誤解されていることの強さ (Sam Altman)

先日、ある起業家の方から「他人がどう思うかを気にしないようにするにはどうしたらいいのか」という質問を受けました。私は答えを持っていませんでしたが、よくよく考えてみると、それは間違った質問なのではないかと思います。

ほとんどの人は誰かが何を考えているかを気にしていますし(全員の考えを気にするのは完全に間違いですが)、それは重要なことなのかもしれません。しかし気にしすぎると臆病になってしまいます。ですが、人の役に立つことをするためには、ちょっとは人と同調する必要があります。

自由には2つあるように思えます:気にするべき意見を持つ人を選ぶことができることと(そしてどんなテーマかと)、意見を気にするタイムスケールを選ぶことができること、です。ほとんどの人は前者を把握しています[1]が、後者はあまり注目されていないようです。

私が知っている中で最も印象的な人たちは、人の考えていることをとても気にしていて、自分が大切にするべきではない意見を持っている人のことさえも気にしています(彼らのうち驚くほど多くの人が、嫌いな人のツイートのスクリーンショットをフォルダに保存しておくようなことをしています)。しかし、彼らが変わっているのは、彼らが非常に長い時間軸で他人の意見を気にしているということです。

短期的には低く見られていることを長期的に高くなることとをトレードすべきでしょう。このようなことが起こる一般的な方法は、重要ではあるが深くコンセンサスが得られない賭けについて、最終的に正しくなることです。重要なのは、あなたが正しい限りにおいて、多くの人に誤解されることは、弱点ではなく強みだということです。あなたと少数の反逆者のグループは、重要な問題を解決するためのスペースを手に入れることができます。そしてそうした重要な問題は、そうでなければ解決しないかもしれないのです。


[1] ココ・シャネルの名言に「あなたが私のことをどう思っていようと、私は気にしない。だって、私はあなたのことをまったく考えていないから」というものがあります。

 

著者紹介 (本記事投稿時の情報)

Sam Altman

Sam Altman は OpenAI のCEO であり、Y Combinator のアドバイザーです。彼は 2014 年から2019年の間、YCの社長でした。彼は Stanford でコンピュータサイエンスを学び、その間 AI lab で働いていました。 

 

記事情報

この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文: The Strength of Being Misunderstood (2020) 

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