資金調達の方法 & 長期的に成功する方法 (Startup School 2017 #18, Aaron Harris, Jess Lee and Ali Rowghani)

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資金調達の方法

Aaron Harris
私はAaron Harrisです。Y Combinatorのパートナーの一人です。

ここしばらくの間はYCで働いていて、また多くの企業に資金提供をする機会もあり起業がシードラウンドからラウンドA、ラウンドB、ラウンドC、それからラウンド間の変則的な調達という風に資金調達するのを見てきました。そこから学んだことを皆さんにシェアするのがとても楽しみです。また本日の私のゲスト、SequoiaのJess Leeとの会話し学びを得たいと思います。Jess、自己紹介をお願いできますか。

Jess Lee
わかりました。こんにちはJessといいます。2004年、私は皆さんがいまいる場所に座っていました。この部屋ではデータベースの講義を取ったと思います。

コンピューターサイエンスを勉強してからGoogleに入り、Google MapsのPM (プロジェクトマネジャー) をしてから、Polyvoreという会社を共同設立し、そこのCEOをしていました。最近6か月間は、私はパートナーとしてSequoia Capitalに所属しています。

成功する創業者の持つ要素

Aaron Harris
Sequoiaは有名なベンチャーキャピタル企業です。シリコンバレーで始まった最初の会社の1つであり、最も長く運営されていて、おそらく最も成功している会社のうちの1つです。

あなたはこの6か月で何を学びましたか?様々な人がやってくるわけですよね。すぐさま資金調達で成功する人たちと成功しない人たちとの違いはなんなんでしょうか?どんな要素を見るんですか?

Jess Lee
Sequoiaで探しているのは伝説的になる会社を作りたいと思っている、大胆な創業者です。
Sequoiaは、Apple、Google、Yahoo、Airbnb、DropBox、Strypeのような起業を支援しています。

私たちが探しているのは、何らかの形で特別であり、なんらかのユニークな知見を持っている創業者です。特に私にとってはそうです。なぜなら私にとって、Polyvore経営の8年半の道のりはクレイジーな上り坂下り坂だらけだったからです。本当に大変なんです、すぐそうなるんですよ、たとえば逆風がふいているとか。

会社を始めるなんてものすごく不合理なことなんです。なぜならうまくいく可能性なんて低いんですから。だからこそ、やり抜く力(grit)を強く持つことが必要なんでそれは間違いなく私たちが見る要素です。

それから他はたとえば、起業によって解決しようとしている問題を、本当に明確に理解しているかだと思います。それは本当に差をつける要素だと思います。

多くの人がソリューションをピッチするのに時間を費やしていると思いますが、実際のところきちんと問題を説明できていないですし、説明するとしたら非常に鮮明で明確でなければなりません。そうすればソリューションはそこから浮き上がってきますから。

3つ目は、数十億ドルの時価総額を視界に入れた、本当に大きなマーケットでビジネスに取り組んでいることです。というわけで、こういうことが私たちは見ているもののいくつかになります。

Aaron Harris
なるほど、3つの異なる分野に細分化されるんですね。まずやり抜く力という観点でみれば、創業者の資質。次が、問題の本質を捉える力。問題をどのように説明するかということですね。そして3番目は、ビジネスチャンスの大きさ。

やりぬく力

では、この3つを取り上げていきましょう。最初の項目を考えてみたいとおもいます。とても重要な点ですね。やり抜く力とはどういうことか。人を見て査定をするのはとても難しいです。

Jess Lee
ですね。

Aaron Harris
道を歩いていて、行き交う人が打たれ強いかどうかなんてわかりません。人生について少し話してくれたら、彼らがタフかどうか、その物事からわかるかもしれません。

Jess Lee
はい。

Aaron Harris
私たちはふつうこう考えますよね。人を見る、実際に企業創業者がどのようにコミュニケーションをするか、を見たいと思うんです。創業者がどのようにお互いに話し合うか、彼らが取り組んでいるアイデアや過去に実際に何をしたかについてどのように考えているか、を見ます。

彼らは不屈の精神と強靭さを実証したか。どうやってそれを判断します?

通常、投資する前に創業者と長い時間を過ごしますか?なにかを実行してもらうようなテストがあるんですか?森の真ん中にナイフと麻ひもだけを持たせて置き去りにしたり?

しがみつける何かがあること

Jess Lee
いえいえ、そういうものではないです。

やり抜く力はさまざまな場所から来ると思うんです。それは、例えば、会社のインスピレーションになっているものについてはよく質問しますね。その問題を解決しなければ、と熱い気持ちになったのか、それともちょうど良いビジネスアイデアだと思ったのか。

なんにせよジェットコースターを通り抜けるような期間を過ごすのに、本当に困難な瞬間を乗り越えるのに、その仕事にしがみつく理由になる何らかの理由が必要です。

時には、ただその問題にとても興味がある、また時には、自分自身や家族が持っている問題だから取り組んでいるといった、動機付けになるストーリーがあります。人生を通してあなたを作り上げてきたもの、それがやり抜く力の一つの要素になります。それからAaron が言ったように、壁を打ち破り問題を解決する能力を継続できる人たちもいますね。それは履歴書や、今までに彼らが成し遂げてきたことから窺い知ることができます。

楽観的であること

別の目線からやり抜く力を見ることもできますね。純粋に楽観主義なタイプだったりとか。時には、少し純粋で経験の浅い方が良い場合もあるんです。なぜなら、それ(創業)がどれだけ難しいということを知らない状態だからです。前向きな希望的観測で走り続けることができます。それから、時には人生に不満が募り、自分自身の力を証明したいと思うことが理由になることもあります。今までの人生でずっと過小評価されてきたりすることによって自分の力を証明したいという欲求をもつんです。これらの例のように、やり抜く力にはさまざまな要素があるんです。

Aaron Harris
創業者は、その、やり抜く力があるということをどのように投資家であるあなたに説明して説得するのでしょうか?そういうストーリーを語るんですか?

Jess Lee
はい。

Aaron Harris
なるほど。

投資家との相性が良いか

Jess Lee
というわけで、私たちは常に深掘りし、その会社のインスピレーションが何であるかを見つけようとしています。それからやり取りをして、創業者の背景、彼らが以前に何をしてきたかを聞きます。

若い頃から会社を始めている人もいれば、複数のビジネスに社員として携わってきた人もいます。こういうのは小さなサインなんです。

でも結局のところ、投資家とウマが合うかです。自分自身が、そして投資家側がうまくいくかどうか見ること。だって、これは覚えておいて欲しいんですけど、成功する会社というのは…会社のエグジットまでに平均で約8年かかるんでしたっけ。

Aaron Harris
実はその年数は、上がっていっています。

Jess Lee
そうなんですね。

Aaron Harris
IPOまでにかかる平均時間は現在11年くらいです。

Jess Lee
なるほど。そういえばさきほどエグジットと言ったのですが、実際、買収でもいいですね。

Aaron Harris
そうですね。

Jess Lee
皆さんがこれから一緒にやっていこうという人は…その関係は長期的な関係になるんです。特に、ひとたびシリーズAとシリーズBを始めると。だから、皆さんは自分にぴったりの人を見つける必要があります。

