どうやってユーザーを獲得し成長するか (Startup School 2018 #08, Gustaf Alstromer)

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アナウンス

Geoff Ralston
Startup School への週間アップデートについては、正直に書いてくださいね。私たちのためではなくあなた達のためにあるものですから。「ローンチは絶対にしない」や「ローンチは400万年後になる」とか明らかにクレイジーな報告は、何を考えているのやらって感じなので。そういうことはしないでください。

週間報告を10週中9回提出しなければいけないという卒業要件について数多くの問い合わせがありました。このコースは、本当は10週間続くはずでしたが少し変更されました。実際に今は9週間のコースになっていて、コース初期の混雑によって出足が遅れたグループがいました。なのでこうなります。9回中8回の報告で十分です。ですが、クラスも延長します。最後の講義が終わってから2週間続けます。やりたいのであれば10回の報告をするには十分な時間があるわけで、10週中9回報告することも可能です。ですが9週中8回の報告が助成金1万ドルの検討対象になる絶対条件です。質がいい本当のアップデートをください。

もう一つ、リマインドします。週間報告書は毎週日曜日、PST23時59分までに提出してください。この点においてもあまりはっきりしていなかったみたいです。何度か書面で書いたはずですが、いつまでに提出しなければいけないのか覚えておいてください。
モデレーター、グループ、企業報告、そしてその他のあらゆる質問はstartupschool@ycombinator.com までお送りください。

最後に、まだローンチしてないのならすぐにでもローンチするほうがいいです。人々が本当に望むようなものを作れたかどうか、それを知るには実際に人々にその製品を使ってもらうしかありません。なので、まだ出していないのなら製品を出しましょう。

グロースについての講義

さて、最初のスピーカーとしてYCombinatorの尊敬するパートナーであるGustaf Alstromerを紹介します。彼は2012年にAirbnbのグロースチームを立ち上げたグループの一員でした。Airbnbに関してまず思い浮かぶのが2012年から5年間でとてつもない成長を遂げてきたことです。世界でもこの点においてGustafの右に出るものはいませんので今日、彼に企業の成長について話してもらえてとても嬉しく思っています。

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Gustaf Alstromer
ありがとうございます。始める前に、Steven、Geoff、Adora、そしてBillに、今日ここで講義出来るようにしてくれたことについての感謝の気持ちを伝えたいです。

ではグロースについて話したいと思います。

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Airbnb のグロースチームでの経験

私のバックグラウンドですが、去年の夏にYCに入る前、私はAirbnbのグロースチーム初期メンバーの一人でした。始めた当時は3人ぐらいのチームでしたが、2015年にはこれだけの人数に至るまで成長させました。

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そこからさらに100、120人くらいに成長しました。今日、ここで話す内容のほぼ全てはこのグループから教わったものです。ユーザーグロースについて学ぶのに最も有効なことは、実際にグロースチームで働くことです。私はほぼ5年もの間Airbnbでそれに取り組むことができて幸運でした。

なぜグロースが重要なのか?

始める前に、この質問の答えが明白な人もいるでしょうが必ずしも全員にとってそうであるとは限らないのが「なぜ必要なのか?なぜグロースは大切なのか?」

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です。

驚くほど頻繁にこの質問を聞かれるのですが、少しこのことについて考えてみる価値はあるかもしれません。製品を作るとき、その製品を市場に出せば人は集まりその製品を使用し始めると思う人がいます。私の経験からして、実際にはちょっと違います。スタートアップやスタートアップになるべき企業を立ち上げるとき、グロースは重要です、そもそもスタートアップ=成長(グロース)ですから。とても大きくなるポテンシャルを持った何かを作るとき、それをとても大きくするのがスタートアップの本質です。

Paul Grahamが書いた記事に「Startups = Growth(スタートアップ=グロース)」

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というものがあります。そこで彼は何故グロースがスタートアップにとって非常に重要であり、全企業がスタートアップではなく全企業にとってグロースが重要なわけではないのかを説明するのですが、スタートアップにとってグロースは非常に大切です。

これから意図的なグロースがどのようなものかについてお話しますが、その前に、自ら答えなければいけない問いが「スタートアップを立ち上げた、成長したい、そうするのにはどうしたらいいのだろうか」です。

講義の対象は B2C も B2B も

さて、この講義は誰のためにあるのか。

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私の経験上、ユーザーグロースを向上させたい時にするようなことは消費者向け企業が始めたものです。そういった企業が、グロースチームが進める戦術、戦略、そして技術を受け入れ始めました。ですが、これから話すスキルや知識の多くはオンラインでユーザーを集めたり商品を売ったりする企業のほぼ全社に使うことができ、使うべきものだと思います。消費者向け企業じゃなくてもいいのです。ソーシャルネットワークでなくても使えるものです。これらは幅広い分野の企業に対応します。仮にB2B企業をやっていたとして、もしグロースに関して優れているのであればそれは同スペース内のグロースにそれほど力を入れていない他企業と比べて大きな利点になります。

ただしグロースにはタイミングがある

さて、これに関係はあるものの、まだグロースをするには早すぎる企業が1種類あります。

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実際にここにいるほぼ全員がそうかも知れません。だからこそこの話の内容は危険なのです。誤ったタイミングでグロースに力を入れるのは企業に非常に悪いですから。

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勢い余ってフライングしてしまうようなものです。Startup Schoolでの講義の多くがそのことについてですが、一番重要なのはどうやって人々が望むようなものを作りプロダクトマーケットフィットを見つけるかです。

まずはプロダクトマーケットフィットを見つけることから

まだ人々が望むような製品を作れてなくプロダクトマーケットフィットも見つかっていないような企業が、私がこれから話すことを適用したら本当にひどいことになります。大抵の場合、これは実際によく目にするグラフです。最初のうちはものすごい勢いで成長するでしょう。その燃料がなんの役にも立っていなく、ただ燃え尽きるだけの燃料だと気づいた時にはもう落下途中になります。それが危険な理由でして、プロダクトマーケットフィットが見つかる前からこれらの事を適用する事については、これからより深く触れて行こうかと思います。

プロダクトマーケットフィットを測定する

今日、最初に触れたいのがプロダクトマーケットフィットの測定です。それが継続的な成長に不可欠な要素だからです。さて、グロースチームはインパクトのあるものなのでしょうか。グロースチームが意味のあるものなのかどうか、どうしたらわかるのでしょうか。どうしたらこのようなことが重要かどうかわかるのでしょうか。そのことについても話します。実験方法についても話しますが、その前にまずFacebookに関する話をしたいとおもいます。

これは私が作り上げた話ではありません。Facebook主催のトークから見つけてきたものです。このような種類のスキルセットを企業に適用する事による影響の程度を説明することが非常に重要だと思います。

これはFacebookの2004年から2015年までのタイムラインです。

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彼らの成長の記録のようなものです。公開されているものもあればそうでないものもあります。Facebookには初期の頃から優れたデータサイエンスチームがいました。彼らはFacebookがどれだけ大きくなるのかを測定、予測することに置いてとても優れていました。なので2006年、2007年ぐらいにグロースチームを始めたばかりの頃のFacebookにはこのようなことを予測するデータサイエンティストがたくさんいました。

Facebookはどれだけ大きくなるのか?彼らはFacebookが所有していた様々なメトリクスを見て2015年までにFacebookは約4億ユーザーにまで成長するだろうという結論にたどり着きました。彼らが所持する全データを持って出した予測がそれです。その予測は外れました。実際には2008年、2009年頃に彼らは急激に成長し始めました。実はこれはグロースチームがしたある事の結果です。2007年、2008年頃に何がFacebookを急激に成長させたのかわかる人はいますか?

