成功する方法 (Sam Altman)

 

私はこれまで何千人もの創業者を観察してきました。そして彼らを見ながら、巨額のお金を稼ぐためには、あるいは何か重要なものを作り出すためには、一体何が必要なのかを考えてきました。通常、人々は前者を欲することから始め、後者を欲することへと辿り着きます。

そのような飛び抜けた成功を達成する方法について、13の見解を紹介します。あなたがすでに一度でも(特権や努力を通して)成功のベースラインに達していて、もしそれを飛び抜けた成功へと変えていきたいと考えているなら、以下に紹介することはどれも、より簡単に実行できるはずです。[1]しかし、その多くは誰にでも当てはまるものです。

1. 自分自身を複利運用する

複利は魔法のようなものです。あらゆるところで追求すべきです。指数関数的な曲線は富を生み出す鍵となります。

毎年その価値が50%成長する中規模の企業は、非常に短期間で巨大になります。本物のネットワーク効果と非常に高度な拡張性を持つ企業は、世界中にほんの僅かしか存在しません。しかしテクノロジによって、そのような企業はますます増えるでしょう。そのような企業を見つけたり作り出したりするのは、多大な努力を払うに値します。

また、あなたが自分自身も指数関数的に成長させたいなら、増加し続ける右肩上がりの軌道を追うことを人生の目標にすべきです。複利効果を持つキャリアに向かって進むことが重要です。大部分のキャリアは、ほとんど直線的にしか進展しません。

2年の経験だけで20年の経験と同じくらいの効果を得られるようなキャリアにいたくないなら、学ぶスピードを常に高く保つべきです。キャリアが進むに従い、手がける仕事のそれぞれにおいて、ますます多くの結果を生み出せるようにする必要があります。このレバレッジを手に入れる方法は、資本、技術、ブランド、ネットワーク効果、人々のマネジメントなど、たくさんあります。

あなたが成功の測定基準と定義するものが、お金、地位、世界への影響など何であれ、さらに1桁上のレベルを目指すことに注力するのも有益です。私はプロジェクトとプロジェクトの間には、十分な時間をかけ、次にすべきことを見つけるようにしています。ただし、もしそのプロジェクトが上手く行けば、自分の残りのキャリアがささいなことに見えるようなものにしたいと、常に考えています。

ほとんどの人たちは直線的なチャンスの中で身動きがとれなくなります。小さなチャンスは放っておいて、大胆な変化の可能性に集中するようにしましょう。

企業であろうと個人のキャリアであろうと、ビジネスにおける最大の競争優位性は、世界のさまざまなシステムを一体化させる方法に関して幅広い視点を持ち、長期的思考に立つことだと私は考えます。複利的成長の注目すべき側面の1つは、最も先の最終年度が最重要ということです。本物の長期的視点を持っている人がほとんど誰もいない世界の市場では、長期的視点を持つ者に豊かな報酬がもたらされます。

指数的な成長を信じ、我慢強く辛抱して、うれしい驚きを味わいましょう。

2. 過剰なくらい自分を信じる

自分を信じることは非常に大きな力を持ちます。私が知っている成功を収めた人たちの大部分が、ほとんど妄想に近いほど自分自身を信じています。

自分を信じる心を早いうちに育てましょう。自分の判断が正しく、一貫して結果を残せるデータポイントをより多く達成しながら、自分自身への信用を高めていきましょう。

もし自分自身を信じられなければ、未来に関して人と異なるアイデアを持つのは困難です。しかし、ほとんどの価値を生み出しているのは、そのような逆張り的アイデアなのです。

何年も前にElon MuskがSpaceXの工場ツアーに連れて行ってくれたことを思い出します。彼はロケットのあらゆる部品の製造について詳細に説明してくれました。しかし心に残っているのは、大型ロケットを火星に送ることについて話した時の彼の顔に浮かんだ、確信に満ちた表情でした。その時私には、「なるほど、これが確信とは何かのベンチマークだな」という考えが残りました。