それはまるで、10年間結婚関係をもつことになる人のようなものです…結婚と違って離婚はできませんが。投資家を簡単にキャップテーブル(cap table、資本政策表)から追い出すことはできませんから。これは投資家を選ぶときに優先して考えるべき本当に重要なことです。だから、デートしてお互いを知るようになるところにに当たる部分に少し時間を費やさないといけないです。

Aaron Harris
ええ、理にかなっています。

そうそう投資を受けない

Aaron Harris
キャップテーブルから誰かを追い出すことはできない。とても重要な点ですね。

無頓着にお金を受け取る人がいるんですよね。そういう人は言うんです、「お金が必要だなあ、あ、この人が資金提供してくれるって。」と。私たちは常に創業者からこういう質問を受けるんですよ。「あんまり知らない人なんだけど、これこれこういう人が1万ドルとか、5万ドルとか、10万ドルとか、20万ドルを提供してくれたんだ」と言う。パパッと進めた会議では人はクレイジーなことをするものです。

シードで、シリーズAで、シリーズBで行うのが最も難しいことの1つは、誰からそのお金を受け取るかを決めることです。ここで言っておきたいんですが、選択しないといけない状況にいるとしたら、それはかなりいい位置にいるということです。なぜならまず第一にすべきことは、ビジネスを運営するために必要な資金を手に入れることですから。

もし理論的に決めたキャパシティよりも多くの人が資金提供を申し出ている場合は、そうなってから選り好みしたらいいのです。

資金調達のダイナミクスを作る方法

ある資金調達ラウンドで、競争力のあるダイナミクスを構築するにはどのようにすればいいでしょうか?どのようにして人に興味を持たせますか?

今、皆さんは、大企業になるであろうスタートアップになるであろう、小さな会社を始めたいと思っていることでしょう。いつか皆さんは人前に出て、次のGoogleになります、と多くの人々を納得させたいと思うようになるでしょう。

では、どのようにして資金調達の際に競争力のあるダイナミクスを構築するんでしょうか。

資金調達に専念する

Jess Lee
まず第一に、20%の力で行うカジュアルな副業のように資金調達をすることはできません。資金調達だけにしっかり専念する方が良いです。

ビジネスの実務的なところから離れなければならないので、かなりきついかもしれませんが、しかしプロセスにしっかり取り組んでいることで、適切なタイミングで必要な会話を持つことができます。どのくらいその人と一緒に仕事に取り組みたいか、共通点があるかなどを基準にしてどの投資家を組んで自分の事業の道を進むかの優先順位をつけようと思うかもしれません。

また皆さんが投資家と会って話をするとき、「こういう人が私が今後10年間働くことを想像できる人物像です、こういう人とは仕事はできません」と言ってしまうこともできます。

そうすることでウマが合っているかを感じることができでしょう。でもまあ、タイミングを合わせて競争率をあげるプロセスがすべてです。「この日付までにこれを達成したいと思っています」と、タイムラインとマイルストーンを設定して周りに知らせるんです。

期待を明確にする

期待を明確にすることは大いに役立つと思います。タイムラインを設定し、「今週は数人の投資家と、2回目のミーティングに入ります」と言うんです。タイムラインを全員が把握できるようにしておくことで、出来るだけ競争率の高い状況を作ります。

スプレッドシートで投資家を管理する

Aaron Harris
資金調達を一つのプロセスに変換するということは、多くの人が見ずに通りすぎているものだと思います。「ねえ、たまたまこの人物にピッチをしにいったら、これくらい資金提供してくれたんだよ、すごいよ。」 と言うことが起こると信じたがる人が多いのですが、しかし、実際のプロセスというのは、スプレッドシートを作成して進めるようなものです。

クレイジーに思えるかもしれませんが、スプレッドシートに皆さんが話したい一人一人を書き入れて、彼らに連絡した時の反応はどうだったか、彼らと会ったときの、会話の結果はどうだったか、を書き留めてください。資金提供の可能性がどれだけあるか、それらの会話にウエイト(評価)をつけてください。

そうすることで、誰に時間をかけたいかを決めることができます。これは、かける時間の予想が違うので、シードとシリーズAの間で変わります。

皆さんがエンジェル投資家と話すとします。1、2回目のミーティングで、コーヒーを飲みにいくような。そこでピッチ資料(pitch deck、投資家向けのスライド資料)が必要になります。

この資料については後程またすぐお話ししますが。エンジェル投資家にピッチをするためにはそれほど多くの材料を必要としません。Sequoiaのような会社にシリーズAのピッチを行う場合には、もっと多くのことをまとめておき、より深く、長い会話に備える必要があります。

資金調達環境の変化

Jess Lee
私が思うのは、シードとシリーズAの間の線はぼやけていて、また長年にわたって変化してきているということです。Polyvoreは2007年にシリーズAを調達しましたが、これは250万、もしくは260万ドルのラウンドだったかと思います。今だったらむしろシードくらいかと思います。

プレシードをしているとき関わる機会が多いのは、間違いなくエンジェル投資家だと思います。しかし、シード段階になると、Sequoiaのような企業や、多くのマイクロVCが参加してきます。

ですから、ファンドのサイズが大きくなればなるほどきちんと仕上げる必要がありますが、なんにせよ興味深いことに、資金調達ラウンドの規模がどんどん大きくなってきていることはしっかり認識しています。以前はシリーズBの規模だったものが今はシリーズAと呼ばれています。

Aaron Harris
そうですね、資金調達が行われる時価総額は同等なので、3年前のシリーズAよりも今のシードラウンドの方がはるかに高い価格でやりとりされています。もちろんいつもこういうことが起こるわけではありません。シリコンバレーの創業者エリート養成所のようなところでは起こりがちですが。特に、YCみたいなところに参加すると価格は高くなりがちかもしれません。もしくはあなたたちが創業者としてすでにある程度知名度がある場合とか。しかし、私は調達している金額や調達時点の企業価値にこだわるような他人が皆さんの会社に損害を与えかねないと思います。

Jess Lee
そうですね。

Aaron Harris
先日、これについて話しましたね。

Jess Lee
はい。

希薄化を最小限にする

Aaron Harris
私のところにやってきて「1500万ドル(の企業価値評価)でシードラウンドの500万ドルを集めなければならないんです」と言う人がいるんですが、なぜそれが必要なんでしょう?

おそらく、(実際の価値よりも)多くのお金をあまりにも速く調達しすぎることによって、自社のチャンス自体を潰しているのではないでしょうか。自社のハードルを高く設定しすぎているのです。

Jess Lee
ええ、皆さんは最大の評価を得ようとする競争をしているわけではありません。市場の他の全員やすべての競合他社から独立して、持っているビジネスプランが何であるか、達成すべきマイルストーンは何か、そして12〜18ヶ月間の予定はどのようなものであるか、またはそのプランを加速させるために使用できる金額はどれくらいかを考える必要があります。

そのように考えて、希釈(dilution) を最小限に抑えてください。

しかし最終的にそれが数十億ドル、数億ドルの価値を持つような会社になるのでしょうか?時には企業価値評価が過剰に最適化されることがありますが、時期ごとの企業価値評価、一緒に働いている人、個々のパートナー、そしておそらくあなたが一緒に仕事をしている会社の評判やブランドなど、考えられるすべてのことを考慮に入れてみると、会社のネットワークと、皆さんが参加する創業者のコミュニティの2つに注目する必要があると思います。

なぜなら、仲間たち、つまり他の創業者やCEOから助けを得ること、あなたを助けてくれるだけでなくあなたの事業を向上させてくれるからです。本当に素晴らしい創業者たちと知り合うこと、それは本当に本当に重要です。絶対気に留めておくべきものです。

投資家のことを事前に調べる

Aaron Harris
ええ、皆さんが話し合いを持っている人に関して事前に調べておくというのは...

