スタートアップのオペレーション (Startup School 2014 #14)

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本日は会社の運営(オペレーション)についてお話ししたいと思います。

これまでの講義をいくつか見てきましたが、ここまで学んできた皆さんは非常に有能な人材を多数採用し、少なくとも一部の人に愛されるプロダクトを作り、願わくはいくらかの資本を集めて起業しようとしていると思います。プロダクトを開発し、会社を設立しようとしていると思います。

会社作りはプロダクト作りより困難

そこで私が申し上げたいのは、会社作りはプロダクト作りより遥かに困難であるということです。その基本的な理由は、人は実に不合理なものだからです。

そのことは私たち自身がよく分かっていると思います。皆さんの両親や配偶者、恋人、兄弟、姉妹、先生などにも不合理な人がいることでしょう。会社作りとは、いわば自分が知っている不合理な人全員を1つの建物に入れて、その人たちと少なくとも1日12時間一緒に過ごすようなものです。

これは非常に困難なことです。ですが、この問題にうまく対処するためのいくつかのテクニックがあります。それが得意な人がいればそうでない人もいます。しかし、それこそが会社運営の本質なのです。

起業はエンジンづくり

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起業するということはエンジンを作るようなものです。

まずホワイトボードに図面を書いて設計します。書き上げたものは非常に綺麗で美しく見事なものに見えるでしょう。

図面で綺麗でも、実際にはぐちゃぐちゃ

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しかし、それを実際に作り上げると、このように見えます。ダクトテープでくっつけているような状態です。バラバラにならないようにするには多くの人の努力が必要になり、それこそ人が週に80~100時間働く理由なのです。

バラバラにならないよう維持していくには壮絶な努力が必要になります。なぜなら、皆さんのエンジンにはまだピカピカの金属パーツがないからです。

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皆さんが最終的に目指すべきは超高性能のマシンです。何か起きないかと毎時、毎分心配する必要のないマシンです。

eBayにいた時、私たちは冗談で「火星人がeBayを乗っ取っても、世間に気付かれるまで6か月は掛かるだろう」と言っていました。皆さんは最終的にそういう状態を目指す必要があります。

かつてWarren Buffettが言ったように、馬鹿でも経営できる会社を作ることです。

馬鹿でも経営できる会社を作る

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なぜなら、いずれはそうなるからです。つまり、皆さんが作るべきは馬鹿でも操縦できる高性能のマシンなのです。

リーダーの役割は組織のアウトプットの最大化

では、リーダーとして皆さんがすべき仕事、自分の役割とは何でしょうか?

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厳密に言えば、そのことについて書かれた本はこれまで1冊しかありません。それは随分昔の1982年にAndy Groveが書いた本ですが、同書はベストセラーとなりました。

その中で彼は、リーダーの仕事とは「組織のアウトプットを最大化すること」と定義しています。組織とは皆さんが責任を負っている組織のことです。

CEOはあらゆることに責任を負い、VPは組織の一部や周囲の組織に責任を負います。VPEなら、実際に影響力を有するプロダクトチームやマーケティングチームのパフォーマンスに責任を負うことになるでしょう。これが人を評価する方法であり、インプットではなくアウトプットを注視する必要があるのです。

活動を測定するのではなく、活動と成果を区別することを謳った古い格言に、「成果のみを測定せよ」というものがあります。これは実に素晴らしいことのように聞こえます。大きな組織全体を管理してアウトプットに「責任を負う」ことに興奮を覚える人もいるかもしれません。

しかし実際には、本日皆さんに学んでほしいことは、スムージーを注文したり、受付係に正しい電話応対の仕方を教えたり、社員のために時給10ドルでTaskRabbitとして働くようなことなのです。それをこれから説明していきます。

起業当初はトリアージ

まず、起業当初はすべてのことがゴチャゴチャしているように感じられるでしょう。それで良いのです。プロセスや予測可能性が多すぎるなら、イノベーションの速度や創造性が十分でないのかもしれません。

日々新たな問題が生じているように感じられるでしょう。

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そのような時にリーダーがすべきことは基本的にはトリアージ(現存する限られた資源で重要度に応じて対応の順番を決めること)です。

つまり、問題と思えるものでも実際にはただの風邪で自然に治ることもあります。誰かがあれこれと悩んでいても、それが風邪であればストレスを感じたり自分の時間をそれに費やしたりするようなことはしてはいけません。

一方で、風邪のように見えても、緊急治療室の患者のように適切な診断をしなければ命にかかわることもあります。本日の講義で皆さんにお伝えしたいのは、どのような場合が風邪で、どのような場合が命にかかわる可能性があるのかを考えるフレームワークです。

編集のメタファーで考える

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私がSquareで学んだもっとも重要なことの1つが編集というコンセプトです。

これは私の14年間の経営経験の中で目にした、運営の仕方やリーダーの仕事に関する考え方のもっとも優れた例えです。これは自然な例えですので、簡単に日々の仕事に当てはめたり、社員全員に伝えて、「自分がしていることは執筆か編集か?」ということを理解させたりすることができます。

また、自然な構造なので、誰かから何か仕事を頼まれた時に「自分がしているのは執筆か編集か?」と大体理解できます。つまり、編集者というのはリーダーの仕事を表すもっとも良い例えなのです。では、編集で行う具体的なことを説明しましょう。

1. 添削をする(削除する)

編集者がまず行うことは、皆さんもきっと学校でTA(授業助手)にレポートを出したり友達にドラフトを出したりした時に経験していると思いますが、赤ペンを取り出して、現在ではオンラインでの作業になるのでしょうが、添削することです。

基本的には削除することで、編集者の最大の仕事はとにかく単純化すること、つまり省略することです。

チーム全員のために物事を明確化、単純化することがリーダーの仕事なのです。単純化すればするほど、社員のパフォーマンスは向上します。長々と複雑なタスクを与えても人はそれを理解して覚えていることができません。

ですから、1つ、2つ、あるいは3つのことに絞り込んで、社員が反復できる、考えずに反復できる、仲間に反復できる、夜に反復できるようなフレームワークを作る必要があります。

複雑だからという言い訳を受け入れてはいけません。多くの人が「これは難しすぎる」、「複雑すぎる」、「他の人は単純化できるかもしれないが私には無理です。これは複雑な仕事なので」といったことを言うでしょう。

それは間違っています。

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世界はたった140文字で変えることができるのです。

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非常に簡潔なコンセプトで歴史上もっとも重要な会社を作ることができるのです。

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50文字未満でプロダクトを売り込むことができるのです。

これらと同じように会社を作れない理由はありません。つまり、あらゆるイニシアティブ、あらゆるプロダクト、あらゆるマーケティング、自身が行うあらゆることを単純化するよう自分に強要するのです。赤ペンを取り出して物事を削除してみてください。

2. 明確化する(質問をする)

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編集者が行う2つ目のことは、明確にするための質問をすることです。

