超成功するスタートアップの特徴 (Sam Altman)

私は最近、飛び抜けた成功を収めるまでに成長する企業が創業間もない頃に何をするのか、じっくり考えてみました。その結論として、以下のリストを作成しました。これらは個人的な経験に基づくものであり、多くの例外があることも確かです。リストの内のいくつかを行っていても失敗に終わるスタートアップが多いのも事実ですが、このパターンに合わせようとすることには価値があると考えます。

 

*彼らは常に製品/体験の質について、取りつかれたかのように考えています。少々、強迫観念が過ぎるほどです。一見したところそれほど重要に思えないような細かなことにも、多くの時間をかけます。そのような企業の創業者たちは、製品に何か少しでも不具合が起こったり、ユーザーが好ましくない顧客サポートを受けたりすると、あたかも自分の体が痛みを感じているかのように反応します。彼らは早期に製品やサービスをリリースし、開発と改善を繰り返すことの重要性を信じているものの、ひどい出来のものをリリースすることはめったにありません。(これはリリースのスピードが遅いことの言い訳にはなりません。たいていの場合、リリースまでに時間をかけ過ぎています。)

このことの一部として、彼らは創業者とユーザーの間に誰も置きません。それらの企業の創業者たちは、自分自身が販売員や顧客サポートであるかのように、物事を行います。

 

*彼らは人材のことを取りつかれたかのように考えています。創業者は自分のチームの質に強い誇りを持っており、最高の人材をチームに加えるために必要なことは何でもやります。最高の人材を雇いたいということだけであれば誰でも言いますが、最高の創業者はこの点に関して妥協しません。もし間違った人材を雇用してしまった場合、非常に迅速にその状況を修正します。

また、彼らは採用をまったく急ぎません。従業員を雇うこと自体には何の喜びも感じず、また、始めから自分自身の手を汚してこの仕事に取り組みます。

このことの一部として、彼らは適切な企業文化を作ることを非常に重視します。

 

*彼らは少ない明確な言葉で企業のビジョンを説明することができます。この特徴は、説明に多くの複雑な文章を必要とする企業との比較で最も顕著に現れます。そのような企業が本当に上手く行くとは決して思えません。また彼らは、たとえ他の企業が問題にぶつかって失敗しているとしても、自分たちは成功するという理由をはっきりと述べることもできます。そして自分たちが扱う市場が非常に優れている理由について、明確な見識を持っています。

より一般的に言えば、彼らはコミュニケーションが非常に上手です。

 

*彼らは創業後の非常に早い時期に収益を生み出します。初めてのユーザーを獲得するのと同時期であることも、しばしばあります。

 

*彼らはタフで、冷静です。優れた企業の創業者は常にタフで、うろたえることがありません。全てのスタートアップは死にそうに見えますが(時には1日に何回も)、本当に成功する企業の創業者は思考の脈絡を失わず、銃を抜いて悪党を撃つがごとく、冷静に問題を解決します。

人としての凄みというのは育てることができます。私はこれまで、気弱そうに見える創業者たちが急速に凄みを身につけて行く姿を見てきました。

 

*彼らはバーンレートを低く維持し続けます。人を雇うのを急がないことに加え、彼らはとても質素に物事を始めます。興味深いことに、そうしない(そしてたいていは失敗する)企業はしばしば、「私たちは物事を大きく考えている」と言ってそれを正当化します。全てが本当に順調に回るようになった後でバーンレートを大幅に増やすこともありますが、それでもお金をかけるのは重要なことだけに絞ります。

 

*彼らは少数のユーザーが本当に大好きになるものを作ります。私がこのことを初めて聞いたのはポール・ブックハイト氏の指摘でしたが、まったくその通りです。成功するスタートアップはほぼ必ず、満足度の極めて高い初期のコアユーザー層を最初に持ちます。それらのユーザーは自社製品への依存度が非常に高くなり、その後、そこからユーザーが広がって行きます。非常に大勢の人が多少気に入る程度のものを作ることから始める戦略は、経験的に言って同じようにうまくは行きません。

 

*彼らは自然な成長をたどります。彼らは概して、大規模な提携のような不自然な成長に懐疑的で、また、PRも控えめです。スタートアップの立ち上げ時に報道機関向けの大きなイベントを行うことなど、絶対にありません。二流の創業者は、自分の会社の成長を祈る人たちに応えるために、派手なPRを伴う立ち上げを重視します。

 