Audience
高校生に使用可能にした?

Gustaf Alstromer
高校生に使用可能にした。確かにそうしましたが、それほど大きな成長には繋がりませんでした。ニュースフィードは2005年でした。なんですか?リーマン・ショック。リーマン・ショックではありません。違います。友達10人… はい。良いですね。それはある意味ではこの成長経歴全般に関係します。

Audience
写真のタグ付け。

Gustaf Alstromer
写真のタグ付け。だったかもしれませんね。

Audience
(聞き取り不可)

グローバル化とモバイルがグロースを推し進めた

Gustaf Alstromer
答えは翻訳です。予想外の回答かもしれませんが、グロースチームの多くにとってコアとなるのが、世界を通して可能な限り多くの人に製品を利用可能にすることだったのです。Facebookは英語圏ユーザーの上限に辿り着きつつあり、たとえFacebookが英語であったとしても…すみません。Facebook自体が英語でもコンテンツがその国の言語であればスケールし続けると仮定しました。それは間違いでした。彼らはFacebookを自動的に数百言語に翻訳するプラットフォームを使い成長は再び加速しました。

同じようなことがまた起こりました。これを彼らはLockdownと呼んだと思います。彼らはとても重要なことをしていました。2010年、2011年、とても大きな変化がありFacebookは、ある意味ではこれらのことについてデータを使って理解を得て、とても大きな変化を遂げなければいけませんでした。

2010年に何が起こったのか、想像のつく人はいますか?とても大きな加速の機会でした。モバイルです。モバイルと聞こえましたね。実際にどうなったかと言うと、Facebookのデータサイエンティスト達はFacebookユーザー数が7億人ぐらいになると予測しました。当時、そのユーザーのほとんどはパソコンでFacebookを使っていたのですが人々がスマートフォンを持つようになる2010年、2011年のこの大きな変化を考慮していませんでした。そこで、Facebookはチーム全体を切り替え、エンジニア達がモバイルについて学べるように大規模なトレーニングコースを始めるようにもなりました。それが当時の大変化でした。

そして、2013年、2014年頃に予測をして、成長の上限に至っていなかった時にまた別の変化が起こりました。2013年、2014年ごろに何があったかわかる人はいますか?

Audience
(聞き取り不可) Instagram。インスタグラム。(聞き取り不可)

Gustaf Alstromer
InstagramとWhatsappもいい答えですが違います。

Audience
Messenger。

グロースチームは意志を持ってグロースさせることができる

Gustaf Alstromer
Messengerもいい答えですが、違います。実はFacebookはインターネット使用人口、インターネットの上限に向かっていたのでより多くの人にインターネットを使ってもらえるようinternet.orgというものを始めました。キャリアと会って、簡単にいうとキャリアと力を合わせて人々に無料でインターネット、そしてFacebookを使えるようにしました。これはFacebookの継続的成長にとって非常に重要な点です。

さて、これから何を学べるでしょうか。Facebookの成長の初期の予測はユーザー数4億人でしたがFacebookは現在20、21、22億人の非常に大きなユーザープラットフォームになっていて、予測が外れたことがわかります。ですが予測が間違っていたわけではありません。ただFacebookが新しくし始めた素晴らしい数々のことを踏まえていなかっただけです。

これから学べることがあるとしたらそれは成長について意図的であり、予測や上限を打ち砕こうと本当に努力すればとても早く成長することができるでしょう。これはどんな企業でも同じです。私はAirbnbのグロースチームに新しく入る社員全員にこのグラフを見せ同じような考え方を持たせようとしています。

自然な受容、つまり努力しなければプロジェクトの成長速度に関する初期予測は自然と減速するものです。

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しかしグロースチームとして仕事ができれば企業の成長を押し続けることができます。

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プロダクトマーケットフィットを見つける

ただ先ほども言いましたが、プロダクトマーケットフィットが見つかる前にグロースチームがいても役に立ちません。

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ですのでプロダクトマーケットフィットについて話しましょう。重要な言葉ですがそれがなんなのか正確に定義するのは難しいです。

メトリクスを見つけて継続率を計測する

私がプロダクトマーケットフィットを測定するの時には次の2つのことについて考えます。まずメトリクスを見つけます。あなた自身もこの講義の後にそうすることができます。

顧客があなたのプロダクトから得れる価値(バリュー)を表すメトリクスを見つけ、そのメトリクスの継続率(リテンション)を計ります。シンプルに聞こえるかもしれませんがやってみましょう。

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企業、ユーザーがプロダクトから得るバリューを表したメトリクス、そして理想の継続率と、このような表を作ればいいでしょう。

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例えばAirbnb。Airbnbからバリューを得るのは宿を探し泊まるとき、つまりAirbnbを使って旅行するときです。そういった時にAirbnbが本当に便利で素晴らしい体験だと感じます。残念ながら1年に何度もそうする人は少なく、Airbnbのプロダクトマーケットフィットを定めたいのなら1泊目から顧客に聞くことはできますが。彼らがもう一度泊まるまではわからないでしょう。次にAirbnbを使って宿泊するまで。旅行のための宿泊サイクルは非常に遅いので、ここでは年間がいいメトリクスです。

Facebookの例を見ましょう。あなたが自発的にFacebookにアクティブユーザーとして戻ってきたとしたらそれはあなたがそこにバリューを見出せているからです。FacebookやInstagram、そういったところに戻ってきたくなる何かがあります。そこで知りたいのは戻ってくる頻度です。1日に一度、もしくは1時間に1度だったりします。彼らは月に1度から始めそこから1日に1度に絞りました。いまではそれよりさらに絞っているかもしれません。

Gustoはどうでしょうか。Gustoから顧客として得れるバリューとはなんでしょうか。Gustoから得るバリューを測定するのに一番いいメトリクスが従業員の給与計算をする時です。それはどのような頻度でする事でしょうか?給与計算は2週間に1度か1ヶ月に1度ですね。

あまり細かくはやりませんが、Lyftだったら乗車回数だったり、Checkrだったらバックグラウンドチェック回数だったり、Stripeだったら振込み回数だったりします。皆さんもご自身の企業に関して、それが毎日であっても起こるたびに簡単に測れるメトリクスが何なのか、そしてそれが起こるべき理想的な頻度が何なのかについて考えるべきです。その2つの問いに答えることができるのならば自社のコホート分析をしてプロダクトマーケットフィットがあるかどうかわかることができます。

そうしたらこれらを測定したいのでこのようなグラフを使います。X軸に時間、そしてY軸には定めたばかりのメトリクスを置きます。

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そこからプロダクトマーケットフィットがあるかどうかわかることができます。