自分自身の士気 (morale)、そしてチームの士気をマネジメントすることは、多くの取り組みの中で最大の課題の1つです。自分自身を大いに信じることなくしては、ほとんど不可能なことです。また残念なことに、あなたの野心が大きければ大きいほど、世界はより強い力であなたを引き下ろそうとするでしょう。

大成功を収めた人のほとんどが、世間から間違っていると思われていた時に、実は未来についてまさに正しいことをしていた経験が、少なくとも一度はあります。もしそうでなければ、より多くの競争に直面していたでしょう。

自分を信じることは、自分を正しく認識することとバランスをとる必要があります。私はかつてあらゆる種類の批判を嫌い、積極的に避けてきたものでした。今では常にそれが真実であるとの前提で批判を聞き、その上でそれに従って行動するか否かを判断するようにしています。真実を追求することは難しく、しばしば苦痛なものですが、それは自分を信じることと、自分に対して妄想することを区別してくれます。

またこのバランスは、あなたが特別な資格を持っていて、世間とはズレているように見えてしまうのを避けるのにも役立ちます。

3. 1人で考えることを学ぶ

起業家精神(アントレプレナーシップ)を教えるのはとても難しいことです。独創的な考えというのは教えるのが非常に困難だからです。実際のところ、学校はそれを教えるために作られておらず、一般に独創性とは反対のことが身につきます。だから起業家精神は自分自身で育てる必要があるのです。

第一原理から考え、新しいアイデアを生み出そうとすることは楽しいものです。そしてそのようなアイデアを交換し合える人たちを見つけることが、アイデアを生み出すための優れた方法となります。次のステップは、現実世界でそれらのアイデアをテストするための、簡単かつ迅速な方法を見つけることです。

「何回も失敗し、1度だけ本当の正解を得る」というのが、起業家の道です。あなたはたくさんのチャンスを自分自身に与え、幸運を掴み取る必要があります。

学ぶための最も強力なレッスンの1つが、解決策がないように思える状況において何をすべきか考え出すことです。このレッスンを何回も行うほど、自分の考えをより信用できるようになります。学習から身につくグリットは、打ちのめされた後でもあなたを支えてくれます。

4. 「セールス」の腕を上げる

自分自身を信じるだけでは十分ではありません。自分が信じていることを他の人たちに納得させられる必要もあります。

あらゆる優れたキャリアは、ある程度までセールスの仕事になります。あなたは自分の計画を顧客や、将来の従業員、マスコミ、投資家などに説いて回らなければなりません。そのためには、やる気を起こさせるビジョン、強力なコミュニケーションスキル、ある程度のカリスマ性、そして実行能力の裏付けが必要です。

コミュニケーションの上達、特に文字でのコミュニケーションの腕を上げることは、価値を生む投資です。明瞭なコミュニケーションに関して私から送る最高のアドバイスは、まず自分の考えを明瞭にし、それから明確で簡潔な言葉を使うことです。

セールスの腕を上げる最高の方法は、自分が売っているものを心から信じることです。本当に信じているものを売るのは最高の気分であり、怪しげなものを売ろうとするのは最悪の気分です。

セールスの腕を上げることは、その他のあらゆるスキルの上達と同じようなものです。誰でも計画的な訓練によって上達が可能です。しかし何らかの理由、おそらく嫌なことと感じるために、多くの人が学ぶことができないもののように扱います。

セールスに関して私から送る他の大きなヒントは、大事な場面ではいつでも本人が直接出向くことです。私が最初に事業に取り掛かっていた頃、飛行機に乗って出かけることを常に厭いませんでした。必ずしも必要でないこともたびたびありましたが、私にとってキャリア形成の転換点になったことが3度あります。その機会がなければ、違う方向に行っていたかもしれません。

5. リスクを取りやすくする

ほとんどの人がリスクを過大に見積もり、報酬を過小に評価します。いつも必ず正しい選択を行うのは不可能なため、リスクを取ることは重要です。たくさんのことに挑戦し、より多くのことを学びながら素早く適応しなければなりません。