誰かに論文を提出する時、いつも何を言われますか?相手は曖昧な部分を見つけて、「ここはどういう意味なのか?」、「そこはそういう意味だったのか?」、「この例を挙げてくれないか?」と聞いてきます。これがリーダーの仕事なのです。

ミーティングで社員はリーダーの顔を伺っています。そこでリーダーがすべきことは、沢山の質問をすることです。

「これは週7日試すべきか?それとも6日か?」といったシンプルで基本的な質問の場合もありますし、「当社の競争優位性はどこにあるか?」のような根本的な質問の場合もあります。

私たち投資家もこれと同じことを行っています。中には、非常に沢山のことについて山ほど質問をして、終わりのない勤勉を強いる投資家もいるでしょう。私たち投資家は「この会社にとってもっとも重要なことを1つ、2つ、3つ、4つ挙げるとすれば何か?」と絞り込もうとしているのです。

そしてそれらのことだけにフォーカスします。そうすることで、私たちはより決定力を持って素早く決断を下せるようになります。そして私たちに邪魔されることなく起業家は会社作りという日々の仕事に集中できるようになります。

しかし、投資家はあらゆる詳細やデータを持っているわけではないので、より本質に迫った質問をしがちなのだと思います。起業家にとってこれは大変なことですが、習得する必要があることです。

しかし、Andy Groveによれば、これを習得して各段階で削除をすることで、パフォーマンスを30~50%向上させることができます。

3. リソースを配分する

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次にすべきことは、リソースの配分です。

編集者が常に行っているのが構成です。中東から編集者を連れてきて中東ネタを扱い始め、やがて彼らをシリコンバレーに引っ越しさせます。なぜなら、シリコンバレーがより面白い場所だからです。あるいは、スポーツ雑誌や他の出版物の分野で競争したかったら、彼らをスポーツ部門に異動させます。

つまり、多くのリソースや人を集めて「こっちに行くぞ、ここで競争するぞ」というのがトップダウンです。あるいは、次の月、次の四半期、次の年に中東ネタが退屈になり始めるとこれ以上扱いたくなくなり、「別のネタを追い掛けよう」ということになります。一方、記者が独自の記事を考えるような場合がボトムアップと言えます。

皆さんと一緒に働く人は多くの場合自ら進んでアイデアを考え出す必要があります。Googleの記事を書く記者は耳にした面白いネタを1~2個まとめて、編集者に承認を求めます。編集者が「Googleを取材してきなさい、こういう視点のネタだ」と言うのではありません。たまにそのようなこともあるかもしれませんが、記者が慣習的に行っていることではありません。

編集者の目標は、日々使用する赤ペンの量を減らすことなのです。つまり、何が重要で何が重要でないか、何故いくつかの物事は重要でそれ以外は重要でないのかについて、皆さんが同僚とうまくコミュニケーションや会話ができているかを測る1つの方法は、1日にどれだけの赤ペンを入れているかなのです。

赤ペンで修正だらけの不運な日があっても構いません。しかし、赤ペンを入れる箇所が今月より来月、当四半期より次の四半期と増えていってしまってはいけません。つまり、どれだけ赤ペンを入れているかを自分の測定基準とするのです。

4. 首尾一貫した内容にする

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編集者の仕事において、多くの人にとってはあまり直感的ではないものの、非常に重要なもう1つのポイントは、首尾一貫した発言をすることを徹底するということです。

『The Economist』を読むと、主張が一貫していることに気付くでしょう。『The Economist』のどの記事や投稿を読んでも、同じ人物が書いているように感じられるのです。理想的には、会社はウェブサイトであれ、プレスリリースであれ、実製品を扱う会社であればパッケージであれ、求人ページであれ、1人の人物が書いているように感じられるようにすべきです。

これは極めて難しいことで、最初はすべて自分で書きたくなるでしょう。立ち上げ当初は創業者自身がそうするのは構いません。しかし、いつまでも自分自身ですべてを一貫した主張に編集することはできません。主張の違いを見極められるよう社員を訓練する必要があります。

あるウェブサイトが求人ページとまったく違うように見えるとしたら、「なぜこうなっているのか?」、「報告機能が働いていないのか?」、「リーダーの誰かが会社の主張を理解していないのか?」と疑問に思うでしょう。

こうしたことは時間を掛けて修正していかなければなりませんが、すべてのことが同じように感じられるようにするという目標から始める必要があります。これを実践することは非常に難しく、ほとんどの会社で一貫していない部分が1つはあります。

Appleはこれを正しく実践していることで広く知られていますが、Steve Jobsが会社を率いていた時代でさえ、Appleの社員に「採用に関する社内ツールはAppleのプロダクトらしいか?」と尋ねたら、全員が「ノー」と答えたでしょう。100%一貫させることはできないかもしれませんが、できる限り100%に近づける必要があることは確かです。

5. 権限委譲する

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次の複雑なトピックは権限委譲です。

編集に関する他の例えのように、世の中の大半の仕事をしているのはライターであり、出版物のほとんどは編集者が書いているわけではありません。これは会社にも当てはまることで、リーダーが大半の仕事をすべきではありません。多くの仕事から逃れる方法は権限委譲をすることです。

権限委譲で問題となるのは、実際にはリーダーがあらゆることに責任を負っていることです。

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CEOや創業者に弁解は許されません。「あの部門の、この人のせいで失敗したのだ」とは言えないのです。リーダーは常にあらゆることに責任を負っていて、物事が上手くいっていない時は尚更です。

では、権限委譲しつつ責任を放棄しないためにはどうすれば良いのでしょうか?

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これは実に難しい問題で、権限委譲し過ぎて責任を放棄してしまうことも、あるいは細かいところまで管理し過ぎることもよくありません。

では、これを解決するためのいくつかのテクニックを紹介しましょう。

タスク習熟度に応じたマネジメントの方法の変化

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まずお話ししたいのはタスク習熟度です。これは実は、Andy Groveの著書『High Output Management』(邦題:HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント)人を育て、成果を最大にするマネジメント)で説明されている概念です。

この一風変わったフレーズは「この人はこの作業を以前に行ったことがあるか?」という意味で、人が何かをする際の習熟度を表す実にシンプルなものです。

これまでにまったく同じタスクを多くこなしている人ほど、その人のロープは長くなり自由度が高まります。また、何か新しいことに多く挑戦する人ほど、指示を受け常に監督されるようになります。これが基本的なコンセプトですので、頭の片隅に入れておくと良いでしょう。

実に興味深く、急進的とも言えるのは、経営幹部やCEOは1つのマネジメント手法に固執すべきではないということです。マネジメント手法は社員によって変えるべきなのです。

つまり、タスク習熟度が「低い」人には細かい点まで管理した方が良いかもしれませんし、タスク習熟度が「高い」人には大いに権限委譲した方が良いかもしれないということです。

