プロダクトを作る方法 III (Startup School 2017 #07)

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Sam Altman
こんにちは、皆さん。 今日は、B2B の製品に関するセッションを行います。こちらにパネリストに来てもらっています。Jason Lemkin がモデレータ役を引き受けてくれました。どうもありがとう。そして DockerのSolomon、PlanGrid のTracy 、Lob からHarry が来てくれました。皆さん、来てくれてありがとうございます。

Jason Lemkin
これは素晴らしいセッションです。皆さんは以前のセッションをすべてオンラインで見ましたよね?見ていなければ手を挙げてください。よかった、すばらしい。 100%ですね。彼らは素晴らしい講義をしてくれました。私はAaron Levieのセッションを見ましたし、Dustin MoskovitzやStewart Butterfield、その他の人たちも参加していましたね。

今回特に面白いを話をするために、ここに3人の素晴らしいB2Bの創業者が来てくれています。今日は素晴らしい製品の開発と収益の交差点に焦点を絞りたいと思います。

私たちは誰だってプロダクトビジョナリーでいたいでしょう。私はそうでした。ところが、製品が売れなければ、しかもそれがB2B製品であれば、全く何の意味もありません。

だから、自分の夢を収益化する方法を恐らく薄々と感じ始めている皆さんの役に立つような話をパネリストから引き出したいと思います。創業初期の頃と少し後の話をしてもらいましょう。実話はいつも憶測とは違っていますから。

自己紹介

ではそれぞれのパネリストに10秒ずつ、自分の会社についてもう少し詳しく話してもらいます。

DockerのSolomonです。ここにいる皆さんのうちでDockerについて知っている人がいるか分かりませんが、30万人近くのオンラインで見ている人たちは知っていることでしょう。Dockerは….彼が背景をもう少し説明してくれると思います。Docker は2010年に設立されましたが、 Dockerとしてではなく…当時はなんと呼ばれていましたか?

Solomon
Dotcloudです。

Jason Lemkin
Dotcloud、その話を聞かせてもらいましょう。約2億ドルを調達しました。Dockerは今日のソフトウェアを構築する際に誰もが基盤とするインフラストラクチャの一種です。この事業をはじめて7年ですね。

Tracyは多分このロックスターの方々の真ん中に座っています。 PlanGridは少し後に設立されました。 2011年でしたか?

Tracy
2011年です。

Jason Lemkin
ですね。6000万ドルを調達したところですよね。

Tracy
そんなところです。

Jason Lemkin
なるほど。お金がすべてではありませんが、理解の助けになります。

PlanGridは、皆さんも同意することになると思いますが、物凄くクールなソフトウェアです。建設管理を自動化し、びっくりするくらい大規模な業界を揺るがしています。皆さんはそれらの話をもう少し知ることになります。私ももっと知りたいと思っています。

さて、HarryはLobを運営していて、郵便物をAPIに変換しています。これはかなり面白いですね。既に1000万ドルを調達しました。(dotCloudに追いつくためには)あと1億9000万ドル、(PlanGridに追いつくためには)あと5000万ドルですが、非常に強いスタートを切っています。 2013年に設立したんですよね。

Harry
はい。

Jason Lemkin
4年目ですね。それじゃあ、面白く且つ難しくなってきているころだと私は想像するのですが、当たっていますか。はい。

それでは話を掘り下げます。今までは紹介です。会社についてもう少し紹介を続けてください。従業員数、今日の最新のチャレンジは何か、或いは会社に関するちょっとした断片をなんなりと。

Solomon
わかりました。現在Dockerの従業員は350人です。2008年に始まりました。

Jason Lemkin
2008年ですか。

Solomon
はい、フランスでブートストラップをして会社を立ち上げましたが、上手くいかなかったのでここに移ってきました。YCに入って、そしてそのことが本当に本当に大きな助けになりました。

Jason Lemkin
なるほど。

Solomon
なので9年です。(※訳注:このセッションは 2017 年に開催されました)

Jason Lemkin
会社を再設立したんですか。始めの何年かはカウントにいれていませんね。

Solomon
それはあなたが誰に尋ねるかによって異なりますが…。そうですね、合算できます。同じ会社で、同じ問題の解決に取り組んでいます。

350人の従業員がいて、大きく成長し、たくさんの興奮を味わいました。私たちにとっての最大のチャレンジは、去年のことですが、大部分がフリーでオープンソースである製品で、存続可能な高成長ビジネスを構築できる、ということを証明することでした。 昨年、 私たちはそのモデルを証明しました。今年の課題は、そのようなモデルの実証を果たした競合他社よりも速く規模を拡大することです。本当に収益性の高いスペースで激しい競争が繰り広げられています。 それが今年の挑戦です。

Jason Lemkin
いいですね。

Tracy
皆さん、こんにちは。 私の名前はTracy Youngです。私はPlanGridの共同設立者でCEOの一人です。 PlanGridは、Jasonが言ったように、建設業界にとって美しくシンプルで効果的なソフトウェアを構築しています。 私たちはY Combinatorの2012年のバッチに入りました。その時から今日までにかけて、5人の共同創業者から310人の会社に成長しました。これは自慢できることではありません。だって、それは私たちの給与支払い総額が非常に高いことを意味しますから。

私たちは、最小のキッチンリフォームから世界最大のプロジェクトまで、50万件以上の建設プロジェクトを支援してきました。 私たちはすべてのプラットフォームで利用可能です。 Appleは実際に私たちを2016年のトップ10のエンタープライズアプリの1つに選定しました。これはとても喜ばしいことです。

現在、私たちは世界最大のデジタル・ブループリント・リポジトリです。 私たちのクラウドには5千万枚以上のプループリントがあり、増え続けています。

Harry
私は従業員は40人しかいないんですが、150人いたらなあと思いました。

Lobについて少しお話しします。私は創業者の一人です。 Harry Zhangといいます。 私は2013年に会社を設立しました。開発者がオフラインの世界を簡単に管理できるようにするツールを創っています。 私たちは実際に物理的なコンポーネントを扱っています。皆さんの多くは死滅しつつあると考えている業界でしょうが、実際には逆のことが起きています。手紙、ポストカード、その他のタイプの郵便物を扱い、企業がそれらのことを容易に行えるようにテクノロジーを構築しています。たぶん、多くの方が、特にこのエリアとベイエリアでLobからの郵便物を受け取ったことがあり、われわれのサービスを利用している企業もあると思います。

この転換を中堅企業向け市場やその他のスタートアップに販売し、Fortune 500にランキングされている企業にも販売しようとしています。今日、私たちが直面している多くの課題は、会社という形態にどのように移行し、以前は単一のツールとなっていたものを、大企業のためのより大きな完全なソリューションにどのように変換するかということです。

Minimum Sellable Product (MSP) までの道

Jason Lemkin
パネリストの皆さんに聞きたい質問があと1つあるので、マイクをはずさないでください。Minimum Viable Product(実用最小限の製品)ではなく、実際に現金をもたらすような、Minimum Sellable Product(最小限販売可能な製品)という概念についての話をしたいと思います。

まずはHarry、Lobで何が起こったのか教えてください。あなたのバッチと関係のある企業や Hacker Newsから流れてきた顧客を除いて、 どのようにしてまったく何の関係もない人たちを初めての顧客として獲得したのですか。そしてなにがプロダクトを販売可能にしたのですか。教えてください。

