Geoff Ralston
Paulの「何をどうしたら、1,000億ドル規模のビジネスの会社になれるか、1,000億ドル規模のビジネスの会社になれると信じられるか」という話に続いて、Mathilde Collinと話をしていきます。
自己紹介
彼女は1,000億ドル規模のビジネスの1つを現在構築中です。彼女はそれについてすべて話すことができるでしょう。彼女の会社の名前はFrontです。ではMathilde、YCではどの期に参加していましたか?
Mathilde Collin
2014年夏季です。
起業に至るまで
Geoff Ralston
2014年の夏。わあ、もう4年前ですね。では、FrontのCEOになるまでの、あなたの道のりについて教えてください。
Mathilde Collin
もちろん。すぐ後に話しますね。まず、私は常に会社を始めたいと思っていました。でも問題は、それを考えるのに十分な自信を持っていなかったことです。いつかは会社を設立するつもりでした。周りのひとたち全員がこう言っていました。「私は会社を始めるんです」と。
そして、私はというと、「自分でもそうやって言うことができればいいのに」と思っていましたが、そうできるとは思わなかったんです。代わりに、私は大学を卒業した後、契約管理ソフトウェアを作っているとても小さいスタートアップにジョインしました。その時に、ソフトウェアの世界はこういうものなんだ、と知ったのです。
この最初の経験で、うまくいかなかったこととうまくいったことがあります。うまくいったのは、自分がソフトウェア全般に非常に情熱を傾けるようになったということです。私は、自分たちが数ヶ月で作ったプロダクトが、皆の働き方や皆の仕事時間を大きく変えることができるんだ、という事実を知りました。それがとてもやりがいがあると感じました。それがうまくいったことです。
Geoff Ralston
ということはあなたはその、..契約管理ってつらいほど退屈なように聞こえるんですが、そうは思わなかったんですか?
Mathilde Collin
ええ。とてもつまらないですよ。
Geoff Ralston
しかし、クールだったのは、皆が日々の仕事をする方法を実際に変えたことということですか。
Mathilde Collin
ええ、まさにそうです、私がみんなと話していたとき... 私はそこで新しいプロダクトの立ち上げを担当していたので、プロダクトのユーザーと話をしていました。彼らは私にとって理にかなったプロダクトの使い方していたので、彼らの日々がどれほど優れているかを私に言っていました。
素晴らしくなかったのは企業文化がひどかったことで、私はそれについては全然いい気分にはなれませんでした。また、会社の設立チームとして、皆が喜んで仕事に来られる環境を作るために、どれだけの責任を負うのかを理解しました。この会社に入社して1年後、この会社を辞め...
1社目の企業文化
Geoff Ralston
よくない企業文化についてもうすこし詳しく話してくれますか。
Mathilde Collin
主な問題は、透明性がなかったため、信頼もなく、社員も主体的に関わる気がなかったことだと思います。あとでFrontをどのように築いたか、私たちの企業文化の何がユニークかについて詳しくお話しできますが、しかし、一ついえることは私たちがどれほど透明性のある会社であるかということです。
透明性というものは何もせずとも保てるものとは思わないので、だからこそ意識して透明性を保つべきです。これが私がエンゲージメントとスキルを生み出すために見つけた最も効率的な方法だと思います。
Frontの社員になぜあなたは毎日仕事に来てハッピーだと感じるんですか?と聞くと、「自分の仕事のインパクトを見ることができるのでハッピーです。それが私が気にかけていることですから」と答えるでしょう。
どうやって確実に皆が自分の仕事のインパクトを見られるようにするのかというと、達成したいこと、そこに到達する方法、達成する必要のある目標はどんなものか、そして社員それぞれの仕事がこれらの目標にどのように関連するか、そのすべてが確実に透明性を持っているようにするんです。
Geoff Ralston
成功を収めようとしている企業というものには、そこには本当に根本的な何かがあるようです。
Paul (Paul Buchheit) は、グーグルでどう感じたについて話していましたね。誰もが自分たちの向かう方向を知っていて、誰もが情熱を持っていたと。誰もが信念をもっていたので、この会社にはエネルギーがありました。
これはビジョンをチームと共有し、それを信じてもらうこと、そしてそのビジョンがどのように作成されているかを可視化するステップ全てに関係することだと思います。
ビジョンの重要性
Mathilde Collin
ええ、だから会社ができたらすぐ2つのことが非常に重要になるとおもいます。1つはビジョンです。もちろん、どこに向かっているのかを知っておく必要があります。
もちろん、まだわからないのであっても、それはまったく問題ありません。4年前にはFrontがどれほど大きくなるのかわからなかったんです。今日もまだわかりませんが、でも私たちはその過程にしたがって進化していくんだと思います。あなたが持っている必要があるのは、何かあなたがしっかりと信じていることだけです。
それで私は、Frontはみんなが毎日仕事に来て幸せになる場所であるべきだといつも信じていました。それから当社のカスタマーはそれよりももっとハッピーであるべきだとも思っていました。なぜならカスタマーは仕事への影響が大きいか、毎日何時間も費やしているアプリはメール用プロダクトであるという理由でFrontを使うんです。
それがきっかけで、今日の当社のミッションは「もっとハッピーに仕事をしよう」にしました。そして、それが私たちにとって何を意味するのかをみんなに説明するようにしています。
会社の全員と、あなたにとって、自分たちが何をしているのかを深く気にかける理由は明らかであるべきだと思います。それに、それはべつに壮大なアイデアである必要はありません。実際、私はFrontがどんな会社になるかわかりませんでしたが、でも会社のありかたをとても気にかけていて、そうすると皆がそれを自分ごととして考えることができたんです。
それは非常に重要なことですが、しかしそれが最も重要なことだとは思っていません。私は最も重要なことは規律だと思うし、規律は壮大なビジョンを持つよりも実際に重要だと思っています。
規律的であることの重要性
これは私の個人的な信念で、多くの人が私に同意しるかはわからないのですが、Frontがこれまで成功してきた理由の1つは、様々な事柄において非常に規律的だったことだと思うんです。たとえば、常に1つの集中するべき点を持ち、それが会社全体に明確であるようにすること、があります。
初期の頃、私たちはFrontが確実に皆が望んでいるものを作っているようにしたかったんです。そして、それをトラッキングする方法として、収益を見える化しました。毎日、会社の全員が収益のレベルが今どこにあるか、翌日にどこにあるか、その翌日はどうか、知れるようにしました。少なくとも1年間のトラッキングをしました。私たちが取り組むことはすべて、その収益を増やすことを目的としていました。
当時私は毎日社員向けのメールを送信していましたが、だんだん週ごとのメールになりました。コアターゲットに対してどれくらいの成果をだしているかを伝えるメールはいまでも毎週送っています。
このように数点にフォーカスする物事に対してきっちり行動していく規律性をもち、そしてすべてのプレゼンテーション、送信するすべての電子メール、さらにはあなたが投資家に見せるものすべてにこれらの規律を持っているようにすることです。それが成功の鍵の一つといえるでしょう。
起業のきっかけ
Geoff Ralston
ユニークな企業文化と、Frontで得た成功についてさらに掘り下げる前に、バックアップをしましょう。
あなたはお粗末なスタートアップ企業を、お粗末な文化のあるお粗末な会社を、辞めたわけですが、どういう経緯であなた自身の事業を始めようと決心しましたか?共同創業者のLaurentを見つけてFrontを始めたきっかけは何ですか?
