YCへ
私たちの会社では営業2名が数値目標達成に程遠かったため、彼らを解雇しました。すると今では、従業員たちが私との個人面談の際に怯えるようになってしまいました。次は自分の番なのではないかと多数が恐れています。
恐怖による統治の文化にせず、結果を出すためのアドバイスはありますか?
–知らずに独裁者となってしまった者より
知らずに独裁者となってしまった者さんへ、
恐怖心とは、ほとんどの場合予想できないことへの恐れです。
従業員の間に恐怖心があるとき、未来が不確実だと彼らが思ってしまう根本原因を探る必要があります。従業員が社内での立場や方向性を予想できないと、彼らのパフォーマンスは下がってしまいます。会社のためにどうすれば最も役に立てるかと考えるよりも、自分の職をこのまま確保できるかのような基本的なニーズの解決で頭がいっぱいになってしまうからです。
これはあなたの会社における雇用や業績評価の仕組みに関して、すべての曖昧さを排除すべきことを意味しています。例えば、解雇の際は従業員にとって驚きであってはいけません。もし従業員にとって驚きと感じられるなら、それは通常従業員への期待値と自身のパフォーマンスに対する認識との間に乖離があるということです。チームに恐怖心が蔓延するのを防ぐには、他の従業員にとっても驚きであってはいけません。会社は恣意的な決断をしないと全員にとって感じられるべきです。
私が勧める最初のステップは、彼らが感じていることをあなたがきちんと理解し、共感することです。もし彼らがあなたを恐れれば彼らは距離を置き、あなたが状況を把握することが難しくなります。ですから、なるべく早くその距離を縮めることです。
良好なパフォーマンスを示している従業員は恐怖心を感じないはずです。もし恐怖心を感じていたら、彼らがなぜあなたの他の行動が正当で個人・チーム・会社のために設定されたものと合致しているというふうには見ず、むしろ恣意的なものと見ているのかを確かめなければなりません。
以下は人に未来を予想できなくさせるいくつかのことです:
- ミスが許されるかどうかわからない
- ミスを是正するチャンスが何回与えられるかわからない
- 数値目標に正当性があるかどうかわからない
- 他の従業員が解雇された理由がわからない
- 自分がよい仕事をできているかいないのかがわからない
- 数字等の目標を達成するのがどれくらい難しいのかがわからない
- 会社が従業員に対し「疑わしきは罰せず」の原則を適用するかどうかわからない
- 業績の基準がわからない
- 経営陣がどのように意思決定しているかわからない
- 自分が同僚やベンチマークと比較されているかどうかわからない
- 会社が個人としての自分も気にかけてくれているか、それとも自分の業績にしか関心がないのかがわからない
- 弱みを見せても大丈夫か、あるいは弱みを見せることによるマイナスが生じるのかがわからない
- 失敗の可能性があることを新たに試みてもいいのかどうかわからない
- 評価されることなく、助けを求めることができるかどうかわからない
これらの多くは明らかなように見えますが、これらの質問にどう答えるか従業員に直接尋ねてみればきっと驚くことになるでしょう。繰り返し何回もはっきり明言しなければ彼らは自分で答えを想定します。そしてあなたは、会社の文化を回すものはあなたが明言することではなく、従業員たちが不文律や力の中を何とかくぐり抜けようとみんなで編み出すものであることにすぐに気づくでしょう。
—-Kevin Hale
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著者紹介
Kevin は YC のパートナーです。彼は2006年にY Combinatorによって投資され、2011年にSurveyMonkeyに買収されたWufooの共同創業者です。彼はWufooのデザインの担当で、UXについて広く語っています。Wufooの前に、彼はParticletreeでデザインについて書いていたほか、Web開発に関する雑誌であるTreehouseの主要編集者でした。彼はStetson University のデジタルアーツと英語の学位を持っています。
記事情報
この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文: Motivating Employees Without Fear (2016)