Lob は何千通もメールを送った

Harry
まず陥りやすい習慣的な固定概念のひとつは、素晴らしい製品や素晴らしい解決策が、顧客をひきつけるということだと思います。多分企業の初期段階では、そうなってしまうでしょう。けれど、初めての本当の顧客を求めるなら…。私たちの最初の本当の顧客はニューヨークのOscar Insuranceでした。

私たちが彼らにとったやり方はそっけないメールでした。私たちは何千ものメールを送りました。一通一通すべて私が自分で書きました。そしてとうとうCEOから返事が返ってきたのです。それは、私たちの会社が何故その相手に商談をしようとしているのかを、実際に理解していることが重要なことの一つだと思います。 「私の製品はこんなことができて、こんな機能があります」というようなメッセージではなく、相手のために解決できる問題は何かを明確にしなければなりません。メッセージが何についてであるかを極めて正確に表さないといけません。

自分に重要な意味を持つことに関してなら、実際に驚くほど多くの人がメールに返信してくれます。私たちはOscarの抱えていた問題にたまたまヒットしました。Oscarにはメールベンダーがいました。

Oscarは、HIPAA (Health Insurance Portability and Accountability Act) と呼ばれる規則があることを知っていました。それは健康に関する個人情報を管理しコントロールするためのものであり、私たちはこれを機会ととらえました。彼らは新しいベンダーを探していました。彼らは当時のベンダーがHIPAAを充たしておらず、安全だとは思っていなかったのです。私たちは過去に同様のことで取引のあった小さな企業の話を引き合いに出しました。そうやって、私たちはOscarと話を進めることができました。契約を締結するのに2〜3カ月ほどかかりましたが。

自分の会社が提供できるソリューションがその時点でまだ最高のものではない場合であっても、大企業がまだ自ら把握していない中核的な問題を特定し、それの意義を非常に明確にすれば、顧客はあなたから購入しようとします。私たちは1つのユースケースから始めました。非常に簡単なメリットの説明を添えて。今日では、50種類のレター、小切手、はがき、事実上ありとあらゆるものを送っています。

顧客獲得の鍵は、問題を抱えている企業に対して、あなたの会社がそれを解決しようとしていることを示す小さなユースケースを1つ選ぶことが重要です。それが、私たちがOscarに対してとった手段です。今日まで、彼らは依然として私たちの大口顧客のひとつであり、すべてはそのCEOへの3文のメールから始まったのです。

Jason Lemkin
そのメールの見出しを覚えていますか。

Harry
「郵便物であなたのお役に立ちます」みたいなものでした。

Jason Lemkin
「郵便物であなたのお役に立ちます」。それが上手く行ったんですね。

Harry
うまく行きました。 私たちは今まで多くのことを学んできました。 それはおそらく私が現在も実践していることです。 当時、私たちはヘルスケア領域が多量の郵便物を送っていることを知っていました。私たちは、「You've Got Mail」とやっていました。当時、人々はくすくす笑っていたことでしょう。

本当に、最初の数行に含まれていた内容の核心は、「企業はセキュアで監査可能なレターを送ることに問題を抱えています。私たちはこれに対する技術ソリューションを構築しました。15分話を聞いていただけますか 」でした。

これはコアコンテンツの内容とほぼ同じですが、鍵となるのは重要なポイントへのストレートな直球です。 あなたは何を解決するつもりですか? 何が問題なのですか?もう少し時間をもらいますね。 私はCEOと実際に会って話したことは一度もありませんでしたが、次々と担当者につないでもらえ、最終的には話しのわかる良い担当者に出会えました。

PlanGrid は友達から使い始めてもらった

Jason Lemkin
Tracy、私は専門家ではありませんが、あなたは多分 Lob よりも、もっと巨大で因習的で古くからある大手企業を相手に競い合っているでしょう。間違っていますでしょうか? どんな理由で売れるようになりましたか? 本当に上手く軌道に乗った秘訣は何ですか? 見事なソフトウェアは素晴らしいですが、誰だってそれを構築したいと思っていますよね。 どうして売れたのでしょうか?

Tracy
確かに、私たちの最初の10人のユーザーはですね...私は建設エンジニアとして訓練をうけているので、最初の10人のユーザーは当然現場で共に働いていた人でした。 友だちにソフトウェアを試してもらうのは簡単です。しかし、友人に支払ってもらうのはとても難しいことでした。

Jason Lemkin
同じでことではないね。

Tracy
彼らが望むもの、必要とするものを作り、彼らの日々の仕事において否定しようのない価値を加えた時、それが彼らが対価を支払い始めてくれた瞬間でした。

Jason Lemkin
お金を払わない友人たちからのフィードバックは有用でしたか。役に立ちませんでしたか。

Tracy
最初のβグループ、ほとんどが私が現場で一緒に働いていた人たちですが、それが約30人で、そのうちの29人がβ版が終わるとすぐに支払いを始めてくれました。

Jason Lemkin
彼らはあなたにお金を支払ったのですね。

Tracy
ええ。

Jason Lemkin
わかりました。 さて、彼らは外部の顧客よりも厳しい評論家でしたか? 友人を顧客として持つことの利点を理解することが難しい場合もあります。

Tracy
ええっと、私の記憶力が試されていますね。 いいえ、その時点で、2011年、2012年ですが、「私たちのためにこれをもっと使えるようにしてほしいんだけど。XYZを創れる?]みたいな感じでした。

Jason Lemkin
分かりました。当然、製品の性能はその当時はまだそれほどでもなかったでしょうね。なにが10倍良くなったんでしょう。

Tracy
シンプルなプリントがPlanGridの中核にあり、物理的なブループリントに取って代わります。 建築物の折りたたみ地図です。私たちはもうそれを使っていませんが。 皆さんはおそらく折り返し地図を購入したことはないでしょう。 私たちはWazeやApple Maps、Google Mapsを利用していますが、ブループリントにも、同じアナロジーです。 これらの膨大な、信じられないほど高密度の紙の情報は、PDFビューアではすぐにレンダリングされません。 それは単に…

Jason Lemkin
そのときのタグラインはなんでしたか。あなたのすばらしい製品を販売可能にするためのピッチは何でしたか? それはお決まりの「100倍速い」でしたか?

Tracy
嬉しいですね。タグラインについて聞いて欲しかったんです。私たちのタグラインは、私の共同創業者のKennyが作ったんですが、「PlanGridはクソくだらない意味のない仕事を排除する」でした。マーケティングのために今では「建設用の生産性ソフトウェアです」に変わりましたけど。

Docker はコミュニティを使った

Jason Lemkin
なるほど。 さて、もっと詳しく見てみましょう。 初期の段階では、どんなことがありましたか? 何がうまくいかなかったか、あるいは少なくとも成長を助けなかったこと、そして製品を売るために上手く行ったことを教えてください。

Solomon
この9年間の背景ですが、私たちはDotcloudという会社として始め、今ではDockerという別の会社です。が、スレッドとしては一緒です。同じ会社、同じミッションの同じチームですが、そのやり方を変えました。Dotcloudとしての最初の段階では、私たちは...いや、まず、共通のスレッドの話から始めましょう。

私たちは開発者の生産性の向上を促そうとしています。アプリケーションを作成するためのツールを提供し、その開発者のビジネスを手助けします。彼らのソフトウェアの作成に伴う、ビジネス上の問題を解決するのを支援しています。私たちは、より多くの人がソフトウェアを作成して、より多くのことを行うというトレンドに寄与しています。