この企業はこれを1週間おきに測定しています。

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この企業にとって理想的なユースケースの使用頻度は1週間に1度なのでここには1週間おきに点があり、初めて製品を使用したWeek 0からのリピート使用者率を表しています。

Startup Schoolを例にしてみましょう。

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Startup Schoolに入って、Week 1には60%しかStartup Schoolに戻ってきておらず、それがWeek 4になると最初の30%しか戻ってきません。このグラフだとStartup Schoolが良い製品だとは言えませんが、実際にこれはStartup Schoolが良い製品かどうかを測定する良い方法です。みんな私たちが作るコンテンツに戻ってきてくれます。

別の製品を見て見ましょう。

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これは素晴らしい製品です。普通の製品、長く続く製品はこういった感じです。このメトリクスを測定し続ける時には大抵の場合は製品の初期にはユーザーが多くて、それが徐々に減るのですが次第に安定します。技術的に聞こえるかもしれませんが各点に実際に表されているのユーザー数、その定められた時間枠内でどれだけ多くの人が定められたメトリクスを元に製品を使用しているかということです。良い製品のほとんどはこのように安定します。またいくつかの例を見てみましょう。

これは支払いのリテンションに基づいた例です。これはみんなが聞いたことのある企業で1ヶ月後のリテンションは10%、12ヶ月後には12%になっています。珍しい例ですが、どの企業のことかわかりますか?

Audience
(聞き取り不可)

男性
Stripe。

Gustaf Alstromer
これは難しすぎたかもしれません。Shopifyです。

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Shopifyの製品では多くの人が登録し、2ヶ月目に続く人はそんなに多くありませんが、ずっと使い続けるんです。これから学べることはなんでしょうか。このカーブが0まで下がり続けたとしたらShopifyは悪い製品になります。プロダクトマーケットフィットが見つかっておらずグロースに力を入れるべきではありません。

この例では彼らには良いプロダクトマーケットフィットがありグロースに力を入れるべきです。彼らは成長に取り組むためにできる限りの努力をすべきです。この最初のオンボーディングで多くのユーザーを失うことについて何かすべきではありますが、とにかく成長に取り組み続けるべきです。

また別の企業です。

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1ヶ月後のリテンション50%、24ヶ月後には10%。Shopifyと似ていますが彼らは24ヶ月目までユーザーを失い続けます。

この最後の最後である程度安定しているかもしれませんが、ユーザーがこのプロダクトに支払いし始めてから12ヶ月目以降でも1ヶ月ごとにプロダクトに料金を払うユーザーが減っています。これはプロダクトマーケットフィットでしょうか?難しいところですが明らかなプロダクトマーケットフィットが見つかったとは言えません。これはBlue Apronです。

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これはいい例ですね。

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12ヶ月後のリテンション率70%、7年後でも30%。プロダクトマーケットフィットがあったと確実に言えます。どの企業のことなのかわかりますか?みなさんも使っているものです。

Audience
(聞き取り不可)

Gustaf Alstromer
Amazon。Amazonと聞こえましたが、違います。

Audience
(聞き取り不可)

Gustaf Alstromer
Apple。違います。これはNetflixです。

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Netflixに料金を払い始めたユーザーのうち、70%は7年後でも料金を支払い続けているということです。間違いなくプロダクトマーケットフィットのある企業です。彼らは成長に全力で取り組むべきです。

すでにリテンションを測定している方は手をあげてください。

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あまりいませんね。

プロダクトマーケットフィットを見つける他の方法は「ユーザーと会うこと」

リテンションを理解するのには他の方法もあります。

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とても小さな企業ならユーザーに会いに行き話すべきです。「この製品もう使えなくなったらどう思いますか?」とか、そのような質問をして、可能な限りユーザーとの距離を縮めるべきです。ユーザーが十人しかいないのならばこの様にリテンションを測定するのは難しいです。千人いればもう少し楽です。ですが十人しかいないのなら別の方法を探すべきです。一人一人会いに言って話をすることができるのですから。

他にも測定する方法はありますが、製品がリテンションされるものだということは知らなければなりません。そうでなければ成長に取り組むべきではありません、重要でないことに多くのサイクルを無駄にしますから。

グロースとマーケティングの違い

成長とマーケティングがどう関連するのか疑問に思っている人も多いでしょう。

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同じことなのか、どういうふうに考えたらいいのか。歴史的に見ますと20年前の企業には製品を作るプロダクトチームがいて、その製品を売るマーケティングチームやプロダクトマーケティングチームがありました。昔はそうでした。企業や組織の階層制度の多くが未だにプロダクトチームとマーケティングチームが別れていて異なるスキルセットを持った異なるチームであり、エンジニアはプロダクトチーム、マーケティング関係の人たちがマーケティングチームという考え方に基づいています。それは古い考え方です。

こういうふうに考えるべきです。

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グロースするための3つの方法

このことについてはまたすぐに触れますが、成長を進められる人、いや、組織は3種類あります。

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私がプロダクト・グロース・エンジニアリングと呼ぶものがあります。これには様々な呼び方があります。要するに成長に取り組むプロダクトマネージャー、エンジニア、データサイエンティスト、そして時にはマーケターのことですが、テクノロジーを使って成長に取り組みます。彼らは成長を促すために積極的に製品を変化させます。作業の多くはすでに製品に辿り着いたものの未だに製品にバリューを見出せていないユーザーに対してで、製品がより早く成長するように変更していくんです。コンバージョンオプティマイゼーションもこの中に入ります。グロースチャネルのいくつかもこのグループに入ります。

さて、もう一つ大きいのがパフォーマンスマーケティング、実質的にはGoogleとFacebookを使ったマーケティングですが、これもまたとても技術的でとてもデータ・ドリブンです。これらはとても似ていると思います。5、10年前に企業を訪れたら、これらは完全に異なるグループとして扱われていて、時には同じフロアにさえいなかったかもしれません。今では、これはあくまで私の意見ですが、席を共にするべきです。実際にはとても似たようなことをしているので、エンジニアとパフォーマンスマーケターは席を共にするべきです。

さて、ここにある3番目がブランドマーケティングです。ブランドマーケティングには直接的な反応がなく、そのマーケティングがどのように受け入れられているのかについてのフィードバックを誰かが直接してくれるわけではないので、マーケティングの中でも最も測定しにくいです。それを簡単に測定する方法もないので、スタートアップが早期にやるべきことではありません。私の意見ではスタートアップはずっと先まで、この最初の2つの点での上限にぶつかり始めるまでブランドマーケティングに手を出すべきではありません。

スタートアップはこの2つの事をすべきで、特例の場合にはこれもできますが、これらは誰にでもできます。スタートアップならエンジニアがいますので、プロダクトグロースやグロースエンジニアリングなどができるでしょう。

