リファラル採用で社員紹介率を3倍にする方法 (Sequoia Capital)

もし私たちのリクルーティング計算機を使ったことがあるなら、より迅速に人材を採用するためにできる一番のことは、社員による紹介(リファラル)の数を増やすことだと知っているはずです。多くの企業が紹介ボーナスを提供したり、社員の横に座って彼らのLinkedInプロフィールをくまなくチェックしたりすることで、紹介を増やそうとするでしょう。どちらも良いテクニックですが、十分ではありません。

メモリーパレス

隠されたリファラル採用の機会を表面化する根本的な提案があります。とても意外な場所を掘り下げる調査に乗り出すのです。それは、最高の社員たちの隠されたメモリーパレスです。

f:id:bfore:20190225085036p:plain


「メモリーパレス」という用語は、長い詩を覚えるためのキケロの記憶術「場所法」から引用しています。キケロは詩の各節を自宅の構成要素に割り当ててから、その詩を暗唱するために、単純に頭の中で部屋から部屋へと歩いたのです。私たちの場合、なじみの場所を歩き回る代わりに、社員を誘導して個人的な歴史をたどる会話を行うことをお勧めします。その会話により、これまでに彼らが会ったことのある優れた人たちの記憶を呼び起こさせるのです。

メモリーパレスを解放する:ステップ・バイ・ステップ

人は長期記憶の中に、一生残る記憶を持っています。あなたの仕事は、体系立った方法で社員の過去から最高の人材を明らかにすることです。

ステップ1:誘導的な会話

採用担当者(小規模なチームであれば創業者)が現在の各チームメンバーと同じ席につき、私たちのスプレッドシートを使って会話を誘導します。高校から始め、より高い教育課程、インターンシップ、そして前職へと進みましょう。

スプレッドシートのダウンロード http://seq.vc/mindpalace

各段階で、次のような質問をしましょう。「クラスで最も賢かった3人は誰ですか」、「最初のインターンシップでの指導係は誰でしたか」、あるいは「最後の職場で締切間際にやらなければならないことがあった時、頼った人は誰ですか」

ポイントは、彼らがそれらの時代や物理的な場所に自分自身を巻き戻す手伝いをすることです。そうすることが、彼らが経験していたことや、成功を助けてくれた人を思い出すのに役立ちます。また、これには体験を退屈なものにせず、楽しいものにするという、追加的なメリットもあります。さらに、記憶の中に立ち入るこの探索を行うのは1度だけでよく、そこから見つけ出されたリストは長年にわたりあなたの会社の役に立つでしょう。

ステップ2:糸口をつかむ

各人材の名前と連絡方法を記録しておきましょう。もしチームメンバーがあなたに誰かと連絡をとらせる場合、あなたが自分に敬意を持ち、決して恥をかかせないことを保証する役に立ちます(エンジニアはバカげて見えることを嫌います)。それから時間を作って、あらゆる必要な方法でそれらの人材と連絡をとりましょう(90%の返信率が目標)。また、それらの紹介を次のイベントの招待客リストとして使うこともできます。理想としては、紹介してくれたメンバーに招待状を送ってもらえるように頼みましょう。

もし可能であれば、新しく採用した社員との人事評価フィードバック面談を行い、人材紹介プロセスについて教えるのが良い方法です。会社について知ってもらうために1ヶ月かそこらの時間を与え、それから紹介を依頼するようにしましょう。彼らがあなたの会社に満足している限り、お気に入りの人たちの誰かと再び一緒に働きたいと思う可能性が高いでしょう。そのため、紹介に喜んで協力してくれるはずです。また、あなたの作ったリストのコピーは、紹介してくれた社員に気軽に渡しましょう。各個人が自分のつながりについて、そのように腰を落ち着けてじっくり考えることはめったにありません。彼らはそのデータを持っていてしかるべきです。

ステップ3:会話を始める

紹介された人と話す時は、その人たちが、あなたのチームの知っている最高の人材であることを忘れないようにしましょう。彼らを来週には雇えると期待してはいけません。目標は会話を始め、長期的な関係性を築くことです。もしあなたの会社が彼らに興味を持っている理由について良いストーリーがあり、彼らや彼らの希望について積極的に把握するようにすれば、数ヶ月か数年のうちに彼らが次に転職を考える時、あなたの会社について検討する可能性がとても高いでしょう。

もし彼らが興味無いと言う場合は、何人か紹介してもらえないかたずねてみましょう。そして同じ質問とプロセスを使ってください。あなたがチームに雇うべき人物を彼らに聞いてみましょう。もし良い職を提案しているなら、彼らはきっとあなたに連絡をとらせてくれるはずです。

リファラルの否定的側面

リファラルについて1つ厄介なことは、多様性の拡大を難しくする可能性があることです。チームメンバーに過去から人材を思い出すよう依頼する時、人間の脳の性質として、自分たちと似た人々の方に引き寄せられるものです。そして結局、すでにいるような人材が増えて終わることになるかもしれません。社員に個人的ネットワークを掘り起こすことを頼む時は、適切な採用に失敗しないために、幅広く包括的に考えるように仕向けましょう。

結論

全ての人材獲得チームが優秀な人たちを探しています。あなたのチームが適切な人材をどれくらい効率的に探しているか示す唯一の指標は、社員紹介率を追うことです。最も成功している人材獲得チームでは、採用の50~60%が社員の紹介によるものでしょう。その理由は単純です。優秀な人たちは、他の優秀な人たちを知っているからです。あなたに必要なのは、その中から最高の人材を見つけ出す努力をすることだけです。

 

著者紹介 

Sequoia Capital (Medium)

アイデアから IPO、そしてそれを超えて、Sequoia は大胆な創業者たちが、伝説的な起業を作ることを助けます。

記事情報

この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文: 3X Your Referral Rates

FoundX Review はスタートアップに関する情報やノウハウを届けるメディアです

運営元