マネジメントをするうえで最低限やるべきこと (Sequoia Capital)

人々は製品を作ります。人々はブランドを作ります。人々はセールスをし、実行します。そして人々に成功してもらうことは、どの企業にとっても、あなたにできる最も意義のあることです。もし人を管理することがあなたの仕事の一部となったなら、それがもっとも重要な役割です。

しかしそれを教えてくれる人は誰もいません。会社は準備やプレイブックなしに、人を管理職の役割に放り込みます。ほとんど行き当たりばったりです。しかしあなたにはもっと多くのことを知る必要があります。

このガイドでは、人々を管理する際に最低限やるべきことについて取り上げます。それらは、適切な人材を見つけることから、その人材の成功を助けることまで、誰かを管理する一連の仕事全体に関わる実用的なベストプラクティスです。お金や手間がかかるようなものはなく、しかもこれ以上大事なことは他にありません。

人材を見つける

注意:キャリアを通じて人材採用を専門に考えている人たちもいます。さらに詳しい内容は求人ツール用プレイブックを参照してください。以下のポイントは入門編としてお読みください。

ジョブディスクリプションを書く:人材を探す前は常に、自分が何を探しているのか書き留めましょう。具体的に書いてください。そのジョブディスクリプションを公開することもしないこともできますが、書き留めることで自ずと考えが明確になります。

違った人を探す:自分自身のネットワークを越え、周辺の人のネットワークを探しましょう。そうすることで、候補者のプールに深さと多様さを加えることができます。あなたのチームに欠けている視点をもたらす候補者を探しましょう。

5つの最優先基準に集中する:そうすることで、候補者の重要な側面だけを見て、一貫した評価が可能になります。基準を明確に決めてから面接を始めましょう。

応募者のように行動する:面接の準備をしましょう。前もって候補者のバックグラウンドを見直し、よく考えた質問を3~5個見つけておきます。あなたの会社が候補者の関心を獲得しようとしているのであって、その反対ではないことを忘れないでください。

私が面接時に使う5つの質問:

  • あなたの特に優れた能力は何ですか?あなたを際立たせているものをここで活用できるとしたら、会社をより強くすることができますか?
  • 誰にでも弱みや、あえて無視していることがあります。あなたが時々はやらなければならない不得意なことや、興味のないことは何ですか?
  • あなたの夢や野心は何ですか?
  • なぜこの会社?なぜこの役職?なぜ今?
  • 役職によって:どのように私たちの製品を改善しますか/どのようにマーケティングに取り組みますか/この会社での採用活動についてどのように考えますか?

採用

面接を健全に保つ:面接はチームとしてではなく、1対1で行いましょう。面接担当者を用意しましょう。各候補者の評価やランク付けは単独で行ってください。最終的には全ての意見を組み入れますが、それをグループでの意思決定に任せてはいけません。情報をよく検討し、役割、自分が設定した基準、および自分の直感に基づいて意思決定しましょう。

権力をダイナミックに逆転させる:採用における権力と権限は当然ながら雇用する側が持っています。それをダイナミックに逆転させ、あなたも採用される側の優秀な人たちに面接されているということを肝に銘じましょう。できるだけたくさんの質問を求め、それに答えましょう。候補者があなたの会社のビジネスに対して持っている興味を探るのです。採用する人たちには状況をよく把握してもらい、マネージャーとして、または会社そのものとしてのあなたを積極的に選んだ上で入社してもらう必要があります。彼らはより多くのことを把握しているほど、初日からより多くの力を発揮するでしょう。また、あなたの仕事をより上手く実行する方法について、無料で有益な助言が得られるかもしれません。

脅威に感じない:与えられた役割について自分より優秀な人を雇いましょう。マネージャーは自分のチームにいる他の人たちと同じくらい優秀なだけです。

リファレンスを掘り下げる:候補者本人だけでなく、本人以外のルートでも、過去の失敗や、強みと弱みについて尋ねましょう。候補者が辞めた理由、またはそれ以上昇進しなかった理由を聞きましょう。候補者について消えていない懸念や疑問に焦点を当ててください。もし誰かを採用する方向で準備しているなら、候補者と話をまとめるのに役立つ方法や、職務に就いた後で候補者の成功に役立つ方法について助言を得るために、リファレンスを利用することができます。話を終わらせる時は常に、共有したいことがまだ他にあるかどうか聞くようにしましょう。一呼吸おいて、耳を傾けましょう。