プロダクトグロース

では最初に、プロダクトグロースについて話しましょう。

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あなたの製品はファネルです。どういう意味でしょうか?あなたのプロダクトを初めて使うユーザーが製品を持って何かを成し遂げるまでには多くのステップがあります。例えばEコマース店をやっていて、私が何かを買おうとしているとしましょう。そのファネルには数多くのステップがあり、プロダクトグロースチームが取り組むのはそのファネルの最適化、またはコンバージョン率の最適化です。Airbnbのグロースチームがしてきた事を見ますと、そのグロースチームメンバーの多くはファネルの特定部分に取り組むコンバージョンレートオプティマイゼーションチームでした。ファネルはSEOから始まることもあればパフォーマンスマーケティングやバイラリティのあるリファラルから始まることもありますが、様々なステップを辿ることになります。

コンバージョンレートの改善

例えば非常に一般的なステップとして登録があります。もしくはEコマースサイトなら支払いのコンバージョン、購入のコンバージョンだったりします。これらのステップは全てグロースチームとしてコンバージョンレートの最適化に取り組むべきです。これらのことに取り組むのはとても簡単です。細かく言うと何時間も話すことになりますので少し高レベルな話をします。

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国際化

コンバージョンレート最適化のために取り組み始めるべきことの一つが翻訳です。まだ翻訳されていないインターナショナルな製品があるのならそのことについて考えるべきです。多くの人たちがその製品に引き寄せられることでしょう。

認証

二つめは認証です。皆さんの製品の多くには、すでに製品に登録していて、また戻ってきたときにログインし直せるようなユーザーアカウントがあることでしょう。これが実は驚くほど難しいのです。Airbnbでは認証、登録とログインだけに何年も取り組みました。とてもシンプルに聞こえるのですが、実はユーザーが製品に留まらずに流れて行く危ない場面なので常に最適化し続けることができます。今日のAirbnbやPinterestを見ますと、そこにある認証は最も最適化されたバージョンであると思ってください。どちらとも登録コンバージョンの最適化に信じられないほどの時間を費やす企業です。

オンボーディング

コンバージョンレートの最適化においてもう一つ重要なのがオンボーディングです。私が皆さんの製品にたどり着いたとき、私が最初に体験するものとは何か。私を最速で製品のバリューまで運ぶために製品ができることとは何か。オンボーディングに取り組む際にはそのようなことを考えます。

購入コンバージョン

そしてもう一つ大きいのが購入コンバージョンです。例えば私が何かを買おうとしていて、製品とか、その最終判断をその場で取るかどうかでこのことに寄与できることは多いです。

グロースチャネル

さて、グロースチャネルと呼ばれるものがあります。

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グロースチャネルとは何なのか。グロースチャネルとは人々が皆さんの製品を見つける方法です。皆さんがどのくらいの規模なのかは知りませんが、ユーザー数50人以下の小企業としましょう。グロースチャネルのことについて考えるべきではありません。ユーザー数500人以下でもまだ早すぎるので、このことについては考えるべきではありません。

ですがスケールしない小企業がする事にはスケールしない理由があります。スケールしないんです。このスケール可能なグロースチャネル内で成長せずに大きくなる企業はとても珍しいです。プラットフォームはそれほど多くはなく、チャネルもプラットフォームも同じようなものですが、世界を通してその上に大企業を築けるほどビッグなものはそんなにありません。それらのチャネルが何かについて話しましょう。

製品行動

最初に製品行動について考えます。1つ目があなたの製品を見つけるのに、珍しい行動をとるのか、Googleでソリューションを探すのかということです。実際にこの世の多くの製品がこのようにして見つけられています。

人々が年に1度Googleでソリューションを検索するような問題の解決に取り組む企業を立ち上げているのなら、Googleに掲載されるべきです。家を買うのが良い例です。家を買うことなんて人生で1度か2度ぐらいしかなく、家を買うことになったらとりあえずGoogleで検索をするでしょう。なのでZilowやRedfinの様なインターネット上で家を買えるサイトは完全にSEO対策がされていて、時にはペイドサーチもされているのも納得いきます。毎日使う様なものなら毎日Google検索なんかしません。その製品まで直接行きます。スマホのアプリを使います。ホームページに行ったりもします。何を使うかに調べるためにGoogleを使ったりすることはもうありません。Googleの他にもサーチエンジンはあります。他のサーチエンジンのためにも最適化する事は出来ますがやはり重要なのはGoogleです。

口コミ

次の行動。製品をすでに使っているユーザーたちは口コミで製品を広めているか。もしそうならバイラリティやリファラルについてできることは多いです。既存のユーザーのその行動を加速化する事で製品を成長させることができます。報奨金の出るリファラルで動機をあげるか、バイラリティテクニックを使って無料でそうすることもできます。

製品のユーザー数を増やす事が体験の向上につながるか。どういうことでしょうか。例えば新たなLinkedInを作っているとしましょう。新LinkedInのバリューはここにいる私たちだけがその製品を使っているよりも、他にも多くの人や企業が新LinkedInを使っている時の方がバリューがあり、ユーザー数と共にバリューが上がるのはわかりますね。そういった意味では絶対にバイラリティを続けるべきです、ユーザー一人一人が新たなユーザーを得る機会ですから。バイラリティにはこの様な考え方もあります。

ロングリストを作ることができるなら営業をするべき

これはYCで始めたばかりの企業によく聞く質問です。「この世界でその製品を使用する可能性のある全人物を含んだリスト、スプレッドシートを作ることが出来るか?」です。例えば医者、診察室に売るとしましょう。多分カリフォルニア中、アメリカ中の診察室のリストを作る事は可能でしょう。そんなに難しいことではありません。絶対に可能です。なのでこのリストの作り方を見つけ、営業をしに行くでしょう。これから始めるべきであるケースは驚くほど多いです。そのリストを作ることができ、ターゲットが誰なのかわかっているのなら営業をしに行くべきです。

LTV が高いならお金を使って顧客を獲得する

最後に、ユーザーのLTVは高いか。製品のバリューを維持できるように十分な値段をつけているか。もしそうならFacebookやGoogleで絶対に有料のアクイジションをするべきです。製品が有料でないのなら有料のアクイジションや広告はするべきではありません。

リファラルと口コミ

さて。これらを一つずつ見ていきましょう。

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すべての点において深く詳細に入る事はできませんので、詳しく話すものとそうでないもので分けようと思います。

さて。リファラルについて話しましょう。

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私はとても長い間Airbnbのリファラルプログラムに取り組みました。リファラルがどういうものかと言うと計略的な口コミです。なので皆さんの製品がすでに話題になっているのなら、リファラルを使ってより多くの人に製品について話してもらえるように加工することができます。それをよりやりやすいものにするのも一つの手です。

もう一つは金融的な動機を生み出すことです。

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Airbnbのリファラルプログラムは金融的なインセンティブを利用し、リファラルから登録した新ユーザー一人につきリファラル主が20ドル分の旅行券を得る事ができ、リファラル先もAirbnb新ユーザーとして40ドル分の旅行券を得ることができます。この原則から始めて、できるだけ多くの人をこのリファラルファネルに関わらせようとしました。

またファネルという言葉を使いました。

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製品は皆ファネルです。このリファラルプロダクトもある意味ではAirbnb内の別の製品であり、自らのファネルを持ちます。あまり詳しくは説明しませんが、エンジニアリングと製品主導のものについて考えるときには、まず様々なステップに分け、次にそのステップ一つ一つを測定し、そして最後までのコンバージョン率を測定します。