*彼らは成長することに集中します。創業者は常に、自社のユーザー数と収益の額を把握しています。その数字を聞かれても、言いよどむことは一切ありません。彼らは来週、来月、そして来年達成しようとしている目標を持っています。



*彼らは成長に置く重点と、将来に関する戦略的な思考のバランスが取れています。彼らは自分たちが作り上げようとしているものについて、明確な計画と揺るぎない意見を持っており、それを説得して止めさせることは誰にもできません。しかし時には、複数年にわたる戦略的な計画を立てるよりも、実行することをより重視する瞬間もあります。

この特性を証明してみせる別の方法が、最初のプロジェクトを「適切な規模」にすることです。ゼロから巨大にはなれません。最初は大き過ぎず、かつ小さ過ぎないものを見つけて、作り上げる必要があります。成功する企業には、適切な規模のプロジェクトを見つけ出すのに生まれつき長けた人材がいるように思います。

 

*彼らはスケールしないことをします。ポール・グラハム氏がこのことについて書いています。最高の創業者は極端な無理はしません。

 

*彼らには「どんなことでもする」という姿勢があります。スタートアップの経営には、楽しくないこともいくつかあります。二流の創業者は好きではない部分を任せるために人を雇おうとします。優れた創業者は、たとえそれがビジネスにおいて「情熱を持てる」部分ではないとしても、会社にとって一番の利益になると考えることは何でもやります。

 

*彼らは優先順位付けが上手です。一日の内に取り組める合理的なことは、どんな日でも100件はあります。7番目のことに手を付けたり、ネットワーク作りのイベントのような、おそらく90番目よりも低い順位のことに時間を使ったりするのは簡単です。本当に成功する創業者は、毎日容赦なく優先順位2~3番目以内のことだけに手を付けます(その一環として、彼らは適切な優先順位を考え出します)。そして、他のことは無視します。

 

*創業者が良い人です。このことは常に当てはまるわけではありません。しかし、私の知っている成功を収めた創業者の大部分は、普通よりも良い人です。彼らはタフで、非常に競争心が高く、無慈悲ですが、本質的には良い人たちです。

 

*彼らはスタートアップを経営するふりをすることに喜びを感じません。彼らは成功しているように見えることではなく、成功していることに気を使います。「現実の」会社を持つことから喜びを感じることはなく、弁護士や会計士との会談や、ネットワークイベントのようなものに多くの時間をかけることもありません。彼らは勝つことを望んでおり、勝っている様子がどのように見えるかについてはあまり気にしません。

このことが極めて重要である理由の1つが、彼らはあなたが誰かの家のエアマットレスの上で寝転んで見るウェブサイトのような平凡に見えることに、進んで取り組むという事実です。最高のアイデアのほとんどは、最初は良いアイデアには見えません。もしあなたが実質よりも見た目を重視するのであれば、人から笑われたくないと思うでしょう。人に笑われるけれども成長し続ける会社を強い気持ちで始めることは、本格的に見えるきれいなオフィスを持つけれども、成長の入り口からは常に半歩離れている会社を始めるよりも、ずっとましです。

 

*彼らは物事をさっさと片付けます。二流の創業者は壮大な計画について話すことに多くの時間をかけます。最高の創業者は小さく見えることに取り組みますが、卓越した速さでそれらを片付けることができます。彼らと話をする時は毎回、彼らは新しいことを2~3件片付けてしまっています。たとえ大きなプロジェクトに取り組んでいる場合でも、彼らは大量の小さなことを少しずつ順番に片付け、明らかに前進しています。彼らが1年間姿を見せず、何もないところから突然大きなプロジェクトを完了させることは決してありません。また、彼らは信頼できます。彼らがやると話したことは、実際に起こります。

 

*彼らは迅速に行動します。彼らは何に関しても意思決定が迅速です。メールの返信も迅速です。これは、優れた創業者と二流の創業者の最も顕著な違いの1つです。優れた創業者は機械のごとく実行します。

 

著者紹介 (本記事投稿時の情報)

Sam Altman

Sam Altman は YC グループの社長です。彼は Loopt の共同創業者兼 CEO でした。Loopt は 2005 年に Y Combinator に投資され、2012 年に Green Dot に買収されました。Green Dot で彼は CTO を務め、現在は取締役です。Sam は Hydrazine Capital も創業しました。彼は Stanford でコンピュータサイエンスを学び、その間 AI lab で働いていました。 

記事情報

この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文: Super successful companies (2014)

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