一部は棚上げにしておく:私の素晴らしい祖父は常に、「交渉しなさい。ただし、一部は棚上げにしておきなさい」と言っていました。これは、どちらの側にも当てはまります。反感を持ったまま仕事仲間になるのは、賢いやり方ではありません。たいていはその後一緒に過ごすことで、誰でも全ての感情を外に出すのに十分な時間があります。

候補者に求められていると感じさせる:できれば、本人に直接オファーを出しましょう。個人的なメッセージを書き、個人的なギフトを贈ることで、候補者をチームに歓迎しましょう。どのように始めるかが、仕上がりを決める基準となり得ます。

初日

新たな社員を迎える前に揃えておくべきもの:コンピューター、および

  • 会社と仕事に関する関連資料
  • 最初の1ヶ月間に会うべき人たちのリスト
  • ジョブディスクリプション
  • 個人面談のスケジュールと期待すること
  • 最初の2週間に行うミーティングのリスト
  • 会社や、マネージャーとしてのあなたについて新入社員が知っておくべき全てのこと
  • 初日からチームの一員であると感じさせるような個人的な歓迎メッセージ

資料を読み、落ち着くための時間を与える:初日に最低2時間は確保しましょう。

紹介する:新入社員を連れてオフィスのあちこちを歩き、紹介しましょう。最初の1週間、または必要に応じて、ミーティング時にも同じように紹介しましょう。

人事担当者に会う:必要な全ての書類を片付けましょう。

ランチに連れて行く:あなたと、新入社員と、別のチームメンバー1人か2人でランチに行き、彼らの質問に全て答えましょう。

期待することを決める:その日のうちに面談して、最初の3ヶ月間にあなたが期待することを共有しましょう。具体的な仕事やプロジェクトだけでなく、全般的なコミュニケーションへの期待や、個人面談、方針、手続きなどについても話し合いましょう。

翌日への意欲を持たせて当日を終わる:この会社に入った自分の決断に自信を持たせ、あらゆる理由で2日目以降も戻って来たいと思わせて家に帰しましょう。

また、オンボーディングに特化したこちらの記事も参照してください。

継続して行うこと

定期的に個人面談を行う:質問はチームメンバーから出されるでしょうが、マネージャーとしても主な質問を用意して臨みましょう。進捗状況を見直し、成果をチェックしてください。また、この時間を戦略に関する話し合いや構想の策定に使うこともできます。専門能力開発の目標を確認し、向上のための方法を見つける手助けをしましょう。面談の適切な長さと間隔は人により異なり、時間と共に変わります。まずは週2回ほど行い、徐々に月2回ほどに減らしていくのが適切でしょう。障害になっていることを取り除くためにあなたに何ができるか、尋ねましょう。

1つのことを知る:直属の部下は誰でも、その週やその期間にすべき「1つのこと」を知っているはずです。すなわち、「もし他に何もしないとしたら、仕事に最も劇的な影響を与えるために今週するだろう1つのことは何ですか?」というものです。その1つは当然重要なことですが、常に大至急やらなければならないようなものではありません。通常それは先延ばしにされがちですが、もしメールや気晴らしの前に本腰を入れて取り組めば、1日で終わるようなものです。チームメンバー一人ひとりの1つのことを知っておきましょう。彼らにそれを確実に把握させ、優先させ、実行させましょう。私は過去数年にわたりこのことを実践してきましたが、仕事の重点をはっきりさせるのに役立っています。

年に最低1度の評価を行う:1年を通して(ポジティブで建設的な)フィードバックを提供しましょう。しかし私は、半年に1度でいいので、両者で合意したことの年間計画について進捗状況を評価することをお勧めします。強みと開発が必要な分野を共有し、主な同僚から情報を求めましょう。また、この時間を使って、マネージャーとしての自分自身や、全体的なチームワークの状況に関するフィードバックももらってください。そのようにして全方位から学ぶことで、より良いチームを作ることができます。

