今日から一週間後に2018年冬期バッチのデモデイが始まります。私たちはスタートアップが舞台上でプレゼンを行なうための準備に大部分のフォーカスを置いていますが、プレゼン後に投資家との対話で用いる、少しだけ長いデッキの作成でも協力を行っています。
以前ピッチについて記事を書いたことがありますが、スタートアップの創業者たちがスライドを用いてストーリーを説明する方法を明確に示したテンプレートが欠けていることに気づきました。以下のデッキは私が考える、企業がシードデッキを構築すべき方法を示したテンプレートです。このテンプレートの主な対象者はシードラウンドで資金調達を行っている企業ですが、デッキは次に私たちがリリースする予定の、シリーズA用のデッキのベストプラクティスと大して違いません。
ここで覚えてもらいたい主要なポイントは、創業者は明確さと簡潔さを追求すべできある、ということです。ここでお客様の市場や世界哲学について長々と書くべきではありません。しかし単純な事実として、シードステージ企業の多くには探求すべき有意義な詳細情報が大してありません。創業者たちがそうでないと装えば、その企業のストーリーは混乱し、投資家たちが道に迷ってしまいます。
解説の部分に集中してください。それ以外は注釈です
こちらに Google Drive 上のテンプレートがあります。
タイトルスライド
これはタイトルページです。会社名を入力し、何をしているかを一行で説明します。
デッキ上でこの場所のみ、スライド1枚だけで内容の表示を行います。デッキ上のこれ以外の全てのスライドは、セットの1枚目のスライドとして扱ってください。スライド数は1が理想的ですが、それ以上も可能です。スライド数が3を超えるセットは作るべきではありません。これがシードデッキであるということを覚えておいてください。
課題
ここで課題を明確に記述します。この課題が現実世界の人々や企業に与える影響に関する詳細情報は貴重なものです。
ソリューション
これがソリューションです。何がしたいかを極めて明確に説明します。文字数は最小限にしてください。顧客にもたらす具体的な利益を記述してください。
トラクション
トラクションの誇示を行います (もしあればです)。数字はできるだけ明確かつ有意義なものにしてください。曲線はここまでスムーズにはなりませんが、問題ありません。
追加したい有用な統計情報があれば、図の横にコンテンツを追加してください。
他にも指標がありますか? よかったです! 追加しましょう!
ごまかしのスライドですね! ここでは収益を出すほうがより良いでしょう。しかしこれでも大丈夫です。
洞察
投資家に対して、あなたのどこが特別で、何によって事業が成功し、あなたがどのような洞察を持っているのかを伝えます。これにはスライドが二枚以上必要かもしれません。
ビジネスモデル
ビジネスモデルは重要です。まだ詳細について全て知っているわけではないと思いますが、沢山覚えておくと良いでしょう。そして説明を行ってください。複雑な内容を掘り下げる必要があり、スペースを増やさなければならない場合、スライドを追加してください。
市場
この場合、市場とは何でしょうか? 規模は拡大するのでしょうか? あなたの会社は拡大するのでしょうか? それによってどれぐらいの利益を生む予定でしょうか? あなたとともに莫大な利益を得られると、投資家を納得させてください。
チーム
チームです! シード投資ではとても重要です。問題点を解決するのにお客様のチームが適任である理由を述べてください。創業者たちについてです。アドバイザーに関心がある人なんていません。
必要なもの
必要な金額とその用途について投資家に説明を行います。一年以内にどこまで到達できるかを説明できれば、シリーズAの準備が整ったことになるはずなので、とても効果的です。
注:
このデッキは意図的にシンプルにデザインされています。Kevin Hale が書いた、デッキのデザインをよくする方法の記事があります。https://blog.ycombinator.com/how-to-design-a-better-pitch-deck/
編集の示唆やレビューをしてくれた Jared Friedman に感謝します。
著者紹介
Aaron は YC のパートナーです。彼は Y Combinator から投資を受けた Tutorspree の共同創業者でもあります。Tutorscpree より前に、彼は Bridgewater Associates で働いており、分析グループのプロダクトとオペレーションを管理していました。また Harvard で歴史と文学に関する AB を取得しています。
記事情報
この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文: The YC Seed Deck Template (2018)