Jess Lee
それも役立ちますね。

Aaron Harris
それをしない人が多いんですよね。会議に参加し、投資家または将来の投資家の望むもの、以前に投資した対象、興味があることを何も知らないで話し合いを始めるんです。

個人的なつながりと、その知識はとても大事なものなんですよ。あなたは彼らについて何かを知っているとき、あなたが彼らにすべてをもたらしてもらおうと期待していないとき、本当にうまく扱えるものなんです。

投資家についての事前知識を持っている人はうまい付き合いを持てるものです。何でもかんでもを持ってきてもらおうと期待はしないでしょう。

Jess Lee
そうですね。

Aaron Harris
双方向のやりとりですからね。あなたが言ったとおり、パートナーシップです。

投資家が起業家のことを調べてないなら悪いサイン

Jess Lee
ええ。同じことは逆方向にも当てはまると思います。皆さんが部屋に入ったら投資家が「名前は何でしたっけ」「どんな事業をしてるんですか」と、何も準備していないで聞かれることがあったら、それはよくないサインですね。

Aaron Harris
めちゃくちゃ悪いサインですよ。

Jess Lee
面接のように、双方向のやりとりなんです。投資家が皆さんを評価しているのと同じくらい、皆さんも投資家を評価しているんです。一生懸命仕事をしてくれて、自分が快適に感じる人、(困ったときに)皆さんが最初に電話をかけるような人を選びたいですよね。

先ほど言ったようにスタートアップは、まるでジェットコースターのようで極端な上り坂と下り坂の繰り返しです。皆さんが経験するどん底の中で、緩衝材になってそこから出るのを助けてくれるような人が必要です。問題が起こったらパニックを起こしてやみくもに走り回り、皆さんにとって、みなさんのチームにとって問題を悪化させるような人ではなくてね。

以前にどん底にいたことがあり、何をすべきかを知っており、そこから皆さんを助け出すことができる人。かつ、絶好調なときにただただ応援だけをするチアリーダ的な人ではいけませんね。ずっと良い状態が続くことはなくて、角を曲がれば悪いことが待ち構えているかもしれないんですから。

ですから、スパーリングのパートナーのような人がいいです。皆さんの背中を押してさらに成長できるように挑んでくるような人が望ましいです。そしてこれはSequoiaの取締役会メンバーの哲学の一部でもあります。

ただ褒めて起業家を気持ち良くしてくれるだけの投資家は不要

Aaron Harris
実は、投資家にとって最も難しいことの1つは、物事が順調に進んでいるときに良いフィードバックを提供することなんです。「すごいじゃないか、いいよその調子だ」と単にほめ殺しになってしまうのではなくて。 創業者としては、最高のストーリーを聞きたいと思ってしまいますから。

皆さんは自分が主役の最高のストーリーを信じています。そうですよね、未来についての最高のストーリーを信じますよね。そこへど派手な投資家がやって来て、「ああ、完璧だよ、もうすぐ世界征服だね」と言われたら、とても気持ちがいいです。そこには耳なじみがいい言葉ばかりが並んでいます。なぜならこれは単なる確証バイアスの問題だから。一方で、皆さんがするすべてのことに対して酷く言うような投資家も欲しくありません。

Jess Lee
そうですね。

Aaron Harris
関係性の中でその中間値を見つけ、双方がそういう会話を持つことができる関係を見つけることができたら、それはとても大きなことです。

Sequoiaは私の会社へ投資した会社のひとつだったので、BrianSchrierと私はかつてこういうことをよくやっていたんです。彼は良いポイントについてはとても協力的になってくれ、そして修正が必要なことについては怒鳴らず、論理的に指摘してくれ、目からウロコが落ちることもありました。それが彼が投資家として貴重だった理由です。

多くの投資家はそうすることを拒むんです。なぜなら、彼らはただ褒める親友のような存在になりたいからです。

Jess Lee
ええ、それは良くないですね。

Aaron Harris
投資家が皆さんの親友になりたいと思っているようなら、それよくないです。

VCのレンタルオフィスに長くいないようにする

Jess Lee
最適なモデルではありませんね。ちょっと魅力的かもしれませんが、結局のところ皆さん自身や皆さんの会社にとって長期的にみて良くないと思います。よくないモデルのもう1つは、その投資家が事業にまったく関わっていないという場合です。 投資家にも会社のために一生懸命働いてほしいですよね。だからそれはよくないモデルです。

また、あまりにも関与しすぎてくるのもよくないですね。UIとボタンがどうある必要があるかを細かく言ってくるような。あとは「私の娘は(もしくは私の妹は)あなたのプロダクトを使っているんだけど、〇〇〇〇だって言っていましたよ」だとかを言ってくるとか。フィードバックが建設的な方法でもらえる場合もあるかもしれませんが、「製品については何も知らないんだけれどこうすべきだと思うんだよね。具体的には... 」と言ってくる投資家も良くありません。

Aaron Harris
投資家は投資する先の会社との関係性を自覚している必要があります。直観に反するかもしれませんがひとつアドバイスするとしたら、投資家のオフィスに自分のオフィススペースをおくとしても、長期間にならないようにしてください。

本当に魅力的なことですよね、なぜなら、無料のオフィススペースがあるわけですから。また、特典があったり、アクセラレーターやインキュベーターで仕事をしたりできるという利点もあります。

でも投資家が常に肩越しにみている状態は望ましくありません。

それは本当に企業文化の構築とクレイジーに思えるアイデアを試すことを阻害します。投資家がスプレッドシートや製品を見にくるのがわかっているので、手元の非常に奇妙でクレイジーなアイデアを試してみる気がなくなってしまいます。アイデアを膨らませてプロダクトにしてみるためには少し余裕が必要ですし。

ピアの起業家グループから得る

Jess Lee
面白いポイントですね。もし投資家がコンピューターの前に立って「ねえ、そのスプレッドシートには何が入っているの?」と聞いてくるのは絶対に避けたいです。

でも、オフィススペースは得ても、そういう重い関係性には至らない場合もあると思います。多くの場合、投資家は多くの企業と出先で話をしていて、オフィスにはいないかもしれません。

もう1つは、同じスペースに別の会社がある場合です。そうなると、とてもいいですよね。理想的にはあまり競合ではないピアグループがあると、でも創業者同士のサポートと仲間意識を得ることができます。投資家のオフィススペースを時には使ってもいい理由がそれだと思います。

Aaron Harris
ええ、そうだと思います、2つの側面がありますね。

Jess Lee
ええ。

課題を知らない投資家に課題を明確に伝える方法を考える

Aaron Harris
あなたが言ったことに本当に興味深いものがありました。それはYCが創業者と一緒にたくさん取り組んでいるもので、つまり、問題と自社で考えているソリューションを明確に伝えることができるかということです。なぜ、それに価値があるのでしょうか?

