投資家が出せるバリュー

聴衆
投資後の最も大きなバリューはなんですか? 

Geoff Ralston
OK、いい質問ですね。質問を繰り返します。投資後に、企業ポートフォリオにあなたがもたらす最大のバリューはなんですか? 

Ron Conway
総合的な助言に加えて、初めは、彼らをチームの他メンバーに紹介することです。 会社が軌道に乗り始めれば、彼らはエンジニアやマーケティング担当、営業人員を雇わなければいけません。その運営チーム作りの手伝いこそ、最大の貢献になりえます。

トラフィックを作るのにパートナーが必要なこともあります。流通先が必要なら、Apple、Twitter、Facebook、Googleで私たちが持っている窓口に紹介します。これには素晴らしい点があります。それらの会社の多くは、軌道に乗るのを私たちが支援した背景があります。ですからGoogleに誰かを紹介すると、その紹介先は私たちがGoogleに連れて行った人物だということが頻繁にあるのです。

こういった創業者たちは、私たちが日々提供する助言に加えて、チーム作りに、そしてプロダクトがなんであろうとそれを流通させるのに、助けを必要としています。最近ではほとんどの場合、お尻を叩いて意思決定させ、実行に移させることが仕事になっていますね。 スタートアップ業界では物事を引き延ばす傾向が蔓延していて、私はイライラさせられています。私の不満の種です。

ぐずぐずしている創業者を見かけたら、こう言うことで助けてあげられます。「君、物事を先延ばしにしていては会社は大きくならないんですよ。意思決定しましょう。それが間違いを生むとしても、船を前に動かしましょう」

今は、そうやって話すことに多くの時間を費やしています。それら企業のうち何社かは、ありがたいことに何十億ドルもを売り上げています。でももっと早く意思決定できれば、それを何百億にできるのです。 

Geoff Ralston
それをしっかりやるのは本当に重要ですね。この種の話を以前、Ronと実際にしていたのを覚えています。誰かが質問をして、Ronにちょっと反対されたんです。 その時、私は「こういった状況ではどうしたらいいでしょう?」というようなことを話していました。「そうですね、これをやるなら...」といった感じで説明して、オフィスアワーっぽくやりました。会社を経営しているならこれをやりなさい、と。

するとRonがちょっとこちらを見ていて。私がなんだかんだと話した後で、彼は言いました。「そうですね、投資家としては、私は創業者に会社経営を任せるようにしています」。私は「まいったな」と思ったものです。

Ron Conway
この場合、言いたいのはもっと速く回してくれということですがね。決断してほしい。 

Geoff Ralston
そうですね。ですから多分に...助言の内容については注意しないといけない。投資家は経営者ではありませんからね。もし会社を経営しないといけないと考えているなら、おそらくはそんなにうまくいかないでしょう。さほどたくさんの時間をかけていられないですから。YCとの関係はどのように始まりましたか?

Y Combinator を選んだのも創業者が面白かったから

Ron Conway
面白いことに、Y Combinatorに私を紹介したのは Chris Sacca です。「なんだ、またアクセラレーターか」と私は言ったものです。信用するのに少し時間がかかりました。でも初めてYCを訪問した時、もう10年以上前になりますが、Paul と Jessica に会ったんです。

人が全てです。人生の全ては、人次第です。Paul と Jessica は、上手に選んでいました。 創業者をうまく選別していました。そして彼らが創業者たちに提供していた助言は、非の打ち所がなかったんです。創業者たちの一団が成功すると分かるほどね。

今日のYCがどんなアクセラレーターよりもよりも抜きん出ているのは、そのためです。2番手のアクセラレーターは10階下にいるようなものですね、おかげさまで。それは選別プロセスのおかげであり、そして彼らが創業者に提供する助言とメンタリングの成果です。

Geoff Ralston
このコメントにお金は支払っていませんよ。

Ron Conway
でも本当ですからね。 

新人投資家へのアドバイスはポートフォリオを持つこと

Geoff Ralston
ところでここに集った皆さんのうち、何人かは投資経験があり、何人かは投資したい人たちです。もしあなたがアドバイスするなら、新人投資家へ1つか2つのちょっとしたアドバイスをするとしたらどうでしょう。

例えて言うなら、あなたのお子さんがこれから投資を始めようとしていたなら。単なる例えで言うなら。どんなことを...そしてここでの時間はもうあと少しですね。1つ、2つ言うことがあるとしたら何でしょうか? 