ですから、誰かのリファレンスチェック(経歴照会)をする際、問合せをした相手の半数が「細かい部分まで管理をしていました」と言い、もう半数は「大いに権限委譲をしていました」と言っているのは、おかしな話ではなくむしろ実に良いことなのです。

私も最初はこれをまったく理解していませんでした。私自身がリファレンスチェックをされた際に、人によって全然違う回答があった時は当惑したものです。そしてようやく、私は正しく仕事をしていたのかもしれないと理解できたのです。それ以来、私は他の人にもこの方法を教えてきました。

さらに「どうやって意思決定するか?」ということについて私が思い至った答えがあります。つまり、権限委譲すべきか自分で行うかということです。

リーダーは自分で多くのことを抱え込みすぎるのは良くありません。

意思決定の重要性と確信度のマトリクス

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これは実はPeterから借りたもので、私が人生で初めて目にした2×2のマトリクスですが、彼は私に最低限のことを教えてくれました。

まず、意思決定に関する自分の確信度をマトリクス上の「非常に高い」または「非常に低い」に分けます。何かが間違っていると分かっている時もあれば、そのやり方でやらない方が良いのだろうがその答えが正しいか間違っているか分からない時もあります。

次に見るのが重要性です。間違った意思決定をすれば、自社に壊滅的な結果をもたらし失敗に終わることもあります。一方で、影響が非常に小さく、少なくとも当初は結果的に大した違いにはならないこともあります。

私が確信をもって言えることは、重要性が低く自分の意見に関して自信がまったくない場合は、間違いなく権限委譲すべきだということです。すべて社員に任せ、失敗させてそこから学ばせるのです。

一方、明らかに重要性が非常に高く、自分が正しいという圧倒的な自信がある場合は、自分の部下に失敗をさせてはいけません。その失敗の最終的な責任を負うのはリーダーですし、それは非常に重要な意思決定なのです。そのような失敗は絶対に避けなければなりません。

もっとも良い方法は、なぜそうするのかという自分の考えを説明することです。多忙な時にそのような説明を省略するのは実に簡単ですが、少なくとも努力することが非常に大切です。

私がLinkedInにいた時、素晴らしい才能の持ち主なのですが、私が彼の意見に同意しないと時々苛立つ同僚がいました。

私はかなりの時間を費やしてこうした意思決定に至った理由を彼に納得してもらおうとしましたが、私の説得が上手くいかなかった時に彼が決まって言ったのが「分かりましたよ、あなたがボスですからね」という台詞でした。

そういう時、私はこれまでの信頼関係を燃やしているような気分でした。彼からその台詞を聞く度、私は実にきわどい一線を画しているようなもので、何度か同じようなことが起こればその一線を越えていずれは逆効果になると分かっていました。そういう時はこれが何回目かと数えておく必要があります。

これに関連してSquareであった例をお話ししましょう。私が世界でもっとも好きな人間の1人であり、最初のマーケティングスタッフとして私が2番目に採用したのがKyleですが、彼がInner Squareというプログラムを考案しました。

これはSquareのマーチャントにSquareを配布させるもので、イメージとしては屋外の移動式屋台に10個のSquareが並べてあって自由に持っていけるといった具合です。Kyleが考案したこの優れたアイデアは、Squareがまた別の人にSquareを広めるという素晴らしいマーケティングプログラムでした。

この当時Squareはある程度のブランドになっていたため、このプログラムを実行してみてもそれほど無残な結果にはならないだろうと思いました。また、10個のSquareはさほどコストが掛からなかったため、会社としては財政的に実行する余裕もありました。

しかし、当時私の10年の経験から、このプログラムは自社の測定基準から判断して十分に有意義な規模になるとは思えず、やらないほうがいいだろうと私は思っていました。

しかし、Kyleはこのアイデアに夢中だったので、彼の好きにさせることにしました。そしてプログラムを精査した彼は、これは十分な規模にならないこと、会社に大きな価値をもたらさないことを理解しました。すべてのSquareの発送方法を考え実行するのに物凄く複雑なオペレーションが必要になることが分かったのです。

しかし、このおかげで彼は自分の仕事に夢中で取り組み、今後のためのアイデアの煮詰め方を学ぶことができました。つまり、彼に「失敗」をさせることに大きな意味があったのです。

6. チームの編集をする

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リーダーが次にすべきこと、そしてもっとも重要なことはチームの編集です。

チームとは自分と一緒に働く人々のことですが、完璧なチームを持つ人はいないでしょうし、そういう形で起業できる人もいないでしょう。そこで私が試みているのは、チームの編集において成功の可能性を最大化することです。

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私が気に入っているのがこの砲身と弾薬という概念です。

Samが講義の中で採用は後回しにすべきと指摘していた点ですが、大半の企業は多くの人を採用する段階に達した時、人を増やせば会社のプロダクトを世に送り出す馬力や速度が増すと期待します。

しかし、そううまくはいかないものです。多くのエンジニアを採用しても成果は上がらず、実際には成果が下がる場合もあります。多くのデザイナーを採用しても日々の成果は上がらず、実際には成果が下がるかもしれません。

その理由は、優れた社員の大半は弾薬のようなものだからです。しかし、会社に必要なのは砲身なのです。

方向性を定める「砲身」の人材を見つける

射撃は会社独自の砲身があって初めて可能になるものであり、会社の速度を上げるには砲身を揃える必要があるのです。そして弾薬を詰めることで、多くの射撃が可能となります。

ほとんどの場合、起業時には砲身は1門しかありません。これが2門になれば1日、毎週、毎四半期にできることは倍になります。砲身が3門になれば素晴らしいですし、4門になれば最高です。

砲身は見つけるのが非常に難しいものです。しかし、砲身のような社員を手に入れることができたら、彼らに多くのエクイティを与え、昇進させ、毎週ディナーに連れていくことです。

なぜなら、彼らはまさにかけがえのない存在であると共に、自社の文化に特別な存在でもあるからです。つまり、重要となる砲身は会社によって異なるのです。

砲身の定義を1つ紹介しますと、着想をアイデアに昇華させて、それをプロダクトとして世に送り出し、人を率いていくことができる人々と言えます。これは非常に文化的なスキルセットです。

砲身となる人の見分け方

皆さんの頭にはおそらく2つの疑問が浮かんでいることでしょう。まず、砲身となる人をどう見分けるのか?