ここでの第一ステップはリファラルプルグラムを目にした週間アクティブユーザーの数です。ユーザーのうち何人がリファラルプログラムを見たかです。このステップを測定していなかったら何人がそれを見たかわかりません。このステップを測定して始めた時に気づいたのは、これはリファラルプログラムを持つ他の企業の多くでも同じことなのですが、リファラルプログラムを目にするアクティブユーザーはほんの数パーセントしかいないという事です。見えていないものを使えるわけがありません。私たちはこれをAirbnbの初期の頃に測定し始めました。リファラルプログラムがあると言うことを知らせるだけで多くの機会につながりますが、そのファネルを通じて機会の最適化をすることもできます。ユーザーが招待を送り、それを何人に送るか、新ユーザーへのコンバージョン率、新ゲストへのコンバージョン率、そして最後に最初の10泊の予約です。

また別の表です。

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このスライドはオンラインで見る事ができるようになるので写真やノートをとったりする必要はありません。ファネルをより細かく分割しそれを何年もかけて最適化し続けます。これはどれも重要で何年も最適化し続けます。これからリファラルプログラムのために取り組んだコンバージョンレート最適化の一例について話そうと思います。

これはリファラル招待メールです。

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誰かが、例えば私がここの誰かを招待したとしたらその人はこのようなメールを受信します。メールには「Gustaf Alstomerが貴方をAirbnbに招待しました。Gustafは貴方にAirbnbでの最初の旅行に使える40ドルの旅行券を送りました。部屋でもロフトでも予約する事ができます。2018年5月18日までに登録すれば良いだけです」。そしてこの「招待を受ける」ボタンと私の名前と写真があります。見た目はいいですね。このメールは実は数十に及ぶ実験の結果です。ここに無作為なものはありません。全てに理由があります。そのことについて話しましょう。

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最初に件名。件名に私の名前が含まれています。私の友人に送られたのなら私の名前が含まれていることでメールが開けられる可能性が高まります。メールの見出しに明確なバリューがあります。このメールの内容はとても明確です。メールの内容に関する見出しとバリューが不明確なメールは驚くほど多いです。このメールの内容はAirbnbを使用しての最初の旅行に使える40ドルの旅行券が送られたと言うことです。

この「2018年5月18日までに登録する」は緊急性です。2018年5月18日までに登録すべきです。この緊急性がこのメールを見た人に実際に行動に移る可能性を高めます。この「招待を受ける」と言う呼び方はエクスクルーシビティ(排他性、特別感)の感覚を生みます。「登録する」と書かれてないのには理由があります。誰でも登録することはできますから。招待を受ける事はエクスクルーシビティの意を伝えます。

最後に私の名前、居住地、写真、そして私がいつからAirbnbのユーザーであるかが含まれています。これは私がこのサイトを支持していることを伝える強い社会的証拠です。この製品を支持していると。このことについてはコンバージョンレート最適化と同じように考えてください。最適化の集まりです。

お金を払ってグロースする方法

ペイドグロース。

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このことについてあまり深い話はしません。ペイドグロースで重要なのは収入がない限りはしてはいけないという事です。

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収入もなく、収入の見込みもないのに広告にお金をつぎ込む企業は多いです。それは大間違いです。そんなことをしてはいけません。もし収入があるのならとても重要なコンセプトがいくつかあります。

一つ目は新しく得たユーザー一人当たりにどれほどの資金を費やしているか。これはカスタマーアクイジションコスト、CACとも呼ばれます。ペイドグロースを通して得たユーザーのペイバック期間とライフタイムバリューはどのくらいか。それはつまりこれらのユーザーが生む価値をどれだけ長い間そこそこ正確に予測できるかということです。ユーザーが月々10ドル支払っているとしたら、最初に話したリテンションについてのコホート分析でユーザーの最終価値を割り出すことができます。カスタマーアクイジションコストがライフタイムバリューより低ければ良いことです。それは素晴らしいペイバック期間があるということですから。ユーザー一人当たりにかかるコストが20ドルで毎月10ドルの収入があるのならペイバック期間は2ヶ月ほどです。実際にはもうちょっと複雑なのですが、簡単にいうとこんな感じです。ペイドグロースにこの二つのコンセプトは常に頭に入れておきましょう。

アトリビューション。物事が複雑になったときに役立ちます。GoogleとFacebook両方を使用していてある程度のスケールもしているのなら、新しい有料ユーザーを費やしたドルにアトリビュートするのがどういうことか理解しなければいけません。どういう意味か、詳しくは説明しませんがペイドグロースに時間を費やしているのなら学んでおくべきものです。

最後に、私の意見ですが、スケールをどうにかできるチャネルは4つしかありません。Facebook、Instagram、GoogleとYouTubeです。これらは非常に大きなペイドグロースのチャネルで今では多くの企業がその上に成り立っています。グロースの無料チャネルは敗退しており、有料チャネルが強くなってきているという暗黙の真実があります。その良い例がFacebookのニュースフィードで、Facebookに料金を払わずに成長するのが難しくなっています。Instagramでも同じことです。常に変わっています。新しいプラットフォームが出ると最初のうちは無料ユーザーを促進しますが、後にそれを収益化しはじめます。それが現在Facebook、Google、そしてInstagram起こっているようなことです。

SEO

さて。SEO。サーチエンジンオプティマイゼーション、SEOです。

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これはもう古いという人もいるかもしれません。私の経験からしてそんな事ありません。今後どうするのか、判断を下すのにGoogleを使用し続ける限りこれは重要であり続けます。Googleは恐らく世界屈指のウェブサイトです。

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SEOに関してまず知っておかなければならないのがウェブサイトを見るときにあなたとGoogleとでは見えるものが違うという事です。Googleに画像は見えません。GoogleにはJavaScriptがよく見えません。Airbnbであなたにこう見えてもGoogleにはこれが見えないという事を忘れないでください。

なのでGoogleを使ってストックホルムのアパートを探している人に伝えようとしている事はGoogleには伝わりません。

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Googleにはあなたがコードに書き留め、正しく作成されていたのなら、Googleにインデックス化されたであろう一連のテキストが見えます。正しく作成されていなかったのならそれはあなたの責任になります。なのでSEOでできる基本的な事は結構ありますがそれらを正しく成し遂げる必要があります。

最も簡単なのはウェブサイトをSEOブラウザーに通してそこで見えるものだけでプロダクトがどんなものかわかるかどうか見てみる事です。なのでSEOのためにできる最も単純な事はJavaScriptではなく明確な言葉使いでプロダクトが何をするものなのか記述する事です。

SEOの最適化には2つの異なる分野があります。

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これ以上ハイレベルなものはありません。Airbnbでは20人チームで取り組んでいまして、そのうち12、13人はエンジニアです。これは非常に重要ですが同じくハイレベルなものです。SEOには2種類の最適化があります。ウェブサイト上で変更できる事(内部対策)、そしてウェブサイトに他人がリンクを貼る事(外部対策、被リンク)です。この2つがSEOにおける主要な影響元です。