Mathilde Collin
はい、私はいくつかの理由でとてもラッキーだったと思います。一つは共同創業者に出会えたことです。共同創立者と私は、親友や兄弟姉妹、そのような関係であったわけではありませんでした。実は共同創立者に出会ったのは会社を設立する3か月前です。
それから私たちは、考えられうるすべての困難な議論を経験し、一緒に多くの時間を費やしました。例えば、「私は、あなたを解雇したいと思ったらどうしたらいいのかわからない、あなたが私を解雇したい場合はどうする?」、「あなたが売りたいものを、私が売りたくなかったら?」だとかです。そして、私たちはほとんど全てのこと...実をいうとまるごと全てにおいてに同調できていました。それが私が彼と一緒にこの会社を始めたきっかけの1つです。それから私たちは...
Geoff Ralston
えっと、自分の事業を始めたいと確信があったんですよね?
Mathilde Collin
はい。私は会社を始めたいという本当に思っていました。私はソフトウェア会社を辞めました。電子メールの分野で会社を始めたいと思っていました。なぜなら私はソフトウェアが好きなのに、仕事をすませるために電子メールを使っていたからです。
私は借り入れ契約をするつもりはありませんでした。会社を始めるには資金が必要なのはわかっていました。進学のためにローンを借りなければならなかったので、どこかからお金が見つけてこなければ会社を始めることができませんでした。それから、私は幸運にもパリでひとりのエンジェル投資家に会うことができました。
Geoff Ralston
リスクがとても大きいように聞こえますけどね。あなたは大学時代のローンがあり、仕事を辞めたばかりで。
Mathilde Collin
ええ。でもそれが私が取った最大のリスクであるかどうかはわかりません。もしくは私がすべての社員とその家族と一緒にここに引っ越したことかもしれません。彼らは前の仕事を辞めて家を売ってきました。今までの人生の中で多くのリスクをとってきたんです。
Geoff Ralston
そうなんですね。わあ、あなたは真っ向から飛び込むことにしたんですね。あなたは資金を得る必要があった。エンジェル投資家を見つけ、Laurentを見つけた。
Mathilde Collin
はい、そして最後に信じられないほど重要だと思うのは、後で私の夫になった、自分のことを信じてくれる人を見つけたということです。
メンターであれ、友人であれ、誰であれ、「大丈夫、できるよ」と言ってくれる人を見つけることはとても重要だと思います。もうあなたは「自分ができる」っていうことには確信があるのかもしれませんが、少なくとも私にとっては、これらの4つのことは等しく重要でした。誰かが毎日「あなたならできる」と言わなかったら、この会社を始めることはなかったでしょう。
Geoff Ralston
つまり、あなたは将来の夫と共同創業者、その他の人たちを、ほぼ同時に見つけ出したんですね。
Mathilde Collin
夫はFrontで働いていますが。
Geoff Ralston
あなたの夫はFrontで働いていますが、...彼は当時Frontで働いていなかったですよね。あなたは彼らとほぼ同じ時にあったと...
Mathilde Collin
いいえ、将来の夫に会ったのはその数年前でしたが、彼は起業しようとしている時に「できるよ」と言ってくれた人なんです。
Geoff Ralston
彼はあなたが仕事を辞め、スタートアップに真っ向から飛び込むのを支持してくれた、と。
Mathilde Collin
はい、その通りのことをしてくれました。
パートナーとの出会い
Geoff Ralston
なるほど、Laurentとはどのように出会いましたか?
Mathilde Collin
パリのeFoundersというスタートアップで会いました。まるで一目ぼれのような出会い方でした。
Geoff Ralston
あなた方、どっちがCEOになるのかをどのようにして決めましたか?
Mathilde Collin
非常に簡単でした。基本的に、私が好きなものすべてを彼は嫌いなんです、彼が好きなものはすべてわたしが嫌いです。彼はFrontのCTOですが、彼はプロダクトを作るのが大好きですで、でも好きではないのは...
Geoff Ralston
人と話すこと。
Mathilde Collin
私が今していることですね。彼はマネージャー業務をするのが好きではないんですよ。Frontを振り返ってみると、私が最も幸運だったと思うのは、共同創業者との関係性です。本当に素晴らしい関係にあるんです。それは、私たちが一緒に遊びにいったり、という意味で非常に近しいということではありません。
彼は実際に友人ではありますが、私の親友、私の相棒、というわけではありません。でも私たちはお互いにとても尊敬しあっています。それが最適な関係をつくるために必要なことです。馬が合うかどうかは重要ではなく、一緒に会社をやっている人の仕事に「すごいな」と感銘を受けることが必要なんです。
Geoff Ralston
あなたには、最初にそれを理解するまでユニークなプロセスがありましたね。なんというか、あなたたち両方ともうまくやれると確信するまで、お互い詰問しあった、というか。
Mathilde Collin
そうですね。
人事
Geoff Ralston
CEOとして仕事を始めたとき、責任の所在をどのように分割したか、CEOの役割は何か、について少し話してもらえますか?CEOとして何をすべきかについて同様の質問をしたい人がここにはたくさんいます。事業の最初から、それについてどう思っていましたか?
Mathilde Collin
初期には、CEOとしての私の役割はほとんどありませんでした。私はエンジニアではないので、基本的には、エンジニアである以外のことは何でもしていました。
プロダクトマネジャー兼リクルーター兼...マーケティング担当としては三年間私しかいませんでした。唯一の営業担当でもありましたし、唯一のサポート担当でもあり、唯一のカスタマーサクセスの担当でもありました。私の仕事はただ最終的にはチームをつくる、そのようなものだったと思います。それが本当に私の目標だったんです。
Geoff Ralston
プロダクト構築以外はすべてやる、そういう存在だったということですよね?
Mathilde Collin
そのとおりです。
役割の変化
Geoff Ralston
それは時間の経過とともにどのように変化しましたか?
私たちはEllad Gilと会社が大きくなるにつれてCEOの役割がどのように進化するかについて少し話したんですが、社員が2人から5人、10人に変わったら、CEOの役割は大きく変わりますか?
Mathilde Collin
はい。とても大事なことは、私ができなかったことを代わりにしてもらうために人を雇うというのを考えていなかった、ということだと思います。マーケティングに苦労していたとか、見込み客を獲得する方法がわからなかったというわけではありません。自分よりもうまくできる人を雇う必要があるんです。採用とはそういうものだと思ってやってきました。
事業でスケーラブルであると感じるものがいくつかあります。たとえば、Frontにとりこみたい見込み客がいるとします。私は彼らに電話するわけなんですが、Frontに見込み客を取り込みたいから、それにはこういうプロセスをこの順でやって、と考えます。
私じゃない他の人がそれをできて、その人は私よりもスキルがあるし私よりもうまくできるな、と思えるようになった時、それが人を採用するタイミングです。会社のステップのあらゆる段階でそうやってきました。私は私よりもうまくできる人を採用していったんです。
大体彼らの仕事がどうなるかがわかった時に。私が初期の頃にした間違いで、私にはできないことがあったので、誰かが代わりにしてくれたらいいなと思っていました。実際のところは、私が会社についてのすべての知識を持っていても何かをできていない場合、誰かがやってきてそれをかわりに解決してくれるということは非常にまれです。それは私が起業初期に学んだことです。
Geoff Ralston
つまり、他の誰かが自分のもっていない答えを持っていると当てにすることはできないということですか?