それは、非常に小さな責任の些細なことから始めることです。例えば、毎晩9時にオフィス内のエンジニアに冷たく新鮮で美味しいスムージーをご馳走するといったことです。これは実際にあった事例です。

私が頭を悩ませていたのは、当社のエンジニアは一生懸命に働いていて、スタッフの20%~30%は残業していました。私たちはすでに夕食の差し入れをしていましたが、私は何か素敵なもので彼らを労いたいと思っていました。アルコール類も悪くなかったのですが、それも少々面倒です。

そこで、社員のエネルギーを奪うピザよりももう少し良いものとしてスムージーを思い付きました。しかし、きっかり9時に冷たくて美味しいスムージーをエンジニアが見つけ易い場所に置いておける者は誰もいませんでした。

シンプルな話と思われるでしょうが、この問題の解決は実に大変でした。当時私たちの会社にはインターンが来始めていて、私の記憶では来て2日目のあるインターンにこの問題を説明したところ、「私がやります」という返事がありました。無理だろうと思いつつ、私は彼を観察していました。オフィスマネジャーも私のアシスタントも惜しいところまでいきましたが失敗していた問題であり、上手くいくはずがないと思っていました。

するとどうでしょう、スムージーが置かれていたのです。時間通りに冷えた状態で正しい場所にです。私はまず素晴らしいと思いました。スムージーのことではなく、このインターンにはもっと重要で複雑な仕事を頼むことができると思ったのです。

それがまさに社員一人一人に毎日すべきことです。耐えられなくなるまで責任の範囲を拡大させていくことです。誰でも耐え切れずに壊れる時があります。私が世界を支配できないように、人には扱うことができる複雑さのレベルがあります。

そしてリーダーがすべきことは、耐えられなくなる所まで責任を拡大させていくことであり、それがその社員が担うべき役割の範囲であり、高度化のレベルなのです。

しかし、社員の中には驚かされる行動を見せる者や予想もしていないことをする者もいます。社員は皆異なる経歴を持っていて、豊富な経験を持っていなくても非常に複雑なタスクをこなせる人もいます。ですから、社員を試し続けて、彼らの限界に挑むことです。

採用した時に注目すべきもう1つのシグナルは、開放的なオフィスの場合、誰が誰の机に行っているかということです。特に注意すべきは、誰かが上司でない別の社員の机に行っている場合です。

直属の部下でない者が常に集まってくる社員がいるとしたら、これは「この人は自分を助けてくれる」と信頼を寄せられているサインです。こうした場面がよく見られるのであれば、他者から頼られている人物こそ砲身ですので、昇進させ、可能な限りチャンスを与えることです。

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社員に関してよく聞かれる質問は、「誰かの上司を採用する時期は?」、「メンターとなる時期は?」、「誰かを入れ替える時期は?」というものです。

これらに関する考え方としては、すべての企業や個人には独自の成長率があるということです。つまり、成功している会社としてLinkedInを例にしますと、LinkedInは常に非常に直線的な会社で、このように急成長したことはありませんでした。

例えば、私はLinkedInが立ち上がって18か月後に入社したのですが、その時点のユーザー数はわずか150万人でした。これはソーシャルプロダクトとしては非常に小さな数字です。

また、私は27番目に入社した社員でしたが、2年半後に退社する時の社員数はわずか57人でした。一方、私がSquareに20番目に入社した2年半後には社員数は250~300人でした。

企業によってこの曲線上の成長速度は異なるのです。このように急成長している会社の場合、個人の学習速度がそれと同じように非常に速い社員にだけ役割を任せることができますし、反対に会社の成長がこのように緩やかな場合、それよりも速く学習していれば、その社員にはこれまでと同じ役割を与えることができます。つまり、社員個人の学習曲線と会社の成長率を常に把握しておくことです。

さて、皆さんは砲身となる社員をやっと見つけ出しました。自分の頭の片隅にあるアイデアを実行し得る社員を発見できたら、あとはそのアイデアを精査し、実行し、プロダクトとして世に送り出すのみです。

では、それらの砲身をどこに向けるべきでしょうか?

フォーカスを徹底する

私が言いたいのは、リーダーは社員に多くの時間を費やす必要があるということです。これは私が実際にPeter Thielから学んだことです。

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PayPalにいた時、彼は「1人ができることはまさに1つしかない」と言っていました。私たちは皆、社員全員がそのアイデアに反対していました。それはあまりに不自然で、1人が複数の仕事をしている他の会社とは全く異なっていたからです。とりわけ昇進するにつれてより多くの仕事を任されたいと思いますし、1つのことだけするよう命じられたら屈辱を感じるでしょう。

Peterはこれを実に厳格に実行していました。彼は「私が命じた1つのこと以外で君たちと話すことはない。他のことをどれだけ上手くやったかなど聞きたくない。話はおしまいだ」と言って立ち去ったでしょう。そして、その1つの問題を解決するまでフォーカスしろというのです。

これが何を意味するかというと、大半の人は自分が解決法を理解している問題を解決しようとしがちです。大まかに言いますと、人はA+の問題ではなく、B+の問題を解決しようとします。A+の問題は自社にとって大きな影響を及ぼすものの困難な問題であり、朝起きて急に解決策を思い付くようなものではないため、先延ばしにされる傾向があります。

朝起きて今日すべきことをリストアップする姿を想像してみてください。リストの一番上にはA+の問題を書くでしょうがそれに取り組むことはなく、2番目や3番目の問題を解決するものです。社員100人超の会社でこれが連鎖的に行われると、常にB+の問題を解決している会社になってしまいます。

それでもある程度成長し、価値を生み出していますが、飛躍的なアイデアが生まれることはありません。しかし、問題が解決できるまで日々自分の頭を壁にぶつけながら100%の時間を使っている者は誰もいないでしょう。

私が強くお勧めするのはこのPeterの例よりいくらか節度のある方法です。それほど厳格に実行するのではなく、社員に3つの仕事を与えても良いと思います。ただし、1人に1つの仕事しか与えない時に何が起こるかという考え方は常に頭に入れておくべきです。

メトリクスと透明性

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こうした意思決定のすべてをリーダー自身がすべきではありません。社員がリーダーと同レベルの意思決定ができるようにするツールを作る必要があります。どのようにしてスケールさせ、活用させればよいのでしょうか?

ダッシュボードを作り、メトリクスを示す

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私がお勧めする最初にすべきことは、ダッシュボードを作ることです。これは昔Squareで使われていたダッシュボードで、現在でも十分通用するように思えます。ダッシュボードの構成は創業者が考える必要があります。

メトリクス=自社の重要なポイントを示す

自社の成功のための測定基準となる価値ある提案を単純化して、ホワイトボードに書き出します。他の者にダッシュボードを作らせても構いません。しかし、「自社にとっての成功とは何か?」、「成功するための重要なインプットとは?」といった根本的な部分は創業者が立案しなければなりません。

それに基づいてカスタマーサポートを含む社内の一人一人が直感的に使用できるものを作ってもらいます。そして、社員がそのダッシュボードを日々どのくらい使っているかが成否の主な測定基準となります。

実際に有効な場合は100%に近くなるはずです。100%になることはないかもしれませんが、そのレベルを把握しておく必要があります。ユーザーに関するKPI(主要業績評価指標)である品質スコアと同じで、ダッシュボードはユーザーに対するプロダクトと同様に直感的である必要があります。