3:1フィードバックを提供する:ずいぶん前に私の同僚のLori Ogden Mooreが、次のような思いやりのある誠実な言葉を私に思い出させてくれました:人間はポジティブなフィードバックによってやる気が出ます。あなたはこの真実を利用すべきです。1つ提言を行うたびに、その人の仕事ぶりについて良い点を3つ強調するように努力しましょう。(やり取りするたびではなく、常日頃の付き合い全体を通して。)この方法でフィードバックを受け取った人は、それを聞き入れ、改善することがずっと実行しやすくなります。また、信頼感と親密さを築くこともできます。

思いやりのある誠実さを使う:多くの人が遠慮なくはっきり物事を言うべきだと言いますが、そのような率直さはしばしば残酷さにつながります。もしあなたが誰かをもっと良くしたいと思い、チームを推進して収益を伸ばしたいと考えるなら、残酷になっても決してあなたの意図した効果は達成されません。「思いやりのある誠実さ」は率直であることを支持しますが、この方法によって人々は、テーブルの向こう側に座るあなたのフィードバックを聞き入れ、前向きに捉えることができます。Kim Scottも「過激な率直さ」の中で有益な助言をしています。

チームの急ぎの仕事と重要な優先事項を管理する:チームに物事を頼む時は常に気を配りましょう。時間的なプレッシャーを与えれば、重要なことを犠牲にして急ぎの用件でチームを疲れ果てさせてしまうかもしれません。できれば、急ぎだけれど重要度の低い仕事を省き、そのための努力の一部を大事なプロジェクトに向けさせましょう。そのようにしても通常は個人にそれほどやる気を起こさせるものではありませんが、会社を前進させる仕事を優先することができます。

キャリア開発

これは私が真摯に受け止めていることです。そして私のやり方は、いくぶん従来の方法とは離れたものです。私はマネージャーとしての自分の仕事を、誰かが今から3~10年はそこにいたいと思える(会社内または会社外の)場所を知り、その場所に行けるように助けることだと考えています。それはつまり、人々を最も野心的な目標や個人的なビジョンに向かって前進させる、専門能力開発のチャンスを見つけることです。

もし私が、人々が自分のキャリアや生活の中で自分の夢を達成するのを助けることに高い優先順位を置けば、当然の結果として彼らは現在の仕事でも成功すると私は信じています。しかし、これは普通のやり方ではありません。大部分のマネージャーは、現在のこの仕事で成功する個人を必要とし、それ以上やそれ以外のことは守備範囲外という立場を取ります。彼らはその個人の視点に立ってはいません。彼らはチームに自分のニーズを押し付けているのです。それは結局のところ、管理される人、マネージャー、そして会社、誰の利益にもなりません。

前提条件をより高次元に置くのは、その個人にとって適切なだけではなく、ビジネスにとってもより優れた結果を生みます。チームメンバーが自分の個人的な成功の最も幅広いビジョンに向かって前進するのを助けることで、あなたは彼らとの信頼関係を築き、刺激を与えることができます。あなたは彼らに対し、今の仕事であなたのためにベストを尽くしたいと思わせる深い忠誠心を生み出します。あるいは、その仕事が合っていないということに早く気付くことができます。それは、個人にとっても会社にとっても良いことです。

優れたマネージャーは、現在の役職や仕事リストだけでなく、一人の人間全体をコーチします。そして優秀な人たちを雇うための最高の方法は、自分が優れたマネージャーであると知ってもらうことです。だから従業員の目標となる「北極星」が何なのか知り、そこに向かって彼らが計画を立てるのを助けることを自分の仕事にしましょう。

覚えておいてください:会社は1人でも始められますが、長続きする会社を作るには人々のチームが必要です。人材を見つけ、チームを育てることに、製品を作り上げるのと同じだけの時間を投資しましょう。それがあなたに良い結果をもたらします。

 

著者紹介 

Sequoia Capital (Medium)

アイデアから IPO、そしてそれを超えて、Sequoia は大胆な創業者たちが、伝説的な起業を作ることを助けます。

記事情報

この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文: Table Stakes for Managing

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