第1段階では、アプリケーションをホストすることでそれを行いました。だから、私たちは「コードを書いて、私たちにアップロードしたら、後は全て任せてください。私たちがあなたに代わってすべてを実行し、管理します」といっていました。

今はDockerです。私たちはホスティングをしません。我々はツールを提供するだけです。ユーザーは私たちのツールを使ってアプリケーションをホストしますが、最終的にビジネスとしてソフトウェアを大規模に配布する時、さまざまな面で助けが必要になります。第1段階では、会社は非常に小さく、私たちの後ろには何の誇大宣伝もありませんでした。私たちは開発者たちが私たちのプロダクトを使うことを納得してくれるように頑張っただけでした。

正直にお話しすると、私たちは自分たちのコミュニティを使いました。私たちはプログラマーで、ソフトウェアを書いています。プログラマーの知り合いが沢山いて、彼らをうんざりさせながらも私たちのプロダクトを使うことを強引に勧めました。私たちは無料でツールを配布し、個々のプログラマーを経て、最終的にプログラマーの背後にあるビジネスへと導かれました。

違いは、私たちにとっては2段階のプロセスだと思います。私たちのユーザーや最大の支持者は、プロダクトにお金を払う人々ではありません。つまり、実際の購買担当者との最初の会話をする機会にたどり着く前に、多くのものを無料で提供しなければならなかったということです。

Jason Lemkin
最初の何年間は、今日のプロダクトとはまったく同じものではなかったですよね。 どのようにして生き残ったのですか? シードラウンドで5000万ドルを調達しましたか、それともどのようにこれをやってのけたのですか?

Solomon
いいえ。

Jason Lemkin
生き残りは難しい部分ですよね。

Solomon
非常に小さなチームでは、生き残れる時間は限られていますし、長くは持ちません。

Jason Lemkin
24ヶ月もちこたえるのも難しいですね。

Solomon
その通りです。私たちは Y Combinatorに2010年に参加して、その年の終わりに最初の小額の資金を調達しました。6か月程度の資金です。事態はじわじわと進みました。これといったことはなにもありません。

Jason Lemkin
けれど、設立後24ヶ月でYCに入ったのですか?それは…。

Solomon
ええ、初期は物凄く大変でした。私たちはブートストラップ企業でした。コンサルティングをしていましたね。

コンサルティングをして生き延びる

Jason Lemkin
コンサルティングというハックをしたんですね。

Solomon
ええ、それはハックでした。 いろんな支払いをするためにどんなことでもしなければならなかったので、本当に大変でした。 私のアドバイスはコンサルティングとプロダクトビルディングについてです。コンサルティングはとても有用ですが、時間が全部取られてしまうので、すばやくそこから手を引かなければなりません。でないと、 製品の会社として成功することはないでしょう。 コンサルティングでは、あまりにも多くの些細なことに気がとられすぎます。やっと、私たちは何とかなると信じてジャンプし、Y Combinatorにたどり着いたのです。

オープンソースとの共存

Jason Lemkin
なるほど。最後の質問を1つした後、次のトピックに進んでいきたいと思います。

Dockerはビジネスモデルとして2つと半分の進化を遂げました。 オープンソースをうまく利用することができました。その 秘訣は何ですか?何を学びましたか? 一般的にはオープンソースから収益をあげることは難しいと考えられていますが。

Solomon
ええ、ただ正直言って、私のインサイトがここで役に立つか分かりません、なぜなら、本当に、秘訣はラッキーであること、だからです。

現在のところ、私たちが開発したオープンソース技術であるDockerは非常に人気があります。 我々は適切な時期に適切な場所にいました。 コンテナの周りにこのようなトレンドがあり、そのトレンドに寄与したのは私たちですが、今、その需要の状況は言葉にするのが難しいです。 こんな状況では、まったく別の問題が発生します。

正直言って、オープンソースのDockerを開始した2013年の前と後では、別世界です。 競合他社よりも先に、どうやって物凄い需要に応えるか? この意味は、アウトバウンドはありません。問題はあまりにもインバウンドすぎることで、これはよいことのように思えるかもしれませんが、実際は...

Jason Lemkin
雑音(ノイズ)ですね。

Solomon
雑音でもあるのですが、それを沢山取りこぼすと、競合会社がそれを拾ってしまいます。

カスタマーフィードバックの活かし方

Jason Lemkin
そうですね。Tracy、あなたの楽しい話に戻りたいと思います。あなたは建設現場の友人30人に当たって、そのうちの29人が顧客になったそうですね。規模が拡大するにつれて、カスタマーフィードバックにどう対応していますか?それはどれくらい重要ですか?どのくらい耳を傾けていますか、どれくらいが単なる雑音ですか、どれくらいがあなたのロードマップの指標となりますか?何を学びましたか?

Tracy
カスタマーフィードバックなしでは製品は作れません。私たちはもちろんそれをものすごく真剣に受けとめてきました。私たちは、2011年からずっと、クライアントからのフィードバックをすべて記録し、分類しています。それは物凄く簡単なことです。

私たちはそのプロセスを作りました。 PlanGrid.comを訪れて、「フィードバックする」をクリックするかなにかすると、サポートチームがそれをプロダクトチームに渡します。私たちは四半期ごとにそれをチェックし、それを参考にして優先順位付けをします。

ここでの大きな課題は、適切なものに優先順位を付けることです。ユーザーから「PlanGridで朝食と夕食を作ることができますか」というような質問を受けることもありますからね。大規模な一般請負業者や小さな下請け業者、建物所有者が同じ機能を願い、「このようなものがあれば、ずっと時間を節約できるのですが」という声を揃えられれば…。

私たちのチームにはその分野で十分な経験がありますし、非常に多くの顧客が同じことを求めているときは、正確に追従するのは明らかに重要ですし、製品をそのように構築するのはおそらく正しいことだと思います。

私たちは、通常、作るのがどれくらい難しいかを見ます。どれくらいのリソースを投入しなければならないのかということと、ユーザーに与える価値やインパクトはどのくらいかということを、を兼ね合わせながら。それが低レベルの努力と高いインパクトのようなものなら、それを優先させます。それは本当にプロダクトロードマップの作成に大きく寄与してきました。

Jason Lemkin
大手クライアントの要求を中小クライアントとは異なるやり方でロードマップに反映させたことはありますか?

Tracy
ええ、大手クライアントは、私たちのビジネス全体を運営している王子様かお姫様のように扱われたがっています。彼らは非常に協力的でもあります。幸いにも特定のクライアント1社が私達の売上高を高い割合で占めているわけではありません。

彼らが望んでいるのはPlanGridが彼らの要望をきちんと聞いていること、そしてPlanGridの将来がどういうものかを見通せ、PlanGridが常に向上していることです。彼らは現在のPlanGridにお金をはらうだけではなく、今から6ヶ月後のPlanGridにもお金を払ってくれていますから。それはコミットメント、それはリレーションシップです。

Jason Lemkin
長期間のコミットメントですね。PlanGridには合計何社のクライアントがいるのですか。

Tracy
数万です。

Jason Lemkin
何万ものクライアント。しかし、収益分布は、おそらくあなたの最大大手クライアントでは桁違いです。たとえもしそれが数パーセントの収益であったとしても、初期段階であったとしても、彼らからロードマップにはあるけどまだ作ろうと思わないようなものを作るように依頼されたら創りますか。こういうことは私たち全員が直面する問題で、それはその段階での解決策ですけど。 B2C 企業なら、そんな依頼は断りますよね。しかし、大手クライアントが2019年に作る予定だった物の構築を依頼してきたら、それを引き受けますか?