Jess Lee
皆さん、自分の問題は自分が大変よく知っているということを覚えておいて下さい。どんな領域にいても、解決しようとしている問題について何時間も考えてきたわけです。一方で、自分の領域について何も知らない可能性がある人に話をしなければならないんです。

実際、Polyvoreではこれをよく経験しました。Polyvoreは女性を対象としたファッションとショッピングのアプリだったからです。投資家の94%は男性なので、「1日中ドレスを購入できるアプリを想像してください」と言ってアプリを売り込むやり方には頼ることはできませんでした。投資家のほとんどが、魅力を感じないからです。「買い物は嫌いだ!」と言ってね。

そういうやり方はうまくいかなかったので、明確にコミュニケーションをとる方法を考え出さなければなりませんでした。アナロジーの手法を使う場合もあれば、ペルソナを描く場合もあります。「これがユーザー像です、これは彼らのかかえる問題です。」と。例には実際のカスタマーを使用してください。

私たちはPolyvoreのために、アナロジーを用いて説明しようとしました。そこで私たちがやったのは、ヴォーグ9月号のような、これくらいぶ厚いファッション雑誌をたくさん買ったことです。

雑誌の9月号をすべて持って行って、テーブルに置き、「この雑誌の山は、1つの号だけで3億ドルの収益があるんです」と言ったんです。そして「インターネット上でそれが起こるのを想像してみてください。」と言いました。そうすると「ああ、言いたいことがわかったよ」と言ってもらえました。こういうのがアナロジーの手法のひとつになります。

事業がオーディエンスが理解できない領域にあるとしたら、解決しようとしている問題、解決策を提供しようとしている顧客を説明するためにもっと時間をとる必要があります。それが終わってからソリューションを説明するんです。

私は多くの人々がソリューションに直接ジャンプするのを見てきました。「え、待って、それは何のソリューションなの?」と思いました。私には魚の養殖の仕組みがわかりません。知っていると期待されても仕方ないです。ただ知らないんですから。だから皆さんオーディエンスがどういう人か知っておいてください。

Aaron Harris
ええ、そういうコミュニケーションについてですが、可能であれば皆さんがしていることを一文に収めるということを、TAとグループリーダーと取り組んできたかと思います。「こんなに大きくて複雑なものを構築しているのに、それを煮詰めなければならないなんて」と思えるくらい、手の届きづらい難解なものに見えますが、それは、まさに思考を凝縮して明確化するという演習なんです。

最高の創業者というのは明確にコミュニケーションを取り、話をしている人が誰であれその人に合わせて説明を意味のあるものに調整できるということを何度も何度も見てきました。

エンジニア、投資家、カスタマーのいずれに売り込むかによって言うことを変えるんです。または、両親への伝え方を考えることで、自分がGoogleで働けるのに代わりにクレイジーなスタートアップに取り組んでいることを批判されないようにするとか。色々な人に合わせて言い方を変えられるようにならないといけません。

明快さがカギ

しかし、皆さんがピッチをするときの最終的な決定要因は思考の明確さです。それがあるかどうかが、資金調達する準備ができているかを教えてくれるものの一つだと思います。

これは本当にややこしいことです。自分が取り組んでいるアイデア、自分が片手間に楽しんでいたこのプロジェクトが資金調達するのに十分な状態である、ということはいつわかるのでしょうか?

それは、多くの専門用語や様々なダイナミクスを説明するためのホワイトボードがなくても、実際にそれが何であり、なぜそれに価値があるのかを簡潔に説明することができるようになったときだと思います。

Jess Lee
そしてこれは創業者として実際に重要なスキルについても言っていると思います。つまり、大きくて複雑な問題をより単純な問題に分解することができるかどうか、という。

プログラムを書く時と同じです。プログラムを書いているときに、異なる機能に細かく分解するでしょう。 同様に、何か大きな事象を取りあげて、それを問題に分解し、解決できるのなら、それは会社として取り組むべきことなんです。

解決しようとしている問題が何であれ、それはおそらく非常に大きく、非常に複雑です。 そこにあるのは変動する要素ばかりかもしれませんが、それらをより小さなものに分割し、ひとつひとつを個別に解決する方法を見つけ出すことができるでしょうか。 ピッチ資料でそれを行い、数年間取り組んできたことを説明できるような、そしてそれを凝縮できるようなスキルは非常に大事です。これは、スタートアップを構築するための重要なスキルです。

資金調達の準備ができているかどうかは「友達や家族からお金を出してもらってもいいと思えるかどうか」

Aaron Harris
最後のトピックについて掘り下げていきたいんですが、正直なところ資金調達に関してはケーススタディやロールプレイで方法をお伝えしようと思うと何日もかかります。残念ながら今はできません。

まあ、次に話したいポイントは会社を設立するときのことで、投資家に会いに行く準備ができているタイミングをしっかり理解することについてです。

すでに簡単に説明しましたが、これは非常に興味深いことです。それでは、どのようにして資金調達のラウンドを行う準備ができていると知ることができるのでしょうか?誰かのお金を受け取る準備ができているかどうかをどのように知りますか?

Jess Lee
そうですね、非常に早い段階、友人や家族からお金を出してもらう段階で考えるべきことかなと思います。つまり皆さん、家族からお金を出してもらうなどしたくないと思っていると思いますが、そうしてもいいと思えた時こそ、です。ほら、スタートアップって難しいですよね?

スタートアップ経営は、未経験の人が思うほど魅力的ではありません。そこには多くの大変な仕事があります。 かなり長い間行うことを想像して、ひとつのアイデアにコミットする必要があります。すでに言ったように、スタートアップが成功するまでには何年も何年もかかります。

私は、そう思えた時、そして友人や家族に向かって「お母さん、10,000ドルくれない?」と言うことができるときが転換点の1つであると思います。おそらくそのお金をお母さんに返すことが出来ないと知ることです。

とにかく、個人的なコミットメントが十分にある必要があるので、だからここが最初のマイルストーンかなと思います。Aaronの方が、もっと考えを持っているかもしれませんね。

Aaron Harris
はい、とても正しいと思います、皆さんの頭の中のどこかでエビデンスを比較してゴーサインをだす曖昧な決定点があって、それが「自分は本気でフルタイムで取り組みたいんだ。」「お母さん、おばあちゃん、または兄弟の1000ドル、または5000ドルを失ってもいいと思う。」と決めるんです。おそらく98%の確率で、そのお金は溶けてなくなります。

友人や家族のお金に無頓着な人もいますが、本当に考え抜いても大丈夫だと思ったなら、本当に事業にコミットしたいと思っているわけなので、それが実行するタイミングだと思います。

Jess Lee
そうですね。

Aaron Harris
そして会社が成長するにつれて、特定のマイルストーンと指標がでてきます。SASビジネスを構築していたとして、ARRが100万ドルに達し、月に20〜30パーセント程度で成長している場合、シリーズAの準備ができているかもしれません。次回の資金調達ラウンドに関して正しい判断ができることもありますが、判断の境界線もすべて曖昧な線のようなものです。

他の人の資金調達の経験をみて「ああ、完全に自分にも当てはまるな」となることはありません。

というわけで、エビデンスのバランスをみて、準備ができていると決める、こういう頭の中の出来事があらゆる時点で起こるんだと思います。または、他の誰かが皆さんの準備ができていると判断し、小切手を渡しに来ます。

Sequoiaが非常にうまくやっていることの1つは、創業者自身が準備ができていることに気付く前にディールにコミットし始めることだと思います。Sequoia側から、「皆さんは素晴らしい、調達の準備はできていますよ、資金提供させてください」と言いに行くんです。

Jess Lee
そういう事があったんですか?