採用の目的はスケーリング
Mathilde Collin
ええ、そうです、今日になってもそうですね。私たちの社員は今110人なんですが、私が理解していないことを理解するために人を雇う、ということはしていません。それはもう信じられないくらいに難しいことだと私が考えているからです。
私が採用をする目的は、社内ですでにうまくいっていることをスケーリングするためです。私が把握していることで私よりも優れている人を雇い、そして必要な人員を集めたら、私はその部門のトップになる人を雇用しました。今の私の仕事は、すべての部門のトップをそろえて、その人たちに協働してもらうようにすることです。こうやって私の仕事は変わってきました。
Geoff Ralston
起業当初からCEOにとって採用が何よりも重要な役割であったようですね。
Mathilde Collin
面白いことは...私は2014年夏季にYCの参加者だったのですが、毎週スピーカーが来てくれて、そのスピーカーが採用について話すたびに、私は電話口にいました。なぜなら私は社員を採用することについて気にしていなかったからです。もっと先のことだから、と思って。
おそらくそれは大きな間違いでした。だって皆さんは、採用が事業の鍵であるとわかっていますよね。採用をあなたがしくじった場合、あなたの会社もこけます。なので、耳を傾けてメモを取り、後でそのメモを読むべきです、と忠告しておきます。
StripeのCEOであるPatrick Collisonから得たアドバイスの1つは、非常に洞察力に富んでいます。彼は「創業初期の頃誰かを雇うたび、同じ人を10倍欲しいかどうかを考えてください」と言いました。なぜなら実際、あなたが雇おうとしているその人は、彼らに似たような人を後に採用するようになるからです。
つまり、私がGeoffと面接をして、「このチームにGeoffが10人ほしいだろうか?」と考えます。難しいことですが。答えがイエスの場合…
Geoff Ralston
たぶん「ノー」かも。
Mathilde Collin
イエスかもしれませんよ。答えがイエスなら、採用しましょう。答えはノーなこともありますが、敷居はそれくらい高くなければなりません。それは私が得た中で良いアドバイスだったと思います。
企業文化への投資
Geoff Ralston
最初から、Frontにはある種の強い企業文化があったようですね。企業文化について、採用当初から注意を払っていましたか?どのように会社に実装しましたか?それについてどう思っていましたか?
Mathilde Collin
はい、非常に早い段階から考えていました。今日の私たちが「我が社のバリュー」と呼ぶものに対して非常に慎重になっていました。でも基本的には、自分がどういう人とならうまくやれるかは分かっています。そして、私がうまく働けないだろう人も。
実際のところ、当社のバリューは、単に私たち共同創業者が、お互いにどういう人間であるかというところを拡張していったようなものです。私たちの価値のほかの部分としては、エゴを低くもつこと、高い水準のケアとコラボレーション、そして最後は透明性です。そして、自分はとても要求が厳しい人間だと思っているので、高い水準というのが当社のバリューの一部であり、同じような基準を持って仕事をしない人を雇いたくないのです。
エゴを低く保つというのは、自己というものがが全くないということではなく、私が意思決定をするときはまず最初にFrontについて考え、最初に社員について考え、その後自分自身について考える、ということです。共同創業者として私たちが大事におもっていることを言葉にし、そして面接のプロセス中にそれを基準に評価することが大事だと思うんです。壁にそういう言葉を掲示したり、それらのすべてを創業時期に説明しつくすことは有用ではないと思います。でも少なくともそれを自覚しておくことは、適切な人を雇うのに役立ちます。
Geoff Ralston
そしてそれが物語っているのは、創業時期の採用であなた自身が重要な役割を果たすことになるということです。
Mathilde Collin
ええ、私は社員が80人かそれくらいになるまで面接を自分でし続けていましたよ。
Geoff Ralston
これらのバリューを妥協しなければならない立場にいるなと思ったことはありましたか?もしくは、そのバリューは常に存在しているものでしたか?たとえばバリューは完全に一致しなかったかもしれないけれど、デザイナーの仕事にはぴったりの人がいた、というような。
Mathilde Collin
いいえ、私たちは決して妥協しません。したとしても、その人にすぐ会社から離れてもらわなくなってしまいます、それは妥協しないよりももっとしんどいことです。
Geoff Ralston
全くうまくいかなかったんだ。
Mathilde Collin
ええ、うまくいったことはありません。成長を始めた会社にとってそれは非常に重要な点だと思います。たとえば、私は6か月間もずっと財務部長を採用したいと思っていたんです。それってとても重要な役職ですよね。
たとえば、Frontには財務担当者はいません。私たちは80百万人を集めた110人です。そして、私は今まで何も財務の仕事をしたことがないので、私は要領を得ていません。しかし、スキルと私たちのバリューの両方を兼ね備えている、すばらしい、と思える人を全く見つけられませんでした。だから誰も雇おうとしなかったんです。たとえその役職につく人を差し迫って必要としていても、妥協して採用をしないということに対して厳しく自分を律していることが大事だと思います。
従業員への高い要求レベルを持つ企業文化
Geoff Ralston
プロダクトの話に移りたいと思いますが、その前に、比較的新しいスタートアップの創業者、スタートアップスクールの大半の企業のような若い企業の人たちにむけての話をできないかなと思います。
あなたがFrontに持っている文化のような、成功企業の文化を作ることについて、何かアドバイスはありますか?
Mathilde Collin
私の最大のアドバイスは、非常に高い要求レベルをもつ人になることだと思います。初期の頃など、うまくやれていない人がいれば、厳格な判断をするべきで、その人を手放すべきです。そういう間違いをこれまで見てきました。
あなたが5人のチームのうち1人がそのチームでうまくやれていなかったとき、そしてあなたがそれを知っていて、ずっと思っているけれども辞めてもらうと決断できなかったとしたら、それはあなたのチーム全体に影響を与えます。
難しいことだと言うのは簡単ですが、私たちがそれをどのように行ったか説明することはできます。とても重要なことだと思います。透明性は初期の段階で非常に重要であり、また規模が大きくなっても重要だと思いますが、会社の全員がなんでも把握しているようにしてください。何も隠す必要はありません。たぶん給与以外は。
良い透明性と悪い透明性
Geoff Ralston
透明性ということばですが、みんなよく使いますよね。Frontの実際の業務では具体的にどんなことを意味しますか?