多くの場合、キャリアの初期段階ではリスクを取りやすいものです。失うものはそれほどなく、多くのことを得られる可能性があります。自分で基本的な義務を果たせるところまでいったん到達したら、リスクを取りやすくしようとすべきです。間違っていれば全て失うものの、上手く行けば100倍になって返ってくるような、少額の賭けを探しましょう。それからその方向で徐々に賭け金を増やしていくのです。

ただし、お金を蓄えることに時間をかけ過ぎてはいけません。YCで私たちは、GoogleやFacebookで長い間働いていた創業者たちが持つ問題によく気付いたものです。快適な生活、予測可能な仕事、そしてどんなことであれ成功の評価に慣れ親しんだ人たちが、そこから離れるのはとても難しいものです(そして人々は自分のライフスタイルを常に翌年の給料に合わせる、信じがたい能力を持っています)。彼らはもしそこを離れたとしても、利益への誘惑が大きい傾向にあります。長期的な目標達成よりも短期的な利益と利便性を優先する方が簡単であり、それが人間の性質でもあります。

しかし、線路が敷かれた仕事をしていない時は、自分の直感に従い、本当に興味深いものに変わる可能性のあることに時間を使うことができます。自分の生活をできるだけ長い間、お金がかからず融通の効くものに維持することが、そのための強力な方法となります。ただし、間違いなくそれには代償も伴います。

6. 集中する

集中は仕事において力を増強させる武器です。

私がこれまでに会ったほとんど全ての人が、より多くの時間を使って集中すべきものを検討することにより、有益な効果を得ていました。正しいことに取り組むことは、多くの時間をかけて取り組むことよりもずっと重要です。大部分の人々が重要でないことに時間の多くを浪費しています。

何をすべきか考えがまとまったら、ごく一握りの優先事項を素早く一気に達成しましょう。動きが遅くて大成功した人には、まだ1人も会ったことがありません。

7. 懸命に働く

賢く働いても、一生懸命に働いても、その分野の頂点まで90%くらいのところまでは行けます。それはそれで素晴らしい達成です。しかし、99%のところにたどり着くには、その両方が必要になります。あなたは優れたアイデアを持ち、たくさん働くことを厭わない非常に有能な人たちと競争することになるでしょう。

卓越した人たちは、卓越した結果を出します。たくさん働くことは、生活面では大きな代償を伴います。そうしないことも、間違いなく理性的な判断です。しかし、そうすることで多くの利点もあります。多くのケースで見られる通り、勢いは指数増加的に増し、成功が成功を生むのです。

そして、それはたいていの場合、本当に楽しいものです。人生における最大の楽しみの1つは、自分の目的を見つけ、それに秀でることにより、自分の影響が自分よりも大きな何かに対して重要であることを発見することです。最近、あるYCの創業者が、大企業での仕事を辞め、自分が与え得る最大の影響に向かって取り組んだことで、どれだけ幸福感と達成感が増したか、その素晴らしい驚きを説明してくれました。そのような目標に向けて一生懸命に働くことは、称賛されるべきです。

米国のある一部では懸命に働くことが悪いことになっていますが、その理由は私にとって全くわかりません。しかしその考えは、世界の他の場所では確実に異なっています。米国以外の起業家たちが見せるエネルギーと推進力の量は、急速に新たな基準になろうとしています。

あなたは燃え尽きることなく懸命に働く方法を考え出す必要があります。これについて、人々はそれぞれ自身の戦略を見つけます。しかしほとんどの場合うまく行く方法は、多くの時間を一緒に楽しんで過ごせる人たちと、彼らと協力して取り組みたいと思える仕事を見つけることです。

多くの時間(人生の一定の期間)働かなくても、職業的に飛び抜けた成功を収めることができるかのように話す人たちは、害を与えていると私は考えます。事実、仕事をこなすスタミナは、長期的成功を予言する最大の要素の1つのように思えます。

