明日からスタートする新しいYCのバッチに敬意を表して、私がこれまで聞いたまたは与えられた(ほとんど聞いたものですが)最高のスタートアップに関するアドバイスの一部を以下に列挙します:
1. 人々が欲しがるものを作ること (Make something people want)
2. 素晴らしいチームと素晴らしい市場は両方とも非常に重要であり、従って両方を持つ必要があること。どちらがより重要かという議論は愚か。
3. コードを書き、ユーザーと話し、会社を築く(見つけられる最高の人材を雇って、文化をきちんと整え、資金を調達し、商談を成立させるなど)。創業者が行う他のほとんどのことは時間の無駄。
4. あなたの会社の明確かつ理解しやすいビジョンを設定し、それを人々が信じるミッションにすること。
5. フォーカスを保ち、1度に多くのことをやろうとしない。実行のクオリティに気を配ること。
6. 成功するには、あなたの会社への献身はほとんど常軌を逸したレベルである必要がある。
7. 一般的に言って、あなたが10年間従事する気がないスタートアップを始めないこと。
8. 絶えず機略に優れた者であれ。
9. ピボットが好ましく思われている現在の世界では、良いアイデアにはあまり時間をかけられていない。良いアイデアを熟考することは時間を費やすだけの価値がある。
10. 成長は(ほとんど)すべての問題を解決する。
11. 成長は非常に重要であり、それに重点を置くべきだが、あなたはどこへ向かっているのかを時折考えること。すなわち、成長のみならず何か価値あるものに向かって成長することが必要だ。
12. 製品の品質に強迫的にこだわれ。
13. あなたのチームと過剰なくらい多くコミュニケーションを取ること。どういうわけか、ほとんどの創業者はこの点が本当に不得手だ。透明性はあなたの味方だ。
14. 機敏に動け。スピードは、あなたの会社が大企業と比べて優れている主な点の1つだ。
15. ゆっくり雇用し、迅速に解雇する。雇用することはあなたが行う最も重要なことであり、それにあなたの時間の少なくとも3分の1を費やすこと。
16. 時折、20人目の人材があなたの会社に入社する理由を考えること。
17. あなたが行っていることに尽力する賢く成果をあげる人材を雇用すること。ここの最後の5つの単語 (committed to what you’re doing) が重要だ。
18. 友達を、そして友達の友達を雇うこと。これらの人々を猛烈に追いかけて入社してもらう。他の採用候補者紹介の中にはまあまあのところもあるが、私はいつも技術系のリクルーターから悪い結果しか得られなかった。
19. 一般的に、適性を経験より高く評価すること。
20. 動物のような人だと表現できる人材を雇うこと。
21. 気を散らすものを取り除くこと。
22. 死ぬな。
23. 質素であれ。
24. 「素晴らしい製品を作れ」というアドバイスを除いて、あらゆることについて相矛盾するアドバイスを耳にすることが多いだろう。これは、「素晴らしい製品を作れ」以外の大半のアドバイスに関してどちらの道にも進むことができるということであり、それは大した問題ではないということだ。ただ意思決定を行い、仕事に戻ること。Product/Market Fitが重要だ。あなたは多くの間違いを犯す可能性があり、実際に間違いを犯すことになるだろう。
25. 測れるものを作ること。
26. あなたが何をしていてもスタートアップはとても難しい。となれば、大きな機会を追い求めた方がいい。
27. モメンタムは非常に重要だ。失ってはいけない。
28. 給与を低く抑え、エクイティを高く保つこと。
29. 組織をできるだけフラットな状態に保つこと。
30. 資金を調達する、提携を獲得しようとするといった取引に取り組んでいる際、競争状態を作り出すことは重要だ。
31. 骨の折れるような面倒な仕事は良いことだ。
32. お金を儲けることを忘れるな。
33. ジャーナリストたちは創業者から直接話を聞くのが好きだ。もし広報担当者を雇う場合、すべての連絡先をコントロールしたいという彼らの望みを退けること。
34. 創業者が第1ラウンドで取締役会のコントロールをすることは標準的なことだ。
35. 皆に耳を傾けること。そしてあなた自身の意思決定を行うこと。
36. 競合他社によって押しつぶされるよりも、下手な実行のために消滅する可能性がより高いことを覚えておく。
37. 運を掴むこと。
38. あなたの顧客と直接的な関係を持つこと。
39. 手強くあれ。簡単に振り回されるな。
40. セールスの担当者に会社の運営をさせるな。しかし、自社製品の売り方を学べ。
41. アウトプットに報いる文化を持つこと。
42. 時期尚早にプロの経営者を雇わないこと。
43. シンプルさが良い。複雑さには懐疑的であれ。
44. 限界的な状況では飛行機に乗って(訳注:顧客や誰かに)会いに行くこと。直接会うことは、依然として遠距離コミュニケーションよりまだいい。
45. ほとんどのものは、表面上そう見えるほどリスキーではない。
46. 「プロセス」という言葉をあまりに頻繁に言う者には疑ってかかれ。
47. あなたが必要と考えるより少し多く資金を調達すること。
48. 「マスコミはあなたに強い関心がある」という事実を無視すること。
49. 素晴らしい顧客サービスを持つこと。
50. 画期的なイノベーション、段階的な改善、または複雑な調整で価値を作り出すことができる。優れた企業はこれらのうちの2つを頻繁に行っている。最高の企業は3つすべてを行っている。