Tracy
繰り返しになりますが、同じことを求めている大手クライアントがたくさんいるのであれば、優先順位をつけるのは簡単ですが、ただ一人のクライアントのためだけに機能を組み込んだことはありません。それは意味がありません。われわれはXYZ建設会社ではなく、建設業界向けのソフトウェアを開発しているのですから。

顧客規模による違い

Jason Lemkin
わかりました。 Harry、 Lob、顧客規模によって、彼らが望む製品に違いがありますか?

Harry
間違いなく顧客規模の大小によっての大きな違いはあります。私たちはより大手クライアントに注力するために多くの時間を費やしました。先ほどあなたが言及したことの1つですが、大手クライアントがロードマップに影響を与えているかどうかについては、確かにそうです。つまり、最初の取引から、たとえば「何を作っていますか?」みたいな会話の透明性においてもそうだと思います。

1つの特定の機能や1つの特定のアイテムを販売するだけではありません。ロードマップを販売しています。クライアントはLobに投資しています。そしてインフラストラクチャを構築しようとしています。私たちはそのロードマップについて話をする必要があります。

大手クライアントは、何かを購入しようとする際には、私たちが今から6ヶ月後に何を構築しているだろうかを見通し、それが何であるかを理解しようとします。私たちとしては、こちらが望むタイプの顧客と、より戦略的なそれらの顧客の要望をもう少しよく聞くこととのバランスを見つけることです。

私たちはユビキタスなものを販売しています。 郵便物にはさまざまな形やフォーマット、サイズがあり、文字通り無限の組み合わせが可能です。すべてのリクエストに応えようとするならば、常に無限の方向に向かっていくことになってしまいます。

私たちは戦略的に、マーケティングレターとは対照的な、顧客が準拠して送信する必要がある郵便物にとても重きを置いています。それはマーケティングレターをあまりやらないと言っているわけではありません。ロードマップに関する会話について考えたとき、AとBの間のトレードオフになると、私たちはいつも、最初に私たちが関わっているクライアントを、次に私たちの会社が手始めに進みたいと思っている方向を重要視します。私たちはそうやって優先順位をつけます。時には、クライアントにノーと言うこともあるということですが、私たちがしようとしていることについて透明である限り、クライアント側からはそれでよいと同意を得ることがよくありました。

Jason Lemkin
Solomon、君の話を聞きましょう。始めのところで、最初のうちは共同創業者が5人いたと言っていましたね。

Solomon
いいえ

Jason Lemkin
あれ?勘違いしたのかな。

Solomon
いいえ、5人の共同創業者と言っていたのは…

Jason Lemkin
ああ、Tracyが5人だったんでしたっけ?

Solomon
そうですね。

Jason Lemkin
株式分割については後で話しましょう。

Solomon
いいですよ。

採用ミス

Jason Lemkin
そして51までこの話を続けて…冗談です。しかし、とにかく、関連性のある質問をします。私はパネリストの皆さんほとんどにこれを聞きたいのですが。会社規模を拡大するにつれてですが、そうですね...これは常に大きな課題です。採用ミスのことです。

コア チームから離れて見渡してみて、中核的な部署、VP、または初期段階であなたが必要だと思ったり、あるいは上手く役割を果たせなかった人がいますか?何か学びをもたらしたことはありますか?あなたが犯した最大の雇用ミスは何ですか?

Solomon
何が最大かは分かりませんが、間違いは沢山犯しました。

Jason Lemkin
真に迫っていますね。

Solomon
沢山です。間違いを犯したことがない人なんて知りません。

Jason Lemkin
ええ、だけど私たちはそれから学び。次世代に…

Solomon
ええ、そうですね。

Jason Lemkin
間違いを減らしていきましょう。

自分の知らない領域の人を雇う難しさ

Solomon
ええ、最大の課題は、確立した会社へと成長すると、自分のコンフォートゾーンに閉じこもってはいられません。技術と製品専門の人間なら、ビジネスに長けた人を雇う必要があります。あなたがビジネスに長けているなら、より技術的なことと製品の面でのリーダーシップを発揮できる人を雇う必要があるということだと思います。それはある時点ではまだわからないことで、何がわからないかということさえわかっていないのです。

ノンエンジニアを雇っているエンジニアとして覚えがありますが、非常に難しかったです。私の場合、助けが必要だとわかっていたのでが、いろいろな種類のノンエンジニアの中から自分に必要な人物を区別するノウハウはありませんでした。本当に馬鹿げたことを言っているみたいですが、マーケティングとセールスは私にとっては「コーディング以外の物」でしかありませんでした。

また、私はフランスからアメリカに移住したんですが、アメリカ人は自分自身を売り込むことがとても上手ですよね。

Jason Lemkin
ヨーロッパの創業者たちから、同じことをよく耳にします。あなた方にとって、一貫したテーマだと聞いています。

Solomon
まさにその通りです。あなたは10人に会って、「わあ、この人たちは皆、ロックスターだ…」と。

Jason Lemkin
PlanGrid や Boxもね。そしてその瞬間、その場で彼らを雇おうとしますね。

Solomon
ええ。そして、みんなそうします。それからそれ以上に奥深いことだと気づくのです。最大の問題は、あなたが間違った人を雇ったとき、胸のうちで「ああ、だめな人だ。彼らはよくないが、会社はいい方向に向かってる。なのにだめな人を雇ってしまった」と思ってしまいます。

しかし、本当に、起こっていることは、みんなが自分の時間を無駄にしているということです。ひとの組み合わせが悪いのです。6ヶ月後、ようやくそれに気づくでしょう、そして、それはひどい頭痛の種になります。私はそれを避ける方法を学んだかどうかよくわかりませんが、間違いを犯すたびに、私たちは本当に時間をかけて過去を振り返り、なぜ、そして何を間違ったのかを見つける努力をします。同じミスを2度繰り返さないために、本当に。

Jason Lemkin
採用された側の誤りではなく、あなたの誤りですね。

Solomon
ええ。まさに。それは確かにそうです。初期のうちが一番難しいと思います。一度、コアグループができれば、たとえば、自分があまり理解・習得していない分野において5人のキーパーソンからなるコアグループができれば、彼らと信頼関係が築けます。そして彼らに更なる人々を雇うことを安心して任せることができるので、事態はより簡単になります。

本当に悪い状況は、雇用に関することを早期に解決しない時に起こります。まずい雇用をしてしまったと感じているのに、すぐにそれに対処しないで問題をそのまま放置して悪化させると、知らない間に会社は成長し、その人がさらに20人以上の人を雇ってしまっていて、もしかすると20人との不協和に対処しなければならなくなると言った大問題になってしまいます。

私の唯一のアドバイスは、間違いを犯し、すばやくそれに対処し、自分の直感に耳を傾けることです。あなたの直感が「ああ、多分これは間違っている」と言うなら、あなたの専門分野ではないとしても、自分を信じてください。私は多分ここで当たり前のことを繰り返し言っていますけど…

初期の従業員の雇い方 (PlanGrid の場合)