懸命に働くことに関するもう1つの考えは、キャリアの始めで実行することです。懸命に働くことは利益のような複利効果があります。より早くから実行すれば、利益を生み出すための時間もより多く持てます。また、他に負うべき責任が少ない時期の方がより懸命に働きやすくもあります。常に当てはまるわけではありませんが、そのようなチャンスは若い頃にはたびたびあるものです。

8. 大胆になる

私は簡単なスタートアップよりも難しいスタートアップの方が実行しやすいと考えます。人々は何かワクワクするものの一部となり、自分たちの仕事が重要だと感じたがるものです。

もしあなたが重要な問題を進展させようとしているなら、あなたを手伝いたいと考える人たちから一貫した追い風を得られるでしょう。自分自身をより野心的に成長させ、自分が本当に取り組みたいと考えていることに、心配せずに取り組みましょう。

もし他の全員がミームに従った会社を始めようとしていて、あなたは遺伝子操作の会社を始めたいなら、思ったことをやり、後でとやかく言わないようにしましょう。

自分の好奇心に従いましょう。あなたにとってエキサイティングに見えることは、たいてい他の人にもエキサイティングに見えるものです。

9. 意志を貫く

ほとんど知られてない大きな秘密があります。実は世界は驚くほどの割合の時間、自分の意志の方に曲げることができるのです。ほとんどの人はそれを試そうともせず、ただ物事をあるがままに受け入れているだけです。

人は事を起こす計り知れない力を持っています。自信のなさ、早過ぎる諦め、不十分な強引さが組み合わさって、人々が自分の可能性の近くまで到達するのを阻んでいるのです。

自分が望むものを求めましょう。手に入らないこともよくあるし、拒絶されればしばしば苦痛を伴います。しかし上手く行く時は、驚くほど上手く行くものです。

ほとんどの場合、「上手く行くまでやり続けるつもりだし、困難なことは何であれ解決するつもり」と言う人たちは、成功にたどり着きます。本気でそう言えます。そのような人たちは十分な粘り強さを持っており、我が道を行く幸運のチャンスを自らにもたらします。

Airbnbはこのことに対する私のベンチマークです。彼らが語るストーリーには、真似することを勧められないものがとてもたくさんあります(子供が野球カード用に使う9スロット3リング式バインダーのページに保管された限度額を使い切ったクレジットカード、食事は毎回1ドルショップのシリアル、強力な既得権との闘いに次ぐ闘い、などなど)。しかし、彼らは十分に長い間なんとか生き残っており、我が道を行く幸運を掴んでいます。

意志を貫くためには、楽観的になる必要があります。願わくは、それが訓練によって向上可能な人格的特性であってほしいものです。私はこれまで、大成功した悲観的な人には会ったことがありません。

10. 競争するのを困難にする

ほとんどの人が、競争するのが困難な企業はより価値があると理解しています。このことは重要であり、間違いなく真実です。

しかし、このことは個人としてのあなたにも当てはまります。もしあなたのすることが他の誰かにもできるなら、それは結局のところそれだけのことであり、大したお金を生まないでしょう。

競争するのを困難にするための最高の方法は、レバレッジを高めることです。そうするには、例えば個人的な関係を使ったり、強力な自己ブランドを構築したり、あるいは複数の難しい分野が交差するところで腕を磨いたりするという方法があります。他にもたくさんの戦略がありますが、レバレッジを高めるためには何らかの方法を考え出す必要があります。

ほとんどの人が、多くの人々がたむろしてやることと同じことをします。そのような模倣行為はたいていの場合、誤りです。もしあなたが他の誰もがやっているのと同じことをしているのなら、競争するのが難しくはなりません。

11. ネットワークを構築する

素晴らしい仕事をするにはチームが必要です。一緒に働く有能な人たちの、時には密で時には疎なネットワークを開発することは、優れたキャリアに不可欠な部分です。自分の知っている本当に有能な人たちのネットワークの規模が、しばしばあなたが達成できることの制限となります。