透明性

もう1つのコンセプトが透明性です。透明性はあらゆる人が目指すべき目標としてよく語られていますが、実際に遵守できている人はほとんどいません。

ではまず透明性とは何か、そして透明性のいくつかの段階について簡単に説明しましょう。第1のステップは測定基準を作ることです。つまり、社内の全員が現在自社で起きていることにアクセスできるようにする必要があります。

取締役会の資料を共有する

私がお勧めするのは、取締役会用の資料を使用することです。組織が出来上がっていくと、取締役会用の資料は複雑になっていきます。取締役会後に、すべてのスライドを社員一人一人に確認させるのです。

必要であれば報酬に関する情報は省略しても構いませんが、他のスライドはすべて社員全員に見せて説明する必要があります。取締役会でフィードバックがあった場合は、それらを社員に伝える良い機会となるわけです。

私たちがSquareで行ったことをもう1つ紹介しますと、会社がスケールした時、すべてのミーティングに全員が呼ばれるわけではありませんでしたので、皆すべてのミーティングに参加したいと思っていました。それをスケールさせるには、すべてのミーティングに関して記録メモを取り、全社に配布することです。

そこで私たちは、2名以上が出席するすべてのミーティングについて誰かが記録メモを取り、全社に配布したのです。そうすることで、会社が大きくなっていっても、社内の興味深いこと、現在起きていることをフォローできていると感じられるようになり、疎外感を抱くことが無くなったと思います。

些細な動きを見えるようにする

もう1つは、会議室で起きている些細なことにも気を付けることです。Squareの会議室の壁はすべてガラス張りになっています。その理由は、普通の壁の場合、人は中で何が起きているか気になって仕方がないからです。

誰がミーティングに出席しているか、誰と誰がいつミーティングしているかが一目瞭然なのは実に素晴らしいことであり、こうすれば密室で何が起きているのかと社員が気を揉むことを極力減らすことができます。

皆さんもStripeのブログ投稿を目にしたことがあるかもしれません。メールの透明性についてPatrickが書いたブログで、Stripeでは社員全員がメールにアクセスできるようにしているというものです。これは実に斬新な手法ですが、一定のメリットがあります。

皆さんがここで見聞きしているあらゆる戦術は最小限の実行可能な透明性であり、もっと推進させることができると私は思います。

実際にSteve Jobsは、Nextで報酬の透明化を試みました。Nextでの試みは上手くいかなかったとしても、失敗した本当の理由は報酬の透明性とは別のところにあったのだと私は思います。

報酬の透明化には多くのメリットがあります。「社員にはチームメイトとして協働してほしい」という理由で、報酬の透明性が批判されることがあります。しかし、実際にチームメイトとして協働しているスポーツ界では選手の報酬はすべて公表されており、誰もが選手の報酬を正確に知ることができます。そうすることで上手くいっているのです。ですから、報酬を完全に非公開にする必要があるとは思えません。

メトリクスの設定方法

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最後は測定基準についてです。物事を測定する時は、インプットではなくアウトプットを測定する必要があります。そして繰り返しになりますが、測定基準は自分で設定し、自らダッシュボードの草案を考えて、これらすべてを連係させる必要があります。

指標を一対にする

重要なコンセプトの1つは指標を一対にするということです。

1つのことしか測定しないと、企業はそのためだけの最適化を行う傾向にあります。そしてその場合、別の重要な何かが犠牲になることが多いのです。

コストの指標になるものは支払いであり、金融サービスの指標になるものはリスクです。リスクチームに「不正発生率を下げたい」といった目的を与えるのは実に簡単です。

これは素晴らしいことに聞こえますが、リスクチームが不正発生率を下げたいがために、対象者のユーザー一人一人を容疑者扱いするとしたらどうでしょう。そして、リスクチームは皆さんにユーザーに電話を掛けてさらに情報を提供してもらうよう求めてきます。そのようなことをすれば不正発生率は世界最低になりますが、顧客満足スコアも最低レベルになってしまいます。

不正発生率と同じ割合で測定すべきは偽陽性率です。これによりチームがイノベーションを強いられることになります。同様に、採用担当者に採用に関する測定基準を与えることができます。

するとどうなるでしょうか?多くの人が面接に来るでしょうが、面接官の質を継続的にチェックしていないと採用する人や面接をする人の質が非常に不満足なレベルになるかもしれません。

ですから、常に反対の基準を設けて両方を測定する必要があるのです。そして、そのチームに責任を負っている人も両方について測定される必要があります。

例外に目を向ける

メトリクスに関する最後の話をしましょう。

私がこれまでのキャリアで得た洞察の1つは、リーダーは例外に目を向ける必要があるということです。予想できる行動は注視すべきではありません。

PayPalの有名な事例を紹介しましょう。PayPalが参入を計画していた市場リストのトップ10にeBayは入っていませんでした。ある日、54人のセラーがeBayのリスティングに「PayPalでの支払い希望」と手書きしていることに誰かが気付き、これを当時のエグゼクティブチームに伝えました。

エグゼクティブチームの最初の反応は、「一体何が起きているんだ?彼らをシステムから排除しよう。これはフォーカスすべきことではない」といった具合でした。

幸いにもDavid Sacksがその翌日やって来て、「PayPalの市場を見つけたぞ。彼らのようなパワーセラーにリスティングへ「PayPalでの支払い希望」と記入させるのではなく、彼らのためのツールを作ろう。挿入可能なHTMLボタンを付けるのはどうだろう?」と言いました。これが実に上手くいったのです。

そしてDavidは、「なぜ毎回挿入する必要があるのか?自動的に挿入されるようにしてはどうか?」と考えました。そして、1度挿入すればすべてのリスティングに自動的に毎回挿入されるようにしました。これはPayPalにとって大成功となりました。

同様に、私がLinkedInにいた時、私にとって全然意味が分からない統計データを目にしました。当時のサイトのUIは今と少々違っており、ホームページからの全クリックの25%、もしかしたら35%がユーザー自身のプロフィールに入るためのものでした。これはまったく理にかなっていませんでした。プロフィールは設定の中にあり、ユーザーは余白にあるリンクをクリックしなければならなかったのです。

これは全クリックの25~35%という異常な規模であり、完全に無意味なものでした。私はこのような働きをするUIを見たことがありませんでした。

私は何週間もこれはどういうことかと考えていたところ、ある賢い人物、つまりMax Levchinが「これは自惚れだ」と言いました。私は「そういうことか。ユーザーは鏡の中の自分を見ているのだ」と分かりました。これは実に素晴らしい答えです。なぜなら、彼らは自分のプロフィールを編集していたわけではなかったのです。プロフィールを毎日編集する人はいません。しかし、彼らは日々鏡の中の自分を見ていました。そうすることでいい気分になれたのです。

そこで「コンテンツが増えれば鏡の中の自分をもっと頻繁に見るだろうか?」、「推薦の言葉が多ければ鏡の中の自分をもっと頻繁に見るだろうか?」というテストをしたところ、そうであることが分かりました。