Jason Lemkin
私たちは皆同じミスを犯します。Tracy、あなたの話しも聞きたいです。別の角度からいきましょう。 5人の共同創業者がいますよね?あなたは、少なくとも理論的には、初期の段階で少なくとも2つの基礎がカバーされているように感じていたかと思います。あなたが獲得した早期段階での従業員の内で非常にインパクトがあり、目立った変化を起こしビジネスを伸ばした人はいましたか。

Tracy
私たちの従業員ナンバー1です。

Jason Lemkin
従業員ナンバー1。それは誰でしたか。

Tracy
Cory Lorenzです。始めのころは、何もありません。そして、無から何かを創らないといけないのです。会社として私たちのミッションを行うためにチームでともにうまくやっていける人はもっといて、皆、物凄く重要です。同じことが従業員ナンバー2、従業員ナンバー3、従業員ナンバー300にも言えます。

Jason Lemkin
あなたに何か変化をもたらした特別な部署や人はいましたか。皆すばらしいですが。

Tracy
私たちは助けが必要だったから、彼らに入ってもらったんです。だからあえて一人だけを挙げることはできません。

Jason Lemkin
もちろんです。では、別の質問をさせてください。5人の共同創業者がいますね。VPや役員などは、いつから部署を引き継ぐのですか?あなたはその経験から何を学びましたか?

Tracy
新米の創業者である私たちの仕事の多くは、現場で学び、仕事をきちんとやり遂げることでした。私たちがチームに募集した人数が増えるにつれて、「うわ、人を管理することが本当にうまくできるようにならないと」と思うようになりました。これはすべての創業者にとってまったく新しいことです。最前線のエンジニアリングマネージャーとしては上手くできるようになったと思います。

けれどある時点で、50人、150人、それはダンバー数みたいですが、そんな数になりました。完全に混乱状態が起こります。突然コミュニケーションが非常にもっと難しくなりました。その時点で私たちは経験のある経営幹部を置き始めたと思います。そうすれば私たち創業者のような仕事を学び途中な人ではなく、経験がある人、以前に何回もとても上手くやり遂げた人たちの経験を蓄積しているので、そのようにビジネスを運営するほうがずっと簡単です。

Jason Lemkin
ええ、それは良いインサイトです...私たちは皆、早い段階で経験豊富な人を雇いたいと思います。私たち全員ではありませんが、私たちは経験豊富な履歴書に引き付けられます。しかし、おそらく、ダンバー数がそれについて考える良い時でしょうか?製品に詳しくはなかったかもしれないけれど、プロセスに精通していた人々の恩恵を受けたのはいつですか?

Tracy
ええ、もしもう一度最初からやり直せるなら、私はおそらくもっと早い時期に彼らを引き入れるでしょうが、その時点では、すでにどこかの会社で物凄く高額の年棒を得ている非常に仕事のできる人を雇おうとしているようなもので、小さな無名のスタートアップに彼らに来てもらうのは難しいです。

ですが、懸命に売り込むんです。実際に、ミッション、企業としてのミッションやビジョンを懸命に売り込むことをやめてはいけません。しようとしていることについてのメッセージを伝え、またトラクションを示し、成長を示すことができます。その成長グラフを見れば、誰もがその成長の一部になりたくなります。

Jason Lemkin
その通りです、本当に。採用はいつでも難しいけれど、それが突然簡単になった瞬間がありましたか。

Tracy
練習ですね。練習すると簡単になりました。たぶんそう言えます…

Jason Lemkin
ブランドの観点からは、PlanGridがそのレベルに達したのか、Sequoia やその他、Press、またはあなたが...関連する質問をもうひとつしたいのですが、よる広範なコミュニティに大志て、 もっと面白いスタートアップとして知られるようになったとき、採用は何らかの形でより容易になりましたか。

Tracy
ええ、私たちはYC カンパニーであり、Sequoiaのポートフォリオの1社でもあります。そのことを私たちの強みに反映させています。

経験のある人を採用する

Jason Lemkin
それはいい。Harry、何か学んだこと、雇用ミス、或いは目立った変化をもたらしたすばらしい人材がありましたか。

Harry
そうですね。実際にあなた(Tracy)に言える事があります。あなたは良いマネージャーを雇う必要があると思うって言ってましたよね。私たちの会社にとって、過去2〜3年で重要な事でした。

実際に私たちが犯した初期のミスの一つだったのですが、私たちの最高のIC(Individual contributor 個人貢献者)の一人がマネージャーになりたがっていて、私たちもまた、彼にチームを管理してもらいたいと思っていました。彼は実際のところ全くの無経験で、その役目を引き受けてからは悪戦苦闘でした。それは会社にとっても厳しい6ヶ月間でした。

早い段階で教訓を学んだと思います。いくら信頼に値しようと、あるいは何かに秀でていようと、経験の価値を割り引くことは難しいので、これまでに最低一度の経験がある人を望む、といったことです。以前に同じことを見たことがある、或いはそれがどんな問題なのかを理解できるということは重要なことです。それが大きな違いをもたらしました。

私たちの初めての重要な人材について言うなら、たとえば、エンジニアリングの責任者の役割についた人は良い結果を残せませんでしたが、エンジニアリングの2番目の責任者は信じられないほど素晴らしい人だったといえます。

彼は文字通り問題を全部消し去りました。共同創業者と、問題になっていたこととこの人材の問題について何日も話しあっていました。ところが、彼が責任者となってから文字通り3週間後には、それについてもう一度話し合う必要はなくなっていましたし、その問題について何かを耳にすることも、もうありませんでした。誰もが楽しそうで、もっと懸命に働いていて、もっと長く会社に残っているようでした。私たちのやり方が何か変わったとは思っていません。単に別の人物が統率する役目に就いただけでした。

Jason Lemkin
どのくらい早くわかりましたか。30日くらい?

Harry
何ですか。

Jason Lemkin
どれ位すぐにその人が物凄い影響力を持っているかわかりましたか。1時間くらい?

Harry
私たちにはすでにその役割に誰かが就いているという利点がありました。その結果、何が良いものか、素晴らしいものかわかっていました。明らかに、私たちは常にそれに注視していますが、最初の30日間で、チームの違いがすぐに分かると思います。

最初の2週間は、学習であり、彼らから受ける質問の質で、彼らが何を考えているのか、彼らがどれだけ先のことまで計画しているのかが判ります。そして、実際には、インタビューの過程で学んだことをすべて習得し、会社を知り、自分のスタイルに合わせるという点で、2週間目に多くの変化が起こるのを見てきました。

まず第一に、経験値だけで雇用するのではなく、文化に合った人材を雇うことが本当に重要だと思います。これまで、すばらしい人たちが私たちの会社で働いてくれましたが、文化的な理由のために、何か上手く行かないときには、問題を不必要に放置して悪化させてしまいました。そしてそれを巻き返さなくてはならないけれど、数年後には問題は本当に大きくなってしまいました。今、カルチャーフィットは上手くいっていると思います。

私たちはインタビューに多くの時間を費やしています。私たちは価値観を更新し、インタビュープロセスに取り組みました。各々が責任を持ってフィットする要素に関することを何かひとつ質問します。これは、志願者の仕事能力の有無に関わらず、私たちがまず最初に評価するものの1つです。

この人は私たちが一緒に仕事をしたい人物だろうか、この人はうまくこの会社にフィットするだろうか、本当に自分の持っている知識や技能を会社のために使ってくれるだろうか、というようなことです。

初期顧客の獲得方法

Jason Lemkin
ええ、それは良いポイントです。 Tracy、あなたの顧客が6ヶ月と12ヶ月間サインアップした時のことに戻りましょう。もしかすると60ヶ月と100ヶ月の契約にサインアップしたかもしれません。特に早期の段階では、製品の優れた特徴といえるものがあまりありません。 29人のユーザーがすぐにサインアップしましたが、それでも機能は...あなたは豊富な製品特徴を持つ既存大手がある中で、どのようにして顧客にあなたとともに行くことを納得させるのですか?何を学んだのでしょう?

