創業者フレンドリーなタームシート (Sam Altman)

私が(YC外で)投資する際、次のタームシートを使ってオファーを出します。タームには、自分自身が創業者であった時の願望を反映させることを心がけました。何人かにシェアして欲しいと頼まれたのでこちらで公開します。創業者に優しいものになっていると思います。

もしあなたがアップサイドリスク理論の信奉者であれば、最良の企業に仲間に加わってもらうためには、魅力的な条件を提示して、ダウンサイド保護は控えておくのが妥当でしょう。

最も重要なのは、タームシートに書かれていないことです。

* オプションプールなし。オプションプールを投資前のバリュエーションから外す(すなわち、新規採用にあたって投資家ではなく創業者だけを希薄化する)ことは、バリュエーションを人為的に操作する方法の1つにすぎません。新規採用は全員にとって利益となるので、全員を希薄化するべきです。

* 企業側が投資家の弁護士手数料を支払う必要なし。私は常々、企業に対して投資家の弁護士費用を負担するよう頼むなんて全くもってとんでもないことだと思っていました。企業はそのお金を投資家よりも有効活用できるはずなので、そのラウンドのための自分の弁護士費用はこちらで負担します(堂々巡りのないシンプルなディールであれば、いずれにしても微々たる額です)。

* 有効期限なし。私は一度、回答期限の短いオファーで失敗したことがあり、今でもその時のことを忘れていません。創業者には心ゆくまでじっくりとオファーについて検討できる時間を与えています。実際のところ、さっさと決断する人がほとんどです。

* 秘密なし。創業者と投資家の関係は長く、大切なものです。創業者は自分が話したいと思う人と話すべきだし、もし私のオファー内容について他の人に話したいならそれも構いません。当然、投資家同士では企業にどのようなオファーを出すのか話すのですから。(もちろん一旦ディールが成立すれば、創業者にもそれを尊重するよう求めます。)

* 非参加型優先株式、非通常型残余財産優先分配権など。1倍の残余財産優先分配権がありますが、私はそれすらも諦め、普通株を購入する意思があります(たまに実際に購入します。従業員オプションの行使価格に関して含意があるので、大多数の創業者は嫌がるのですが)。早期段階での投資では、ダウンサイド保護にとらわれるべきではありません。

難解なディール構造は常にあらゆる類の意図しなかった結果に見舞われることから、私はこういったものにアレルギーがあります。また、後々のラウンドはそれまでのラウンドの流れを踏襲することが多いので、この点を早期ラウンドにおいてしっかりとおさえておくことが重要です。

(私が気にするのは、持ち株比率と、今後のラウンドにおいてその比率を維持するためのプロラタ権利です。その他のほとんどには関心がありませんが、いずれにせよ論争を巻き起こしそうなものではありません。)

 

著者紹介 (本記事投稿時の情報)

Sam Altman

Sam Altman は YC グループの社長です。彼は Loopt の共同創業者兼 CEO でした。Loopt は 2005 年に Y Combinator に投資され、2012 年に Green Dot に買収されました。Green Dot で彼は CTO を務め、現在は取締役です。Sam は Hydrazine Capital も創業しました。彼は Stanford でコンピュータサイエンスを学び、その間 AI lab で働いていました。 

記事情報

この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文: A founder-friendly term sheet (2013)

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