Mathilde Collin
誰もが知っているということが私の... えっと、いい透明性と悪い透明性があると思うんですよね。よい透明性というのは、あなたが持っている情報のなかで皆が仕事をもっとうまく行え、抱えている質問に答えるのに役立つようなものを全て共有するということです。
悪い透明性があると、必要以上に多くの疑問や問題が発生します。たとえば、給与の共有などです。それについて議論することもできますが、実際に問題を解決できるよりも多くの疑問が生じると思います。でも、そうでないその他すべてのことは情報共有すべきです。
社内の誰もが収益や解約率、見込み客が希望を述べているeメールすべて、顧客のクレームや感謝のメッセージ、顧客が満足しているかしていないかを見るNPSスコアのすべて、銀行口座にある現金の量、すべての取締役会では取締役会用プレゼンを公開し、その後、全員から質問をうけつけ質問に答えるため取締役会の意見を共有します。私はビジネスに関連するものすべてを共有しています。また、私が非常に満足しているとか非常に不満だという意見も。
Geoff Ralston
そして、会社の皆が最終的にそれを知っている状態になるんですね。
Mathilde Collin
みんなが知っています、そして私はそれが良いことだと思うんです。なぜなら社員になにか破綻したものに取り組んでほしいなら、それが破綻していると隠すことは意味をなさないからです。そして、常に具体的な人間としての感情がありますが、それは彼らが不安になるので、私は共有しません。うまくいっていないことは伝えます。2日前に会社にジョインした人も何がうまくいっていないか知るわけですが、それでいいんです。これは、彼らがすべて問題に取り組むという事実であり、疑問を回避するよりもいいからです。
Geoff Ralston
そして、みんな足並みを揃えて、同じ方向に動いているように感じますよね。
従業員継続率の高さ
Mathilde Collin
ええ、そうですね、Geoffはご存じでしょうが、Frontは少なくとも... えっと、私たちが苦労していることはたくさんありますが、しかし、私たちがうまくやったことの1つは、社員のリテンション(定着率 )が非常に良いことだと思います。
社員は皆ハッピーです。NPSは87であり、これは非常に高い数字です。Glassdoorのサイトを見ると、5つ星のレビューしかありません。当社の社員離脱率を見ると、Frontを離れたのは2人だけです。そしてそれも一人は勉強しに学校に戻るためだし、もう一人は親友の立ち上げた会社に参加するためでした。だから私たちは良い仕事をしたと思うし、この透明性のおかげで私たちが作ったこのエンゲージメントが生み出せたのだと思います。
Geoff Ralston
以前に、会社のプロダクトに関してのいい兆候というのは非常に高い保持率を持っていることだという話をしましたが、同様に、社員のリテンションが非常に高いことは、企業にとって非常に素晴らしい兆候だと思います。
Mathilde Collin
ええ、それは非常に重要です。なぜなら、非常に多くの知識が集まっているからです。
Geoff Ralston
組織的に。そして特に誰かが良い人を会社から失った場合、あなたは多くのものを失うんです。
Mathilde Collin
ほんとに多くの知識をね。
顧客
プロダクトマーケットフィットに至る
Geoff Ralston
Frontは、ひとにぎりの顧客から始まった企業であるので、本当に興味深いケースですね。ゼロからはじまり、最終的にはほんの一握りから、数千に拡大しました。
プロダクトマーケットフィットがどこかを理解しだした初期の頃について話していただけますか?そして、愛用者が10人から100人、そこからさらに増えるところまでの発展について少し教えてください。
Mathilde Collin
ええ、いくつかあります。最初のことですが、4年前にYCに到着したとき、Kevin Haleがやって来て、「あなたの会社は何というの?」と聞くので、「Frontです」と答えました。そしたら、「ええ、すごいね。この期の中で最もクールな会社の1つだと思うよ」と言われました。その時私は、この人は絶対ほかの会社と間違って話していると思ったんです。
Geoff Ralston
「同期の別の会社と混同しているに違いない」と思ってしまったんですね。
Mathilde Collin
単に自信がなかったんです。別の例を出すと、同期が私のところに来て「君たちのプロダクトを使ったほうがいいかな」と聞いてきたので、「いやいや、競合他社のものを使ったほうがいいよ。うちのよりはるかに優れているから。」と答えていたんです。そのときのプロダクトの状態を非常に恥ずかしく思っていたんです。それにもちろんプロダクトマーケットフィットもないと確信していました。
Geoff Ralston
プロダクトマーケットフィットの定義の1つは、顧客がプロダクトを気に入っているのにあなた自身は恥ずかしいと思っているということですか?
Mathilde Collin
うーん、たぶんそうかもしれません。まあプロダクトを恥ずかしいと思っているのは実は良いことだと思うんですけど。それでプロダクトマーケットフィットに達していないと感じた場合ですが、でもそれは運命が尽きたということではなく、ただたくさんやることはあります。私は自分自身にとても正直な人間なので、目を覚ましたらもう、ああプロダクトマーケットフィットにあってない、と考えてしまうんです。
じゃあプロダクトが持っているすべての問題を修正する必要がある、じゃあどのようにしようか、と。
1つの方法は、4年前YCで、日々できるだけ多くのユーザーと話をするという固い規律を守ってきたことです。今日になって私の日々がどんなものあるかというと、実はそれほど違いはありません。常に見込み客や顧客と話していました。
そして、私は毎日プロダクトにアカウント登録してくれた皆と少なくとも7回または8回のミーティングを行うようにしていました。たとえ彼らが最終的にプロダクトを使用しなくなったとしても、それは重要ではありませんでした。ただ話をききたかったのと、彼らが最初に興味を持った理由を理解したかったんです。
プロダクト変更のきっかけ
Geoff Ralston
そこで一回ストップしてもらって、ちょっと大げさもしれませんが、なにか方向性を変えたり、少なくともプロダクトを大幅に変更したりすることになったきっかけの会話は具体的にどんなものだったか覚えていますか?
Mathilde Collin
ええ、YCでは、私たちはsupport@...や sales@...といった会社共有のメールアドレスの共有受信トレイの管理をサポートするサービスの構築から始めたんです。そして、HomejoyのCEOであるAdoraと話しました。
Geoff Ralston
今はYCのパートナーですよ。
Mathilde Collin
今YCパートナーなんですね。
Geoff Ralston
YCスタートアップスクールのね。
Mathilde Collin
素晴らしいですね。それで、彼女は私に言ったんです。「ああ、あなたが作ったプロダクトはとってもいいよ。SMSでも動作します?」って。なぜなら彼らの会社ではすべての清掃員とSMSでチャットしていたんです。
そして、Trelloを見ると、それらのAPIはかなり良かったんです。それから1週間以内に、SMSを新しいチャネルとして追加するだけで収益が大幅に増加することに気付きました。SMS周りにはアシストサービスの大きな需要があり、でもそれについて考えたことはなかったからです。私はSMSを使用して仕事をしている会社で働いたことはまったくありません。これは1つの例ですが、もっとたくさんあります。
私は基本的に全く...ある会社で1年間働いただけで、ビジネスワークフローについて何を知っているといえるでしょうか?今日でもなお、見込み客または既存顧客との会話に多くの時間を費やしている理由は、私たちが新しいマーケットに入っていこうとしているからなんです。新しい種類の企業や新しいユースケースで市場に参入していこうとしています。
とても利用者が多いユースケースのひとつは、物流と輸送です。なので私はその業界の、トラッキング機能のカンファレンスに行ったんですが、何を知っていたかというと、ひどかったです。全く何もわからなかったんです。
Geoff Ralston
追跡会議で間違いなく目立っていたでしょうね。
Mathilde Collin
そうです、会話をもたなければ、私は正しい方向に会社をリードすることができません。適切な人を雇うことができず、プロダクトに関する適切な決定を下すことができません。なのでこれが私がずっとしてきたことだし、いまだにやっていることです。本当に重要だと思います。
そして、唯一の方法はがむしゃらに頑張ることです。たとえば創業時期には、1日に8回ミーティングをしなければならない、というような。それはとても大変なことです。あなたが知っているすべての人に連絡することから、誰かが読んで、最終的にあなたのプロダクトにアカウント登録してくれたらいいなと期待しながら記事コンテンツをやったことのない方法で書いてみることから、あなたができることをすべてする必要があります。それが初期の私たちを急速に成長させた理由だと思います。
Geoff Ralston
YCに入社したときの、顧客の数を覚えていますか?
Mathilde Collin
私が覚えていることの1つは、YCの面接をうけたとき、当社のプロダクトに登録した会社が3000社があったことです。しかし、それはまだベータ版だったので、みんなまだそれを使用していませんでした。
そして、私は1社ずつ聞き取りしていったんですたが、すべてが同じことでした。「いいと思うが、このプロダクトには〇〇がないので、使いたくない。」とか「機能しない」とか言われて、結局たぶん3000社のうち多分1社のみがプロダクトを使用したんじゃないでしょうか。
でもそうやって、私は顧客が何を望んでいるかついて非常に多くの知識を蓄えたんです。そして、私はLaurentに、「こういうものを構築するのが必要なんだって。機能あとひとつのところまで来てる。約束するから」と言っていました。
Geoff Ralston
あとひとつの機能ってところまで来てる、と。
Mathilde Collin
「あとひとつだけ。」今日でもそうやって言っています。
顧客のコンバージョンに苦労
Geoff Ralston
それでYCを出たときには、何人の顧客がいましたか?