51. 取締役会の役割は助言と承諾である。最高経営責任者(CEO)が明確な戦略を立てず、取締役会に戦略を設定してもらおうとする場合、通常、散々な結果になる。
52. 取締役会のオブザーバーは、通常、頭痛の種だ。
53. あなたがピボットする場合、それを完全に、そして確信を持って行うこと。最悪のことは、古いものを少しと新しいものを両方とも少しずつ行おうとすることだ。自分の大事なアイデアを殺すのは難しい。
54. 曖昧にするよりも、意思決定を行って間違う方がましだ。
55. 会社の目標を設定し、目標を達成するよう部下を動機付けること。
56. 常に、いい仕事は褒めること。
57. 会社としてあなたの勝利を祝うこと。大きな節目には、Tシャツを用意すること。
58. オペレーションの良いリズムを持つこと。そうすればプロジェクトを短期間で終わらせ、定期的に何か新しいものをリリースできる。
59. 最高の製品、最高の価格、または最高の体験を提供できれば、勝つことができる。
60. ミートアップやイベントは一般的に言って時間の無駄である。
61. あなたの会社の創業者が、会社に関心があるよりも、創業者であることに関心があるようなら、別の会社に転職すること。
62. ビタミン剤より鎮痛剤を売る方が簡単だ。
63. 製品を作っていない、または顧客を獲得していない仕事には疑いを持つこと。インフラストラクチャーの書き直しのデススパイラルに吸い込まれるのは簡単だ。
64. 多くのユーザーがあなたの製品を多少気に入っているというよりは、少数のユーザーにあなたの製品を愛してもらう方が良い。
65. あなたの世界が崩壊しつつあるときにも、外面的には楽観的なままでいる方法を学ぶこと。
66. スタートアップはできる限り少ない奇跡を必要とすべきだが、少なくとも1つの奇跡は必要だ。
67. あなたは優れた実行力を持たなければならない。袖をまくり上げて物事を何とかやり遂げようとする人たちは、ただ良いアイデアを持つだけの人々のよりもずっと少ない。
68. 初期に多様な文化を持たないこと。
69. 毎日、やることリストを作ること。そしてリストの上部に、あなたが取り組みたい大きな事柄を1つか2つ入れること。
70. 最高経営責任者(CEO)であることは、良いことよりも惨めなことの方が多い。しかし良い時は本当に良い。
71. 本当に悪い日には、明日は良くなることを覚えておくこと。もっと悪くなるとは想像しづらいのだから。
72. 睡眠と運動。
73. スタートアップの成功は、通常、合格/不合格だ。薄まった追加点を獲得することよりも、確実に合格することに神経を使え。
74. 優れた投資家は、合理的な範囲のプレミアムに値する。
75. あなたの投資家に何かするべきことを与えること。
76. 軽く関与する多くの投資家よりも、大いに関与する少数の投資家を狙うこと。
77. 有望さで資金を調達すること。公平な条件で資金を調達すること。
78. 可能性のある投資家たちのリファレンスチェックを行うこと。すべてがうまく行かなくなった時、その投資家たちはどういう行動を取るのか、他の創業者に尋ねる。
79. 投資家は、他の投資家が愛している企業を愛する。
80. 多くの最良のアイデアは、最初は馬鹿げているか、悪いように思える。あなたは「悪いアイデアのように思える」と「良いアイデア」の交点にあるアイデアを望むべきだ。(あなたは単に逆張り屋であるだけなく、逆張り屋であり、かつ正しくなければならない。このことに注意することは重要だ。)
81. 他の誰かの波に乗ること。
82. 時には、意思の力だけで成功することがある。
83. すべてのスタートアップは少なくとも1つ大きく大失敗する。前進し続けよう。
84. 銀行にある現金から注意の目をそらさず、使い果たしてはならない。
85. 特にあなたたち共同創業者の両者または全員がCEOになりたいと思っている場合は、共同創業者間の関係に多くの注意を払うこと。
86. 小さく、そして機敏なままでいること。
87. 週に少なくとも1回、スタッフミーティングを持つこと。
88. マネジメントの仕方を教えてくれる、信頼のおける相談相手を見つけること。
89. すべてが機能していることを確信するまでコストを低く抑えること。
90. ユーザーをお金で買うことに対しては、疑いを持つこと。
91. 模範を示すことでリードすること。
92. 正しい種類のオフィスを持つこと。非常に小さな会社にとっての適切なオフィスは、アパートまたは家だ。
93. 毎月会社全体に結果(財務状況および主要なメトリクス)を共有すること。
94. 採用内定通知に表を入れること。その表は、あなたが新入社員に与える株式が、どういったシナリオでどれくらいの価値になる可能性があるのかを示すものであること。
95. 最高のスタートアップは例外によって定義される。これらのルールはすべて恐らく破ることができるだろうが、すべて同時にというわけではないだろう。
著者紹介 (本記事投稿時の情報)
Sam Altman は YC グループの社長です。彼は Loopt の共同創業者兼 CEO でした。Loopt は 2005 年に Y Combinator に投資され、2012 年に Green Dot に買収されました。Green Dot で彼は CTO を務め、現在は取締役です。Sam は Hydrazine Capital も創業しました。彼は Stanford でコンピュータサイエンスを学び、その間 AI lab で働いていました。
記事情報
この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文: Startup Advice (2013)