全ての優れた製品は、真の価値を提供するだけでなく、魔法のような要素を持ち、非常に魅力的な体験を提供します。あなたがある土曜日の朝、一人で退屈していて、これから何をしたいか考えているとしましょう。あれこれ悩んだ末、最終的に映画館に映画を見に行くことを決めます。その映画にはあなたの好きな俳優が出演していたので、見てみたいと思いました。映画は大変面白いものでした。映画は全編を通してハラハラドキドキが満載のサスペンスです。あなたは時間や場所も忘れるほど映画に引き込まれ、スクリーンに釘付けになります。このような体験は人を大変引きつけます。私たちの感覚に訴えかけてくるので、それに対して特別な感情が生まれるのです!
強力な製品は、本質的価値を提供しつつ、このように魅力的な体験を1日に複数回提供します。ユーザーが本当に製品を気に入った場合、より頻繁にそれを使用します。そのため、1週間における使用頻度(図1のL5+/L7 )や使用時間 (time spent, TS) が増し、最終的には1日あたりのアクティブユーザー(DAU)になります。
このようなユーザーはまた、非常に継続率が高く、製品の継続率(D1 および D7)も向上します。そして、DAUは引き続き、1週間あたりのアクティブユーザー(WAU)となり、さらにひと月あたりのアクティブユーザー(MAU)となるので、各グループ(DAU/MAUおよびDAU/WAU)のエンゲージメント率が高まります。つまり、エンゲージメントがスティッキネスを促進し、それがリテンション率の向上となって成長につながるのです。
このように、持続可能な成長と真のプロダクト・マーケット・フィットの両方を達成するためにはエンゲージメントが必要です。そして、人々に本当に気に入ってもらえる製品にすることをプロダクトチームの目標とすべきです。
エンゲージメントとプロダクトタイプ
エンゲージメントのニュアンスは製品の種類によって非常に異なります。例えば、ユーザー生成コンテンツ( Facebook, Instagram, Snapchat, YouTubeなど)の生産と消費のフレームワークは、専門的に生成されたコンテンツ(Netflix, HBOなど)のものとは異なります。同様に、eBay、Amazon、Airbnbなどのマーケットプレイスに対するエンゲージメントは、iMessage、WhatsApp、Facebook Messengerなどのメッセージング製品に対するエンゲージメントと異なります。消費面(ニュースフィードなど)とデバイス(携帯、テレビ、デスクトップ)もエンゲージメントにおいて重要な役割を担っています。
そこで、データに基づいて非常に魅力的な製品を作る上で完全な指針を提供するため、私たちは様々なプロダクトタイプにおけるエンゲージメントを理解するためのフレームワークを提供することを計画しています。プロダクトタイプには、ニュースフィード、専門的に生成されたコンテンツ、マーケットプレイス、メッセージングなどがありますが、次のいくつかの記事ではニュースフィードのエンゲージメントについて詳しく説明します。
この記事は、Sequoia CapitalのData Scienceチームによるものです。Jamie Cuffe、Avanika Narayan、Chandra Narayanan、Hem Wadhar、Jenny Wangが執筆協力しています。質問、コメント、その他のフィードバックにつきましては、data-science@sequoiacap.comまでメールでお送りください。
著者紹介
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記事情報
この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文: Engagement (2018)
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