Tracy
現場での採用に勝るものはありません。確かに多くの既存企業があり、そのうちのいくつかはあなたもよく知っている企業です。また、たくさんのスタートアップもあります。いくらか成功を収めていれば、その時点でソフトウェアがコピーされることになります。ほかのスタートアップもそのことに取り組んでいますから。

PlanGridの成功の鍵は、現場で実際に使用されている製品を開発する、ということに常に忠実であることです。VP of Operation やCIOが何をどのように展開したいのかにかかわらず、建設現場で実際に使用されているソフトウェアは、実に私たちのソフトウェアで、それはわたしたちが監督者、職員、大工職、電気技師向けのソフトウェアを確実に構築し、それが実際に彼らにとってパワフルで、彼らの仕事の質を高めるのに役立つものであったからです。

Jason Lemkin
これは私にもためになったことですが、あなたのヒストリーの多くは現場から生まれたと、それがCIOやほかの…

Tracy
私たちは彼らのためのソフトウェアも開発しています。管理パネルがあって、彼らのためにSSO(シングルサインオン)も始めました。私たちは美しいグラフも提供してます。彼らに決定権があり、それは私たちにとって重要です。ですが初期のPlanGridの4年間は、そうしたオフィス内の人々のための製品を優先してはいなかったのは確かだと思います。

Jason Lemkin
興味をそそる話なので、すこしそれについて話しをしましょう。あなたは現場を経由して参入し、彼らは製品を愛し、6ヶ月も待つことなく直ちにそれを採用することができました。調達によって異なるベンダーがすでに選ばれていた場合、その競合にどのように対処しましたか...それにどうやって対処するかという学びは…

Tracy
ええ、私たちの業界はとても面白いんです。なぜなら、基本的に顧客は建設プロジェクトだからです。同時に数件のプロジェクトを管理する建設会社も確かにありますが、私たちの業界の良いところは、それは最高であり最悪のものでもあるのですが、一件の建設プロジェクトにおいて、私たちの会社にとっての顧客が50もいるということです。大工、電気工作員、コンクリート業者、プール設置者、塗装工がいます。

ここでは自然なバイラリティ(口コミ効果)が建設プロジェクトの中で起こります。

監督がPlanGridを使い始めると、文化的な面もありますが、建設関係者は、きらきら輝く新しいツールを見せびらかしたくなります。 PlanGridはとてもクールなので、誰よりも早く、それをプロジェクトの他の人たちに見せびらかしたくなります。

私たちは、常に、採用しやすく、操作が簡単で、建設プロジェクトでそのネットワーク効果を発揮するものを構築することに集中してきました。ここでは、ソフトウェアを企業標準化しています。その現場で生じるソフトウエア利用代金を支払うのは建物の所有者です。私たちは、ソフトウェアを基礎レベルで採用されるようにすることに焦点をしぼってきました。そしてそれが、この分野の他のソフトウェアとはまったく異なる点です。

Jason Lemkin
実際にPlanGridの料金を払っていない他のユーザーにも多くの時間を費やしましたか?そのプロジェクトに携わっている他の皆をどうやって満足させることができたのでしょうか?

Tracy
私たちは、建築エンジニアリングや建設業界の誰でも使用できる柔軟性のあるものを着実に構築してきました。製品の優先順位付けが重要な要素です。私たちは、1つのプロフィールのためだけのものを構築したくありませんでした。私たちの製品を業界の誰もが利用できるくらい十分に柔軟なものにしたかったのです。

Jason Lemkin
ではSolomon、あなたの旅に沿ってこの種の競争の別バージョンについて話しましょう。

私は、Dockerが人々から声援を受けている製品でありベンダーだと感じています。Dockerのファンがたくさんいると思います。あなたはそのことにどのように力を注ぎますか?競争が激化する中で、どのように製品側の社会契約に応えるのですか?あなたが自ら証明しているように、誰もが幅広いコンテナ市場で何かをしたいと思っています。競争はどこにでもあります。 Dockerがおそらく持っている100点のネット・プロモーター・スコア(Net Promoter Score)をどうやって保っているのですか?

Solomon
そうですね…。

Jason Lemkin
ネット・プロモーター・スコアを測定していますか。

Solomon
ネット・プロモーター・スコアを測定しています、はい。

Jason Lemkin
満足度は?

Solomon
はい、計測しています。私たちにとっての問題は、誰に尋ねるのかということです。さまざまなユーザーがたくさんいるからです。実際、本当に面白い実例が...同じことが多くの業界で起こっていると思います。こんなボトムアップの傾向です。市場に出て最初に専門家たちが使い始め、その後彼らのボスたちを引き入れる。たぶんそのボスたちは彼らの組織の何十人も何百人もの人々がそれを使用するようになって初めてその製品について学ぶでしょうが。

Jason Lemkin
Dockerでは今日も?

Solomon
はい、使っています…

Jason Lemkin
ログアプリを使っているのですか

Solomon
私たちはそれを非常によく使っています。今日、ビジネスとして、我々は企業、非常に大規模なビジネスをターゲットにしています。そこに我々の焦点を当てています。私たちは中小企業にも販売しています。私たちも同様の状況にあります。何万人ものユーザーがいますが、収入の大半はそのうちの数百社から入ります。彼らみんなと、ベンダーとしての私たちは繋がっています。

というのは、彼らのチームの誰かが、ある時「新しいアプリ、素晴らしいDocker。一度使ってみたい。よさそうだ」とか「オンラインディスカッションでそのことについて見たよ」といってくれる人もいたので。 私たちのすべては、コミュニティのおかげです。そのコミュニティには多くのポジティブな力が溢れています。正直なところ、あなたがDocker meetupに行ったことがあるなら、それはかなり凄いんですが、また最近はDockerConを開いたばかりです...

Jason Lemkin
DockerConやりましたね。5000人くらい来てましたね。

Solomon
最高でした。

Jason Lemkin
初期の段階で、どのようにそれを促進していますか?学んだことは何ですか?あなたはそのフライホイール(はずみ車)をどうやって飛ばし続けるのですか?

