Work at a Startup についてのディスカッション

Jared Friedman氏はYCのパートナーであり、Scribd(YC S06)の共同設立者です。

Mat Long氏は、Crocodoc(YC W10)を共同設立したYCのソフトウェア・エンジニアです。

本日はJared氏、Matt氏を始め、YCのスタッフ何人かが取り組んでいる、あるプロジェクトについてお話します。プロジェクトの名前は「Work at a Startup(スタートアップで働こう)」で、エンジニアが複数のYCカンパニーに同時に応募できる共通アプリケーションのようなものです。

7月28日にMountain Viewで開催されるWork at a Startup Expoでは、急成長するYCカンパニー35社と面談することができます。詳細情報や参加申し込みについてはworkatastarup.com/expoをご覧ください。


 


トランスクリプト

Craig Cannon [00:00:00]
Y Combinatorのポッドキャストをお聞きの皆さん、こんにちは。今回のエピソードではJared Friedman氏とMatt Long氏をお招きしています。Jared氏はYCのパートナーで、Scribdの共同設立者でもあります。Matt氏はCrocodocの共同設立者で、今はYCのソフトウェア・エンジニアです。

本日はJared氏、Matt氏を始め、YCのスタッフ何人かが取り組んでいる、あるプロジェクトについてお話します。プロジェクトの名前は「Work at a Startup(スタートアップで働こう)」で、エンジニアが複数のYCカンパニーに同時に応募できる共通アプリケーションのようなものです。7月28日にMountain Viewで開催されるWork at a Startup Expoについてもお知らせします。このイベントでは、急成長するYCカンパニー35社と面談することができます。詳細情報や参加申し込みについてはworkatastarup.com/expoをご覧ください。

それでは始めましょう。今日は、Work at a Startupについてお話します。まずは簡単に自己紹介から始めましょう。Jaredさんからどうぞ。

Jared Friedman [00:00:52]
やあ、YCのパートナーのJaredです。YCに入ったきっかけは、YCカンパニーを立ち上げたことです。初期の頃のバッチでScribdという会社です。そして3年前にパートナーとしてYCに入社しました。

Craig Cannon [00:01:03]
なるほど。ではMattさんどうぞ。

Matt Long [00:01:05]
こんにちは、Mattです。私は2010年の冬バッチを卒業したCrocodocという会社を共同設立しました。今はYCでソフトウェア・エンジニアをしています。ここに来て1年少し、いや1年弱になります。

Craig Cannon [00:01:19]
わかりました。お2人はYCの他数人と一緒に、Work at a Startupというプロダクトに取り組んでいますね。Mattさん、これがどういうものか説明していただけますか。

Matt Long [00:01:27]
Work at a Startupはスタートアップ、特にYCカンパニーで仕事をしたいと考えているエンジニア向けのアプリケーションです。 エンジニアたちは一般的な経歴、経験、専門分野などに関する質問に答え、どのような会社でどのような仕事をしたいか選ぶことができます。私たちはこの情報をすべてのYCカンパニーの創業者と共有し、彼らが求めている人材を閲覧したり検索したり、関心を示してもらって両者をつなげ、採用に結び付くようお手伝いをします。

Craig Cannon [00:02:05]
なぜこれを作ったのですか。なぜ既存のインフラをそのまま利用しなかったのですか。

Matt Long [00:02:12]
そうですね、スタートアップ、そしてシリコンバレーでの採用は競争が激しく、非常に困難であることで知られています。テック産業で経験をある程度積んだ人たちの話や、YCカンパニーの創業者らを対象に行った内部調査の結果から、私たちは非常に多くの人材を採用していて、特にYCプログラム終了後、最大の問題がエンジニアの採用であることが明らかになりました。

私たちYCは、すべてのことと同じように、このスケール全体にもソフトウェアを適用しようと決めました。スケーラブルなソリューション、つまりYCがポートフォリオカンパニーを手助けする新しい方法を見つけようと思ったのです。そしてYCに参加する会社のニーズに合った、独自の採用ポータルを作りました。

Craig Cannon [00:03:05]
JaredさんはScribdでかなりの採用経験がありますよね。また2010年のWork at a Startupカンファレンス以前に、これがWork at a Startupとして知られる前から携わっていましたね。

