ストックオプションを理解する

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Benjamin Beltzerは、本人確認と詐欺抑止のサービスを構築するスタートアップ、Berbix(S18)に早期に参加したエンジニアです。彼は以前、自身の会社を設立し、Appleと他のスタートアップ企業で働いていました。

Benは、ストックオプションの理解と評価に関する素晴らしい資料を書いています。彼の許可を得て、基本的なことをカバーする彼の記事から抜粋したものを共有しています。ストックオプションについての詳細や評価方法、あなたの雇用主に尋ねるべき質問などを知りたい場合は、彼のMediumで記事全文を読んでください。

ベンのTwitter @benbeltzer7を見つけられます。またBerbixで彼と一緒に働くこともできます。

 

免責事項:これは法律や税金のアドバイスではありません。決定を行う前に専門家に相談してください。

最近、スタートアップでストックオプションを受け取ったことがある方、スタートアップへの入社を考えている方、または現在オファーの交渉中の方向けにこの記事を書いています。ストックオプションは、スタートアップへの早期参加の巨大なインセンティブになりますが、いつオプションを行使するのか、どのように支払われるのか、どのくらい儲かるのか、そしてどのくらい課税されるのかを知ることは、あまりはっきりとしていません。オプションの使い方によっては、大きな財務的影響を受ける可能性があるため、オプションの仕組みをしっかりと理解しておくことが重要です。

ストックオプションとは何ですか?

ストックオプションは、合意された価格と日付において、株式を購入する権利を与える契約です。義務ではありません。あなたが株式を購入することができる価格は、行使価格と呼ばれています。したがって、雇用主が100のオプションを与えた場合、100株を所有しているわけではありません。あなたは前述の行使価格で100株を購入するオプションを持っているだけです。それを実行することを、オプションを行使する、と言います。

ほとんどのスタートアップは従業員に税制適格なインセンティブ・ストック・オプション(ISO)を与えていますが、中には非適格ストック・オプション(NSO)を使用している企業もあります。この記事では税制適格なストックオプションをだけ扱いますが、その違いについてもこの記事で解説します。

オファーされた株式に関する要素の理解

あなたが常にチェックしたほうがよい、ストックオプションの条件にはいくつかの重要な要素があります。

  • オプションの数あなたが購入する権利を持っている株式の数です。
  • 所有比率あなたのオプションのすべてを行使したときに、会社の発行済株式の合計のうちのあなたがどれだけの所有権を持つかのパーセントのことです。これは、(オプションの数)/(会社が発行した総発行済み株式)で計算されます。
  • 行使価格あなたがあなたのオプションを行使するために支払う1株当たりの価格です。
  • べスティング(権利確定)スケジュール通常、株式報酬はべスティングの対象となります。これは、すぐにすべてのオプションを受け取ることはできませんが、時間の経過とともに権利が確定することを意味します。一般的なべスティングスケジュールは4年間で、1年間のクリフがあります。もしあなたが最初の年以内に会社を離れる場合、あなたは何も得られずに去る、という仕組みです。そしてあなたが働き続けると、あなたの株式の1/4が1年後にべスティングされはじめ、その後1/48ずつ毎月権利の確定が行われます。権利確定スケジュールはもっと別のものも多くがあるので注意してください。いくつかの企業は、6ヶ月のクリフと5年間のべスティングを持っている場合があります。またアマゾンでは、1年目で5%、2年目で15%、3年目と4年目で40%の株式が権利確定します。
  • 退職後の権利行使(PTE)の期間あなたが仕事を辞めた場合、多くの場合、オプションを行使するかどうかを決定するために90日間の猶予が与えられます(※訳注:米国でISOの場合)。90日が経過すると、すべてのオプションを失うことになるため、多くの従業員が「黄金の手錠」をかけられてしまうことになります。幸いなことに、PinterestやAsanaのように、5年、7年、10年のPTE期間を設けている企業もあります。ただし、PTEの期間が90日以上であっても、90日後にはISO(税制適格)がNSO(非税制適格)に変換されてしまうので注意が必要です。

オプションはいつ行使すべきですか?

オプションの行使は高額になる可能性があるため、いつ行使するかは個人の財政状況によります。しかし、すべての可能性と、それぞれに付随する莫大な税金の影響を理解することが重要です。それぞれのシナリオを説明した後、例を挙げて説明します。

IPOの1年前に行使する

オプションを行使するのに最適な時期の一つは、Wealthfrontがここで説明しているように、IPOの1年前です。あなたが株を売る1年前にあなたのオプションを行使し、あなたの報酬の日付が株を売る日の前に少なくとも2年となっている場合は、高い所得税率を支払う必要はなく、利益に対して長期的なキャピタルゲイン税を支払う必要があるだけです。

あなたの会社の株式の公正な市場価値(最新の409a評価によって決定)が行使価格を超えて上昇している場合、あなたはまた、あなたがオプションを行使するときに代替最小課税(AMT)を支払う必要がある場合があります。連邦政府のAMT率は、あなたの株式の公正な市場価値とあなたの行使価格での株式の価値の間のスプレッドの28%です。

このアプローチを利用するときに起こる問題は、オプションを行使するために多額の現金を必要とすることが多いということです。そのような場合は、オプションを行使するためにIPO後まで待つことができます。

IPO後の行使と売却

ストックオプションを行使する余裕がないけれど、会社がすでに株式を公開している、という場合は、キャッシュレス行使をすることもできます。キャッシュレス行使では、あなたの雇用主または証券会社があなたにオプションを行使するためのローンを提供し、その後すぐに市場価格で株式を売却します。その後、売却代金をローンの返済に充てる、という仕組みです。これは、従業員がオプションを行使する余裕がないスタートアップでは非常に一般的です。一般的に、融資を受けて、株式を売却し、ローンを返済するプロセスの仕組みは、従業員から隠されており、彼または彼女は、全体のトランザクションが完了した後、単に収益を受け取ることになります。このアプローチの欠点は、あなたが株式を持った期間は1年未満になるため、株式を売却して得た利益は、経常利益として課税されるということです。

早期行使

多くのスタートアップ企業では、従業員が権利確定する前にオプションを行使できるようにしています。これは早期行使と呼ばれています。早期行使は、企業のイグジットが成功すると確信している場合や、権利行使にかかる総費用が手頃な場合には良いアイデアです。この方法には2つの大きなメリットがあります。

Ben の全文をMediumで読む。

 

著者紹介

Benjamin Beltzer

Benjamin Beltzerは、本人確認と詐欺抑止をサービスとして構築するスタートアップ、Berbix(S18)に早期に参加したエンジニアです。彼は以前、自身の会社を設立し、Appleと他のスタートアップ企業の両方で働いていました。

 

記事情報

この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文: Understanding Startup Stock Options (2020)

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