Solomon
正直なところ、私たちは非常に小さなものを作るところから始めました。そして、私たちはそれを少数の人々に一つずつ示しました。

その後、10人が私たちのオフィスに戻ってきて、「ねえ、もっと知りたいんだ」と言ってくれました。それは私の人生の中で最も楽しい3時間でした。基本的には、Dockerで構築できるかっこいいものについて話していただけですが、その1週間後に彼らは戻ってきて、今度は40人だったのですが、その次は100人でした。

Dockerが誕生してからの最初の1週間でした。すぐに私たちは、何か特別なことが起こりかけているんだと気づきました。そして、コミュニティが形成され、基本的にこんなふうに言われました。「おい、これを始めた君たちの会社で、君たちが管理人だ。ぼくたちのために、上手くやってくれ。これは今僕たちにとって大切なことだから」と。

私たちは、そのコミュニティがやると決めたことを可能にするための仕事について、本当に真剣に取り組みました。私たちはそのコミュニティにそれ以来ずっと従ってきたし、そのコミュニティが成長するための障害を取り除いてきました。そして、より多くのことを一緒にしています。私たちの会社にはコミュニティを存続させることだけに集中するチームがあります。かっこいいプログラムがあって、世界中で120のミートアップが行われていると思います。10万人が…。

Jason Lemkin
1年に120回のミートアップですね。いいですね。

Solomon
いいえ、世界のあちらこちら、120の場所でです。そしてそれぞれで平均して2ヶ月位ごとにミートアップが開かれています。

Jason Lemkin
なるほど。

Solomon
ですから、全体的にみて10万人が少なくとも1度はこのようなミーティングのいずれかに参加してくれました。キャプテンプログラムというのもあり、いわゆるパワーユーザー、 Dockerに最も精通し、明確に発言できるユーザーには、奨励してお金を払ってイベントで話をしてもらいます。そして彼らは、コミュニティのスターになります。わたしたちには巨額の投資ですが、それはすべて恩返しです。

Jason Lemkin
そうですか。それらのキャプテンは何人くらいいるのですか。好奇心から聞いていますが。

Solomon
現在、20人か30人だと思います。少ないですね。

Jason Lemkin
多いと思う人もきっといるでしょう。キャプテンがたくさんいると。

Solomon
キャプテンがたくさんいますね。

Jason Lemkin
400人の従業員を抱えているといっていましたね。彼らは(正確には)従業員ではないけど、大きな数の家族同様の人たちですね

Solomon
その通りです。コミュニティに目をやって、あなたがやっていることに興奮している人がいるのを見たら、あなたはやっていることをすべて置いて、かれらの役に立ってください。

私たちのケースでは、オープンソースツールを使用している開発者たちですが、何か同じようなことが起きているように見えます。上手く言えないけれど、実際に現場で働いている人立ちの中には、どんな仕事をしていても、そのツールの大ファンが何人かいると確信しています。彼らはどこにでも行き、彼らはそれについてすべての仲間に伝えます。そして、そのようにコンシューマープロダクトは成長してきたかと思います。最高のB2B製品もまたそのように成長することがますます増えています。

B2B 領域での口コミでの獲得

Jason Lemkin
質問をする時間を確保したいので、最後の質問をしましょう。それに関連して、Dockerの答えは分かっているので、PlanGridとLobに聞きましょう。Tracy、今日、あなたの新しい顧客の何パーセントを口コミやブランド名から獲得しているのか、それとも...業界全体に構築されたこのすばらしい善意が、今日どのように報われるのでしょうか?

Tracy
私たちはFacebookとかで広告を出していますが、私たちの新しい顧客のほとんどは、口コミ、有機的な成長から集まります。それは素晴らしいことですが、コントロールできることではありませんよね。自然に起こることです。私たちは何が呼び水になるか分かりませんが、顧客を満足させ彼らのためにすばらしい製品をつくるなら、それは毎年起こり続けると思っています。

Jason Lemkin
Lobでも、そんな事が起きていますか。あなたの会社の顧客はほとんどそういう層から集まっているのですか?

Harry
そうですね、私たちの顧客層はそういう層が大部分を占めています。

Jason Lemkin
今日では、もうメールを自分で送る必要はなくなっていますね。

Harry
ええ。Solomonが言っていたことにも似ているんですが、面白いことに、4年間に3つの違う会社で働いて、そしてLobをその3社で使っていたという人たちに出会いました。

Jason Lemkin
すべてが上手く行っているとわかるのは、そんなときですね。

Harry
彼らは私たちを手招きしているんです。

Jason Lemkin
そうですね、しょっちゅう、呼ばれますね。

Harry
彼らは毎回私たちを呼んでくれます。それはすばらしいことです。なぜなら、メールを受け取るたびに、それは別の会社からで「やあ、僕たちのところへ来てもらいたいんだけど」みたいな内容で、私は、「いいですよ、僕も君と話がしたいんだ」みたいに答えました。

会社には、自社のエバンジェリストとなってくれて、自社の製品に愛着を持ち、どこにいてもそれを気に入っているのでそれの使い道を見つけようするような人たちが必要です。それは本当に重要であり、何人かの始めのころの顧客はいろんな会社に入って、私たちをそこに呼んでくれることに大きな役割を果たしました。そして、推薦もしてくれます。

特に、私たちが欲しているのは口コミの形成です。私たちにはすでに基盤となる企業顧客の層があるので、これがカンファレンスの場で非常に成功しているみたいです。 例えばFinTechと貸出しスペースは私たちにとって大きな舞台です。なので私たちからしたら貸出しにブースを構えます。顧客は友人を連れて来てくれます。

「この人たちは素晴らしいよ」という言葉ほど、既存の顧客から他の誰か同じようなことをしている人へのポジティブな推薦はありません。それが、私たちが毎年そのカンファレンスに行く理由の一部であり、私たちはそこに座って笑顔を浮かべています。顧客感謝イベントを主催していますが、いずれはLob Conを開いて、みんなが一堂に会することができるようになりたいと思っています。

Jason Lemkin
実際、もうその用意はできていると思いますよ。そうでしょう。たぶん、あなたは用意ができている。

Q&A

さて、続けましょう。だけど、質問をいくつか受けましょう。誰かパネリストに良い質問がありますか。

聴衆
会社を立ち上げている間に最も助けになったと思った過去の経験は何だったのでしょうか?

Sam Altman
Jason、その質問を繰り返してくれますか。

Jason Lemkin
もちろん。質問は、なにが...私は冗長性が好きです。だめですね。99,999%のアップタイムが好きです。 会社を立ち上げる前に実際に経験したことで、実際にあなたが成功するのに役に立ったことは何ですか。

Tracy
PlanGridの5人の共同創業者のうち2人は以前に建物を建設していた人たちで、残りの3人がソフトウェアを作っていました。リソースと人材を集め一緒に何かを造る能力、一緒に仕事をする能力が、スタートアップで一緒に働くのに役立ちました。単に媒体が変わったような感じです。私にとっては、コンクリートやレンガが、人々やコード、そしてより多くの人々に変わったみたいなものです。

Jason Lemkin
ドメインの専門知識がなくても、業界に浸透できると思いますか?もう出来ているとは確信していますが、ドメインの専門知識についてどう思いますか?

Tracy
出来ると思います。ただ早く専門家にならなければならないだけです。何らかの形で専門知識の欠損を埋め合わせしないといけません。

Harry
その事については、わたしが少しコメントできます。郵便物に関しての専門知識は全然ありませんでした。メールの専門知識を持っている人なんて沢山いたと思いません。

Tracy
あなたは今では専門家でしょう。

Harry
今では専門家ですが、そうなるためには確かによく学びました。私にとって過去の経験とは…大学卒業後、マイクロソフトに入りました。誰もこの会社が郵便物を送ったり、それに頼っているなんて全く思わないでしょう。私がそこで取り組んだプロジェクトのひとつですが、メールを送ることは禁止とか幾つもの秘密保持に関する理由で、ほかにもいくつか理由があったのですが、それでチャンネルを通してやり取りすることも出来ませんでした、それで私のオプションはみんなに電話することか、当時それはあまり実用的ではありませんでしたが、もしくは素敵な小さなキットをみんなに送るかでした。最も効果的なのは郵便物だとわかりました。

それで、私は3ヵ月と数十万ドルを費やして、ほんとうに膨大な予算でしたが、この郵便物の件に取り組み、それこそが人々が実際に使っているもので、マイクロソフトのような企業も毎日使っていて、効果的であると実感するに至りました。だけど本当に難しいし、現代的ではありません。私たちがFTPフォルダにExcelファイルをドロップして、顧客が数万ドルを払ってそれを取得し実行するという自動化はどうかという提案を人々から受けました。それはちょっと馬鹿げているようですが、それからもインスピレーションを受けて私たちはLobを始めました。

Jason Lemkin
次の方どうぞ。

聴衆
Amazonなどのように、彼らのオペレーションの専門知識を活用できるコンピューティングサービスや製品を提供できる大企業についての皆さんの考えはどうですか?