Jared Friedman [00:03:18]
実はYCにとってカンパニーの採用を手助けするというのは、特に新しいアイデアではありませんでした。Hacker Newsも確か2009年の設立当初から、会社の採用プロセスを支援するというのは目標の1つでした。初日から求人セクションがあり、私がスタートアップにいた頃はHacker Newsの求人セクションをよく利用していました。

採用では非常に役に立ちました。おそらくエンジニアリング・チームの半分はHacker Newsを通して雇いました。これはYCカンパニーではよくあることなので、つまり、私たちは長い間これを利用していることになります。

また、YCの創業者間でも、自分の会社には合わないけれど、別の会社には適材だと思われる候補者を共有するという内部の慣習があります。これは非常に効果的だったので、プロジェクトが誕生したのは、この仕組みがうまく行くと思い、需要も非常に高く、皆からもっとやって欲しいと頼まれたからです。

Work at a Startupのプロダクトは、Hacker Newsの求人広告、そして私たちが長年行ってきた内部システムのより優れた、より効率的でより洗練されたバージョンを作ろうとしています。

Craig Cannon [00:04:31]
具体的に、HNの求人広告との違いを決定づけるような点は何ですか。

Jared Friedman [00:04:37]
そうですね、私は基本的に、採用というのはマッチングの問題だと思っています。それぞれの人に合った会社があり、それぞれの会社にとって完璧な人材がいるけれど、それをマッチさせるのは特にスタートアップにとっては非常に難しいものです。

Microsoftなどの大手はあらゆるタイプの人材を雇っていて、多くの役職があるのでマッチングは比較的容易になります。Microsoftに応募すれば、自分にぴったりの役職が見つけられる可能性は十分にあります。

しかしスタートアップの場合、限られた役職しかなく、ブランド名もなく、誰も会社やその事業内容を知らず、その会社が自分の関心をそそるか、どのような役職があるのかも分かりません。そのためスタートアップにとってマッチングは非常に難しいのです。

そのため、私たちはこの問題を解決するため努力を続けてきました。 マッチング問題の解決方法についてはMattから説明してもらうのが良いでしょう。まだ初期段階にあり、この問題はとても難しいものですが、いくつか面白いアイデアがあります。

Craig Cannon [00:05:27]
なるほど。

Matt Long [00:05:29]
私たちが主に注目しているのは、採用候補者がどのような会社の文化や雰囲気に興味を持っているかということです。

会社の規模、社員数、黒字かどうかなど、より客観的な物差しから、それが新人のエンジニアにとってどれほど重要か、そしてもちろんエンジニアが身に付けたスキルや技術、様々な資格などをすべて並べ、それらを特定の会社が利用している テックスタックに照らし合わせる。そして、よりカルチャー的な面、例えば、プロダクトにフォーカスした問題に取り組みたいのか、それとももっと深く掘り下げて、技術的な難しい問題を解きたいのか、というように、その人にとって何が最も重要なのか、何を求めているのか、ということを探ります。

私たちはシステムに登録されたすべての会社から、このような情報を集めることができます。そうすることで、2つのデータのセットができ、それを互いにマッチさせることで、最も関心のある、ぴったりな会社をフィルタリングして応募者に示すと同時に、創業者や会社には、どのような応募者が自分たちに

Matt Long [00:06:52]
最適かを示すことができます。

Craig Cannon [00:06:55]
会社はどのようにしてこれらのエンジニアリング関連の問題に関する文化を測ってレポートするのですか。具体的にどのような質問に答えるのですか。

Matt Long [00:07:04]
良い質問ですね。実はこれらの質問はまだ、最終的な形で創業者に直接示してはいません。しかし、workatastartup.comにある申込書にある、キャリアとカルチャーのセクションでは、創業者たちに大体似たような言葉を使った質問を聞いています。私たちはそこで、オフィスの雰囲気や会社の条件について、正直に答えてくれることを期待しています。

その回答を編集したり、要約したり、実際の状態と合っているかをチェックしたりする必要があるかどうかは、まだ分かりません。しかし確実に、創業者自身によるセルフレポートは採用プロセスをスピード化できます。

Craig Cannon [00:07:50]
このプロダクトを作ってからしばらく経ちますが、これまでどのようにマッチングを行ってきたか聞かせてください。最初のベータ版のローンチはいつでしたか?