私たちは、チームが実用的なものとして作っていたプロダクトには、実は感情的な虚栄心が潜んでいることが分かったのです。しかし、PayPalの例のような最適な機能を開発することはできませんでした。自分の自惚れ度のようなボタンをホームページ上に付けることはできなかったのです。もし付けたとしてもうまくいかなかったでしょう。LinkedInはPayPalの例のように大成功とはなりませんでした。

しかし、このことでユーザーが本当に求めているものが明らかになりました。私たちは異常なデータに目を付けなければそれを理解できなかったでしょう。

細部に神は宿る

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私がご説明したい最後のトピックは細部です。私が指定した参考文献の中に、Bill Walshが執筆した『The Score Takes Care of Itself』という名著があります。同書の主旨は、「あらゆる細部を適切に行っていれば、10億ドルのビジネスの作り方や収益10億ドルの稼ぎ方、10億人のユーザーの集め方を気にすることはない。それらは細部を素晴らしいものにするための日々の仕事の副産物である」というものです。

彼の著書の中で私が大いに共感したトピックは、彼が1979年にSan Francisco 49ersのヘッドコーチに就任した時の話です。このチームはNFLで最下位でした。アメリカンフットボールを知らない人のために説明しますと、2勝14敗という成績は実に酷いものです。しかし、彼は10年でこのチームをスーパーボウル3回制覇というNFLでも屈指のチームに成長させました。

最下位のチームを様々な方法で最高のチームへ変えるために彼はまず何をしたのでしょうか?

それは、正しい電話の応対方法を受付係に教えることでした。彼は電話の応対方法をまとめた3ページにもわたるメモを作ったのです。

これは不条理な話に聞こえるかもしれませんが、ここで重要なのは組織全体があらゆることを正しく行うということです。レシーバーは8ヤードではなく7ヤードを走るようになります。これが実に重要なのです。

チーム内の全員が同レベルのパフォーマンスを上げるメリット

チーム内の全員が同レベルのパフォーマンスをすれば、最高レベルのパフォーマンスができるチームになります。最高レベルのパフォーマンスができるチームは、最高のプレイができるようになります。これを企業に当てはめてみると、重要ではない、一見重要だと思われないような多くの細部について同じことが言えます。

大半の人は、ユーザーと接する時に細部が重要になると思っているでしょう。しかし、本当に重要なのは、ユーザーに見えない部分なのです。有名な話ですが、Steve JobsはMacの回路基板は完璧なものでなければならないと強く主張していました。この逸話は様々な本で紹介されています。

ここにいる皆さんの大半はMacを覚えていないかもしれませんが、見たことがある人はいるかもしれません。Macは開けられないようになっているのです。世界中の誰もその回路基板を見ることができません。Appleで働く人以外はMacを開けることができないようになっていたのです。

SteveはMacの回路基板は完璧かつ美しいものでなければならないと力説していました。こうした細部に対する強いこだわりが、このような企業を作る時に必要となるのです。

皆さんにとって回路基板より多少実用的かもしれない事例が、「社員にどんな食べ物を提供するか?」というものです。これは皆さんが想像するよりも重要なことです。提供された食べ物を気に入らない時、社員は何をするでしょうか?

彼らは噂話をし、仲間に不満を漏らし、誰かの机に向かいます。そして突然、文句を言っているその昼食がブレーンストーミングではなく噂話と不満に大半の時間を費やす場になってしまうのです。そうした場では、思いがけなく生まれたアイデアがひらめきをもたらすような別の思いがけないアイデアと調和されるようなことはありません。社員はただ社内を徘徊して消耗しているだけです。

リーダーができる最善の策は、彼らが求める食べ物、あるいは彼らの生産性を高める良い食べ物を与えることです。

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リーダーとして華々しい仕事を思い描いていたかもしれませんが、実際にはTaskRabbitのように社員のために走り回ることが仕事なのです。

リーダーは社員の気を散らすものを取り除く

リーダーは、社員が高性能マシンとなれるよう、彼らの気を散らすものを取り除いてあげなければなりません。邪魔なものを十分に取り除いて、成功のためのツールを与えれば、組織の生産性は突如として高まるのです。

同様に、多くの人がよく間違いを犯すのがオフィススペースです。オフィスが必要となる時、チームのオフィスマネジャーにオフィスを探しに行かせてしまいます。オフィスマネジャーは写真やアイデアを持って帰ってくるでしょう。

しかし、これはリーダー自身がやるべきことです。社員が日々働くオフィス環境は企業文化に影響します。

手本になるための自らへの質問

では、最後に努力について触れてから質疑応答に移りましょう。

並々ならぬ努力をせずには起業はできず、リーダーは常に手本となる必要があると私は思います。Bill Walshの著書の第1章で彼は「自分がきちんと仕事をしているかどうかをどのように判断するのか?」という質問を投げかけています。

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「あなたが仕事をしているのかどうやって判別するのだろう? もしあなたが毎朝3時に起きてテープレコーダーに録音したり、紙の切れ端にメモを書いたり、胃がちくちくしたり、寝不足になったり、妻や子供と触れ合う機会が減ったり、食欲がなかったりユーモアのセンスを失ったり、すべてが悪い結果になると感じているのなら、あなたはきっと仕事をしているのだろう」

これがその質問の答えを抜粋したものです。

皆さんが日々このように感じているのであれば、おそらく正しい方向に向っているのでしょう。これを見てやる気が失せるのであれば、率直に言って起業すべきではありません。本日の講義は以上になります。

Q&A

では、質問がある方はどうぞ。

報酬の透明化

Q
報酬の透明化という話が出ましたが、特に社員が報酬の額が自分の価値だと思っている場合、どのようにしますか?

A
私なら給与帯で管理するでしょう。社内の全員を同額にすることもできますし、分野一律、エンジニア一律や経験別で分けることもできるでしょう。SteveがNextで採用していた方法は、高給与帯と低給与帯に分けるというものでした。経験が多いか経験が少ないかのどちらかのみです。

低給与帯は現在一律85,000ドルぐらいでしょう。全員一律85,000ドル支払われるのです。経験のあるスーパーバイザーは一律130,000ドルです。これが言わばNextにおけるインフレ対策です。

社員のこだわる細部

Q
食べ物以外で社員がこだわる細部は何でしょうか?

A
彼らが使うノートパソコンです。今では誰もがこのようなノートパソコンを貸与されていますが、5年前まではこれは一例ですが、Dellのマシンと不格好なモニターでコストの最適化を図っていたので、高性能のマシンを与えられることは恩恵でした。

才能が求められる競争的なエコシステムにおいて、非常に優秀で有能な社員に対しては、最高の仕事をしてもらうために最高のツールを与えることです。「社員に成功してもらうためにはどうすればよいか?」、「社員がする必要のない、気を散らすものは何か?」、「1日当たりの生産性を高めるために自分が社員に与えられるものは何か?」と徹底的に考えてみることです。そして、これを日々の行動に当てはめて自分で解決していくことです。

スタートアップはリソースをどこに配分するか

Q
スタートアップ環境ではリソースが限られています。それらを最適化する方法は何でしょうか?