Aaron Harris
私たちの会社のシードラウンドで私たちに起こったことであり、Sequoiaから後に資金提供をうけた友人に起こったことです。とにかく、皆さんがお金を集める準備ができていて、それについて他に質問があれば、Jessにメールしてください、アドレスはjlee @...だったと思うんですが。

Jess Lee
Jess@SequoiaCap.comです 。

Aaron Harris
Jess@SequoiaCap.com だそうです。では時間をとって、出席されている皆さんからいくつか質問をとりたいと思います。もちろん、いつでも私にメールしたり、YCにメールすることもできます。私はAaronです。メールアドレスは AARON@Ycombinator.com。

資金調達には多くの時間がかかり、多くの思考が必要なんですよ。残念ながら必要以上に多くの時間と思考力がかかります。システマティックなものであるべきですが、でも実際はカオスなんです。そのプロセスは、特に論理的な思考を持つ人を混乱させるものです。

ではそちらの方、どうぞ。

Q&A

Speaker 3
資金調達戦略はどうあるべきですか? 50社あったら、それら50社すべてに同時にアプローチするべきですか?それとも1〜2か月かけて行う必要があるんでしょうか。適切なアプローチとは何でしょうか?

Aaron Harris
プロセスを実行するという点で?

Speaker 3
ええ、プロセスを実行するときに。

Speaker 4
質問を繰り返していただけますか?

Aaron Harris
はい、質問は、企業や個人投資家にアプローチするプロセスを実行する正しい方法は何か、というものです。

50社のリストがある場合、順番に実行するか、それとも並行して行うか。私だったら、並行して行うでしょう。誰もが同時にスターティングゲートに向かうようにするというのは、競争のダイナミックを生み出すためにすべきことの1つです。

それは競争のダイナミックを生み出す最良の方法が、多くの人が同じことを一度にするように仕向けることだからです。皆さんには、大勢が詰めかけて入ろうとする狭い門があるのが望ましいです。

例外なのは、皆さんがある親切な投資家をよく知っていて、そういう人を前もって囲い込めるとわかっている場合です。すこし脅しをかけるようなことをしてもいいですね。例えば「あのさ、大勢の投資家に会いに行こうかと思うだけれど、できるならなるべくピッチ資料を作り上げることにエネルギーを割きたくないんだ」と言ってみるとか。そうやって投資家に参加してもらうよう上手く仕向けることができるなら、それで資金調達はうまくいくこともあります。でもそれは本当に難しいことです。一つ上のレベルといえるものですね。

はい、後ろの方。

Speaker 5
質問は、エンジェル投資家の方が期間が短く、シリーズAとシリーズBの投資家の方が期間が長いということに関してです。

プロセスに関することなんですが、シリーズAまたはエンジェル投資家からの投資に取り組んでいる場合、そのプロセスの開始を決定してから結果を得るまでに、どれくらい多くの会議が必要なんでしょうか、またはどのようなタイムフレームが必要になるでしょうか。

Aaron Harris
質問を繰り返します。質問は、タイムラインはどのようなものか、そして投資家の観点からみて投資プロセスのさまざまな段階にはどのようなものがあるか、ということです。

Jess Lee
私だったら、単にエンジェル投資家対投資会社と二分して考えるべきではないと思います。

そうでなくて、どれだけの資金を調達しようとしているのかについて考えるでしょう。25万ドル、または75万ドルを一ラウンドで集めようとしているなら、主に個人やエンジェル投資家と話をすることになります。Aaronが言ったように、ただ会話をするだけということもあり得ます。

ピッチ資料は役立ちますが、常に用意する必要はありません。シードラウンドの時、確証はないですが100から250万ドルくらいでしょうか、マイクロVCやSand Hill Roadに集まっているような投資会社の両方からの投資を期待できます。おそらく、1〜2回の会議で投資を得られます。1週間以内で決まることもあります。例えばSequoiaだったら、絶対に1週間以内に決定します。または、たった2回の会議で決まります。皆さんの状況はわからないんですが。プロセスは今では完全に異なっているでしょうから。

その後シリーズAに到ったときに会社に何が起こるかというと、最初のひとりと1回の会議、複数のパートナーと2回目の会議、そして全体パートナー会議、というふうに会議を行います。すべての企業が全会一致を必要とするわけではないし、すべての企業が全員に情報公開する必要があるわけではありませんが、その経験というのは企業がどのように運営されているかについても少し教えてくれます。チームスポーツ型の企業か、個人スポーツ型なのか。

リズムはそんな感じだと思います。後はいかにスケジューリングするかです。たとえば、3つの会議を1週間で終えられるか、2週間で終わらせることができるか、というような。まあ、優れた企業は迅速に動くことができるものです。

Aaron Harris
ええ、そして、アツい取引でプロセスのタイムラインがどれだけ圧縮できるか知ったら皆さんびっくりするでしょう。そして熱のない取引になるとそれがどれくらい間延びするか、にも。

本当に興味深いことに、投資家のインセンティブダイナミクスについて考えるのであれば、ヒントは判断を下す前にできるだけ長く待つことが彼らにとって得になるということにあります。なぜなら、時間をかけると、できるだけ多くの状況証拠を収集することができますから。

しかし、創業者としての皆さんにとってはよくないことです。だから皆さんはそれらの要素を巧みに扱う必要があります。もう一つ質問とりますか?もう一つ。他に何かご質問は?

素晴らしい、皆さんは資金調達の方法を知っているということですね。素晴らしいことです。では、ありがとうございました。

Jess Lee
ありがとう、皆さん。

長期的に成功する方法

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Ali Rowghani

さて、私が今から昼食までに講義をする最後の一人だと思います。もしかして夏までの、かな? なのでなるべく手早く話そうと思います。

私の名前はAri Rowghani といいます。私のトークの主題は、長期的に成功する方法です。しかし驚きました、皆さんが見たビデオやメモを私も見たり読んだりしてみたんですが、皆さんは素晴らしい人たちの話を聞いてきたんですね。

Emmitt Sheer、Michael Sybol、Erin Levyなどが優れた製品の構築方法について語り、Adam DeAngeloとStuart Butterfieldがアイデアを出し事業の成功を測る方法について、Peter Reinhardtがプロダクトマーケットフィット(製品の市場への適合性)について、Benod Coslaが雇用とチームの構築について。

あまりにも素晴らしい講師のラインナップです。そして今、資金調達の戦術についてJess と Aaronから話を聞きましたね。

私は、おそらく皆さんがこれまでに聞いたことがあるどのトピックよりも、意味が取りづらくて抽象的なトピックについて話すために今日ここにきました。そのトピックとは、リーダーシップです。