Matt Long [00:07:59]
最初のベータ版は2017年12月中旬、つまり約6カ月前にローンチされました。

Craig Cannon [00:08:06]
その当時はどのような感じでしたか。ここまでどのように進化してきたのか、皆さん興味があると思います。

Matt Long [00:08:13]
当時は応募者のデータを集めていただけで、今ほど多くのデータはありませんでした。例えばHiredやAngeListのような他の採用ポータルで聞かれるような質問を軽くしたような、シンプルなものでした。質問は、自己紹介、Eメールアドレス、そして「なぜスタートアップで働きたいのか」など自由形式の質問など、かなり基本的な内容でした。

その時点で、レジュメの提出を求めることをあえて避けるようにしました。その理由は、人にはいろいろな考えがあり、その人がこれまでどこで働いていたかというのを基に判断するのは最良の方法ではないと思ったからです。その人を、より全体的に見るというのは、特にスタートアップでは重要になります。

採用というのは、会社の理念に合っていて、その目標達成に一緒になって働ける人を探すということです。社員数が多い大手企業よりも、スタートアップでは特にそうだと思います。質問は通常よりも少なく、また内容も異なりますが、応募者の職歴や特に学歴は重視していません。どの学校に行ったかというのは、その人がその後エンジニアとして達成した面白いことと比べれば、まったく重要ではありません。当初と比べると確実に進化しています。実は、今はレジュメを提出してもらっています。

Matt Long [00:09:39]
それは、長い間レジュメなしの応募を行っていましたが、創業者たちにプロダクトの感想を聞いてみると、「素晴らしいけれど応募者のことが何もわからず、結局いつもLinkedInのプロフィールを見て、その人について調べなくてはいけない」という声があったからです。私たちは常にフィードバックをもらい、それを反映させています。

Craig Cannon [00:09:57]
他に創業者から応募者について驚くような話を聞いたことはありますか。

Jared Friedman [00:10:03]
1つ驚いたのは、会社が求めている候補者の多様性です。当初、私たちが懸念していたのは、登録されている会社の多くがベイエリアを拠点としていたため、この地域に住んでいない人たちに最適な会社をマッチングできるかどうかということでした。しかし実際はそうではありませんでした。

今は12か国以上の会社の採用に携わっていて、リモートべ―スのみのポジションに求人を出す会社もかなり多くあります。求められるスキルセットも、フルスタックWebからデータサイエンス、DevOpsなど様々で、また必要な経験レベルも幅広くなっています。 これまで、登録した人のほとんどに対し、適した会社をマッチングできています。

Craig Cannon [00:10:50]
カンファレンスについてお話しする前に、最近のHNスレッドとそこから学ぶことについてお聞きしたいと思います。確かJaredが今週のはじめに投稿しましたよね。基本的には、コミュニティに対する質問ですね。2018年、スタートアップで働くメリットとデメリットは何か。そこで得たものは何だったかをお聞かせください。

Jared Friedman [00:11:12]
かなり大きなHacker Newsのスレッドでした。質問に対するコメントは約1,000件にも上り、人々が大手や中小企業で働いたり、自身の会社を立ち上げたり、またはコンサルタントとして携わった様々な面白い経験を共有し、それらを比較しました。

このスレッドを投稿した理由は、人々がスタートアップで働いて良かったこと、良くなかったこと、そして思い通りにいかないことについて役立てるポジションにあるYCができることを、本当に理解したかったからです。スタートアップで働くうえで、人々がとても良いと感じたのは、もちろん自主性、組織に変化をもたらすことができる、また自分がその仕事に就かなかったら、その会社がそれほど成功しなかったかも知れないという自己の存在感、小さなチームで生まれる絆、最新の技術で面白い問題に取り組めること、すでに出来上がっているテックスタックを受け継ぐのではなく、自分が使う技術を選べることなどが挙げられます。

間違いなく興味深いメリットがあった半面、デメリットもあります。最も多かったのは報酬についてです。報酬が人々にとって重要であることが分かりました。ある仕事に就職するならば、報酬は公正でなくては行ません。スタートアップが最も優れた人材を引き寄せるには、公正であり、かつ公正な報酬を支払わなければいけません。これは常に真実でした。最近は少し難しくなってきています。世界中の業界全体でエンジニアに対する報酬が上がっているのです。