SEO内部対策では「よし、何かを変更させよう」と、気まぐれで始めてはいけません。何か戦略を持って始めるべきです。なんのためにランク入りしようとしているのか。今、Googleの検索結果で1位になりたいキーワードは何か。それを定めるためにはキーワード分析、もしくはキーワードリサーチと呼ばれる事をしなければいけません。自分の製品に関連性を持つもので人が検索する可能性のあるもの全てを理解しようとする必要があります。もし運が良ければ検索のボリュームが大きく、中から大ボリュームで競争相手があまりいないキーワードを見つけることができます。そのキーワードでランクインしたいですね。それが決まったらSEO内部対策の他の分野は楽になります、何でランクインしたいかわかっていますから。これを小規模でも見た事はありますが、スケールした時点でのSEOはSEO実験が主です。SEOのベストプラクティス通りにやればそこそこの大きさの企業になれるかもしれません。ですが、大企業、SEOを通じて成長している巨大な企業になりたいのなら意思決定に実験を使わなければいけません。

ここでもう一つ重要なのがSEO外部対策、誰があなたにリンクを貼っているかです。あなたのサイトにリンクされているオンライン上のウェブサイトを把握するために使えるツールは多いです。彼らが権限を持つ分野は何か。彼らには実際にウェブ上での権威があるのか。私があなたのウェブサイトにリンクを貼るのと、The New York Timesがあなたのウェブサイトにリンクを貼るのとでは大違いです。Googleがあなたのサイトをどう認識するかにおいてとても重要です。

Airbnbで一つ驚きだったのが広く報道された事、世界中のメディアがAirbnbについて記事を書いた事です。それは私たちのSEO外部対策にとって驚くほど重要でした。それが報道機関であろうと他の分野であろうと、他人があなたのことについて記事を書くという事は素晴らしい事です。インターネットも変わり、誰もあなたについて書いていないのならリンクも増えないでしょう。リンク自体が減っています。今となっては誰もがウェブサイトを持ちお互いにリンクを貼っているわけではありませんので。これらの変化を踏まえて誰からリンクを貼られているかについて戦略的である必要があります。一番簡単なのが誰かに記事を書かれた時、それが新聞でもなんでもいいのですが、リンクを貼るように頼む事です。あなたにとっては大切ですので。

グロースチームの構築

最後に話したいのがグロースチームについてです。

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現在のグロースチームとは基本的にエンジニア、データサイエンティスト、デザイナー、プロダクトマネージャー、エンドユーザー研究者で成り立っています。今はまだ社内にこれらの人材が揃っていないかもしれませんがグロースについて意思決定をし始める時に社内にいるべき人達です。グロースチームの編成には2つの選択肢があります。

一つめはグロースチームを孤立したチームとし、製品の残りはプロダクトチームにします。ここで挑戦となるのが、企業がまだ小さいけれどもグロースに関して若干聞きかじった段階の時に「グロースエンジニアを雇った。グロースプロダクトマネージャーを雇った。企業のグロースをその人たちが全部してくれる」となることがよくあります。それは成功のレシピではありません。グロースの責任はみんなにあると言ってもうまく行きませんが、そう言うのと小さなチームにグロースの全責任を任せると言うこととの間の微妙なバランスを維持しなければいけません。そのバランスを見つけなければいけません。ちょうど良いバランスを見つけるためには製品においてとても明確な目標と分け目を定めると良いです。

ここで良い例となるのが製品のバリューを生み出すコアプロダクトに取り組む従業員です。Gustoの例で言うと従業員の給与計算がコアプロダクトです。その体験をしてみたいと思っている人達みんながGustoのグロース範囲です。そうすることでグロースと製品を簡単に区別することができます。何に取り組むべきかをどう決めるか。必要な努力、試したい実用最低限のもの、そしてそれがもたらす結果がどれほど大きいかを単純に計算します。何かに取り組む前に必ず結果を予測するべきです、ベストケースシナリオでも小さな結果にしか繋がらないのなら、それに必要な努力が少なくっても取り組むべきではありません。

プロダクトの意思決定

さて。この講義も残り2節です。一つめは意思決定です。

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今日、Aribnbのプロダクトマネージャーに「Airbnbで学んだツールや知識のなかで次の仕事に使える最も重要なものはなんですか」と聞けば彼らは皆、実験か実験のフレームワーク、もしくは社内でA /Bテストを実行する方法だと答えるでしょう。オンラインで見つけたSuhaliのインベスターデックから言葉を借りてきたので、彼が私のあとで話すことになってとても嬉しいです。「世界の人々のほとんどは推測か直感で意思決定を行います。彼らの判断は幸運か誤ちの2組に分かれます」。

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これは大きな問題です。

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Airbnbの規模に達すれば、もしくはそれより小さくても、A/Bテストを使わずに行う意思決定ではその意思決定がもたらす真の結果を事前に知ることはできません。

Airbnbでは社内の重要な意思決定全てにおいて実験とA /Bテストを行います。

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Airbnbではこのようにそのツールを使っています。

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これから実際にどう使われているのかについて話します。例えば皆さんの企業で新しい機能を出す決断をとったとしましょう。これは一日毎のメトリクスの測定値で水曜日に新機能を出します。

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そして2週間後を見ると、その昨日のメトリクスが上がったように見えます、

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それは良いことですよね?実際には他にも様々な要素が多くありそれほど単純ではありません。この期間中に何があったかわかりませんから。サッカーアプリでW杯が始まったばかりだったら、新機能が結果を出したかわかりません。あなたがしている事のピークシーズンだったら、例えばこれが学校や学習に関するアプリで4月だったらまたわかりません。これを見極めるために唯一できるのがカウンターファクチュアルと呼ばれるものです。

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基本的にはA/Bテストです。同じサイトで同じ時期に同機能の2つの異なるバージョンを同時運行する事でこの意思決定を行う・行わないかでの違いを知ることができます。少し技術的に聞こえるかもしれませんが、成功して意思決定を行うのが上手いと思っていたらある時点を境目に判断を下すのがより難しくなるので内面化することがとても重要です。

Airbnb での実験レビューという仕組み

意思決定を行うにはフレームワークが必要です。Airbnbではこれを非常に重要視としており、そのために実験レビューと言うものを作りました。

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実験レビューではグロースチームのメンバー全員がこのような部屋に集まり、最近作ったばかりの機能全てを通し、実際にどの機能が勝ったか実験の結果を発表する前に皆の予想を聞きます。皆さんともこれから同じことをしたいと思います。

これは実験レビューの写真です。

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私たちはこれを2、3週間おきに行いました。とても楽しいものです。ですが製品に関する意思決定はとても難しいということがはっきりとわかりました。さて。始めましょう。

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この製品の目標はAirbnbのモバイルアプリからのシェア数を増やすこと、具体的にはリスティングのシェア数を増やすことでした。当時は2択ありました。一つは皆さんも知っているネイティブのシェアシート、もう一つは画面全体を使用し色もより多いこの実験シェアシート。ボタンはほぼ同じようなものです。よく見たら違いが見えると思いますが。