Jason Lemkin
そうですね。もしくは。それをすべて行うことができる大企業にどうやって対処しているかと聞きましょう。あなたはその状況にどのように対処していますか?

Solomon
私はスタートアップごとにあらゆるビジネスに当てはまる一般的な答えがあると思っていますが、ドメイン固有の答えもあるかもしれません。個人的な考えですが、すべてのスタートアップにとって真実だといえるのは、集中力とスピードがあるということです。

私は大企業で働いたことがないので、小企業として私たちが持つ利点を正確には理解していませんでした。今では、私たちは少し成長していて、成長するとき何が起こるか理解できるようになりました。目標は、本当に、成長するにつれて問題が蓄積していくよりも速く、会社が小さいうちに、その小ささをうまく活用することです。

会社が大きくなって、ビジネスが成功しているとき、そこで働いているすべての人、大半の人は、ビジネスが成功し出したときには、そこにはまだいませんでした。最初にどのように成功するに至ったかはずっと前に忘れられてしまいます。彼らは既存のキャッシュ・カウを管理します。一般的に言えば、おそらく一番トップの人たちを除いては、まったく別の人たちが働いているのです。確かに会社を軌道に乗せて、いまだ何かを運営している元々のメンバーのVPも数人いるでしょう。

しかし通常、平均的な大企業では、人々は、あなたたちのような外部の脅威に対して成功するために、ひとつのグループに団結してはいません。彼らは通常、自分のキャリアに焦点を当てています。昇進するだろうか?もっと多くの部下を持つことになるだろうか?それは、外向きではなく内向きになっています。ほとんどの大企業はそうであり、それは私たちにとって利点です。彼らは脅威を探していないので。

もう一つの利点は集中です。大企業は沢山のことを手がけていることが多く、こちらには10人しかいない時、10,000人の従業員のいる会社を相手に競合するのは本当に大変なように思えるかもしれません。しかし、相手の実際に競合している特定の部署には10人しかいないかもしれません。彼らは財源不足に陥っているかもしれません。製品のことなど気にもしていない大物の上司に嫌われているかも知れません。競合を開始して時間が経つにつれ、なにが深刻な脅威であり、なにが基本的に無視すべきものか判ってくるでしょう。

Jason Lemkin
外側から知るのは難しいことです。

Solomon
難しいですが、だんだん専門家になって来て、顧客とも話をするようになると結構簡単になります。顧客は「ええっと,僕は君の会社と後、この2、3社を考慮にいれているんだ」と言うでしょう。よく挙がる名前がありますし、ほかのスタートアップもあります。大手企業の場合もあります。そして「なぜあの大企業が他よりも優れているんだろう」と焦点を絞っていくと理解できます。問題は基本的に細かく切り分けることができます。

Jason Lemkin
どうぞ。

聴衆
あなたがたの製品について、顧客が他の顧客に話をする最大の要因は何だと思いますか。

Jason Lemkin
それは素晴らしい質問です。口コミを形成する最も重要な要素は何だと思いますか?そのおかげであなたの顧客が他の顧客にあなたを紹介するんだけど。具体的にはどういうことでしょう?

Tracy
短く答えるなら、良い製品です。ユーザーの時間を節約できるようなもの。結局のところ、それが 私たちが大切にしていることのすべてです。私たちには、これ以上望めないこのすばらしいことがあります。PlanGridは確実にユーザーの時間を節約するので、ほかの人にも勧めてくれるのでしょう。

Jason Lemkin
Harry、私はあなたにその質問を少し変えて尋ねます。あなたは3つの会社でLobを使っていたという素晴らしい話をしてくれましたね。しかし、B2Bでは3週間でそれが起こるのは難しいですよね?

Harry
そうですね。

Jason Lemkin
そのすばらしい3つの顧客を得るまで、その初めてのすばらしい経験からどのくらいかかりましたか。

Harry
私が最初に気がついたのは、顧客が突然、あなたに他の客を紹介し始めることはないということです。彼らはあなたとの関係を築き、信頼したいと思っています。それが起こった唯一の理由は、最初の1年間で、1カ月数千ドル規模の非常に小さい特定の個人顧客から出発して、それが極短期間で、月額5万ドル〜6万ドルの大規模の顧客に成長したのですが、私たちが多くのことをしたからです。

多くのことで、私たちはとても透明でした。 「やあ、僕たちはこれをこの期間に終わらせることはできないです。今はこんなことしか出来ないんです」と。携帯電話番号を持っていたので、物事がうまくいかないときは、頻繁にテキストメッセージを送りました。彼が実際に私たちを紹介してくれた理由は、物事が計画通りに行かなかったとき、私たちの対処が非常に良かったからだと思います。

誰しもプロジェクトを完璧に進め、時間通りに立ち上げたいと考えています。現実はそれがいつもそう行くとは限りません。場合によっては、コントロール不可能な要因があります。物事が計画通り上手く行かないときに私たちがどう自分自身を保てたのは、「これは信頼できる会社だ」というような大きな信頼に根ざした支持のおかげだったと思います。

私はクリスマス頃に、その例となる出来事が1つあったことを覚えています。顧客への配送が一部行われませんでした。そのとき、私たちは自ら車で出かけて届けました。「ああ、通りの先にいるようなものなので、それほど大した仕事じゃない。さっさと仕事を終わらせてしまおう」と。しかしその顧客は大いに感謝してくれ、後に新たな顧客獲得の上で重要な役割を果たしてくれました。私たちがしたのは小さなことだったし、彼がやっていたのは非常に小さな活動でしたが、彼が新しい会社に行ったときにも、彼はそのことをずっとよく覚えていて、 「ぼくがこの人たちとやってきた理由は、僕たちのためにこんなことをすべてやってくれた。事がうまくいかないときには、彼らはもっとステップアップし、やるべきことをしてくれた」なんて言ってくれました。だから彼らは今日私たちをとても気にいってくれているのです。

でも、良い製品を持つことから始まると思います。あなたの製品がよくない場合、その顧客のためにあなたが何をしようとも、彼は自分の仕事を危険にさらすことを恐れて、あなたを誰かのところに連れて行くことなどしないでしょう。

Sam Altman
終わりにしましょうか。

Jason Lemkin
おしまいにする? いいでしょう。パネリストの皆さんにお礼を言いましょう。すばらしかったです。ありがとう、皆さん。(拍手)

 

記事情報

この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文: How to Build a Product III - Jason Lemkin, Solomon Hykes, Tracy Young & Harry Zhang (2017)

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