ただ、Hacker Newsを読んでいる多くの人が知らないのは、スタートアップの報酬もかなり上がっているということです。人々が思っている以上に報酬は上がっていると思いますが、それでももっと努力が必要なスタートアップもあります。

透明性も非常に重要です。もし報酬パッケージの大部分がスタートアップのエクイティだった場合、そのエクイティの価値をきちんと理解し、他のオファーと比べられるようにするべきです。それが、すべてのスタートアップが採用プロセスを向上させるためにできる基本的なことです。

ジョブセキュリティは人々にとってとても重要です。アーリーステージにあるスタートアップに勤めている場合、その会社が倒産するのではないかと、大手に勤めているよりも不安になることがあります。これこそまさに、YCとWork at a Startupが大きく役立てるところです。なぜなら、スタートアップに勤めるということは大手にいるよりも不安に感じるかも知れませんが、もし今勤めているスタートアップがうまく行かなかったとしても、あなたの素晴らしい仕事を評価し、すぐにでも雇いたいというスタートアップが別に20社もあるという意味で、スタートアップの方が実はより確実だというのが理想です。

Craig Cannon [00:14:26]
特にYCコミュニティのようなネットワークの中ではそうと言えます。もう1つ言いたいのは、もしまだ触れられていないとすれば、Work at a StartupはYCカンパニーで働くということです。世界中のスタートアップということです。Mattさん、このスレッドから何を学びましたか。

Matt Long [00:14:42]
報酬に関する話が多く挙がったのは少し驚きました。なぜなら、スタートアップで働くことが、一般的に大手の高給企業よりも若干安い給料になることを意味するというのは既知であると思っていたからです。そこは白黒はっきりしています。

例えば、「なぜ大手の半分の給料しかもらえないスタートアップで働く必要があるのだ。意味が分からない。」というようなコメントがありました。額面上ではそうかも知れませんが、スタートアップで働くには、Jaredが挙げたような別のそのほかの非金銭的理由があり、それが非常に重要となります。小さなチームで絆を作り上げることはとても魅力的で、これは確実に私自身のスタートアップでの経験で振り返る大きなポイントです。私は社員ではなく共同設立者でしたが、それでもそこで作り上げた絆は強く、彼らとは今でもとても仲良くしています。

このようなことがスタートアップ独特のメリットですが、多くのコメントでは重要視されていませんでした。これには少し驚きましたが、それでもお金は重要ですし、今のソフトウェア・エンジニアは多くの会社で、比較的低リスクで良い給料をもらうことができるので、理解はできます。

Craig Cannon [00:16:14]
もちろんです。スレッドではリモートワークは大きく注目されましたか。人々はそれを求めていた、もしくは...

Jared Friedman [00:16:21]
そうですね。多くのフィードバックはベイエリアやその他いくつかの都市での、非常に高い住宅費を取り上げ、なぜテックがこのエリアに集中しているのか、という質問をしていました。そして多くの人が、スタートアップが大手との人材競争に勝つには、より柔軟性を持ってリモートワークを可能にしたり、住宅費がそれほど高くない他の市場にオフィスを構えたりしてはどうかと提案しました。

これは非常に面白いフィードバックで、間違いなくYCカンパニーではそのようなトレンドがあり、それを強みにしている会社はどんどん増えています。

Craig Cannon [00:17:00]
その通りですね。Zapierがその良い例ではないでしょうか。昨年、彼らは興味深いことに、従業員に手当を払ってベイエリアから離れさせました。数人がそうしたと思います。それではカンファレンスについてお話ししましょう。7月にWork at a Startupカンファレンスを開催するのですよね。

Jared Friedman [00:17:17]
はい。

Craig Cannon [00:17:18]
詳しく教えていただけますか。

Jared Friedman [00:17:20]
実はYCがWork at a Startupカンファレンスを開催するのは今回が初めてではありません。ずいぶん前ですが2010年に行っています。その時にプレゼンを行ったので覚えています。