さて、答えを見せる前に、

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ネイティブのシェアシートの方がより多くの共有に繋がったと思う人はいますか?手をあげてください。この部屋の半数ぐらいですね。私たちのエンジニアが作った新しいシェアシートの方が多くのシェアに繋がったと思う人は?手をあげてください。手をあげなかった人が多いですね。違いがなかったと思うという事でしょうか。これは非常に難しい事なので絶対に判断を下さなくてはなりません。意思決定を行う必要があります。意見を持たなくてはなりません。意見がないのなら「私には判断をくだせません」と言っているのと同じです。

こちらのシェアシートの方が40%多くのシェアに繋がりました。

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ここでは直感で判断を下していたら間違っていたので実験を行なった事が非常に重要です。この部屋の半数、半数以上が間違っていました。

もう一つ。このメールをAirbnbの既存ユーザー達に送りました。

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私がAirbnbで予約をしたら私が同行者と定めた人達にこのメールが送られ、コントロール群ではこのように旅程とリスティングの住所が記載されていて、このボタンには「Gustafの旅行に同行する」と書かれています。私たちが試した新しいバージョンではメールの見た目を少し変え、コンテンツを少なくしこのボタンも違うもので「Gustafの旅行招待を受ける」と書きました。ここでの目標は登録者を得る事で、このボタンをクリックして登録します。

コントロール群の「Gustafの旅行に同行する」の方がより多くの登録者につながったと思う人は手をあげてください。何人かいますね。「Gustafの旅行招待を受ける」の方が多かったと思う人は手を挙げてください。良いですね。違いがなかったと思う人はいますか?ここでは基本的にはボタンの名前を変えるだけで14%の向上に繋がっています。

f:id:foundx_caster:20190716025344j:plainわかりやすいようにもう一つ。

f:id:foundx_caster:20190716025425j:plainここでは経験をシェアしています。より理解しやすいものをお見せしています。ここでのコントロール群はAirbnbリスティングの共有オプションの集まりのようなものです。ツイッターやFacebookやメールのアイコンがありました。同じアイコンを丸くしたバージョンもありました。そして四角ボタンと呼ばれたFacebookとメールだけを見せその他にクリックすることもできたものもあります。

目標がシェア数ならアイコンのあるコントロール群が勝ったと思う人はどれくらいいますか。一部ですね。丸いボタンの方が良かったと思う人は手を挙げてください。一部。四角いボタンだと思う人。Wow。みなさんすごいですね。違いがなかったと思った人はどれくらいですか?両方とも勝ちでした。

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こちらが明らかに1位でしたが。

これは私たちの議論の様子ですが、実験を行ったおかげで議論する必要がなくなりました。製品に関する意思決定は非常に難しいです。

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スケールしたのなら意思決定を行うのに実験やA/Bテスト行うべきです、そうしないと室内で一番声が大きい人が判断を下すことになります。それは避けたいですから。

まとめ

この講義を要約しますと、

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スタートアップを運営しているのならグロースについて考えるべきです。グロース戦術に取り組む前にリテンションを測定し、プロダクトをユーザーが使用していて使用し続けているかを知るべきです。メトリクスを選択しそのメトリクスの目標を選択しメトリクスを目標へ向けて駆り立てるべきです。とてもシンプルです。そして、すぐにではありませんが、やがてはA/Bテストを行い始め難しい意思決定を行うべきです。初期の頃は下すべき判断が明らかで意思決定を行うのが難しくないかもしれませんがそれが簡単でなくなったら直ぐに実験を使って行うべきです。ありがとうございます。

Q&A

まだ時間があるので質問があればどうぞ。

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はい。

Audience
SEOのために実験が重要だと言いました。何かを無作為に試してA/Bテストを行うこと以外にも、実験を行うかどうかについての考え方やフレームワークはお持ちですか?

Gustaf Alstromer
実験とSEOに関する質問ですね。どう取り組むか。オンページの実験を行うときに試そうとしているのは、Googleから得るオーガニックトラフィックの量とランクの推移です。Googleは実はランキングを常に変え続けていますので、あなたのウェブサイトに大きく変更したら… そうですね、Airbnbの例でリスティングページ、すみません、検索結果ページがあるとします。ストックホルム、ロンドン、サンフランシスコを一束にまとめニューヨーク、パリ、バルセロナをもう一つのグループとします。片方のグループのページのコンテンツを変更しもう片方のページはそのままにしておきます。近いうちにGoogleからこのどちらかのグループにより多くのトラフィックがあることが判明します。変化がない時も稀にありますが、変化があればより多くのトラフィックが見えます。

みなさんにもできるとても些細な変更例を教えましょう。例えばタイトルのタグを「Airbnbリスティング」から「バルセロナのリスティング トップ25」に変更しましょう。この内のどちらかはよりクリックを招きより良いランクに付き、そうしたら検索エンジンを対象にその実験を行えば検索エンジンはその検索エンジン上でのトラフィック量に基づいてどちらの方が優れているかを教えてくれます。はい。

Audience
A/Bテストの重要さは完全に認めているものの、非常に早期のスタートアップとしてトラフィックが不十分だと感じているとしてください。これは私達のチームが議論していることでA/Bテストをしたいとは思っていますが、結果が信頼できるものではないので努力する価値がなさそうに感じています。このトランジションをナビゲートするための指導はありますか?

Gustaf Alstromer
質問はA/Bテストについてでした。早期のフェーズにそれが良い策かどうかをどう判断するか。A/Bテストは変化の機能なので中から小規模のオーディエンスでも大丈夫です。変化が十分大きいものならそれは重要な意味を持ちます。意味のある数字を出せます。さて、すぐにでもできることはGoogleでA/Bテストカリキュレータを検索することです。入力欄があるのでメトリクスと変化を入力します。違いが見えるようになるのに必要な変化がどれだけ大きくないといけないかがわかります。

さて、本当に小規模なら多分A/Bテストをするべきではないので、私なら2、3週間のうちに小から中規模の変化が見えるのに十分なトラフィックがあるまでA/Bテストはしません。ここで言う小規模の変化とは数パーセントぐらいです。それくらいの変化を数週間内に見えるぐらいのレベルに達するべきです。それが私からの全般的なアドバイスです。比較的早い段階でA/Bテストを受け入れ、それを意思決定のために使った早期の企業も確かに多く見てきました。別に悪いアイデアだとは思いません。少し早めに始めた方が遅すぎるタイミングで始めるより良いですから。その2択しかないのでしたら。もちろん、ちょうどいいタイミングで始めるのがベストです。はい。

Audience
どうやって健康保険のようなエントリーバリアの高い市場での成長(聞き取り不可)?

Gustaf Alstromer
健康保険のようなエントリーバリアの高い市場でどうやってグロースを応用するか。その市場内での成長の加速と、市場自体を分けるべきだと思います。人々に届きにくいのならば、それはより多くの人に届くように努力をしなければいけないということで… 高いバリアとはどういう意味で使っていますか?