Mathilde Collin
YCを辞めたとき、MRRは5000あったので、おそらく130社ほどがこのプロダクトを使用していました。
Geoff Ralston
それってかなりすごいことですね。では、130社のリテンションがどのようなものだったか思い出せますか?
Mathilde Collin
はい、実は一社も解約がなかったんです。私がいまそれをすらすら言える理由は、誰かがFrontに入社するたびにYCでのデモ・デイのビデオを見せているので、何度も何度も聞いてデモ・デイのピッチを暗記しているからです。そのプレゼンの一部分が、ユーザーの解約がひとつもない、ということだったんです。
Geoff Ralston
それって素晴らしいことですよね。
Mathilde Collin
とても。そうでもなかったんですね。そこまでは素晴らしいことなんですが、試用版から有料版へのコンバージョン率が散々でした。
Geoff Ralston
どうしてですか?
Mathilde Collin
つまり、プロダクトが非常に初期のものであり、市場が必要とする多くの機能がなかったからです。
Geoff Ralston
時間の経過とともにその移行ができましたか?
Mathilde Collin
ええ、私たちは様々な機能を新たに追加し、コンバージョンが増えました。
Geoff Ralston
顧客数を何百から何千まで推移させた方法についてお話したいと思いますが、スタートアップスクールでよく出てくる質問は次のようなものです。あなたが始めた地点はどのような状況で、あなたが今いる場所にどのようにして至りましたか?
Mathilde Collin
はい。私たちは基本的なサービスは無料で、課金すると機能を追加できるフリーミアムモデルから始めました。ユーザーあたり月額3ドルまたは9ドルのプランがありました。私が言いたいことの1つは、ただできるだけ早く価格を公開することです... 最初というのは、いつも準備ができていないことが怖いでしょうが、あなたにはその準備はできています。少なくとも、皆さん全員にとって良いことはマーケットに直面するということです。
また、必要なのは、フィードバックに耳を傾けることです。お金を払っている人のフィードバックに耳を傾けるんです。なぜならそうしないと、プロダクトに全くお金を払わない人からのフィードバックにはただ気圧されるだけになるかもしれないので。
さて、フリーミアムモデルがあったんですが、私たちが気づいたのは、無料のプロダクトがあったとしても、最終的には、フリープランのユーザーは15%ほどだった思います。それはただただ集中をそぐだけでした。もし見込み客を獲得するためにこれがいい方法である場合は、無料のプランを用意し、そしてこれらの見込み客をコンバージョンすればいいです。しかし、ユーザーの15%が使うようなものであれば役に立ちません。私たちは時間をかけ、着実に価格を9ドルおよび19ドルのプランに変えていきました。たぶんかかり過ぎでしたね。
Geoff Ralston
価格を低く始め過ぎたと感じますか?
Mathilde Collin
ええ、そして99.99%の人は、彼らが低すぎる価格から始めてしまったと言うと思います。ただし、後で価格を上げることができるため、そんなに大事なことではありません。
Geoff Ralston
価格を下げるよりあげるほうが難しいと思いますけどね。
Mathilde Collin
ええ、本当ですね。でも誰もがやっていることです。
Geoff Ralston
どうやってそれらの値段に考え至ったんですか?99.99の人と同じようなものでしたか?
Mathilde Collin
100%、ですね。ええ。今になって初めて...
価格設定
Geoff Ralston
顧客にどれくらいなら支払うか尋ねたりしましたか?
Mathilde Collin
いいえ、私は顧客が答えてくれるとは思いません。もちろん、競争相手を見て、10倍安いか10倍高いかにすることもできますが、でも一度競合の価格を調べて値段の範囲を定めたら、ただ数字を選んでその価格でとりあえずゴーサインを出すんです。
Geoff Ralston
数字を選んでその価格でとりあえず行く、と。
Mathilde Collin
価格設定について考えすぎることは、起業初期の頃の失敗原因になります。つける価格を選び、とにかくプロダクトを販売してください。そうすればみんなの意見がわかりますから。
Geoff Ralston
成長の初期段階や顧客との話し合いについてのもっと深く掘ってみたいと思います。何かアドバイスはありますか?というのも、あなたはさっき本当に有益なアドバイスをしたからです。
それは、あまり金払いがよくない人よりも、多くを支払ってくれている人と話すということですが、あなたが顧客から有用なフィードバックを引き出そうとしている人にどんなアドバイスをしますか?
顧客からのフィードバックの活かし方
Mathilde Collin
はい。まず第一に、誰もが同じようにフィードバックを共有したいわけではないことを理解すべきだと思います。そして私たちは、異なるフィードバック獲得の方法を持っていて、その一つが人と会って話しにいくことでした。時間を割いてくれた方と話すと、彼らは私たちのプロダクトについて「これはいい、これは好きじゃない」といってくれます。
別のこととしては、プロダクトロードマップにTrelloを使用していたことです。Trelloでのロードマップを公開したんです。frontapp.com/roadmap にアクセスすると今でも私たちのロードマップを見ることができます。
Geoff Ralston
公開されているんですか?
Mathilde Collin
一般公開されていますよ、常に公開されています。
それについて話しましょうか。欲しいものに投票することができるんです。私達がたくさんのフィードバックを得た方法の一つでもあるので、誰かの役にたつかもしれません。それから私達がしたもう一つのことは毎四半期の初めに、すべての顧客に電子メールを送り、私はこの四半期のロードマップに取り組んでいるんですけど、あなたは何を見たいですか?と聞くんです。そうしたら彼らはリプレイしてくれます。多くの時間をつかう人、少しつかう人、ワンクリックだけしたい人がいい感じで混在していたと思います。いずれにしてもこれらのデータは必要です。
Geoff Ralston
それはあなたの会社の発達段階の少し後のようですね。あなたがTrelloを使っていて、ロードマップともっている、となると。一番初期の段階でいろいろ探ろうとしている時、Adoraと話し、SMSを把握しようとし、それというのはどんな感じだったんですか?有益なフィードバックをくれる顧客と話しているのか、時間を無駄にするような顧客と話しているか、どうやって判別しましたか?
Mathilde Collin
はい、誰かに話をしにいったら、その人を自分が本当によく理解しているかどうかを把握しておく必要があると思います。
顧客はみなさんに「私はそういうものが欲しい」と言うことができるけれども、それを作った時にそれは彼らが望むものではないということが起こります。だからセールスについて考えることができる最善の方法は...私はみなさんのほとんどが販売スコアをすることにあまり乗り気でないと賭けます。私の推測ですが。それは普通です。そうでなければ私は、どこかの会社で営業をしているでしょうから。それが私が感じた...