A
良い質問ですね。まず、自分のオフィスを持つ必要があると思います。シェアオフィスは良いとは思えません。

Peterがこのことについて少し触れていましたが、優れたスタートアップとはカルトのようなものです。他人とスペースを共有している時にカルトを創り出すのは実に困難です。なぜなら、カルトとは「自分たちは他のどのスタートアップよりも優れていて、世界中の誰よりも素晴らしく特別な仕事をしている」と考えていることだからです。他人と物理的空間を共有している場合、そのような考えを浸透させるのは非常に困難です。

ですから、まずはオフィスを確保することです。ただし、優先順位を付けるということが重要です。あらゆる面でリソースは限られていますので、問題は自分が注視するゼロの桁です。10ドルの支出は気にしないでしょうが、100ドル、1,000ドル、10,000ドルと桁が増えていき、100万ドルにもなれば丸め誤差が生じて注意を払う必要が出てくるでしょう。

もっとも重要なことは、良い人材を採用するために良い雰囲気の質の高いオフィスを持つということです。なぜなら、新入社員はこの点に非常に敏感だからです。

彼らはオフィスに入ってすぐにその会社の文化を理解します。私もある会社のオフィスに入ると、その会社に投資すべきかすぐに分かります。投資したくない相手に対してはオフィスに入った途端に拒絶モードになってしまいます。

反対に、オフィスに入って「ここはじつに素晴らしい」と感じられる時もあります。社員がどう協働しているか、どれほど懸命に働いているか、どれだけ集中していないかは見分けることができるのです。

Sequoia CapitalのRoelof Bothaは、YouTubeに関して私に重要なことを教えてくれました。私が初期のYouTubeに投資をした時、成功する見込みがあまりないように思えました。すると、RoelofはあるクライアントのためにYouTubeのシリーズA投資を主導したのです。

その後YouTubeの取締役会で同席した時、彼は私に「YouTubeは成功すると思うよ」と言いました。私は「どうしてそう思えるのか?」と尋ねると、彼は「私がポートフォリオ企業のどこかを訪ねると、その社員の半数は昼休みにYouTubeを見ているからだ」と言いました。それは実に素晴らしいことだと私は思いました。こうした小さなことから多くのことを予想できるのです。

社内の信頼を得る方法

Q
新人マネジャーとして社内の信頼を得る最善の方法は何でしょうか?

A
シリコンバレーの優れたマネジャーはほぼすべて、個々のパフォーマンスにより昇進しています。官僚的な文化では、その比率はもっと高くなります。PayPalでは、特定の分野に精通する社員のみ昇進させようとしました。

Peterはゼネラルマネジャーというものを信じていませんでした。私がPayPalに入社したその週に彼と一緒に仕事を求めて大学を回っていた時、彼は「仕事はどんな感じかね」といかにもCEOがしそうな質問を私にしました。

そして、私たちの会社にもっと多くのマネジャーが必要ではないかという議論になった時、彼は「いや、マネジャーはいらない。昇進させるだけでいい。エンジニアリング担当VPは唯一最高のエンジニアで、デザイン担当VPは唯一最高のデザイナー、プロダクト担当VPは唯一最高のプロダクト担当者だ。マネジメントは後で学んでもらえばいい」と言いました。

このやり方のメリットは社員の士気を落とさないことです。なぜなら、皆自分の上司は自分より仕事ができると理解していて、上司から学ぶことができるからです。ちょっとしたマネジメントテクニックは後から学ぶことができます。

反対に、特定の分野に精通しておらず、スキルも持っていない、人が好いだけのマネジャーを昇進させたのでは、社員がやる気を失ってしまいます。まずは何かに秀でること、そして多くの社員に何かをさせるのに秀でることは次のタスクで良いと私は思います。

世の中には実際にやってみないと学べないことがあります。本を読んだだけではギターを弾けない人もいます。実際にある程度マネジメントをしてみないと最初は上手くいかないでしょう。個人からマネジャーとなる時にすべきことについては、別の講義でその戦術をお教えします。これは非常に大変なことです。

最初あまり上手くいかないのが時間配分です。私がお勧めするのは、私がカレンダー監査と呼んでいるものです。編集に費やした時間はどのくらいか、執筆に費やした時間はどのくらいか、というようにその月に自分が何に時間を費やしたかを追跡します。それを時間を掛けて最適化していくのです。

誰かにメンターになってもらっても良いでしょう。誰か一緒に働く人で、以前にマネジャーだった人を見つけましょう。上司ではありません。なぜなら、上司は既に出荷数量などの複雑な目標をたくさん抱えているからです。メンターはあなただけに注力し、さらなる成功に導いてくれる人です。

一貫した発言を徹底する方法

Q
社内の一貫した発言を徹底させるためにできることは何でしょうか?

A
私は各部門の資料一枚一枚に目を通すでしょう。もう1つはほとんどの会社でできていないことですが、求人サイトを見てみることです。

求人サイトがコンバージョンファネルと同じ質であることはほとんどありません。カスタマーサポートも、同じ質になっていないもう1つの典型的な分野です。カスタマーサポートもプロダクトと同じように扱うことです。時間を掛けてプロダクトを世界レベルにすることにフォーカスしているエンジニアリングチームやデザインチームが社内にあるのですから。

一般的に、スケールした企業には他の役員がいます。彼らの大半は別の企業で様々な経験を積んできて、それを今の会社で発揮してくれます。そうした経験を相互に学び合えるようにする必要があります。

同じ採用するにしても、Googleのエンジニアリング担当VPとAppleのデザイン部門のリーダーではまったく違います。彼らはまったく異なることを学んできています。ですから、どうにかしてそうした異なるものを繋ぎ合わせて、互いのスタイルを学び合えるようにする必要があります。

あるいは、独自のスタイルを作り上げて役員に教える必要があります。これはよくある問題です。リーダーがすべきことは、自社のプロダクトと別の声を持っているものを探すことです。そうすれば至る所に視覚的な声や言葉使いの違いを見出せるでしょう。

社員のマネジメント方法と 1 on 1

Sam Altman
社員のマネジメント方法について少しお話しいただけますか?社員とはどのくらいの頻度で顔を会わせますか?

