取締役会用資料の準備 (Sequoia Capital)

どのスタートアップのライフサイクルでも、いつかは取締役会が正式化する時が来ます。これは投資ラウンドや独立取締役の追加がきっかけでよく起こります。私たちも何度か経験しています。以下の内容は、アーリーステージのスタートアップで行われる最初の数回の取締役会議の構成について、私たちの考えをまとめたものです。

取締役会議では準備に使う時間は最低限に、得られる価値は最大限にすることを目指すべきです。もちろん、準備を一切しなければ、取締役会の集中力を保つことはなかなかできないでしょう。

取締役会向けの優れたプレゼン資料が極めて重要な理由がそこにあります。プレゼン資料が取締役会議の成功にそこまで大きく貢献し得ると聞くと、奇妙に感じるかもしれません。ですが、よく考えてください。取締役会の仕事とは助言、問題解決の支援、ベストプラクティスの強化などです。これら全てをテーマとする際、プレゼン資料は企業を構築するプロセスの至るところで役立つ可能性があります。役員たちが自分の好きな話題を何でもかんでも話している場合……気をつけましょう。

会社の会議と取締役会議の主な違いは、従業員たちは会社で毎日過ごしているという点にあります。これは最も熱心に取り組んでいる役員にすらできないことです。これはすなわち、会議のたびに効率的かつ効果的に取締役会を調整する必要があることを意味します。

できることなら、このような従業員を取締役会に招きたいところです。なぜなら、あなたたちが助けを必要とする分野と関連した経験を従業員は積んでいるからです。キャリブレーションを行うことで、その会議室内にいる人々のスキルや経験を活用して問題をさまざまな角度からじっくりと考えることが可能になるのであれば、そこに労力を費やすだけの価値はあるでしょう。

取締役会向けにプレゼン資料を準備することは、創業者であるあなたが状況をしっかりと俯瞰して考える機会でもあります。これをやるのは極めて大切です。そして、あなたがやらねば他の誰もやりません。

取締役会議の準備は、自らを日常から切り離し、まるで月から地球を眺めているかのように会社を見てみる機会だと捉えてみましょう。ちゃんと実行していますか? イノベーションは起きていますか? 採用活動をしていますか? マネジメントチームを構築していますか? 顧客ベースは成長していますか? 直前に立てた計画どおりに実行していますか? また、その計画はまだ目的を達成するのに十分なものですか? それとも新たな計画と新たな目標が必要でしょうか? これは年に4回から12回行われる3時間の会議のために行うにしては、相当な大仕事のように思えるかもしれません。毎回、プレゼンテーションを一から組み立てるのであれば、確かにその通りです。そうするのではなく、経営のために使う資料をできるだけ多く用いて取締役会に報告することが重要です。究極の目標は、あなたのアシスタントがマネジメントチームの週間レポートから表紙を印刷し、それらをホチキスでひとまとめに綴じるだけで取締役会向けの資料を組み上げてしまうことです。それなら、経費もかかりません。さらに良いことに、取締役会とマネジメントチームの間にあるズレも完璧に取り除けます。

取締役会用資料を1、2日前に配布し、前もってその資料を検討するよう、役員たちに頼みましょう。

これで準備は十分です。これから、初期の取締役会議または取締役会議向けプレゼン資料の一般的な構造をお見せします。この構造は私たちの創業者がくり返し用いていたものです。CEOからのフィードバックはこれらの下にあります:

f:id:bfore:20190220101951p:plain

全体像: 15分

CEOによる最新情報 - 前回の会議以降で特に良かった点 - 前回の会議以降で特に悪かった点や課題 - 会社にとって支援の必要な分野 (例えば、採用活動、顧客、パートナーシップ、製品、マーケティングなど)

キャリブレーション: 45分~60分

(注意点: これらは全て、初めて作成する時には難しいかもしれませんが、その後は単純な「最新情報」のプロセスが展開します) - トップ・オブ・ファネル指標: 業績と計画の比較 + 将来予測 (例えばサインアップ数、ダウンロード数、登録数) - エンゲージメント指標: 業績と計画の比較 + 将来予測 (例えばMAU、DAU、購入顧客数) - 財務指標: 業績と計画の比較 + 将来予測 (例えば収益、ただし適切な場合) - その他の指標:業績と計画の比較 + 将来予測 (例えば市場での供給量/需要量)

会社の構築について: 30分

将来的な組織図: 現行のチームと今後6か月で埋めなければならないポジションを示します - 製品ロードマップ: 前回の会議以降にあった主な着手や達成を含めます。会社が進んでいる方向性についての概観も提供します - 品質: どんな会社も顧客体験の品質を測定するシンプルな手段をもっておくべきです。Googleの場合はこれが検索品質スコアですし、別の会社ではこれがネット・プロモーター・スコアかもしれません - エンジニアリングおよび技術上の最新情報: 前回の会議以降にあった主なローンチや達成を含めます。課題と支援の必要な部分も明らかにします - グロースチームの最新情報: 成長チームKPIに対する業績 - マーケティングの最新情報: マーケティングKPIに対する業績 - 事業開発: 目立った変化をもたらしており、自社が提携したい企業上位10社のリスト (提携で入ってくる利益と比較する) とそれぞれの進捗 - 業務 (適切な場合): KPIに対する業績。課題と支援の必要な部分も明らかにします - 年度累計における業績と計画との比較を含む、四半期の損益計算書: バーンレートと現時点での現金残高を示します (これはパートタイムの財務担当者が作成可能です) - 「a) 収益 b) バーンレート c) 現金残高 d) 社員数」に関する月間ウォーターフォール図

ワーキングセッション: トピックごとに30分

テーマ1 (特定の分野に対する詳細な検討、パートナーシップの大きなチャンスに対する詳細な検討、事業上の課題に対する詳細な検討、または……) - テーマ2 (四半期での企業目標に対する詳細な検討、製品の課題など)

最後のセッション

手続き、ストック・オプションの付与など

f:id:bfore:20190220102224p:plain

f:id:bfore:20190220102231p:plain

f:id:bfore:20190220102237p:plain




 

著者紹介 

Sequoia Capital (Medium)

アイデアから IPO、そしてそれを超えて、Sequoia は大胆な創業者たちが、伝説的な起業を作ることを助けます。

記事情報

この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文: Preparing a Board Deck

FoundX Review はスタートアップに関する情報やノウハウを届けるメディアです

運営元