Geoff Ralston
私のようにね。
Mathilde Collin
そうですね...それも、私がどのように感じたか、のひとつです。ここで言っておくべきことは、私が初期の頃の販売について考えていた方法というは、皆のワークフローがどこにあるのか、彼らの問題が何であるのかを正確に理解し、その後それに立ち向かい、それを解決するということでした。
セールススコアやセールスミーティングやカスタマーサクセスミーティングを行う今日はかなり面白くなったと思うのですが、これではあたらしい機能を販売したり、プロダクトをデモするためにここにいるのではないようです。少し退屈ですが、ここにいるのは彼らのピンポイントは何か、ワークフローはどんなものかを正確に理解するためで、それからになって私は彼らにFrontのプロダクトで改善することができますよ、と説明することができます。
もしFrontでより良くなることがあれば、それらがフォーカスを合わせる必要がある重要な事柄であると思います。また大事なのはFrontが彼らにとって良い解決策であるかどうかについて、自分自身に対して信じられないほど正直であることです。
今日でも、私が最も苦労していることのひとつは、私たちのチームに、欲しいユースケースと、欲しくないユースケースがあると伝えることです。創業時の早期に「はい」と「いいえ」を意図的に言うことは非常に重要です。
皆さんは会社の方向性を知っています。100%定かではないかもしれませんが、少なくともそれがあなたが欲しいものであるか、それが欲しくないものであるかどうかを言うことはできます。それから販売スコアをするとき、何かを理解することが、プロダクトをデモすることや、顧客があまり気にしない機能のリストを見せるとか以上のものであるようにするとき、好奇心を強くもつようにしてください。
Geoff Ralston
あなたの規律の考えに反論しているように見えるので、そこに戻りたいと思います。基本的に、解約をゼロに保ちたいと思うなら、何人かの顧客にはノーと言う必要があると言うことですね。間違った人に間違ったプロダクトを売るなら、解約はおこるでしょう。
Mathilde Collin
解散は最大の危険ではないと思います。最大の危険は顧客がいて、収入を伸ばすことをとても気にかけているときに、あれが欲しいと言われたら構築し、これが欲しいと言われたら構築する、そして行きたくない方向にプロダクトをプッシュしてしまう、私はそれが最大の間違いであると思います。
セールス
Geoff Ralston
セールスについて少し説明していきましょう。あなたはエンタープライズのセールスについてすべて自分で習得し、営業部隊を組織する必要があったので。それはどのようなものであるか、少し話してください。また、どのようにして自社のプロダクトを顧客の手に渡せるか探っている人たちにどのようなアドバイスをしますか。
Mathilde Collin
私がした間違いに基づいているアドバイスとしては、最初に、どれが何だということを判別する必要があると思います。使うことができるさまざまなセールスミッションが存在します。
たとえば、ボトムアップアプローチまたはトップダウンアプローチが使えます。トップダウンでは、CIOにプロダクトを売るとそのプロダクトについて会社で議論します。ボトムアップはあなたがエンドユーザーにプロダクトをデモすることです。彼らは、それが素晴らしいツールになるだろうと教えてくれます。私たちは両方を試してみましたが、私たちはたくさん苦労しました。
ですから、まず第一に、プロダクトをどのように売りたいかを知っているべきであると思います。雇う社員、プロダクトを売る方法、ボトムアップかトップダウンかで、すべてが違うでしょうから。アドバイスno.1ですが。
さて、私たちはボトムアップで始め、たくさんの顧客を持っていました。そして、それは数字のゲームでした。私が気にした唯一のことは、担当者はすべての見込み客に5回電話をかけるべきで、毎週デモを15回するべきだという事に関して、それがどのように行われるのかは気にしませんが、そのアクティビティのツールを見たいのです。
毎朝、「これまでに行われたすべての通話です」や「スケジュールされて、行われたすべての会議です」という電子メールが届きます。この段階では、アウトプットよりもインプットがはるかに重要であると思います。
なぜなら、まず目標を達成しなかったならば、その目標は間違っているかもしれません。目標がどのようにあるべきかをどうしたら知ることができるのでしょうか?創業初期には、プロダクトが問題になっている、あるいは価格設定が問題になっているのかもしれません、それはわかりません。
私はいつも感じていました、最後にでてくる数字を見るのであれば、それは実際にはかなりむずかしいことでで、本当に良い仕事をしているのも関わらず、仕事ぶりが悪いと誰かを非難するかもしれません。デモをいくつか見て営業電話をいくつか聞いてみて、そこで彼らが愚かなことを言っていないことを確認したら、うまくいっていると喜び、それから学ぶべきです。
Geoff Ralston
先日、あなたが学んだ重要な教訓の1つについてお話ししてくれましたね。あなたは自分の商品について聞くことと自分で述べることの重要性について先ほど触れました。
Mathilde Collin
ええ、みなさんは自身のことをとてもすごいと思う傾向があると思います。恥ずかしいかどうかにかかわらず、自分のプロダクトを見せたいと思っています。それは誘惑です。私が話したすべての人が新会社を始めてからそのプロダクトを私に見せたがるんです。
大事なポイントはこの誘惑に抵抗することです。まず質問してみること、なぜならプロダクトを成熟させる段階でそうしたら、遅すぎるからです。それがたくさん質問ができるタイミングなんです。みんな新しいものを見たいですから、質問には答えてくれます。その声に耳を傾け、理解し、多くの時間を費やすべきです。だいたい見せる機能は10%くらいにして。
機能の何%をみせるかは問題ではありませんが、Frontの完全なデモ・デイ用プレゼンをする、などではありません。もし私がそうしたら、あなたはかなり退屈するでしょう。さて、Frontを立ち上げた当時みなさんの側の席にいたことを説明します。私たちが会社として成功した理由の1つは、私は自分のやっていることが正しいと強く信じていることです。自分の思い込みが非常に偏っているのかもしれませんが、やっていることには確固たる自信があるんです。これは皆さんにとって興味のある話かと思います。
資金調達
Geoff Ralston
Q&Aに行く前に少し話題を変えます。あなたの資金調達の経験は多分...
Mathilde Collin
ふつうじゃないですね。
Geoff Ralston
それは典型的なものではなく、もしくはちょっとシンプル過ぎるかもしれませんが、もしかしたらその考えは間違っているかもしれません。資金調達から何か教訓がありましたか、迅速に、イケている会社に成長するということ以外に役に立つと思うことはなんですか?
Mathilde Collin
はい。私達の資金調達は典型的なやりかたではありませんでした。資金調達のたびに...でも、私がその理由について考えるなら、私は普通ではないと思うので、あなたが期待すべきことではないと思います。
今度は私達がもう一度やったこと、前の規律に戻ることです。私はすべてのシードシリーズ、シリーズB用のプレゼン資料を公開しました。
それらはオンラインであるので見ることができます。私たちのメトリクスはかなり良いことがわかります。それは、毎日、毎週、毎月ごとといったのです。私たちのメトリクスはかなり良いことがわかります。それは、毎日、毎週、毎月のようなものです。
目標をきちんと達成することを私は気にかけていてきちんと目標を達成するためにすべてのことをやります。そしてそれはこのメトリクスで示されるものです。結局のところ、市場の機会があったチームにわくわくしていましたし、Frontに夢中になっているのは私たちのメトリクスによるものなのです。私が感じるのは...
Geoff Ralston
つまり、成長、良い指標を持っていること、良いプロダクトを持っていること、ですね。
Mathilde Collin
想像できないでしょう、明白であるように思われても。私が創業者の間違いとして見てきたことが2つあります。1つは言い訳をもってやってくること。例えば、私は会社として、あなたを手伝っているとします。「収入を増やしたい」とあなたは言います。
そして翌週である今日、私たちは会い、私は「あなたの収入はどれくらいですか?」と尋ねます。あなたは「それにはフォーカスしていないんです。コンバージョンの問題でホームページをやり直さなければならなかったので」..うんぬんかんぬんと答えます。私はあなたのコンバージョンには興味がありません。
私が気にする唯一のことは、ウェブサイトがより重要であると自分を説得付けていたことで、そしてそれは私がいつも目にする、成長しないことの言い訳です。会社が成長していないことを認めることが、どれほど難しいかは理解しています。
これは問題であり、修正する必要があります。しかし、あなたが自身それを認めなければ、あなたのチームは成長しないでしょう、それは確かです。ひとつ...