A
当たり前に聞こえるかもしれませんが、基本的なアドバイスは約2週間毎に1対1 (1 on 1) で顔を会わせるということです。これはAndyが本を執筆した1982年には革新的なことでした。毎週という人もいますが、2週間より長くては駄目だと思います。

多くの会社では毎週が理想的です。というのは、「直属の部下は5~7人にすべき」という別の格言があるからです。これは毎週1対1で会うという考えに由来しています。部下の人数は、他の仕事もしながら1対1の面談をどれだけ1週間のスケジュールに入れられるかによります。やはり、毎週1対1で顔を会わせるのが理想的だと思います。

そして、アジェンダはマネジャーが作るのではなく、部下の社員の手で作られるべきだと思います。1対1の面談は主に社員のためのものです。部屋に入ってきて「お話ししたいことが3つあります」と言うくらいでなければなりません。箇条書きにしたメールを事前にもらっておくと内容を熟考する時間ができ、面談の場で即興の答えを出さずに済みます。

おそらくこれが最良の構造ですが、実に優秀でこれを長い間やっていて社内で信頼されている人がいたら、毎週を隔週に、あるいは毎月にすることもできます。しかし、月1回が最低限だと思います。

採用の優先順位

Q
妥協して砲身を採用するのではなく、弾薬の人材を採用しても良い時はありますか?

A
実際のところ、皆さんは砲身の人材よりも弾薬の人材を多く採用することになるでしょう。問題は両者の比率です。ある時点でその比率は破綻し、社内に砲身が1人だけ、エンジニアが50人という状態になります。

そのような状態では仕事が何一つ終わらなくなるので、エンジニアは10人のほうがリソースを無駄遣いすることがありません。エンジニア全員がリーダーの合意や承認、編集を必要とするため、皆不満を募らせます。物事が山積みになり、社員のフラストレーションが溜まります。

適正なレンジは大体1対10か20だと私は思います。砲身が増えるまでエンジニアを増やす必要はありません。

デザイナーは少々話が違います。しかし、常に砲身よりも弾薬を多く採用することになるでしょう。優れた砲身はセンスを持っています。

人材の採用を正しく行う方法の1つに、チームの人数に関する自然な傾向があります。権力拡張の傾向と同様に、私が20人、Samが10人だけ、あなたが3人をそれぞれ管理しているとしたら、私はSamより重要で、Samはあなたより重要ということになります。

どれだけ多くのことに成功したかを表すアウトプットをX、チーム内の人数をYとして、XをYで割ります。これが各自の人事評価になると社員に伝えるのです。驚くべきことに、このチームでYは増えません。これは実に素晴らしいことであり、明確に理解しておく必要があります。

VCがどれぐらい投資先と会うか

Q
ベンチャーキャピタリストとして、どのくらいの頻度で投資先の会社と会っていますか?

A
私たちは少ない金額でシード企業へ投資することもあれば、シリーズAやBラウンドの投資もあります。後者の場合は取締役会に行き、創業者やCEOと大抵2週間に1回の頻度で会います。これが通常のパターンです。勿論、物事がうまくいっている場合やそうでない場合など、時と場合によって変わることもあります。

この頃はメッセージのやり取りも多いです。とあるCEOはいつもSnapchatで連絡してきます。できればそういうのは止めてほしいのですが、世界は大きく変わっています。しかし、私は顔を合わせてのミーティングを隔週で行うようにしています。

Q
業務関連のミーティングに参加することはありますか?

A
いいえ。ベンチャーキャピタリストは心理学者のようなものだと私は思います。私のオフィスに来ると、テーブルを挟んで椅子が2脚置いてあります。椅子に座ると私は「何か問題がありますか?」などと尋ねるのです。

そして、私の対応は大体「これについて考えてみましたか?」、「この人と話してみましたか?」、「これを試してみましたか?」といった具合です。沢山質問をして話を聞くだけですが、これが私の仕事の90%です。

時間配分の方法

Q
CEOとして砲身の人材を採用しなければなりませんし、起業する際にはプロダクトの開発に素晴らしいエンジニアが必要です。時間を常にうまく配分しなければならないとよく聞きます。どのようにバランスを取ればよいでしょうか?

A
それはその会社の優先事項に依ります。これはSamの講義でも少し触れられていましたが、企業は採用を優先順位の1番目、2番目または3番目のいずれかに置きます。最優先事項であれば、25%が適切な時間配分だと思います。

カレンダー監査は新任マネジャーよりもCEOにとって有効だと思います。私は優先順位を上手く付けられないCEOと初めて一緒に仕事をする時、相手のカレンダーを私に見せてもらいます。手品の種明かしのようになってしまいますが、私は相手のCEOに優先順位を紙に書き出させ、各々について詳しく説明してもらいます。

次に、相手のカレンダーを出してもらってそれらが一致しているかを確認します。一致していたことはありません。一度もありません。

もっとも多く差異が生じているのは採用です。CEOの半数は「採用が最優先事項」と言うでしょう。しかし、採用がもっとも多くの時間を占めているカレンダーはほとんど見当たりません。

リーダーはカレンダー監査の時にリソースと優先順位が一致しているようにする必要があります。ちなみに、これを上手くやってくれるソフトウェアはまだ存在しません。あれば素晴らしいのですが。現時点では誰かのGoogleカレンダーを引っ張り出して時間を手計算しなければなりません。正気の沙汰ではないですね。

しかし、これが最善の方法なのです。とにかく相手の優先順位を尋ねることです。優先事項が資金調達であれば、自分の時間の大半を採用に配分すべきではありません。質問はあと1つにしましょう。

細部の徹底化が重要

Q
表面的には、本日の講義におけるアドバイスの一部は矛盾しています。それらの役割をどう調和させれば良いでしょうか?

A
良い質問ですね。細部が実に重要である一方、1つのことをやるべきである、時間を1つ、2つあるいは3つのことのみに費やすべきである時に、これらをどう調和させればよいのでしょうか?どう組み合わせればよいのでしょうか?

健全な組織においても何らかの葛藤は存在します。「ユーザーが目にする可能性があるものではなく、なぜスクリプトを書くことにフォーカスしなければならないのか?」といった何らかの葛藤が存在するのです。

細部を適切に行うということを会社の初期に浸透させることが非常に重要です。なぜなら、社員はそれに従って自身で行動し、意思決定をするからです。リーダーが実際に細部を適切に行う必要はありません。実際にこれをやってみせなければならないのであれば、組織の基盤が固まっていないということです。

初めて起業する時は、とにかく細部を適切に行うことです。全員が正確に行い、各自のタスクにおいてこのように考えるようにさせることです。スケールした時にリーダーが連れてくる者もそのような考え方をするでしょう。そのように考える者が採用される傾向にあり、そうできない者は採用されないでしょう。

各チームや各リーダーは自らこれを実行します。CEOがこれを実行することはほとんどありません。つまり、これはどう起業するかという話でもあるのです。

そして、企業文化において重要なのは、意思決定のフレームワークです。企業文化に浸透していれば、リーダーが何か言わなくとも社員がその企業文化に基づいて意思決定できるようになります。リーダーがすべきことは特にありません。ただ社員を見守り、昇進させ、異動させるだけで良いのです。

では、以上で終わりにします。

ご清聴ありがとうございました。

 

 

記事情報

この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文: Lecture 14: How to Operate (2014)

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