Ron Conway
そうですね。私が好んでいるのはポートフォリオ方式です。好きなセクターを選んでください。できれば、専門知識を持っている領域のセクターがいいでしょう。そうすればその事業をよく知っているので、投資する会社に価値をもたらすことができます。

私なら小額ずつ、25,000ドルずつくらいを投資するでしょう。5社や10社にそれをやれば、ポートフォリオが出来上がります。私の知る本当に多くのエンジェル投資家は、年間3社に投資します。そのうち1社が倒産すれば、「ああしまった、ポートフォリオの3分の1が倒産だ。これはまずい。もうやりたくない」となります。3社への投資というのは、十分ではないのです。

これは大変リスクの高いビジネスです。10社に25000ドルずつを分けておくべきです。うまくいけばそのうちの1社が当たって、そうすれば残りのキャリアの間ずっとハウスマネーで続けられます。私は基本的にそうしてきました。

Geoff Ralston
ハウスマネーでの投資、それが目標ですね。 

Ron Conway
少額で始めてね。そうです。そこから、ハウスマネーで投資できるまでにするわけです。 

Geoff Ralston
どうぞ

投資家としてのメトリクス

聴衆
Ron、あなたがこれに長けていると気づくのに、どのくらいかかりましたか? そこまで行くのに、どんなメトリクスを使いましたか? 

Geoff Ralston
どのくらいの期間かかったか、という質問です、Ron。あなたがこれに長けていると気づくことに、そしてあなた自身を評価するのに、何らかのメトリクスを使いましたか?

Ron Conway
メトリクスは何も使っていません。私たちは単に投資しただけですが、2年のうちにAsk Jeevesは上場して、それが非常に大きな成功でした。話したように……

Geoff Ralston
それこそがメトリクスということですね。 

Ron Conway
話したように……ええ、メトリクスは勝利数でした。疑いの余地はありません。一度勝利してハウスマネーを使うようになれば、そこからはもっと、創業者に価値をもたらすことに集中できます。創業者の支援者になれます。当たるかどうかの心配をしなくてよくなります。

SV Angelが幸運なのは、始めたファンドはどれも、初期の段階で当たりを確認できていたという点です。私たちの頭の中では、投資家は気づいていなくても、私たちの頭の中では、このファンドは大丈夫だ、と分かっているんです。これは儲かるようになるから安心して自分たちの仕事をしよう、バリューを増やして創業者を助けよう、とね。創業者を助け続けて、彼らの問題をもっとたくさん解決するためのネットワーク作りに励んでいれば、成功するものです。

善良であるという戦略

Geoff Ralston
これについてちょうどお答えいただいたかもしれませんが、始めのトピックに少しだけ話を戻したいと思います。あの、Paul が書いた...これは、ここで何度か触れてきているテーマです。Paul はあなたを例に使って、「RonCoの行動規範」を書きました。実際のところ、善良でいるというのは人格上の問題ではなく、戦略である、ということを指摘しました。善良であることは、あなたにとって何を意味しますか?

Ron Conway
そうですね。コミュニティへの還元、そして礼儀正しく関わりを持つことは、コミュニティの一員であることの一環でしょう。今日、これまで以上に私たち全員が、礼儀正しい関わり方をすべきです。エンジェル投資する一方でね。2つのことを同時にできます。そのうえ、創業者たちに、礼儀正しい関わり方を勧めることができます。地元でも、そして今は特に、全国的にも。

ちょうど今、私はフロリダ州パークランドの学生たちからたくさんのエネルギーを集めているところです。国を変えるかもしれない、17歳の集団からです。ありがとう。拍手はしないで...ありがたいですが。学生さんたちへの拍手ですね。その学生さんたちは、国を変えられるかもしれません。それが連鎖反応を呼ぶでしょう。彼らが、銃器の安全な取り扱い運動を解決してくれると期待しています。そして、その他多くの問題も解決してくれるようになるでしょう。彼ら全員が、選挙登録しますから。素晴らしく、活力をくれる話です。

