ピボットを考えたときに読みたい 4 つの Y Combinator の記事

スタートアップにピボットはつきものです。1,2回ピボットしたスタートアップのほうがより多くの資金調達やユーザー獲得ができているという調査もあります。

おそらく多くのスタートアップが一度はアイデアに行き詰り、ピボットを経験しています。しかしピボットについて語った記事はそう多くありません。そこで本記事では、ピボットの参考になる記事をまとめて紹介します。

 

まずピボットとイテレーションの違いを把握する必要があるでしょう。その時には『MVP を計画する方法』が参考になります。イテレーションの中で徐々に改善していくことはピボットではありません。

ここで皆さんに言っておきたいのは、「自分が解決しようとしている問題や顧客は確固として維持し、自分が作り出しているソリューションについては柔軟になる」ということです。重要なのは反復(イテレーション)であり、反復とピボットは区別しておきたい点です。

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次に「いつピボットを考えるべきか?」という問いです。この答えとして「成長しているかどうか」を基に判断すると良い、と答えている記事があります。

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この答えはおそらく Paul Graham のエッセイからインスパイアされたのではないかと思います。『スタートアップ=成長』では、成長率に最適化することでアイデアの発見につながるということが述べられています。

成長への最適化に関する魅力的な点は、それがスタートアップのアイデアの発見につながることです。成長の必要性を、進化のプレッシャーという形で利用することができます。何らかの初期プランで事業を始めて、例えば、週間成長率を10%にして、数字の実現のための必要性に応じて修正すれば、最初に意図したものとは全く違う会社になります。けれども、週間成長率が一貫して10%のビジネスは、何であれほぼ間違いなく開始当初のアイデアよりも優れています。

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次にピボットの先のアイデアについては『ピボットに関するすべてのこと』が参考になるでしょう。この記事では、ピボットの時に考えることと、アイデアの良さと自分とアイデアとの相性を確認する方法を紹介しています。

では、より良いアイデアの見つけ方に移りましょう。これからするアドバイスは、バッチに参加している人が「何にピボットすべきか」というアイデアを求めている時にお話ししているものです。

それは、自分がより心を動かされるもの、世の中に関してより楽観的な気持ちにさせてくれて、朝起きて取り組むのが楽しみになるようなものを見つけることです。取り組むのがあまり楽しくないものでは駄目です。これはとても自然なことですが、反直観的であるとも思います。多くの場合、より困難なアイデアと思えるものを選ぶほうが良い、とされるからです。

 

そして、良いアイデアを見つけるもう1つのポイントです。これは、ピボットする場合に特に重要ですが、研究開発に1~2年かかるものではなく、非常に短期間で開発・実証できるものを見つけることです。リリースが不可能なものから、同じくリリースが不可能なものにピボットするのは良くないです。理想的なのはリリースがより簡単で早くできるものを見つけることで、それを強くお勧めします。

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冒頭に書いた通り、ピボットは多数のスタートアップが経験することです。判断は難しいですが、アイデアに行き詰ったときにはいくつかの記事を参考にしながら考えてみてください。

 

著者情報

馬田隆明

東京大学 FoundX ディレクター。University of Toronto 卒業後、日本マイクロソフトでの Visual Studio のプロダクトマネージャーを経て、テクニカルエバンジェリストとしてスタートアップ支援を行う。2016 年 6 月より現職。 スタートアップ向けのスライド、ブログなどの情報提供を行う。著書に『逆説のスタートアップ思考』『成功する起業家は居場所を選ぶ』『未来を実装する』。

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