続けなかった理由は、当時YCはかなり人手不足の状態で、仕事量が増えて大変だったため、数年の間は開催しませんでした。でも今回再び開催するのをとても楽しみにしています。当時と比べてYCもかなり成長し、規模は10倍にもなりましたので、カンファレンスの規模も前回の10倍になる予定です。かなり大きなイベントになります。

流れとしては、YCのデモデーと似ていますが、内容は投資家ではなく社員向けになります。まずは基調演説から始めます。Justin Kan氏とSam Altman氏がスタートアップで働くこと、なぜスタートアップで働くべきか、どれ位の報酬を見込むべきか、オファーの交渉方法などについて話します。その後YCカンパニーの創業者35人がラピッドファイアでプレゼンを発表します。

参加するのは幅広い分野の会社で、様々な役職で人材を募集しています。例えばInstaCart、DoorDash、PlanGridなど、すでに成功している会社の創業者たちによる個人的なプレゼンから、シードラウンドを終えたばかりで1人目や2人目のエンジニアを募集中で、多額のエクイティや配当金をオファーしているかなり小規模な会社、そしてその両者の間に属する様々な会社が参加します。

Jared Friedman [00:18:51]
参加する会社で最も多く求められている人材は、おそらくフルスタックWeb、バックエンドWeb、フロントエンドWebですが、その他にも様々な役職の求人があります。例えば共同設立者/CTOを募集している会社、機械学習やAI、DevOpsやロボティクスエンジニアリング、組込みシステム設計などの分野の人材を求めている会社などです。このような幅の広さが特に素晴らしい点だと思います。

Craig Cannon [00:19:23]
参加者にとってはどのような体験になりますか。何を期待できますか。

Jared Friedman [00:19:26]
参加したいと思ってもらえる最大の理由は、スタートアップで働くことに興味があるけれど、どの会社が良いのか、また何を検討すればよいのかが分からないという場合です。Work at a Startupのイベントに参加すれば、短時間で市場に出ている仕事の種類、2018年現在のエンジニアが選べるオプションを簡単に知ることができ、また創業者らと実際に話をすることもできます。講演の後は、基本的に交流会となるので、どの会社の創業者にでもアプローチして話を聞くことができます。

Craig Cannon [00:19:57]
現在エンジニアであるMattさんにお聞きします。このイベントに参加するにあたり、何か準備するべきことはありますか。それとも深く考えず、ただ来場すれば良いのでしょうか。

Matt Long [00:20:10]
それは参加者の方の経歴によると思います。すでにスタートアップで働いたことのあるエンジニアや、市場の状況やスタートアップでの雇用がどのようなものかを知っている人なら、それほど準備は必要ないでしょう。

プレゼンする会社のリストを調べるのは良いと思います。そうすればどのような話が聞けるか、また興味のある会社や話を聞きたい会社を絞ることができるからです。会場ではいくつかの講演や企画が同時進行で行われる予定なので、どの講演を聞くか、また何か別の企画に参加するかを選ばなくてはならない場合もあります。

参加する会社を調べましょう。そしてスタートアップで働いた経験がない人は、Hacker Newsや他のサイトで見た情報などから、スタートアップで働くことについて何らかのイメージを持っていると思います。 私が言えるのは、そのようなイメージはできるだけ頭から消して、オープンマインドを持って参加して欲しいということです。 それは、特にYCのスタートアップでは、条件がある程度整った雇用機会を提供するものと期待していますので、これまで耳にした恐ろしい話や条件の悪さなどは一旦忘れていただきたいと思います。

一方、先ほども話に出ましたが、大手出身の人は、給料が大幅に減るかも知れないことや、スタートアップが合うかどうかはそれぞれが今ある状況によって違うということは理解しておく必要があるでしょう。オープンマインドと、今まで考えたこともないような業界や規模の会社で働くことを検討してみようという気持ちを持つことが、一番良い準備です。

Craig Cannon [00:21:51]
なるほど。現実的な話として、レジュメは持参した方が良いですか。

Matt Long [00:21:55]
それはとても...