彼らの例に私たちも続くべきです。ここにいる全員が、3月24日にデモ行進することを願います。私はDCに飛んで、メインのデモで行進する予定です。でも他に、500のデモ行進が起こっています。素晴らしいことです。全ての...アメリカ中の学生が、彼らの両親や祖父母に、それについて話しているんですから。これはトランプ大統領と彼の仲間たちに道理を分からせることができる、本物の運動です。

Demo Day 参加の心得

Geoff Ralston
それは難しい注文ですね。では、全ての...すみません。Ronは時間なのでもう質問を受け付けられませんが、最後に1つ。この場の皆さん全員、2018年冬のDemo Daysにバーチャルな招待を受け取ることになります。Demo Dayでなく、Demo Daysと言うのは未だに難しいです。そしてそのうち10名は、実際に直接招待を受けられます。Demo Day参加者に、別れ際のアドバイスは何かありますか?

Ron Conway
メモをたくさん取ること。Demo Day はそれは速く進行しますから。私だったら、そうします。 最前列に座って。注意を払います。気が散らないように努めます。

Geoff Ralston
そこに参加しない人たちであっても、話を聴いてひと通り見ておきたい会社がたくさんあるでしょうね。

Ron Conway
ええ、リモートで聴くこともできますから。メモをたくさん取って、そして決断力を発揮してください。 とは言え、専門としたいセクターを選ぶようにはしたほうがいいでしょう。願わくば、すでに知っていることに関連するものがいいでしょう。そして、そのセクターに投資しに行ってください。ごちゃごちゃと投資するよりも、そうすれば無理にでも専門家にならざるをえません。多すぎる業界で、その創業者たちを手助けしようとしているなら。

ちょうど今、とても面白いのは、ブロックチェーンの暗号業界でしょう。本当に野心があるなら、これにセクターとして専念するといいです。これは、ウェブ3.0だと思います。これがインターネットの、次の波だと私は考えています。かなり興味深いですが、しかし発展途中とあって、全容を把握するのは難しいでしょう。その業界について、かなり勉強しなければいけません。

Geoff Ralston
今日はお越しいただいて、ありがとうございました、Ron。 

Ron Conway
こちらこそありがとうございました。

Investor School のまとめ

Geoff Ralston
Ronは、もう行く時間です。もう少しだけ時間をくださいね... 締めのお話が2、3あります。その後に、ワインとビールを開けましょう。ちょっとお待ちを。Ronをお見送りしてきます。すぐ戻ります。 

Ron Conway
どうもありがとう。ありがとうございました。.

Geoff Ralston
OK。ワインとビールの前に立ちふさがるのは、私だけになりました。なるべく短くまとめるようにします。はい。OK。これでほとんど終わりです。ここで話したことの簡単なまとめだけ、しておきたいと思います。

 

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最初に話したのは...思い出せるでしょうか...ずいぶん時間が経ちましたね。

初めに、なぜこれをするか、のようなことから議論しました。

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Sam が、その理由について、そして投資への動機にどういったものがあるかについて、よい話をしてくれました。そして何を投資しているのか、何に投資しているのかを考えるべきだと。

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それから、投資の仕組みについてかなり話ました。SAFEについて、たくさん耳にしましたね。SAFEがどのように機能するのか知っていると思う人は、手をあげてもらえますか?実際にSAFEを使ったという人、手をあげてください。使ったことはないが機能を理解していると思う、という皆さん、間違いです。分かっていません。実際のところそれは...我々の意図ではありませんでした。

私たちがSAFEを考案したのは、素早く、簡単で、安く、シンプルなものが欲しかったためです。しかし結局、何かする度に、意図しなかった結果が生まれることになりました。 私たちは、それを実際に理解するためのツールを作成してこれに対処しようとしました。

まだできていませんが、皆さんがSAFEでお金を払う時には、SAFEのモデリングに使えるスプレッドシートを公開する予定です。 実に簡単にモデリングできる Angelcalcを使うこともできます。何をしているか理解してください。どう機能するのか、コンバージョンがどうなっているのか。公式を実際に見ることができます。計算して、答えを見つけてください。

SAFEを微調整しようと思っています。おそらく、混乱を生じているいくつかの箇所を改善するために。そのタイミングは、ほとんど100%決まっています。意図していない結果はさらに悪い結果を招きますから。 躊躇しているところです。でも、何らかの処置は取るでしょう。というわけで、方法について話しました。