Audience
例えば保険ではリスクをみんなで分ける必要があります。そして誰か一人が製品を使用したいと思うためには既にたくさんのユーザーがいなければなりませんが、その上に規制の山まであります。

Gustaf Alstromer
そうですね、リスクと規制が関わってくる場合、グロースの原則自体は変わらないと思いますが、純粋にセールスを通じて成長しているのなら、例えばセールスの仕方にオートメーションとテクノロジーの多くを応用することができます。私がスタートアップ保険バイヤーに売っているのであればまず10人ほどにメールを送ることから始めます。実際には100人でも1000人でも同じ様に送れます。メール自体は各受信者に一人一人個別に書いたかの様なパーソナルなメールを。より多くの人にリーチできる様にグロースに応用できることがあるのは確かです。ですがグロースは彼らのリスクに関する問題は一つも解決しません。主な市場問題も何一つ解決しません。Airbnbも様々な市場の法律面でのチャレンジに頻繁に悩まされましたので、グロースはそれとは無関係としました。それが目標ではなかったので。そのような問題を抱えたスタートアップなら、それを解決すべきだとは思いません。その問題を解決するのとグロースを解決するのとでは違うことです。お互いにとても離れています。グロースはより多くの健康保険バイヤー取得を加速させる方法です。それが良いことなのか悪いことなのかは全く無関係です。はい。

Audience
Uberの様な新しい市場で持続不可能な戦術を使うことに関しての知恵をお持ちですか?

Gustaf Alstromer
Uberの様な新しい市場で持続不可能な戦術を使うことに関しての知恵を持っているか?流動しないような事をしている場合には選択肢は2つです。一つはスケールしないのならそのうち止めるべきだということ。もしくは作戦計画書を作ってそのスキルを別の街で試してみること。最終的にはスケールしないかもしれないのでUberの運転手を自ら直に募集しているとしましょう。それは持続不可能なグロース戦術かもしれません。最初の20人の運転手はそうやって見つかるかもしれませんが、最終的には運転手募集の広告をFacebookで流すよりROIが低いでしょう。この初期に手動でしていることが何かを定める必要があり、それはスケールしない事、つまりユーザー一人一人にプロダクトのユーザーになる様に進める様な事で、それはやがてはうまくいかなくなり別のチャネルを探す必要ができるか、それか他のチャネルと比べてROIが低いままでしょう。ほとんどの企業は例えば手動でコンテンツを書くことから、エンジニアリングを通してより多くの検索トラフィックを集める様にウェブサイトを変更する様なトランジション期間を経験します。

Audience
Uberがライドのための補助支援金をたくさん使っていることに関しては?

Gustaf Alstromer
ライドのために補助支援金やインセンティブを使用していることに関してですね?まず、インセンティブはとてもスケール可能だと思います。例えばAirbnbでは今でもリファラルプログラムがあります。毎日の様に何十万人も登録していて、その多くがリファラルを通じての登録で、それは実際に助成金がスケール可能だという例です。私がクーポンを手で渡すのはスケール不可能ですが、それをメールでとか、WhatsappかMessengerかまたその他のチャネルを通じてすれば、それはお金さえあればスケール可能です。費やしている金額に関するROIをとても正確に計算する必要があり、それは増加金額でありその金額を費やさなければユーザーたちは実際に製品を使用し始めないと理解しなければいけません。なのでそれを理解していれば全く問題ありません。次。

Audience
(聞き取り不可な箇所が多いので要約)プロダクトマーケティングについて、グロースに取り組む事前にそれを達成していないといけないと言いました。私のアプリではユーザーの3%がプレミアム機能のために料金を払い、残り97%が無料の機能を使用しています。その無料ユーザーのうち、多くが1日あたり2時間以上そのアプリを使用しているのでその機能を気に入っていることはわかっています。ですが彼らはプレミアム機能の料金を払いたがりません。この様な状況でグロースにはどう取り組めばいいのでしょうか。

Gustaf Alstromer
無料ユーザーと有料ユーザーからなる2つのユーザーグループがあり、とてもアクティブなユーザーもいればそうでもないユーザーもいますが、彼らはあまり料金を払おうとしません。そんな状況ではどうグロースに取り組むべきかという質問でした。

ここで私が最初に知りたいのは有料ユーザーのリテンション率です。彼らは実際に料金を払っている製品を使用し続けているのか。そして無料ユーザーのリテンション率は?料金を払い始めることでその数値に違いがあるか?そして最後にコンバージョンレート、無料ユーザーの何%を課金ユーザーにコンバートしているか。これらのことを成し遂げるには様々な方法があります。その一つがフリーミアムモデルです。他にも無料体験期間を使うこともでき、これはフリーミアムとは違いますが、無料ユーザーに制限をかけて、有料サービスを使用し始めなければいけなくします。ですが、成長するという点において、最終的には価値あるユーザーにどれだけ使用されているかといいう話です。最も価値のあるユーザーが課金ユーザーだとして、もし彼らが3ヶ月以上プロダクトを使用し続けないのなら、この2つのグループ間でのコンバージョンレートよりずっと根本的な問題を抱えていることになります。なのでやはりリテンションに戻り、ユーザーの用法を見て彼らが実際にプロダクトを使用し続けているか確認します。最後の質問をどうぞ。はい、奥の方。

Audience
友人にスタートアップのプロダクトグロースのリーダーがいますが、その人から彼らにとって実験が非常に難しいものだと聞いて驚きました。実験に関して理想の、もしくは健全な頻度というものはありますか?

Gustaf Alstromer
質問は実験を実行するのがとても難しい時があることに関してでした。実験の実行について理想の頻度があるのか。確かにマーケットプレースなどでは実験はとても難しいです。その通りです。そのような場合はオンラインで単純なツールを作るか、Mixpanelを使ってA/Bテストをやるだけではできません。それより難しいです。プロダクトファネルがシンプルでエンジニアと十分なトラフィック量さえあれば実験を設立するのは一般的に難しくありません。そんなに難しくはありません。ですが、実験が難しくなる製品の種類があります。トラフィックが多い段階に達しているのなら他に選択技はないと思います。データを使用した意思決定を行うためには、ある程度のインフラストラクチャに投資する必要があります。投資しなければ、多くの判断を間違えるか、もしくは下す判断が誤った判断かラッキーな判断でしかなくなることです。正しい判断だったらラッキー、誤った方だと間違いです。なので実験を行う以外に選択技はありません。

実験が簡単な製品の種類もあります。モバイルアプリなら実験は難しくありません。実験を行うためのツールがたくさんあります。実験で試すアイデアが底を尽きたのなら、ユーザーリサーチに戻り他の製品に目を向けるべきです。PinterestやAirbnbやFacebookなどをみるといいでしょう、高度に最適化されているのでファネルの大部分がA/Bテストを使用し非常に具体的な理由であるものですから。答えになっているかどうかわかりませんが、しなければより多くの問題を抱える事になるでしょう。頻度に関しては実験を行うことにはコストがありそのコストを可能な限り抑えるべきです。なのでコツを掴むためにもまずは最も簡単で小さなものから実験するべきです。テストしたい大きな新機能があるのならその機能の第一部だけをテストするべきです。全体をテストせず、その機能の第一部への反応がどんなものか見てみます。このことについてはもう何時間も話せますが、ありがとうございました。

 

記事情報

この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文:  How to Get Users and Grow (2018)

 

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