ネットワークを構築する効果的な方法は、できる限り多くの人を手伝うことです。私の場合そうすることで、長い時間をかけて、最高のキャリア機会のほとんどと、4つの最高の投資のうち3つがもたらされました。10年前に1人の創業者を手伝うためにあることをしたのですが、そのおかげでその後何度も私に良いことが起こるのには、絶えず驚かされています。

ネットワークを構築するための最高の方法の1つが、一緒に働く人たちのことを本当に気にかけているという評判を広げることです。得意な面を共有することに大げさなくらい気前よくしましょう。それは10倍になって自分に返ってきます。また、人々の優れている面の評価方法を学び、それぞれにそれらの役割をあてがいましょう。(これは、私がマネジメントについて学んだ最も重要なことです。そのことについて書かれている本はあまり見たことがありません。)自分でできると考えていたよりも多くのことを成し遂げられるくらい、人々を懸命に働かせられるような十分な評判を手に入れる必要があります。ただし、燃え尽きるほど働かせてはいけません。

誰でも他の人よりも得意なことを持っています。自分の弱みではなく、強みで自分自身を定義しましょう。自分の弱みを認識し、対処の仕方を考え出してください。ただし、弱みが理由で自分がやりたいことを止めてしまってはいけません。「私はYが不得意なので、Xができない」と言う起業家の声を聞く機会は、驚くほど多いものです。そしてほとんどの場合、それは創造力の欠如を反映しています。自分の弱みを補うための最高の方法は、自分と同じ得意分野を持つ人を雇う代わりに、それを補完するチームメンバーを雇うことです。

ネットワークの構築で特に貴重な部分は、未発掘の人材を見つける力を上げることです。知性、推進力、創造力に素早く見当をつけることは、訓練によってずっと簡単になります。それを学ぶための最も簡単な方法は、単純に多くの人と会うことです。そして誰が印象に残り、誰がそうでないか記録をつけることです。求めるものは主に向上のスピードであることを忘れないでください。経験や現在までの実績を過大評価してはいけません。

私は誰か新しい人に会う時、常に「この人には自然の力が備わっているか?」と自分自身に問いかけるようにしています。それは、大事を成し遂げそうな人を見つけるための、極めて優れた発見的問題解決法です。

ネットワーク構築の特殊なケースは、理想的にはキャリアの初期段階において、著名な誰かを見つけてあなたに賭けてもらうことです。これを実現するための最高の方法は、当然のことですが、有益な存在になるために力を尽くすことです。(将来のどこかの時点でこのことに先行投資する必要があるのを覚えておいてください!)

最後に、あなたの野心を支援してくれる前向きな人たちと、時間を共に過ごすことを忘れないでください。

12. モノを所有することで裕福になる

経済に関する私の子供時代の最大の誤解は、人は高い給料で裕福になるということでした。エンターテイナーなど、いくつかの例外はあるものの、これまで給料でForbesの長者番付に載った人はほとんど誰もいません。

本当に裕福になる手段は、急速に価値を増すモノを所有することです。

それは会社の株、不動産、天然資源、知的財産、またはその他の同様のものであってもよいでしょう。しかし何らかの形で、単に自分の時間を売る代わりに、何かの持ち分を所有する必要があります。時間は直線的にしか増えません。

価値が急速に増すものを作る最高の方法は、人々が欲しがるものを、規模を拡大して作ることです。

13. 内発的動機駆動になる

ほとんどの人が、基本的に外部の力によって動かされます。そういう人たちは他の人たちに好印象を与えたいという理由で行動します。これには多くの悪い点がありますが、ここでは2つの重要な問題を挙げておきます。

まず、総意を得たアイデアに取り組み、総意を得たキャリアパスを進むことになってしまいます。あなたは物事を実現することよりも、正しいことをしていると他の人たちが考えるかどうかということに、ずっと多くの気を使うようになるでしょう。そうすると、おそらく本当に興味深い仕事ができなくなってしまいます。例えできたとしても、どっちみち他の誰かがすでに同じことをやっているかもしれません。