Geoff Ralston
究極の創始者の妄想ですね。
Mathilde Collin
そうですね、それから2つ目のアドバイスは、あなたに現実に立ち向かわせるための規律をもつことです。
1つの方法は、週ごとにEメールをチームに送信し、また月ごとに電子メールを投資家に送信することです。私は過去、数年間にいくつかの会社に投資しました。2、3通の電子メール、つまり2、3ヶ月のうちにどの会社が成功するのかを言い当てることができるなんて、想像つかないでしょう。
私はそういう意見や洞察を持つただ一人なのかもしれませんが。しかし、私が感じるのは、メールを一通送りそれから4ヶ月間何も送らず、それからまたメールを送って...とかする人もいれば、毎月フォーマットを変える人もいれば、あるいは、「ここに私たちのKPIがのっています」、「毎月お送りします」、「私のチームの紹介もしています」、「私たちのフォーカスです」などと、とてもきっちりしている人もいます。これは、とても大事なことです。
共同創業者の病気
Geoff Ralston
それは素晴らしい学びですね。最後にお話ししたいのは、あなたの共同創業者が最近病気になり、会社がいろいろなことをやらなくてはならなくなり、様々なことの優先順位を見直すように変更したということです。
CEOとして、友人として、共同創業者として、そして会社の中のひとりの人間として、あなたにとって重要なことは何ですか。最近のその経験がどのようなものであったかについて、少し話してもらえたら。
Mathilde Collin
もちろんです。2016年12月、1年半前ですが、私の共同創業者は癌と診断され、それはかなり悪性のものでした。今、彼は元気です、18ヶ月かかりました。このことが.....ええと、みなさんは、いまここにきてくださって会社をどう作るかの話を毎日きいて、毎日事業にとりくんでいます。
それはとても重要です。しかし最も重要なことは、会社を気にかけるのと同じくらいあなたが幸せで健康であることが大事だと覚えておくことです。会社は単なる仕事であり、それを実際のものとするために苦痛な瞬間を数々経験しなければならないのは厄介ですが、それがいつも私が心に留めていることです。個人的にも、会社のことでも、たくさんのことを変えました。
しかし少なくとも誰かが会社に入社したときはいつでも、私はプレゼンテーションをし、そもそもFrontとはどのような会社かを共有します。私が気にしていること、そして私はいつも皆に言うことは、何よりもまず第一に、自分が幸せで健康であり、Frontがあなたが幸せで健康でいられる場所ではないならば、あなたはここにいるべきではない、ということです。Frontは重要ですが、人生ははるかにずっと重要です。
周りの人に、あなたが彼らをどう思っているかを言うのもとても大事なことだと思います。これが好き、あなたが好き、とちゃんと言い、友人と時間を過ごし、バケーションにいき、といったことは、プロダクトの値段設定を適切に行ったり、営業電話をかけたりなどと等しく、あるいはそれよりもっと大事なことなんです。
それがまさに私が話したかったことです。もう一つ私の人生を変えたことは瞑想です。それがおそらく人間の95%の人生を変えるとも確信しています。
以前、私は会社についてとても気にし、そのせいで不幸でした。気にしすぎて、たとえ会社がうまくいっていても心配になることは多くあったんです。気にしすぎで、つねに不安定な気持ちでいました。たとえば、「この顧客が乗り換えようとしているのが心配だ、この人がうまくやっていないのが心配だ、来月の目標をどうやったら達成できるかわからなくて心配だ」というように。
それからあまり気にしないようにしようとしたのですが、会社もうまくいっていなかったら、私はといえば、気にして不幸になるか、気にしないでいたから会社がうまくいかない、運が尽きたと不幸になるかのどちらかだったのです。
瞑想は本当にいいと思います。毎朝10分瞑想しているんです。起きてシャワーを浴びてHeadspaceを使って10分間瞑想します。瞑想した後すぐになにかがよくなるというものではないです。もし瞑想しても特に気分が晴れたりしないと思っているのなら、トレーニングしているのは筋肉で、Headspaceが言う通りにすればいいのだ、と考える必要があります。今なら、Frontがいまどう言う状況であるか、きちんとお話しすることができます。答えを探し出さねばならない事項はたくさんありますが、実のところ、すごく気分がいいです。
解決するべきものがたくさんあることは知っていますし、それらに取り組んでいるのが私自身か、他の誰かかも知っています。私は気にすぎてしまいますが、Headspaceを使って、起こる悪いことすべてに圧倒されないようにしています。それは私の人生で最も大きな影響を与えたものです。共同創業者が病気になったとき、また圧倒されてしまって、そしてその時はまだFrontを経営していくことができるかどうか私にはわからなかったので、私は行動しなければならず、そして瞑想も私がその時したことのひとつでした。
Geoff Ralston
あなた自身や、あなたの好きな人、近しい人の人生でひどいことが起こるまで待たないでくださいね。明日はDaniel Grossがやってくるのですが、スタートアップをしている間、どうやって人間的でい続けるかという話題にもっと時間をさいていくつもりです。
それでは、しばらくの間Q&Aに行きましょう。そこの方、どうぞ。
Q&A
セキュリティ
speaker
セキュリティとプライバシーを企業に設定する上でどのように対処するのか、同じ質問をさせていただきます。企業の顧客をセキュリティに関して絶望的に感じさせないようにしたいのですが、実際はちょうど取り組んでいるところだという場合などです。一番いい… [inaudible]
Geoff Ralston
質問は、企業の顧客にプロダクトを販売しようとしているときの安全性とセキュリティの取り扱い、そしてどれほど早く手に入れることができるかということ、のようなものだと思います。
Mathilde Collin
そうですね、私たちは企業向けセールスとしては始めなかったのですが、Eメールを扱っているので、セキュリティが大問題だったからです。どれだけやっても十分すぎることはないと言いたいですが、しかしリスクを望んでとってくれるような会社を探さなければなりません。他に選択肢がないですから。
私たちでいうと、もちろん、誰もがコンプライアンスなどの充実を望んでいましたが、未だに当社はコンプライアンスが完璧ではありません。しかし私たちはなぜ早期の私たちのビジネスが安全性が高いかについて全て説明する一枚モノの資料をつくったり、他にも様々なことをしてきました。
Teslaはプロダクトフィードバックのために確実に使いこなしをしたいと思っていたので、情報が安全であることを確かめておく必要がありました。ですので、当社でいくつかの侵入テストを行いました。それには、それほどお金がかかるわけではありません。それでもし、「良い結果を得ました、そして他の会社に結果を見せていただいてもいいですよ」と言うことができたならば、その時は少なくともいくつかの可能性を開拓できるでしょう。
しかしまた、少数の業界を追いかけない、少数の顧客だけを追いかけないことを心に決めておく必要があります。彼らは常により多くを望んでいますから。でもきっと何も知らない生後3ヶ月の会社とeメールのプロダクトの契約をしてくれる会社はあります。すくなくとも魅力的な特徴がいくつかはあるので。
Geoff Ralston
はい、二度同じ答えを得ましたね。それが役立つことを祈っていますよ。はい、次。
サブスクリプションモデルについて
speaker3
どのようにして [inaudible] を定義しましたか?
Geoff Ralston
ご質問は、最終的にサブスクリプション・ベースのモデルを選択したのはなぜか、ですね。
Mathilde Collin
より多くのユーザーがいると、皆プロダクトからより多くの利益が出ると信じています。それを理由として私が思うのは、私たちの競合のほとんどが、扱っているのがヘルスソリューションであれ電子メールプロダクトであれ、1か月あたりのユーザーごと、または1年ごとユーザーごとに課金します。皆がこの組み合わせで課金しますよね。さらに、それは顧客が得るベネフィットにも合致しているように思われるので、サブスクリプションモデルを持つようにしたんです。
Geoff Ralston
はいどうぞ。
製品の値上げ方法
speaker4
価格を引き上げるつもりであることをユーザーに通知するための最良の方法は何ですか?
Geoff Ralston
ご質問は、価格を上げるつもりであることをユーザーに通知するための最良の方法は何か、ですね?