Craig Cannon [00:21:55]
たくさん持って行った方が良いですか。

Matt Long [00:21:56]
それはとても重要なポイントです。これについては触れませんでしたが、残念ながらMountain ViewにあるYCのオフィスではスペースが限られているため、参加者の選考プロセスのようなものがあります。そのため、参加希望者は全員、オンラインのサイトを使う要領で、workatastartup.comにある申込書に今すぐ記入してください。

そこでカンファレンスへの参加希望を記入する特別なセクションがあり、それを選んだ場合は通常の申込書とは違う扱いになります。そこから私たちは参加希望者を特定し、選考という非常に難しいプロセスに取りかかります。これが重要なポイントです。

レジュメを持参すべきかどうかという点ですが、もし持参したいというならば、それを止めることはしません。しかし、カンファレンスではどの会社に興味があるかを示すのに、少し技術的なアプローチを使うようにするつもりです。

Craig Cannon [00:22:56]
カンファレンスは現在ベイエリアに住んでいない人でも参加できますか。

Matt Long [00:23:01]
はい。誰でも参加申し込みをすることはできます。もちろん交通費などは自己負担ですが、より重要なのは、ほとんどのスタートアップが拠点とする場所で働く意思があるかどうかです。もし引っ越しても良いというなら、それは決断において大きな要素となりますが、ベイエリアに住んでいなくても、もちろん参加はできます。

Jared Friedman [00:23:30]
参加できなかった人たちのために、カンファレンスをオンラインでライブ配信する予定です。また、カンファレンスで楽しみにしているもう1つのことをお話させてください。今回は初めて、ハードウェアのデモを行います。これはデモデー取締役会で投資家向けに行うのですが、2010年の初回カンファレンスではハードウェアを作っていた会社はほとんどありませんでした。

しかし今回は、様々な面白いプロダクトを作る会社が多く参加します。当日は、Starsky Roboticsがフルサイズの自動運転トラックを会場に持ってくる予定で、駐車場で自動運転のデモができればと考えています。それと、まだ許可を申請中ですが、Mountain Viewの駐車場に巨大な産業用ドローンを着地させる計画です。これはValanciという会社が作っているドローンで、Mountain View市から着地の許可が必要なほど大きなものです。

Craig Cannon [00:24:33]
それはすごいですね。スタートアップという言葉を、SaaS企業よりも広い定義にリフレーミングするという重要な仕事をされていますね。

Jared Friedman [00:24:42]
それは重要なポイントです。多くのエンジニアは、最近のスタートアップにどれほどのオプションがあるかに気付いていません。参加するいくつかの会社は、ハードサイエンスを扱っています。自動運転やマッピング、ハードコアな機械学習のコンピューター・ビジョンなどです。

Craig Cannon [00:25:01]
このプロジェクトを始められて6カ月以上になりますが、どのようなメトリクスを追っていて、状況はどうなっていますか。

Jared Friedman [00:25:08]
そうですね、今のところとても順調です。これまで公表はしておらず、あまり目立たないように動いてきました。Y Combinatorにリンクを追加したところ、これまで既に3,000人を超えるエンジニアが登録し、プロフィールを作成しています。そして私が嬉しいのは、そのほとんどがYCカンパニーから少なくとも1通のメッセージを受け取っていることです。

会社が実際にこのプロダクトを利用しているので、エンジニアが登録すれば、会社から連絡が来る可能性は非常に高くなっています。エンジニアを募集しているYCカンパニーの80%以上が自社のプロフィールを記入しているので、サイトのディレクトリではエンジニア募集の全ての会社を閲覧できます。これまで、YCコミュニティーからはとても良い反応を受け取っています。

Craig Cannon [00:25:55]
素晴らしいですね。今日はお時間を頂きありがとうございました。カンファレンス申し込みサイトのURLは何ですか。

Matt Long [00:26:03]
はい、情報はすべてworkatastartup.comに載っています。

Craig Cannon [00:26:06]
分かりました。ありがとうございます。

Jared Friedman [00:26:07]
ありがとうございます、Craigさん。

Craig Cannon [00:26:07]
ありがとうございます。

Jared Friedman [00:26:10]
お聞きくださりありがとうございます。いつも通り、トランスクリプトと動画はblog.ycombinator.comでご覧いただけます。ポッドキャストについて、お時間があるときに評価・レビューをして頂けると幸いです。それではまた次回お会いしましょう。

 

記事情報

この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文: Jared Friedman and Matt Long Discuss Work at a Startup (2018)

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