次に、計算違いを犯すリスクがしばしばあります。短期的にだとしても、競争ゲームに遅れをとらないことではなく、他の人たちと歩調を合わせることに大きな重点を置くようになるでしょう。

賢い人たちは特に、そのような外部主導で行動するリスクを犯すように思えます。外部の意見に注意を向けることは有益ではありますが、少しにとどめるべきです。一心不乱に働いた方が、模倣の罠に陥らずにすむ可能性が高いでしょう。

私が知っている最も成功した人たちは、基本的に自分自身の内発的な動機に駆動されています。彼らは自分自身が良い印象を持てるように、そして世界に何かを起こさなければならないと感じているために行動します。欲しいものが何であれそれを買う十分なお金を稼ぎ、さらに手に入れても楽しいと思わなくなるほどの十分な社会的地位を得た後でも、より高いレベルの業績に向かう原動力となり続けるのは、私が知る限りそのような内部の力だけです。

人のモチベーションの問題が非常に重要なのは、そのような理由からです。私は誰かについて理解しようとする時、まずこのことに注目します。適切なモチベーションを判断するためのルールを定義するのは簡単ではありませんが、実際に見れば分かります。

Jessica LivingstonとPaul Grahamは、このことに関する私のベンチマークです。YCは最初の数年間、幅広く世間からばかにされていました。YCを始めた時、大きく成功するとはほとんど誰も考えませんでした。しかし彼らは、上手く行けば世界にとって素晴らしいものになるだろうと考え、人々の力になりたいと強く思いました。そして、既存のモデルよりも自分たちの新しいモデルの方がより優れていると確信していました。

結局のところ、自分の成功を定義するものは、自分にとって重要な分野でどれだけ優れた仕事を実行するかということです。なるべく早くその方向でスタートを切れるほど、より遠くまで到達できます。そのことで頭がいっぱいになっていないようでは、何であれ広く成功するのは難しいでしょう。


[1] HNに書いた私の対応するコメント:

私がベーシックインカムにワクワクする最大の理由は、より多くの人たちが自由にリスクを取れるようになることで解き放たれる、人間の可能性の量です。

それまでは、幸運に生まれついていない限り、当分の間は死に物狂いで這い上がらなければ、大きな飛躍を遂げることができません。もし生まれつき著しく貧乏であったなら、それもほとんど不可能でしょう :(

チャンスが非常に不公平に分布しているという事実は、間違いなくとても残念で無駄なことです。しかし、恵まれない環境に生まれたにも関わらず、大成功を収めるに至った人たちもいます。それが可能なことを知るのに十分な数の人たちを、これまで私は目撃してきました。

私は個人的にも、もし非常に幸運に生まれついていなければ今の自分はないだろうという事実を、深く自覚しています。


原稿を見直してくれたBrian Armstrong、Greg Brockman、Dalton Caldwell、Diane von Furstenberg、Maddie Hall、Drew Houston、Vinod Khosla、Jessica Livingston、Jon Levy、Luke Miles (6回も!)、Michael Moritz、Ali Rowghani、Michael Seibel、Peter Thiel、Tracy Young、Shivon Zilisに感謝の気持ちを送ります。特に、執筆を手伝ってくれたLachy Groomに感謝します。

 

 

 

著者紹介 (本記事投稿時の情報)

Sam Altman

Sam Altman は YC グループの社長です。彼は Loopt の共同創業者兼 CEO でした。Loopt は 2005 年に Y Combinator に投資され、2012 年に Green Dot に買収されました。Green Dot で彼は CTO を務め、現在は取締役です。Sam は Hydrazine Capital も創業しました。彼は Stanford でコンピュータサイエンスを学び、その間 AI lab で働いていました。 

記事情報

この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文: How to be successful (2019)

FoundX Review はスタートアップに関するノウハウを届けるメディアです

運営元