どのようにディールフローをつかむのか話しました。どうやって始めるのかを話しました。エンジェルからスーパーエンジェルに、そしてプロになったいろいろな投資家からたくさんの話を聴きました。 そのうち数人は未だエンジェル投資家です。数人は未だ個人で活動し、自己資金で投資しています。

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どのように会社とミーティングして、どのように鍵となる投資判断をするのかについて話しましたそしてこれに、真面目に取り組む方法について話しました。何年も投資に携わりながらさほど真剣に、あるいは厳しくやってこなかった私には、これは実際に重要な話でした。そのせいでいくら損をしたかというのは、あまりたくさん話したくありません。かなりの損失でした。

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ディールフローについて話しました。そしてほんの少し、今日の投資について話しました。

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それから将来がどのようになるのかについて、ほんの少しだけ。個人的に、エンジェル投資は、ここで私たちが話したやり方は、長く続いていくだろうと確信しています。エクイティは徐々に消えて将来的に無くなるかもしれませんが、それはさほど近い未来の話ではないでしょう。 私はそうは思いません。ICOは普及していくと思いますし、それを意思決定プロセスに加味しなかればならなくなるでしょう。エンジェル投資についても同じことです。 

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善良な振る舞いについて、心に留めておくべき主要ポイントの1つを、ここでちょっと繰り返し言っておきたいと思います。再度になりますが、安物買いの銭失いにならないように。 良い投資家になってください。

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これはある意味、最後のお願いにつながりそうです。人脈作りや飲んだり食べたりを全員で始める前の。

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つまり、より良いエコシステムを作るために、システム内の一貫性、誠実さ、完全性、そして透明性を増やして、維持するために、みんなで協力しましょうということです。私たち全員に、できることがあります。そしてそれらが実現すれば、みんなが勝者です。

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ご存知のように...どんな種類のベンチャーキャピタリストになるにしても、評判が落ちることがよくあります。過去には実際、VCが悪者なのが役に立つようなこともあったでしょうから、そのせいだと思います。でもそれはもう、通用しません。それについてはたくさん聞いたことがありますよね。特に、初期です。あなたにも、投資先にも、エコシステム全体にも、いいことは何もありません。Aaron と私の2人ともこれについて書いたことがあると言及がありました。

私は、「スタートアップ投資の透明性」という記事を書きました。

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コンバーティブルで、初期段階での資金調達ができるようになってきていることに一部起因していると私は考えていますが、それでも透明性を諦めなくていいのです。もしあなたの Pro-rata が減らされようとしているなら、それを教えてもらえるべきです。そうすれば、それについて話ができます。もしあなたが転換対象になっているなら、転換価格を教えてもらえるべきです。

そして実際に、それがどうやって計算されたかを。それに自分で、それを確認すべきです。確認する必要のある情報を、提供されるべきなのです。私は実際に、フォームを提案しています。数字は重要じゃありません。フォームです。記事にも書いてあります。転換通知を受けた時に送って、「これらの書類に2時間以内に署名してください」と言えるものです。そして400ページある書類を受け取るでしょう。相手にこの書式を送り返して、言ってください。「承知しました!これに記入だけいただければ、署名します」 

それは、道理にあった、質の高いリクエストです。極めて誠実なリクエストです。さてこのコースに関して、感想をいただきたいとお願いしていました。もっとよくできたことがたくさんあると思います。それらについて、皆さんが教えてくださると期待しています。または、どのように改善できるか、あなたや他の人たちのお役に立つにはどのようにすればいいか、再度開催する時にでもご提案ください。

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最後になります。皆さんにお話するために来場くださったスピーカーの方々全員に、まずお礼を申し上げます。このコースをまとめるのは大変だったものの、YC関係者及び外部スピーカーの方々が全ての重労働を受け持ってくれました。皆さん素晴らしかったと思います。

これを実現させてくれたチームにも感謝したいと思います。スティーブ・ファム。あそこです。ラモン・レクイアル。カメラのところ。そして動画担当のクレイグは、手を振ってますね。言うまでもなく、このコースをまとめるのは、考えていたよりも大変な仕事でした。全員が、素晴らしかったと思います。以上をもって終了とします。

幸運を。良い投資に巡り会えますように。ご参加どうもありがとうございました!

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