特に、私は次の質問に答えたいと思いました、

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素晴らしいリーダーになるためには何をしないとならないか。素晴らしいリーダーになることを学ぶのは長期的な成功の基本であることは言うまでもなく、そしてその理由はとてもシンプルです。

大成功するスタートアップを構築することができるとしたら、多くの人を雇い、彼らをやる気にさせ、調整し、自分で達成できる以上の何かを達成すること以外の道はないのです。

ですから、成功したいのなら、偉大なリーダーになる方法を学ぶしかありません。私にとって最も重要な最初の質問は、

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これです。「リーダーを研究するとき、偉大なリーダーは互いにそっくり似かよっているだろうか、それともとても違っているだろうか?」

自分がスタンフォードの学生だったときのことを思い出します。私はここで学部とビジネススクールの学生をしました。ビジネススクールで学んでいた時のことを思い出し、もしその時の私に皆さんがその質問をしたなら、私はある特定の性格的特性ではないかと思ったでしょう。リーダーは皆ほとんど同じなんだろう、と。リーダーシップの才覚の遺伝子またはそのようなまじないを持っているとか、そうでなければリーダーになることができるようにリーダー向きの性格的特性を獲得する努力をした方がいいだろう、とそのころなら考えたでしょうね。

ビジネススクールを終えてアニメーションスタジオであるPixarで働き始めるまで、私にとってこの疑問は主にアカデミックなものでした。そこで、たぐい稀だと私が思う4人のリーダーと仕事をする幸運に恵まれたんです。この4人というのは、CEOだったSteve Jobs、Pixarの創設者で私が入社したときのPixarの社長だったEd Catmull、Pixarの最高クリエイティブ責任者John Lassiter、2006年にPixarを買収したDisneyのCEOであるBob Eigerです。

これらのリーダーと一緒に仕事をすることについて私が驚いたのは、彼らの性格、気質、スタイル、そして実際に彼らが仕事をする方法が、これ以上にないというくらいに違っていたことです。

写真を使ってそれぞれについて少しお話ししたいと思います。

リーダーはそれぞれ異なる

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この人はJohn Lassiterです。Johnは外向的なアーティストでした。彼はコミック漫画を勉強し、アニメーション学校に行きました。騒々しくて楽しく、愛情豊かで、おもちゃが大好きです。彼は膨大なおもちゃのコレクションを持っているんです。写真の後ろにそれが写ってるのがわかるでしょう。

彼は感情的で、エネルギッシュで、どのような気分なのか、いつでも表情から読みとることができます。ワインとおいしい料理が大好きで、仕事以外に数十もの趣味がありました。また彼は自分の時間を特にうまく管理してはいませんでしたし、常に物事に入れ込みすぎていました。周りの人たちにはたくさんの愛情を示していました。全員にハグをし、毎日ハワイアンシャツを着ていました。

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Ed Catmullは一方で、内向的な科学者でした。彼は博士号を持っていました。ユタ大学でコンピューターグラフィックスを学び、1974年にいつかアニメーション映画を作るという夢を持って卒業しました。彼は静かで、思慮深く、非常に落ち着いていて、決して反射的にはなりませんでした。何を考えているのかは読みとったり解読するのが難しい人です。

また、本当に健康志向でした。彼はなんというか、ちゃんとした生活をする人でした。酒は飲まず喫煙もせず、きちんと食べ、そして信じられないかもしれませんが、仕事以外の彼の主な趣味は一週間静かな瞑想リトリートに行くことでした。

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皆さんはSteveについては知っていますね。彼は大学を中退し、人生の中で誰か他の人のために働いたことはありませんでした。

会議では歩き回り、魅力的な存在を示しました。烈しい気性の持ち主で、せっかちで、とてつもなく速く歩きました。彼が人との絆や愛や情を示す傾向はあまりありませんでした。職場でハグをするのを見たことが全くありません。本当に尖ったことを言いましたし、攻撃的でした。彼はいつも答えを得るために急いでいました。彼は独特のエネルギーを持っていて、思考とコミュニケーションの明確さは本当に驚くべきものでした。

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そして最後にBob Eiger。BobはDisneyのCEOでした。Steveとは異なり、最終的にCEOになる前に同じ会社で30年以上を過ごしました。彼は外交的であり、上品で、忍耐強く、賢く、穏やかで、威厳がありました。彼の下について働きたいと人が望むような信頼感と名高さを発しているような人物で、本当に本当に高い感情的知性(emotional intelligence)を持っていました。

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これはディズニーがPixarを買収したことを発表した当日の4人の写真です。
この写真を見ると、この4人の男は非常にうまく一緒に働いていたと思います。でも高校や大学で出会っていたら、友達にはなっていなかったでしょう。芸術家と科学者、ヒッピーとアスリートがいたとしたら、学校の同じサークルの中で過ごしたりはしないでしょう。

リーダーは異なる

ですから、この人たちと仕事をすることで多くのことを学びました。それは、リーダーシップについての最初の洞察へと私を導いてくれたのです。それはつまり、

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偉大なリーダーをつくる人格タイプが一つあるわけではないということです。 本当に特定のモデルはあるわけではないんです。

考えてみるとこれは素晴らしいことで、というのは、さまざまな性格の人々がすべて、優れたリーダーになろうと努力できるからです。偉大なリーダーになることを可能にする、またはリーダーの適格者から弾くような遺伝子のセットや特定の人格タイプというのはありません。

またこの洞察からに他に読み取れることは、スタートアップのリーダーになるための探求において、あるいはより偉大なリーダーになりたいという願望があっても、皆さんそれぞれが自分自身に正直でなければならないということです。

皆さんは嘘がない自分自身であらねばなりません。他人になろうとすることも、他人の性格やスタイルをコピーして偉大なリーダーになろうとすることもできません。皆さんはSteve Jobsのようになろうとすることはできないんです。

その理由は、私たちは実際、人間として非常に発達した感覚があり、他の人のごまかしを検出することができるからです。本物ではないと思う人にはフォロワーがつかないのです。

こういうことが私が共有したいと思った2番目の洞察に繋がります。

リーダーは三つの点が優れている

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すべての性格タイプの人が優れたリーダーになり得るという事実にもかかわらず、性格の様々なバラエティにもかかわらず、すべての素晴らしいリーダーは、以下の3つのことを最高レベルで行わなければなりません。

1. 明快さ

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1つは、優れたリーダーは明確に考え、コミュニケーションをとるということです。

リーダーとして、他の人が理解して従うことができる未来の魅力的なビジョンを描く必要があります。これは、3人の新興企業であり、共同創業者や初期の社員のモチベーションをあげようとしている場合にも当てはまりますし100人規模の会社、1000人規模の会社なんかになった場合は、さらに気を配らなければなりません。リーダーとしてのコミュニケーションに関する重要なことは、コミュニケーションのシンプルさが不可欠であるということです。

PixarでのSteve Jobsの能力に驚いたことを覚えています。彼は私たちが議論していた最も複雑な問題を取り上げ、それを核心に向かって単純化し、複雑なものを分解して本当に重要なものに分け、どのようにアプローチするべきか を「1番目に、2番目に、3番目に」と整理できたんです。

