60人の起業家からの、新しい起業家へのアドバイス (Sequoia Capital)

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Seven Questionsでは毎週、Sequoiaのメンバーが、彼らが苦労して得たアドバイスを、創業者と共有しています。日々の学びから得た教訓から、自分が間違っていることに気が付いた瞬間(そしてどうやって元の軌道に戻ったのか)まで、アドバイスは様々です。全ての起業家が心に抱いている問い、つまり「起業する人に向けて一つアドバイスするとしたら何ですか?」という問いに対する答えを知りたい方は、このまま読み進めてください。またここでサインアップすれば、あなたのイメールボックスにSeven Questionsが届くようになります。

始める

Alex Rodrigues, Embark: 「多くの人があなたのアイデアは上手くいかないだろうと考えます。しかし、あなたが各段階を踏んでいる自分の姿を想像できるのであれば、おそらく成功の見込みは高いです。これまで一度も行われたことがないからといって、それが不可能とは限りません」

Anne Wojcicki、23andMe: 「資金調達はデートのようなものです。みんなに自分のことを好きになってもらおうと必死になるのはやめましょう。あなたがしていることを心から信じてくれる真のパートナーを見つけるべきです」

Colleen Cutcliffe, Whole Biome: 「リスクについて、自分自身に正直になることが重要です。しかし一度それをやると決めたら、本能的な恐怖心は捨てて、ポジティブなことにフォーカスしましょう」

Marco Zappacosta, Thumbtack: 「解決しようとしている問題と恋に落ちるのであって、作っている製品と恋に落ちるのではありません。インパクトは、何か大きなことをするために必要な10年以上の間、あなたを支えてくれます」

Mathilde Collin, Front: 「フォーカスを失わないようにしましょう。特に会社が新しい場合は、基本的に、一つのメトリックを動かすことに集中するべきです。他の分野にフォーカスを移したり、言い訳するのは簡単ですが、そのような誘惑は退けましょう」

Sonya Huang, Sequoia: 「ピッチはシンプルにしてください。最も説得力のある創業者は、ミーティングの最初の数分間になぜ自分たちの会社が存在するのかを明確に説明できます」

General Stanley McChrystal, McChrystal Group: 「早いうちからコンセプトのストレステストをしておきましょう。可能な限り最も困難な状況を想像して、こう問いましょう。「これはそれでも機能するだろうか?」」

Tony Xu, DoorDash: 「小さく始めてください。克服すべき具体的な問題を書き出し、他のことは心配しないでください。特に最初は、会社を立ち上げることを壮大なビジョンとしてではなく、プロジェクトのように感じるべきです」

初期ステージについてもっと知りたい方は: HubSpotのDharmesh Shah、VeilのPaul Fletcher-HillAmy Sun、SequoiaのBill CoughranBryan Schreierが参考になります。

自分の道を選び取る

AmirAli Talasaz, Guardant Health: 「情熱に従いましょう。しかしどの情熱に従うかは慎重に判断してください。グローバルな規模で未解決の問題にフォーカスを当てると、より大きなインパクトを与えることができます」

David Vélez, Nubank: 「人々が困難だと考えていることを選んでください。そうでないと、2ヶ月後には他の5社が同じことをしているでしょう。自分が始めようとしていることを誰かに伝えるとき、「本当にそれをやるの?」と反応されるようなことをやるべきです」

Doug Leone, Sequoia: 「エゴを満たすために何かをするのをやめましょう。そこに機会が見え、それを追いかけないと夜も眠れないほどになってしまうからするのです」

Julia Hartz, Eventbrite: 「起業は簡単なことではありません。信じられないほどの確信が必要となります。製品が機能するかどうかは自信がなくても、会社の使命については完全に信じ切ってください」

Roelof Botha, Sequoia: 「個人的な課題に取り組みましょう。直感的なレベルで何を解決しようとしているのかを理解できれば、会社を構築するための具体的な課題に取り組む準備がずっと上手くできます」

Stephanie Zhan, Sequoia: 「自分に尋ねてください。「なぜ今なのか?」現代の大手テクノロジー企業の多くは、技術の進歩や消費者行動の変化を利用しています。あなたが現在手にしている機会が可能になったのは、市場やエコシステムがどのように変化したからなのでしょう?」

Vivek Garipalli, Clover Health: 「私が知っている起業の唯一の方法は、急いでビジネスを始めることです。財務モデリングに延々と時間を使うか、今している仕事を辞めて先に進むか、どちらかです」

自分の道を決めることについてもっと知りたい方は: ClutterのAri Mir、Health CatalystのDan Burton、OktaのFrederic Kerrest、Guardant HealthのHelmy Eltoukhy、ZiplineのKeller Rinaudo、PlanGridのTracy Young、SequoiaのBlair ShaneMike Vernalが参考になります。

スケーリングと雇用

Arash Ferdowsi, Dropbox: 「自分の技術を真に理解している優秀な人材を見つけ、彼らに主導権を与えましょう。もしあなたが彼らを細かく管理し、彼らが正しい判断ができると信頼しないなら、彼らはあなたのために長くは働いてくれないでしょう」

Belinda Johnson, Airbnb: 「採用する際は、常に今から3年後に企業がどうなっていたいのかを考えましょう。物事は急速に進歩していきますし、自分でも知らぬ間に、自分をスケールアウトすることがあります」

