スレッド:次の Warby Parkerになることを目指すスタートアップは400以上ありますが、Eコマースの会社の90%は失敗に終わることを歴史は示しています。成功と失敗を分けるものは何でしょうか?ネット通販スタートアップに勝機があるかどうかを判断するために私が見る5つのポイントはこちらです–>
1. 防御性がありスケーラブルな獲得チャネルを持っているか?
2. ブランド構築に向いたカテゴリーで展開しているか?そうだとした場合、人から愛され信頼されるブランドを構築できているか?
3. 誰もが提供できるわけではない、独自の製品を売っているか?
4. ビジネスにネットワーク効果はあるか?
5. 後発参入社より先に捉えることのできるスケールメリットはあるか?
1. Does it have defensible, scalable acquisition channels?
— Li Jin (@ljin18) October 9, 2018
2. Is it operating in a category that is well-suited to brand building, and if so, has it built a brand that people love and trust?
3. Is it selling a unique product that not everyone can offer?
4. Does the business have network effects?
— Li Jin (@ljin18) October 9, 2018
5. Are there economies of scale that can be captured ahead of later entrants?
これらを1つずつ紐解いていきます。
1. 顧客獲得
成長のために有料の獲得チャネルに大きく依存することは持続的ではありません。どのみち最終的には、マージンを奪われることになるからです。
その代わりに、会社には新規顧客にリーチするための独自のスケーラブルな方法はあるでしょうか? 例:口コミを広げてくれる熱心なファンコミュニティ、独占的な流通チャネル等
Dollar Shave Clubの新登場のビデオは顧客成長を大きく加速しましたが、製作費はわずか$4500でした。バイラルなビデオは圧倒的な強みというわけではありませんが、安価にブランド認知を上げ、DSCが最初にスケールに到達するのに貢献しました。
2. ブランド
防御性としてのブランドは多くの企業に存在します。しかし全てのブランドカテゴリが、強いブランド構築に向いているわけではありません。また、ブランド防御性はベンチャー投資のタイムフレームでは評価が難しいものです。
/防御性としてのブランドは、ブランドにアイデンティティやコミュニティの感覚が絡んでいるような、購入にエモーショナルな要素が大きく関わるカテゴリーでよく機能します。例:健康関連や化粧品といった、憧れ感をそそるカテゴリーなど。
Glossier/シャネル/La Mer等の製品をホワイトラベルすれば、内容が同じものだとしても女性たちはそれほど熱望しないのではないでしょうか。ブランドとアグリゲーターの間のパワーバランスの移行、およびどこに機会があるかに関する私の一連のツイートをご参照ください。
1/ Consumers increasingly trust Amazon, Stitchfix, and other aggregators to sort and surface the best products, which diminishes the importance of individual manufacturers. This means the algorithm is the new consumer brand--signaling trust and quality.
— Li Jin (@ljin18) August 7, 2018
Li Jin @ljin18
1/ 消費者はますますAmazonやStitchfix、その他アグリゲーターが最も良い製品を整理して選定してくれることを信頼し、それにより、個別のメーカーの重要性が低下します。これはアルゴリズムこそが新たな消費者ブランドであることの表れです。それは、信頼性と品質を示しているのです。
3. 製品
スタートアップには、他社が作れないような独自の製品を作るという意味での防御性があるでしょうか?より良いデザイン、より深い消費者理解、製造上のモート(強固な強み)などに基づくような?
一例として、Hubble Contactsはコンタクトレンズ市場のほとんどがわずか数メーカーに支配されていることに気づきました。Hubbleは供給業者と独占的な関係を確立することで、他のコンタクトレンズスタートアップがアメリカでスケールすることを阻止しました。
4. ネットワーク効果
ネット通販では様々な形のネットワーク効果が存在します。マーケットプレイスは売り手と買い手が増えれば増えるほど改善するのは明らかです。
しかし単独の小売業者やブランドもネットワーク効果を持つことは可能です。Stitch Fixの予測・推奨アルゴリズムは、スタイリストが顧客のために選んだアイテムを顧客が見るたびに改善され、リテンションとLTVの向上につながります。
5. スケール効果
Amazonはスケールメリットで成功している小売業者の典型例です。スタートアップの例としては、Rent the Runway(RTR)は高価なデザイナーアパレル製品やアクセサリーを買い上げ、複数顧客への複数回レンタルすることによりそのコストを償却しています。
スケールメリットにより、RTRは利用率を高め、在庫を拡大し、価格を下げることができ、他の女性向けレンタルスタートアップの競争力を弱めています。
全ての会社が以上の全てに「イエス」と答えられるわけではないでしょうが、満たす項目が多いほどより強いチャンスを秘めていると言えるでしょう。
また以下の要素も互いに関係します:一つの観点からの強みは別の弱みを埋め合わせることができます。大きなカテゴリーでの製造上の圧倒的な強みは、愛されるブランドの構築の重要性がより低いことを意味します。強みのある流通を持つことは、それ自体が投資対象となりえます。
もちろん、すごい会社を作ることや投資判断を行うことにはわずか5つの要素以上にも様々な微細な要素が関わってきます。すごいネット通販会社を作れるワクワクするようなチャンスがまだたくさん残っていることは明らかです。もしあなたがそのようなことに取り組んでいるなら、ぜひお話ししてみたいと思います!
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記事情報
この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文: 5 Things to Look for to Make E-commerce Startups Work (2018)