まるで私たち全員が暗闇の中で座っていて、そこにランタンを持っている人が一人おり、それがSteveであるようでした。その明快さの能力をもって、彼は理解しやすく、物事が正しく聞こえるように説明をすることができるので、皆彼の言うことに従いたくなるんです。

私がシンプルさで気に入っているもう1つの例は、AmazonのJeff Bezosです。彼はかつて、地球上の製品のすべてのカテゴリーではないにしても、ほぼすべてのカテゴリーを網羅していると言えるアマゾンのリテール・ビジネスで、重要なことは3つだけだと言っていました。

まず、低価格。第二に、幅広い選択、そして第三に、迅速な配達。消費者が気にするのはこれらの3つだけ、常にこれら3つのことを気にかけています。 そのため、これら3つの領域でAmazonの社員がAmazonのパフォーマンスを向上させるために行うことは何でも、Amazonの戦略と一致していました。

そのシンプルさは、最初からアマゾンのリテール戦略の基盤として存在していました。素晴らしいコミュニケーション方法です。

さて、BezosとJobsは明らかに非常に高水準の基準を設定しましたが、私は皆さんにそう人の誰かそっくりになることを教えるためにここにいるわけではありません。しかし、皆さんがコミュニケーション能力を向上したいなら、皆さんが最初にすべきことは、一歩下がってもっと考える時間を自分自身に与えることです。

Steve Jobsでさえ、AppleとPixarの両方を経営するのにベストを尽くしたときでも、彼の時間の半分、スケジュールの半分は予定を入れておらず、会議が詰め込まれているわけではない、とかつて言っていました。

彼は考える時間をあえてカレンダーの予定として作りました。スタートアップを始めるとなったら、それは本当に難しいことでしょう。事業の動きは激しさを増し、皆さんはいくつもの方向から引っ張られるはめになるでしょう。そして、考えることだけに時間を費やすことは非常に困難になります。

メールに返信することについて言っているのではありません。将来を考えて計画する時間を意味します。コミュニケーションについて計画しましょう。何を言ったらいいでしょうか。皆さんの考えを明確に説明するにはどうすればいいですか?

これに関する私の最善のアドバイスは、自分自身強制的に1日1時間、または最初は1日おきに1時間とるようにし、考えごとだけに没頭する時間をカレンダーの中に増やしてみてください。散歩に行く。机に向かう。明快な考えを持つのに役立つことを何でもする。そういうことに時間をかけてください。コミュニケーションをよりうまく行うことができますから。

天然の才覚を持っている人もいますが、練習を積んで考える時間を与えれば誰でも上達することができます。そして、ここでのコアとなる洞察は、思考の明快さは常に言語も明快にするということです。

2. 人に対する優れた判断

偉大なリーダーが行う第二の行動は、

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人にたいして素晴らしい判断を示すということです。数週間前にBenod Coslaのトークで、最初に雇用する10人は非常に重要だといったと思いますが、そのとおりです。

スタートアップを成長させたいと思ったら、特定の役割のために雇う社員についてだけでなく、さらにもっと権威と力(authorityand power)をもつ社員を雇うことについて、いい判断をしなければなりません。昇進してもらい、マネージャーに、そしてリーダーになってもらいたいと、あなたが決めるような人たちです。

そこで悪い判断をした場合、間違った人を選んだ場合、会社に間違った人を連れてきた場合、決して偉大なリーダーに成長することはできません。コミュニケーションのように、人を見る直観を改善し、発展させることができます。ここでも練習と経験が役立ちます。

多くの人は、会社を始めるときに初めて人を雇うことになるでしょう。だからアドバイスをしたいんですが、それは絶対急がないということです。時間をかけて、雇おうと思っている人を知ってください。理想的には、すでに知っている人を共同創業者と初期社員にすることから始めてください。

何に価値を置くかの観点が揃っていることが重要です。この人はコーディングができるか、や、この人は仕事を成し遂げることができるのか、だけではなく、長期的に働いてくれる人を雇おうとしてください。候補者を知るために時間をかけてください。

大規模なスタートアップがリーダーシップをとることになる最初のメンバーを採用する時に20、 30時間を一緒に過ごしてから雇用を決めることは珍しくありません。そのように、誰かを知るために時間を費やすことは本当に重要です。何を大事だと思うのかという価値観で結びつきを作ろうとすることも。価値観の足並みが揃っているか、長期的に仲良くできると思うか。能力と同時にそのような要素を評価してください。

直観を発達させる上で非常に重要なことの2つ目は、あなた自身が「優れているとはどう言うことか」を理解するために、専門分野において絶対的に優れている人々に会おうとすることです。たとえその人たちを雇うことができなくても。ここでも、これに多くの時間を費やした創設者の例はたくさんあります。

しかし、出会う人が多くなればなるほど、すばらしい人に出会う機会が多くなるほど、そういう特徴を他の人から検出する能力をチューニングして行く必要があります。

最後に、採用の多くはうまくいきません。どんなにうまくやっても、です。社員を入れ替えなければならなくなるでしょう。会社を出て行ってくれるように頼まなければならないでしょう。そういうことは迅速に行うようにしてくださいね。

勇気をもって、誰かとうまくいかなかったたびに、そして誰かとうまくいったたびに、学んだ教訓について熟考するようにしてください。皆さん自身のプロセスと、どのように人々を会社に連れて行くことを決めたかについて熟考してください。

3. 誠実さとコミットメント

最後の洞察は、

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偉大なリーダーは並外れた誠実さ(integrity)とコミットメントを持っているということです。誠実さとは、自分よりも大きく、重要な何かを背負うことです。それは、自身の個人的な富や名声よりもはるかに大きな使命を達成することや、えこひいきや利益相反、不適切な言葉遣いの使用、仕事での不適切な関係を持つなどの、全員の信頼を損なうような行動を避けることを意味します。

この誠実さへの主な基準ラインは、周りの人とのコミュニケーション、つまり電子メール、口頭でのコミュニケーションなどすべてを考慮しているか、すべてが全員に対して透明性のあるものか、です。皆さん、かつての言動で恥ずかしくなったことはあるでしょうか?