Jess Lee, Sequoia: 「心地よいところに留まってはいけません。自分でも追いつかないほどのスピードで企業が成長している時は、何度も何度も自分の仕事を学び直さなければなりません」

Kamakshi Sivaramakrishnan, Drawbridge: 「自分の専門外の分野でリーダーを雇うのは簡単ではありませんが、それが彼らをより一層重要にします。これらの分野の人材を評価する際に誤ってしまう可能性があることを受け入れ、積極的に助けを求めましょう」

Matt Miller, Sequoia: 「特に簡単には覆せないような決定を下す場合は、最高水準の成功を得れるように計画を立てましょう。最高の成功を収めた際の企業の姿を想像し、こう尋ねてください「この道で本当にここに辿り着けるだろうか?」」

Pat Grady, Sequoia: 「創業者には多くのアドバイスが殺到します。そして彼らのほとんどは、それを全て受け入れるか、全て拒絶するかのいずれかです。私の経験によると、企業をもっとも成長させるのは、その中間にいる人々です。彼らは全てに耳を傾けますが、どのアドバイスに従うかは、自分で判断するのです」

成長を加速することについてもっと知りたい方は: DriftのDavid Cancel、SetterのDavid Steckelが参考になります。

困難に直面する

Jaime Bott, Sequoia: 「もし何かが何日も続けて私を悩ませるのであれば、それは問題解決モードに入りなさいという良い兆候だと言えます。人生のどの分野においても、私は10点満点中8点以下のスコアで長く我慢することはしません」

Jay Kreps, Confluent: 「自分ではコントロールできないことを心配せず、不確実性が伴う決定を下すことに適応せねばなりません。ゲームに勝つかどうかではなく、それを上手くこなしたかどうかにフォーカスしてください」

Mohit Lad, ThousandEyes: 「自分の学習の速さに驚くでしょう。すべてが新しくて不安要素が多い場合は、1か月後には必要のなくなる多くのアドバイザーを雇うことになるかもしれません。自分でできることを過小評価してしまうことがほとんどなのです」

Tanay Tandon, Athelas: 「反復サイクルをできるだけ短くしてください。目標は、それぞれの独立した仮定をできるだけ効率的にテストすることです」

Todd McKinnon, Okta: 「すべてを把握していなくても問題ありません。とにかく先へ進んでください」

Yong Kim, Wonolo: 「困難な状況に直面しているときは、それを受け入れましょう。どんどん先へ進んでください。困難を学習の機会として扱うことができれば、それを乗り越えた時、あなたはもっと強くなっています」

文化と価値

Carl Eschenbach, Sequoia: 「勇気を持ちましょう。リーダーになるとは、常にメガホンを持っているようなものです。あなたが発する言葉一つ一つに、あなたのチームはかかっています。ですから、その言葉を情熱と熱意、気力を持って言うようにしましょう」

Eric Yuan, Zoom: 「製品とビジネスモデル、そして投資家は、いずれも時間をかけて改善することができます。しかし企業文化が最初から確立されていなければ、どんな進歩があってもいずれは崩壊してしまうでしょう」

John Donovan, AT&T Communications: 「起業家は、しばしば初期の段階で文化の問題を軽視してしまいます。彼らはそれを成長痛と見なしてしまうのです。しかしもしあなたのチームが仲間内で争っているなら、それは成長の機会となるどころか、そのような振る舞いが規範となってしまいます」

Lynn Jurich, Sunrun: 「価値システムの調査と成長を続けましょう。起業とは非常に感情的で激しいプロセスであり、あなたは自分がどのような人物になりたいのかを見失ってしまいます。あなたが価値をおいているものによって、困難を乗り越えることができるのです」

Mark McLaughlin, Palo Alto Networks: 「会社全体の文化の雰囲気を決めるのは、会社のリーダーです。能力があることは大切ですが、あなたの価値観と合わない人は、どれだけ能力があっても、会社の助けにはなるというよりは、あなたの組織を傷つけてしまう可能性が高いでしょう」

Max Rhodes, Faire: 「カルチャーフィットとは、共有された価値観のことです。すべての問題について同じ視点を持つ必要はありませんが、最も重要な問題については足並みを揃える必要があります」

企業文化の管理についてもっと知りたい方は: MongoDBのDev IttycheriaとSequoiaのAlfred LinAndrew Reedが参考になります。

長期にわたる仕事

Hovhannes Avoyan, PicsArt: 「仕事と生活のバランスではなく、その二つの相乗効果を追求しましょう。仕事とそのほかの生活との間に壁を作る必要はないと思います。重要なことは、それら全てのことがいかに共存しているかについて、よく考えることです」

Jason Boehmig, Ironclad: 「最大の強みは、自分の空間について好奇心を持ち、真に気にかけることから生まれます」

Nadia Boujarwah, Dia&Co: 「起業家としての生活のペースは速い(しばしば非常に速い)ものですが、それでもあなたはマラソンを走っているのです。並外れたことを成し遂げるには、長い時間がかかります」

Ryan Smith, Qualtrics: 「エンタープライズの分野で起業するには、それがなんであれ10年は見ておく必要があり、そのタイムラインに鑑みて全ての決定を下すようにしてください」

Selene Cruz, Re:store: 「私にとっての秘訣は感謝することです。私は自分の夢を生きています。こんな課題に取り組みたいとずっと願ってきました!その瞬間が幸せであれば、それは伝染していきます」
 

 

記事情報

この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文: 60 Company Builders Share Their Advice for Startup Founders (2019)

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