Mathilde Collin
良い質問ですね。Atlassianの社長と話していたら、いいアドバイスをくれました。それは、値段を上げるつもりですが、一年のちに行います、時間はありますよ、という誘い方です。
問題は顧客を二度怒らせることです。最初の通知を忘れたころに、値上げ通知の2回目が登場するわけです。2回増額したかのように思わせてしまいます。彼らは慣れてくれたらその時は、なんですが。...とりあえず、通知をして、遅かれ早かれ値段をあげることです。良い方法というのはありません。
私たちが成功したと思うトリックは、月ごとのサブスクリプションシステムがあったので、それを年間プランに切り替えた場合、もう1年間価格を固定すると言うといいです。win-winの状況ですね。お客さんはお得に購読ができ、あなたは前もってお金を得ることができるのです。というのが、少なくともあなたが顧客を気にかけていることを示すための一つの方法ではあります。
Geoff Ralston
はい。
最初の営業目標の設定法
speaker5
[inaudible]
Mathilde Collin
ランダムに -
Geoff Ralston
ご質問は、最初に雇った営業担当の目標をどのように設定するか、ですね。
Mathilde Collin
ランダムに、ですかね?実は、そこで働いているのは私だけだったので、どうするか知らなかったんです。だからお教えできる比率などはほとんどありません。あるとしたら、たとえば給与の3倍、6倍といった売り上げを持ってくるべきだ、とするとか。こういう指標の範囲があって、もし彼らが給与よりも少ない売り上げしかもたらしていない場合、はおそらくよくないですね。おそらく10倍も逆によくありません、もっと人を雇うべきでしょう。
ですから最初の担当者を雇ったら「それについてはまた聞きますね。その数値が順調なものであるかどうかちょっとわかりませんが、毎月再評価しましょう」また「実現可能かどうかについて現実的に考えましょう」と言って信頼を築きます。
Geoff Ralston
はい。
ユーザーが興味を持たなかった時に何ができるか
speaker6
[inaudible]
Geoff Ralston
ああ、これは難しい質問ですね。ユーザーがバウンスしたということはどうすれば知ることができますか、ですね。
Mathilde Collin
そうですね、Clearbitを使うことができるいくつかの技術がありますが、それがひとつです。しかし私達にとっては登録をしながら決してコンバージョンにつながらないような人をより気にかけます。彼らは興味を示してくれてはいるので。
私たちのウェブサイトでのコンバージョン率がたぶん3%なので、私たちはそのような方々について知らないし、彼らのために何かすることもできません。
Geoff Ralston
トップにある「邪悪な漏斗」は難しいんですね。はい、そちら。
ベータ段階での価格設定
speaker7
[inaudible] 開始について話をするとき…
Geoff Ralston
まだベータ版の段階というときに、どのくらい早く価格を設定し、それについて高い透明度をもつようにする必要がありますか?
Mathilde Collin
良い質問ですね。Stripeの実装に時間がかかったのですが、その中でいい考えだったなと思うのは、Stripeを実装する前に支払いをしてもいいと思ってもらえるかどうかを知ろうとしたことでした。
Stripeのプライベートベータ版でFrontに登録すると、私からの自動電子メールを受け取るんです。そこには、私たちのプロダクトへのアクセスを得るために、私に何をくれますか、と書かれています。例えば私はLEGOが好きで、それが私のTwitterフィードの内容だったら、何人かの人は私にLEGOセットを送ってくれるでしょう。
また、私たちの最初の顧客がLumioと呼ばれる会社だったのですが、彼らは電灯に関する事業をしていて、こう言ったんです、「電灯をあげますよ」と。自分自身が、皆が何をどう進めてくれようとするのか理解するために非常に独創的になれていたと思います。お金じゃなかったとしても構わないと思うんです。大事なことは、お願いして1時間あけてもらってその時間をもらう、あなたが私と一緒に30分・1時間を費やすということがもう何かを与えてもいいと思ってもらえる証拠なんです。
最初の3000人の獲得方法
Geoff Ralston
後ろの方。
speaker8
どのようにしてプライベートベータ版の最初の3000の登録者を獲得しましたか?
Geoff Ralston
ご質問は、プライベートベータ版で最初の3000の登録をどのようにして得たか、ですね。
Mathilde Collin
方法はコンテンツマーケティングだけでした。私はEメール関連のプロダクトを作っていて、「Slackが言っているように、Eメールはもうオワコンなのか?」、もしくはみんなが興味があるとおもって「20年後のEメールはどうなっているのか」、またそのとき私はYCにいたので、「1か月YCで過ごしてみて」、もう一つは「3か月YCで過ごしてみて」というようなブログ記事を色々書いていました。
皆結構読んでくれていたので、コンテンツマーケティングは私たちにとって大きなものでした。初期の頃には良いと思います、それがスケールしても使えるのかはわからないですけど。しかしそれが私たちが登録者を獲得した方法です。
Geoff Ralston
はいどうぞ。
新機能と価格設定
speaker9
顧客からヒヤリングしたものに基づいてより多くの機能を搭載することについて話してくださいました [inaudible] 顧客はより多くの機能を求める、と理解しました。その後どのように価格を調整しましたか?
Geoff Ralston
ご質問は、顧客からの機能や新商品への需要に照らして、価格設定をどのように調整するか、ですね。
Mathilde Collin
本当のところ、新機能は常にアップセル(単価の向上)するのに最適な方法なので、通常は新機能を作成して新しい計画に入れて、これらの機能を30日間試用することができるようにします。しかし、その機能を使用しているユーザーあたりの価格を2倍にすることができるでしょうか。
また、私たちが2年前にしたことについて、これについてはブログ記事も書いたのですが、当社では価格設定を超迅速にイテレートすることを可能にするバックエンドシステムを構築したんです。
ですから、例えば明日事業の機能を変えたい、そしてプレミアムプランにそれを入れたいとしたら、私は簡単にそれを行うことができます。価格を見直して値下げすることは既存のユーザーにとって何も生み出しません。ですからあなたのコホートを観察して、どんな機能がどこに最も適しているかを見るのが良いでしょう。
Geoff Ralston
もう1つだけ質問をとります、そこの方。
どのように課題と解決策を設定したか
speaker10
電子メールで仕事をしたいと思って仕事を辞めたとおっしゃいましたが、どのように、構築するべきドンピシャのプロダクトを探り当てましましたか。
Geoff Ralston
ご質問は、Eメールで仕事をしたいので仕事を辞めたことですが、どのようなプロダクトを構築するのか、どうやって見つけたのか、ですね。
Mathilde Collin
Eメールは解決すべき大きな問題であると思っています。そして、私たちが市場にふさわしい商品を持っていることを確実する必要がありました。それが市場に参入する方法としての、共有できるEメールアドレスだったのですが。その理由は、構築が簡単なプロダクトであり、皆それにお金を払うことを厭わないもので、また組織内で軽量でデプロイすることができるので、社内全体がFrontを使用する必要はないんです。
私がこれを選んだ理由は、前の会社にいたときにすでにピン・ポイントを見つけていたからです。私たちはこういうすべてのsupport@...とか sales@...というアドレスを持っていて、皆が私に「このEメールに返信した?」と尋ね続けたことを覚えています。そのあとのやりとりというのは、「私が送る全部の E メールの cc に入れて欲しい?」「いいえ」「じゃあ、私がこのEメールに返信したと信じて。」そういったような感じでした。これが私が見つけたピンポイントだったので、私はそれが良い入り口だと思ったんです。
Geoff Ralston
素晴らしいですね。Mathilde、ありがとうございました。
Mathilde Collin
ありがとうございました。
記事情報
この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
動画: After PMF: People, Customers, Sales by Mathilde Collin (2018)
トランスクリプト: After PMF: People, Customers, Sales