その基準に自分自身をもっていこうとすることがとても大事です。

コミットメントが意味するのは、仕事そして自分のスタートアップを、他の人々に刺激を与えることができるライフ・ミッションにする、ということです。コミットするということは、自分のすべてをそこに注ぐことになります。

それはとてもインスピレーションになることなんですよ。リーダーが大きな目的にモチベーションを持ち、その目的を達成するために全力を尽くすのを見た人には、それ自体が動機付けになります。

反対のことを考えると、利己的な目的に動機付けられている人、手を抜いている人、怠けている人、倫理的な弱さが見える人を知ったとしても、そう言う人は皆さんがフォローしたい人ではありませんよね。皆さんが素晴らしいリーダーになりたいのであれば、自分自身をこの基準上で保持することが、本当に大切です。

信頼が最も重要なメトリクス

さて、お伝えしたい最後の一項目と、最後に締めくくりの前のアドバイスを皆さんに残しておきたいと思います。

f:id:foundx_caster:20200316002203j:plain結局のところ、優れたリーダーを1つの項目だけで評価したいとき、リーダーにとって最も重要な成功指標は、「信頼」だと思います。信頼はあいまいな概念ですが、ここで言っている「信頼」はそのいろんな意味を全て含みます。すべてのリーダーの仕事は信頼を築くことと言えます。

社員、投資家、顧客、ユーザーに対する信頼を構築することであり、そして信頼の構築をするのは体系的にデータを集めて行うことでもあり練習によって上達することでもあります。

信頼はアートでありサイエンスである

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体系的に解き明かしていく部分はそれなりに簡単です。経験的(empirical)な質問に答えなければならないときがそうです。例えば構築すべきテクノロジーは何か、製品の方向性はどうすべきか、市場でどのようなパートナーシップを打ち出すべきか、を考えなければならないときなどが当てはまります。

こういうとき、正しくなければならないでしょう?それは仕事能力の問題です。また、それは皆さんの人事判断に関しての能力の問題でもあります。皆さんは、雇用と昇進の両方で人事判断をするのが得意でしょうか?

信頼を得るための技の鍛錬はそれより難しいです。共感を示し、良いタイミングをつかみ、正しい言葉を選び、異なる人々にそれぞれにあった正しい方法で対処することが大切です。

そしてこれは、私が先に述べた誠実さとコミットメントについても関連しています。利己的または自己中心的な理由ではなく、自分よりも大きな何かのために存在する、という態度ですね。

たぐいまれな信頼を得ているリーダーにあった時...そう皆さんの私生活で、付いていきたいと一番思える人を考えてみてください。その人が友人であるか家族であるかどうかにかかわらず、一番深い信頼を持っている人です。たぶん両親以外を考えるのがいいですね。信頼というのは非常に強い絆になるので、皆さんはそのよう人がいうことを聞いて従いたいと思うでしょう。

さてここで皆さんとのお別れの前に一つアドバイスがあります。

信頼に最適化する

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皆さんが前に進むたびに、スタートアップを構築していくにつれて、それは成功するかもしれませんし失敗するかもしれません。失敗したらもう一度やって見るでしょう。この先つらい時を過ごすでしょうし、願わくば楽しい時を過ごすでしょう。その過程でいつも、信頼を構築することを一番において試みてください。

皆さんはこれから多くの難しい決断をしなければなりません。もしスタートアップをスケーリングするなら、解雇もしなければなりません。社員とクライアントに対して間違いを認めなければなりません。彼らのアイデアに同意しない時は、ノーと言わなければなりません。

皆さんがリーダーとして直面しているすべての課題を、信頼を高める機会として観察するようにしてください。

行動の方向性を常に比較評価することになるのですが、その時に一番すべきだと私が思うのは、どのルートを取ればリーダーとしての自分に一番信頼が得られるかを自問して、常にその道を選択することです。ご静聴ありがとうございました。では質問を受け付けたいと思います。

Q&A

Speaker 7
Steveは、どこでそんなに明確にコミュニケーションをとる方法を学んだか言及したことがありますか?それとも天然の才覚だったんですか?

Ali Rowghani 
Steveは皆さんご存知のように、起業家として非常に早い段階でスタートを切りました。Steve Jobsと Bill Gatesが一緒にしゃべっているインタビューがありますよ。まだ見ていないとしたら、お勧めします。

Steveが言ったことですが、SteveとBillの共通点として、彼らが動き出した初期の頃、彼らはどこで会議をしても会議室内で最年少だったことです。そして、最年少者として、自分が正しいと他の人を説得しようとするのはとても難しいことでした。

彼の場合、私が彼に会うまでの間に何年も何年も練習を積み重ねていたんだと思います。彼が特定のテクニックを持っていたかどうかはわかりませんが、私はこれらの才能の多くが自然にもたらされたものだと思いますが、練習は間違いなく役立ちます。それから、間違いを犯したことに気付くため、高い意識を持つ人の周りにいておくことも助けになります。

もう1つ質問をとりましょうか? はいどうぞ。

Speaker 9
この4人のモチベーションの背後には別々の理由があったんですか?

Ali Rowghani
はい、もちろん。

Speaker 9
それらはどういうものでしたか?

Ali Rowghani
推測するのは難しいですが、それでは、JohnとEdについてお話します。彼らを一番よく知っているので。

Johnは、何よりもまず素晴らしい映画を作ることで、視聴者の家族を結び付け、その関係を永遠に続くようにする、ということに熱意を持っていました。彼はよく「白雪姫を除いて、1937年に制作された映画のタイトルを一本でもあげれる人はいないだろう」と言っていました。1937年でしたっけ?とにかく1930年代ですね。

「仕事をきちんとやれば、映画は永遠に生き続ける」と彼は言っていました。彼はまた、自分が行ったことを楽しむことから、やる気をもらって仕事をしていました。本当に人生から得ることができるすべての喜びを楽しみ尽くすような人でした。私が見るに、彼の最大級のモチベーションはそれだったと思います。

Edはよく学び、よく考える人だと思います。彼のモチベーションは、繰り返し成功し、素晴らしい映画をなんども制作できるような組織を作りたいということだったと思います。彼は組織を考える人だったんです。彼はもちろん素晴らしい映画を作りたいと思っていたし、技術者でもあったので、私たちがソフトウェアを作っているのをとても気にかけてくれました。

しかし、基本的に彼は、Pixarを、ほぼ不可能に思われるような創造的成功を続け、繰り返し成功できる組織として構築したくて、それの根拠と作り方を理解したかったのだと思います。

そう、モチベーションというのは一人一人違うものです。いくつかの共通の価値観、いくつかの共通の願望は間違いなくあったと思いますが、それぞれのリーダーは特定の動機を持っていました。

そちらの方、どうぞ。

Speaker 10
写真を見せてくださった時、4人の創業者がひとつの高校にいたとしたら、彼らはたぶん一緒にはつるんだりしないだろうと言いましたね。私たちは起業の初期段階なので、ほぼ高校にいるようなものなんです。四人のリーダーは自発的に集まっていますよね。どうやって多様な背景のある人々に一緒に働いてもらうバランスをとることができますか?

Ali Rowghani
皆さんがまだ初期のスタートアップであるときにはそうすべきではないと考えます。最初はすでに繋がりがある人で、一緒にうまく働くことができ、一緒に仕事をやり遂げられそうだとあなたが思える人を雇うべきです。

お話しした4人の多様性に関する要点は、この部屋にいるすべての人に関係することです。ぜったい多くのちがう性格タイプがあるでしょうから。皆さんが、内向的であるか外向的であるか、ひょうきんか真面目か、皆さんが学んだことがなんであれ、どのような背景をお持ちであれ、性格のタイプが皆さんが偉大なリーダーになるのを妨げるとは思いません。

これは本当に押さえておきたいポイントです。決してこの四人のような多様な人材を初期メンバーとして雇用するべきだと言っているわけではありません。そうすることはおそらく間違いでしょう。

はい、ありがとうございました。

 

記事情報

この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
動画: How to Raise Money, and How to Succeed Long-Term - CS183F (2017)

トランスクリプト: How to Raise Money and How to Succeed Long-Term - Aaron Harris, Jess Lee and Ali Rowghani

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